好きなことを仕事にしたい。得意なことで誰かの役に立ちたい。本当はやってみたかったことに挑戦したい。そう思いながらも、毎日の仕事に追われて、気づけば何年もたっている。そんな方は少なくないと思います。
一方で、会社を辞めてフリーランスになったものの、結局は「頼まれた仕事をこなす毎日」になり、好きなことを仕事にしている実感が持てない、という声もあります。
結論から言うと、好き・得意・やりたいことをお金に変えるには、「自分から商品を提案する働き方」、つまり個人ビジネスの形を持つことが近道です。同じ個人で働くのでも、仕事を受ける側にいるか、自分から提案する側にいるかで、自由度は大きく変わります。
この記事では、自分でビジネスを始めたほうがいい2つの理由、個人ビジネスとフリーランスの3つの違い、好きをお金に変えるための3つの問い、そして始めるときによくある失敗をお伝えします。
自分でビジネスを始めたほうがいい2つの理由
理由1:好きなこと・得意なことを、仕事として選べる
会社に雇われて働いている場合、どんな仕事をするかは、基本的に会社が決めます。希望を出すことはできても、自分の好きなことだけを仕事に選ぶのは難しいですよね。
自分でビジネスを始めれば、何を扱うか、誰に届けるかを自分で決められます。好きなこと、得意なこと、やりたかったことを、そのまま仕事の中心に置くことができるのです。
理由2:付き合う相手を、自分で選びやすくなる
会社で働いていると、上司や同僚、取引先を自分で選ぶことはできません。気の合わない人とも、毎日一緒に仕事をしなければならないことがあります。
自分のビジネスなら、価値観の合うお客様や仲間と仕事をすることを選びやすくなります。もちろん、人間関係の悩みがまったくなくなるわけではありません。お客様との関係を丁寧に育てることは、むしろ大切な仕事になります。それでも、「誰と働くか」を自分で決められることは、大きな違いです。
会社に縛られず、自分で決めた時間と場所で、気の合う人とつながりながら、好きなことや得意なことを仕事にしていく。そして、お客様から「ありがとう」と言われながら、その対価としてお金を受け取る。 これが、個人ビジネスの目指す形です。
個人ビジネスとフリーランスの3つの違い
「自分でビジネスをする」というと、フリーランスを思い浮かべる方も多いと思います。どちらも個人事業主として始めることが多く、似ている部分もあります。ただ、仕事への向き合い方が大きく違います。
| 違い | フリーランス(受注型) | 個人ビジネス(提案型) |
|---|---|---|
| 1. 仕事を決めるのは誰か | 発注する側が、何をどうしてほしいかを決める | 自分が、誰にどんな商品を届けるかを決める |
| 2. 価格を決めるのは誰か | 相場や発注側の予算に合わせることが多い | 自分が、届ける価値に合わせて決める |
| 3. 収入の増やし方 | 受ける仕事の量を増やす(時間に比例しやすい) | 商品や仕組みを整えて増やす(時間と切り離しやすい) |
フリーランスは、発注する人の要望に合わせて仕事をする「受注型」のやり方です。仕事をもらえる安心感がある一方で、仕事の内容も価格も、相手に合わせることが多くなります。
個人ビジネスは、自分から主体的に商品やサービスを提案していく「提案型」のやり方です。最初は自分で商品を作り、お客様を見つける手間がかかります。でも、その分、好きなことを軸にした商品を作れて、価格も自分で決められます。
どちらが良い・悪いではありません。ただ、「好きなことを仕事にしたい」という目的なら、提案する側に立つ形を一つ持っておくと、目的に近づきやすくなります。
受注の仕事をしながら、提案の形を足していく
今フリーランスとして受注の仕事をしている方も、それをやめる必要はありません。受注の仕事で得た経験や、お客様からよく聞かれる質問は、提案型の商品の種になります。
たとえば、デザインの仕事を受けている人がいたとします。制作の依頼をこなしながら、「自分でチラシを作りたい個人事業主向けに、作り方を教える講座」を用意すれば、それは自分から提案する商品になります。受ける仕事は収入の土台として続け、提案する商品を少しずつ育てていく。この順番なら、収入を崩さずに、好きなことを軸にした働き方へ移っていけます。
一方、会社員の方は、まず提案型の形から小さく始めることをおすすめします。受注の仕事を増やすと、会社の仕事に加えて、他人の都合に合わせる時間がさらに増えてしまうからです。
好き・得意をお金に変える3つの問い
好きなことや得意なことは、そのままではお金になりません。お金に変わるのは、それが「誰かの悩みの解決」につながったときです。そこで、次の3つの問いで考えます。
- 誰の役に立てるか
あなたの好きや得意を、一番必要としているのはどんな人でしょうか。「少し前の自分」を思い浮かべると見つかりやすくなります。 - その人は、どんなことで困っているか
その人が夜に検索しているような悩みを、具体的な言葉で書き出します。 - どんな形で届けるか
教える、代わりにやる、一緒に取り組む。届け方によって、商品の形が変わります。
たとえば、料理が好きな人がいたとします。「料理が好き」のままでは商品になりませんが、「共働きで時間がない家庭(誰)」が「平日の夕食づくりに毎日悩んでいる(困りごと)」なら、「作り置きの段取りを教える講座(届け方)」という商品が見えてきます。
3つの問いに答えるときは、最初から一つに決めなくてかまいません。「誰の」は3人くらい候補を書き、それぞれの困りごとを並べてみます。その中で、あなたが一番話を聞いてみたいと思える相手を選ぶと、好きな気持ちと相手の悩みが重なる場所が見つかります。好きなことを仕事にするなら、あなた自身が興味を持ち続けられる相手を選ぶことも、長く続けるための大切な条件です。
この3つの問いの先にある、知識と経験を商品にする具体的な手順は、知識と経験を商品に変える5つの手順で解説しています。「プロほどの実力がないから」とためらっている方は、アマチュアでも教えていい理由も読んでみてください。
始めるときによくある失敗
最後に、好きなことを仕事にしようとするときに起きやすい失敗を挙げておきます。
- 好きなことを語るだけで終わる
自分の好きなことを熱心に発信しても、読む人の悩みにつながっていなければ、商品には結びつきません。発信は、相手の困りごとを入り口にします。 - 受注型の癖で、価格を相手に決めてもらう
「おいくらでもいいです」「お気持ちで」と価格をあいまいにすると、自分の提供する価値も伝わりにくくなります。何をどこまで届けるのかを決め、価格も自分で決めて伝えます。 - いきなり大きな商品から作る
最初から完璧な商品を作ろうとすると、手が止まります。まずは発信を通して、相手の反応を見ながら小さく試します。好きなことを発信から始める流れは、情報発信ビジネスの全体像と始める4つの手順で解説しています。
まとめ
- 自分でビジネスを始めると、好きなこと・得意なことを仕事として選べ、付き合う相手も選びやすくなる
- フリーランスは受注型、個人ビジネスは提案型。仕事と価格を誰が決めるか、収入をどう増やすかが違う
- 好きや得意は、そのままではお金にならない。「誰の」「どんな困りごとを」「どんな形で」解決するかで商品になる
- 好きを語るだけ、価格を相手任せにする、いきなり大きな商品を作る、の3つの失敗に気をつける
まずは、あなたの好きなこと・得意なことを1つ選び、3つの問いに一行ずつ答えを書いてみてください。その3行が、あなたの最初の商品の設計図になります。


