「自分でビジネスを始めてみたい。でも、今の仕事を辞めるのは怖い」「家庭のことがあるから、大きなことはできない」。そんなふうに、始めたい気持ちと不安の間で迷っている方は多いですよね。
結論から言うと、個人ビジネスは、いきなり会社を辞めて始める必要はありません。今の生活の収入を保ったまま、自宅でできることから小さく始める「自宅起業」のほうが、長く続けやすく、判断も落ち着いてできます。
実は、私自身は、何もビジネスを始めていない状態で会社を辞めてしまいました。そのため、収入を得られるようになるまで、かなり苦労しました。だからこそ、これから始める方には、同じ遠回りをしてほしくないと思っています。
この記事では、準備なしで辞めると何が起きるのか、自宅起業から始めるほうがいい理由、会社員・専業主婦・シニア世代それぞれの始め方、そして始める前に整える4つのことをお伝えします。
準備なしで会社を辞めると、何が起きるのか
会社を辞めて、ビジネス一本で勝負する。その決意自体は素晴らしいものです。ただ、準備がないまま辞めると、次のようなことが起きやすくなります。
まず、勉強に多くの時間がかかります。辞めてから集客や商品づくりを学び始めると、実践に移るまでにどうしても時間がかかり、その間は収入がありません。
次に、焦りが生まれます。収入が急になくなると、「早く稼がないと」というプレッシャーが大きくなります。焦っていると、本来ならしないはずの判断、たとえばお客様のためではなくお金のためだけの行動を取ってしまうおそれがあります。
そして、時間だけが過ぎていきます。1か月、3か月、半年と、なんとなく時間が過ぎ、結局何も進まないまま、蓄えだけが減っていく。これが一番つらい状態です。
私自身、この状態を経験しました。辞めてから準備を始めると、焦りが判断を狂わせます。 能力の問題ではなく、順番の問題です。
自宅起業から始めるほうがいい理由
自宅起業とは、今の生活を続けながら、自宅でできる形で自分のビジネスを始めることです。パソコンとインターネットがあれば、情報発信や、知識・経験を生かした商品づくりは、自宅から始められます。
自宅起業から始めると、次のような良さがあります。
- 生活の収入があるので、焦らずに学び、試せる
- 小さく試して、うまくいかなければやり直せる
- 事務所や在庫などの大きな元手がいらない
- 家族との時間や本業と両立しながら、自分のペースで進められる
辞める前の時間にできること
会社や家庭のことをしながらの時間は、限られています。それでも、辞める前の時間だからこそ、落ち着いてできることがあります。
- 自分の知識や経験の中で、人の役に立ちそうなことを書き出す
- ブログやSNSで、その分野について少しずつ発信を始める
- 身近な人に、ちょっとした相談に乗ってみて、どんなことで喜ばれるかを知る
- 集客や販売の基本を、順番どおりに一通り学んでおく
こうした準備があるだけで、いざ本格的に取り組むときのスタート地点が大きく変わります。辞めてからゼロで始めるのではなく、少し進んだところから始められるのです。
お金をかけずに、失敗を小さくしながら始める考え方は、借金をせずに小さく始める4つの順番でも解説しています。
立場別の始め方
同じ自宅起業でも、今の立場によって、気をつけることが少しずつ違います。
| 立場 | 始めるときに確かめること | 生かしやすいもの |
|---|---|---|
| 会社員 | 就業規則で副業がどう扱われているか | 仕事で身につけた専門知識や経験 |
| 専業主婦(主夫) | 家事や育児に支障が出ない時間の取り方 | 料理、子育て、暮らしの工夫などの経験 |
| シニア世代 | 無理のない作業時間と、体調に合ったペース | 長年の仕事や人生で積み重ねた知識 |
会社員の場合
会社員の方がまず確かめたいのは、副業の扱いです。「うちの会社は副業禁止だから無理」と思い込んでいる方もいますが、会社によって決まりはさまざまです。まずは就業規則や雇用契約書を読み、分からない点は会社の担当部署に確認してください。決まりを守ったうえで始めることが、長く続けるための土台になります。
専業主婦(主夫)の場合
家事や育児など、家庭に支障が出ない範囲で始めるのが基本です。急に作業時間を増やして家族との関係がぎくしゃくしてしまっては、ビジネスも続きません。家族に「何を、どれくらいの時間やるのか」を先に話しておくと、応援してもらいやすくなります。
シニア世代の場合
年齢を理由に、始めることをためらう方もいます。でも、長く働いてきた方ほど、仕事や人生で積み重ねた知識や経験を持っています。それは、これから同じ道を歩む人にとって、お金を払ってでも知りたい情報になりえます。体調に合わせて、マイペースで進めてください。
パソコンやインターネットに苦手意識がある方もいると思います。ただ、最初から難しい道具を使いこなす必要はありません。メールと文章の入力、簡単な検索ができれば、発信は始められます。道具は、必要になったものから一つずつ覚えていけば十分です。
どの立場でも共通すること
どの立場であっても、最初から結果を急がないことが大切です。始めてすぐに売上が立つ保証はありません。だからこそ、生活の収入がある自宅起業の形で、焦らずに学び、小さく試し、少しずつ形にしていく時間を持てることが強みになります。
「教えることなんて何もない」は思い込み
「私は特別なスキルも特技もないから、人に教えることなんてない」。専業主婦の方の中には、そう感じている方もいるかもしれません。
でも、そんなふうに思う必要はありません。たとえば、料理が得意なら、忙しい人向けの時短料理のコツは、それを知りたい人にとって価値があります。子育ての経験は、今まさに同じ悩みを抱えている人の助けになります。あなたの経験や知識、情熱は、ビジネスにつながる材料です。
また、個人ビジネスは、一人きりで寂しく進めるものではありません。個人で始めて、人と人とのつながりの中で育っていくビジネスでもあります。身近な人とのつながりがある方は、最初の応援者やお客様に出会いやすい面があります。周りの人に協力してもらえる環境があるなら、それは大きな力になります。
知識と経験を商品に変える具体的な手順は、知識と経験を商品に変える5つの手順で解説しています。
始める前に整える4つのこと
最後に、自宅起業を始める前に整えておきたいことを4つ挙げます。
- 生活の収入を確保しておく
ビジネスの収入がすぐに立つ保証はありません。生活できるだけの収入は、今の仕事や家計で確保したまま始めます。 - 作業する時間を先に決める
「空いた時間にやろう」では、なかなか時間は生まれません。出勤前の朝、子どもが寝たあと、など、先に時間を決めておきます。 - 家族に話しておく
何のために、どれくらいの時間を使うのかを伝えておくと、あとで衝突しにくくなります。 - 分からない手続きは確かめる
収入が出てくると、税金の手続きなども必要になります。分からないことは、税務署や税理士などの専門家に確かめてください。
会社を辞めるか続けるかで迷っている方は、雇われて働くだけの時代に、個人ビジネスを始める4つの順番もあわせて読んでみてください。
まとめ
- 準備なしで会社を辞めると、学ぶ時間と焦りが重なり、判断を誤りやすい。私自身もそれで苦労した
- 自宅起業なら、生活の収入を保ったまま、焦らずに小さく試せる
- 会社員は就業規則を確かめる、専業主婦は家庭との両立、シニア世代は経験を生かしてマイペースで
- 「教えることなんて何もない」は思い込み。料理や子育ての経験も、ビジネスの材料になる
- 始める前に、生活の収入・作業時間・家族への説明・手続きの確認の4つを整える
まずは、1週間のうちでビジネスに使える時間を書き出し、そのうち1つを「自宅起業の時間」として予定に入れてみてください。そこから、あなたのビジネスが動き始めます。


