講座やサービスの案内文を書くとき、どれくらいの長さにすればいいのか迷いますよね。「長い文章は読まれない」という話もあれば、「しっかり説明しないと売れない」という話もある。結局どちらが正しいのか分からず、なんとなく前回と同じ書き方で済ませている方も多いと思います。
そして、同じ書き方をしているのに、ある商品の案内には申し込みが来て、別の商品の案内にはまったく反応がない。その理由が分からないまま、言葉づかいや見出しをいじり続けてしまう。こういう悩みもよく聞きます。
結論から言うと、案内文の長さと書き方は、商品ではなく「読む人との関係の深さ」で決まります。まだあなたをよく知らない人には、丁寧に歩み寄る長い説明が必要です。すでに信頼してくれている人には、短い案内で十分なことがあります。どちらが正しいかではなく、相手によって正解が変わるのです。
この記事では、同じ書き方が通用しない理由、初めての人向けの案内文が説明的になる理由、関係の深さで書き分ける3つの基準、そして次の商品の説明を先に済ませておく考え方を解説します。
同じ書き方が、すべての商品に通用しない理由
案内文の書き方には、たくさんの型があります。どれも役に立つものです。でも、1つの型をすべての商品にそのまま当てはめると、うまくいかないことがよくあります。
理由は、商品ごとに読む人との関係がまったく違うからです。
| 読む人 | あなたとの関係 | 案内文に必要なこと |
|---|---|---|
| 初めてお金を払う人 | まだよく知らない、少し警戒している | 疑問と不安に先回りして答える丁寧な説明 |
| 一度商品を受けた人 | 中身や人柄をある程度知っている | 前の商品との違いと、次に得られることの説明 |
| 長く付き合っている人 | 深く信頼している | 要点と申し込み方法だけの短い案内 |
初対面の人と、長年の友人とで話し方が違うのと同じです。長年の友人には「今度これやるけど、来る?」で通じますが、初対面の人に同じことを言っても、「この人は誰で、それは何なのか」が分からず、話は進みません。案内文の長さは、相手があなたをどれだけ知っているかの裏返しです。
初めての人向けの案内文は、説明的になっていい
初めての人に向けた案内文は、どうしても説明が長くなります。それで構いません。むしろ、丁寧に説明すべきです。
まだあなたを知らない人は、案内文を読みながら「この人は誰だろう」「本当に信頼していいのだろうか」「自分に合うのだろうか」と考えています。警戒しているのが普通です。そんな相手に、短い文章で「おすすめです、申し込んでください」と伝えても、心は開いてもらえません。
だからこそ、書き手の方から歩み寄ります。相手が抱きそうな疑問や不安を先回りして言葉にし、1つずつ答えていく。講座で何が得られるのか、なぜそれが相手に必要なのか、どんな人がどう変わったのか。ここを省くと、せっかく興味を持ってくれた人が、入口で引き返してしまいます。
説明的といっても、ただ長くすればいいわけではありません。読む人の疑問の順番に沿って、必要な説明を必要な分だけ置く。その結果として長くなる、という考え方です。
初めての人向けの案内は「何度も読まれる」前提で作る
初めての人向けの案内文には、もう一つ特徴があります。読まれる期間が長いことです。
すでに関係のある人への案内は、「今だけのご案内です」と短い期間で終わることがあります。読む機会は一度きりかもしれません。一方で、初めての人向けの案内は、発信やメールで少しずつ知らせながら、何日もかけて読んでもらうことが多くなります。
たとえば、次のような流れです。
- 予告する:「今、こういう講座を準備しています」と、存在だけを先に知らせる
- 先に読んでもらう:申し込みを始める前に、案内文を公開して「まずは中身を読んでみてください」と伝える
- 申し込みを始める:読んで検討してくれた人が、落ち着いて申し込めるようにする
この流れの中で、読む人は案内文を何度も読み返します。だから、一度読んだだけでは分からない深さや、読み返すたびに納得が増す組み立てを意識しておきます。最初は流し読みした人が、二度目にじっくり読み、三度目に申し込む。そういう読まれ方を前提に作るのです。
関係の深さで書き分ける3つの基準
ここまでを踏まえて、案内文を書き分けるための基準を3つにまとめます。
基準1:相手は、あなたをどれだけ知っているか
最初に確かめるのは、読む人があなたをどれだけ知っているかです。
- 初めての人:自己紹介、考え方、実績、お客様の声まで、丁寧に入れる
- 一度受けた人:自己紹介は短くし、前の商品とのつながりを中心に書く
- 長く付き合っている人:要点と申し込み方法を中心に、短くまとめる
同じ講座でも、初めての人向けと、以前の受講者向けで、案内文を分けて用意してもいいくらいです。
基準2:相手には、読む時間がどれくらいあるか
次に、相手が案内文を読む時間を考えます。何日もかけて検討できる案内なら、じっくり読める説明を用意します。反対に、商品を受け取った直後など、その場で決めてもらう案内なら、説明は短く、何が得られるかを一目で分かるようにします。
読む時間が短い場面ほど、それまでの関係の中で説明を済ませておくことが大事になります。 これが3つ目の基準につながります。
基準3:次の商品の説明を、どこで済ませておくか
3つ目の基準は、その先に案内する商品の説明を、どの段階で済ませておくかです。
次の商品を案内するとき、その商品が何で、なぜ必要なのかをゼロから説明しようとすると、案内文は長くなり、相手も疲れます。そこで、最初の商品の案内文や中身の段階で、次の商品につながる考え方を先に説明しておきます。
たとえば、最初の講座の案内文で、「なぜ一人で続けると止まりやすいのか」「進み具合を誰かに見てもらうと何が変わるのか」を説明しておく。そうすれば、あとで個別サポート付きの講座を案内するときは、「前にお話しした、進み具合を見てもらう仕組みを用意しました」という短い説明で伝わります。
反対に、最初の商品と関係のない商品を突然案内すると、相手は戸惑うだけです。次の商品は、最初の商品の延長線上に置き、その説明は最初の段階で種をまいておく。 これが、案内のたびに長い説明をしなくて済む秘訣です。
たとえば、手帳の使い方を教える人がいたとします
例を出してみます。手帳を使った時間の整え方を教える人がいたとします。最初の商品は短い講座、その次は数か月の個別サポートです。
最初、この人は短い講座の案内文を、要点だけの短い文章で書いていました。自分の発信を読んでいる人なら分かるだろう、と考えたからです。ところが、申し込みはほとんど来ません。案内文を読んでいたのは、発信を見始めたばかりの人が多かったのです。
そこで、初めての人向けに書き直します。自分がなぜ手帳で時間を整えるようになったのか、講座で何ができるようになるのか、どんな人に向いていて、どんな人には向かないのか。よくある質問への答えも添えます。そして、「一人で続けると、3週目あたりで止まりやすい」という話も案内文の中に入れておきます。
講座のあと、個別サポートを案内するときは、案内文は短くて済みました。「講座でお話しした『3週目の壁』を一緒に越えるためのサポートです」と書けば、受講者にはすぐに伝わります。講座を受けた人はすでにこの人の考え方を知っていて、何が必要なのかも理解しているからです。
書き分けるときにやりがちな3つの失敗
書き分けを意識し始めたときに起きやすい失敗も、挙げておきます。
- 長さだけを変える:初めての人向けに文字数だけを増やしても、疑問に答えていなければ読まれません。増やすのは、相手の疑問への答えです
- 既存のお客様への説明を省きすぎる:関係があるからといって、何が得られるのかまで省くと、「なぜ今これを勧められるのか」が伝わりません。短くても、得られることと理由は必ず書きます
- 読む人を確かめないまま書く:自分の発信を長く見てくれている人が読むのか、見始めたばかりの人が読むのか。そこを確かめずに書くと、長さの判断がずれます。案内文を出す場所と、そこに来る人を先に確かめます
書き分けは、テクニックというより、相手を見ることの延長です。
案内文の前に、関係を育てておく
ここまで見てきたように、案内文の長さは、それまでにどれだけ関係が育っているかで決まります。言い換えると、案内文を書く前の関わりが、案内文の書きやすさを左右しているということです。
私がチャレンジ企画でやっているのも、この考え方です。募集文は、まだ私を知らない人に向けて、丁寧に説明的に書きます。募集文の組み立ては、申し込みが来る募集文の11の構成で解説しています。そして3日間を通じて、考え方も教え方も知ってもらったうえで、最後に個別相談で次の商品を案内します。その段階では、長い説明はほとんど要りません。個別相談の進め方は、売り込まずに選ばれるカウンセリングセールスの10ステップにまとめています。
案内文を上手に書こうとする前に、相手との関係がどの段階にあるかを確かめる。それだけで、書くべき長さと中身は自然に決まってきます。商品をどんな段階で並べるかは、バックエンド商品の3段階のラインナップも参考になります。
まとめ
- 案内文の長さと書き方は、商品ではなく「読む人との関係の深さ」で決まる
- 初めての人向けの案内文は、疑問と不安に先回りして答える説明的な文章でいい
- 初めての人向けの案内は、何日もかけて何度も読まれる前提で組み立てる
- 書き分けの基準は「どれだけ知っているか・読む時間・次の商品の説明をどこで済ませるか」の3つ
- 次の商品の考え方は、最初の商品の段階で説明しておくと、次の案内が短くて済む
まずは、今使っている案内文を1つ選んで、「これを読む人は、私のことをどれだけ知っているか」を書き出してみてください。答えと案内文の長さが合っていなければ、そこが最初に直すところです。


