コンサルを受けてみたい。でも、数十万円、100万円という金額を見ると、どうしても「高い」と感じてしまう。本当にそれだけの価値があるのか、払ったあとに後悔しないか、不安になりますよね。
私はビジネスコンサルタントとして、主に個人で事業をしている方に、集客から販売までの仕組み作りをお伝えしています。私のコンサルも、年間契約で100万円という価格でお受けしていた時期があります。ですから、この「高いか、安いか」という迷いは、何度も目の前で見てきました。
結論から言うと、コンサル費100万円が高いか安いかは、金額そのものでは決まりません。そのお金で「何を避けられたか」「どれだけの時間を取り戻せたか」で決まります。
この記事では、私が実際に関わった2つの例をもとに、コンサル費の高い安いを判断する3つの問いと、知識にお金を使うときの考え方をお伝えします。
100万円が高いか安いかは「何を避けられたか」で決まる
物の値段なら、同じ商品が安く買えれば得をしたと言えます。でも、知識や助言の値段は、比べ方が違います。
知識や助言の価値は、それを知らなかった場合に失っていたものと比べて、はじめて分かります。
- 知らずに進めていたら、いくらのお金を失っていたか
- 知らずに進めていたら、何年分の時間を使っていたか
- 知らずに進めていたら、どれだけのストレスを抱えていたか
知識があれば一目で「このやり方は失敗する」と分かることを、実際に何年もかけ、大きなお金をかけて試してしまう。これがいちばん高くつくパターンです。
もちろん、失敗から学べることもあります。ただ、正しい知識を持って正しい順番で進めれば、「成長」だけでなく「成果」にもつながります。同じ時間を使うなら、成果につながる順番で使ったほうがいいというのが私の考えです。
数千万円の投資を1日で白紙に戻した、中古車販売の社長の例
以前、私のコンサルを受けてくれた方の中に、中古車販売をしている30代の社長がいました。
若い人の車離れや、大型販売店の出店もあって、売上が落ち込んでいました。そこで社長は、打開策として次のような計画を立てていました。
- 店舗を移転して、敷地を広げる
- 在庫の車を、今の数倍に増やす
- 新しく人を雇う
この計画には、数千万円単位の投資が必要でした。やるかどうか迷っているときに相談をいただき、そこからコンサルが始まりました。
原因は場所でも台数でもなかった
状況を確認してみると、売上が落ちている原因は、店の場所や在庫の台数ではありませんでした。集客と販売のやり方、つまりビジネスモデルに原因がありました。
車は、基本的に年数がたつほど価格が下がり、置いておくだけで維持費もかかります。希少な車でない限り、仕入れた車を長く抱えておくべきではありません。それなのに、在庫の車がなかなか売れず、回転が悪い状態でした。
この状態で展示車だけ増やしても、集客も販売もできないので、売れない車が増えるだけです。
1日で作り直したビジネスモデル
私はすぐに、社長に計画をいったん白紙に戻してもらいました。そして、在庫の車がスムーズに売れる仕組みについて話し合いました。
その日のうちに、ダイレクトレスポンスマーケティングの仕組みと、在庫を持たない販売を組み合わせた、失敗しにくいビジネスモデルができあがりました。必要なコストは、当初の計画の10分の1以下です。このビジネスモデルを取り入れた初月の売上は、約2倍になりました。
もしこのとき計画どおりに進めていたら、数千万円のお金と数年の時間を、うまくいく見込みの薄い事業に使うことになっていたはずです。そう考えると、この社長にとっては、たった1日でコンサル費を回収できたことになります。
学ぶお金を惜しむと、代わりに「時間」で払うことになる
もう一つ、反対の例をお話しします。
以前、「自分のビジネスの集客のためにブログを書いているのに、ほとんど売上がありません。どこを直せば売れますか」というご相談をいただきました。
ブログを拝見すると、その方は2年前からブログを続けていて、毎月20〜30記事を2年間、ほとんど休まずに更新していました。1記事ごとの文章量も多く、自分で作ったネットショップへのリンクも10個近く載せていました。私よりもはるかに多くの時間と労力をかけていて、その積み重ねは本当に尊敬できるものでした。
ただ、ブログの題名、プロフィール、記事の書き方、商品の案内の仕方、デザイン、リンク切れなど、売れるために必要な部分がどれも整っていない状態でした。
「誰かに教わったり、参考にしているやり方はありますか」とうかがうと、答えは「ありません」でした。お金に余裕がないので、学ぶためにお金は使っていない、とのことでした。
この方が売れなかったのは、「努力不足」だったからではありません。むしろ、人一倍努力していました。うまくいかなかったのは、努力の方向を決める地図を持っていなかったからです。
知識にお金を払わないと、お金以外のもので代わりに支払うことになります。 いちばん大きいのは時間です。そして、過ぎた時間は取り戻せません。
高いか安いかを判断する3つの問い
では、目の前のコンサルや講座が自分にとって高いか安いかは、どう判断すればいいのでしょうか。私は次の3つの問いで考えることをおすすめしています。
| 問い | 考えること |
|---|---|
| 1. このお金で、何を避けられるか | 自己流で進めた場合に失いそうなお金・時間・ストレスはどれくらいか |
| 2. 何年分の遠回りを短くできるか | 今のやり方を続けた場合、成果が出るまでにどれくらいかかりそうか |
| 3. 自分の今の課題に合っているか | 自分がつまずいている場所と、その支援の中身が合っているか |
1つ目と2つ目は、「払う金額」ではなく「払わなかった場合の損失」と比べる問いです。中古車販売の社長の例なら、数千万円と数年の時間を避けられました。ブログの例なら、2年分の時間を短くできた可能性があります。
3つ目も大切です。どれだけ評判のいいコンサルでも、あなたの課題に合っていなければ、成果にはつながりにくくなります。申し込む前に、自分が今どこでつまずいているのかを整理し、その部分を支えてくれる内容かどうかを確かめてください。
ちなみに、売る側の立場から高額商品を考えるときも、見るべきところは同じです。相手の課題に合ったサポートを形にしたものであれば、高額でも売り込みにはなりません。この考え方はバックエンド商品の本当の役割で、中身の決め方は高額商品を設計する9つの項目で解説しています。
自己投資を始めるときの考え方
とはいえ、いきなり100万円を投資してください、とは言いません。私がおすすめしているのは、今の収入の中から「知識に使う割合」を少しずつ増やしていくことです。
私自身も、信頼できる知識や助言を得るために、これまで100万円以上を使って学んできました。独立したばかりの頃は、何を発信すればいいか分からず、ブログやSNSを続け、無料相談もしましたが、成約にはつながりませんでした。当時の私が一番欲しかったのは、「これを、この順番でやればいい」という手順でした。遠回りをしてきたからこそ、正しい順番を先に知ることの価値を実感しています。
自己投資を始めるときは、次の順番で考えると迷いにくくなります。
- 今の自分がどこでつまずいているかを書き出す
- そのつまずきを解決してくれる教材・講座・コンサルを探す
- 3つの問いで、高いか安いかを判断する
- 申し込む前に、個別相談などで自分の状況を話してみる
4つ目の個別相談は、売り込まれる場ではなく、自分の課題に合うかを確かめる場として使えます。良い個別相談がどんな流れで進むのかは、カウンセリングセールスの10ステップを読むとイメージしやすくなります。
まとめ
- コンサル費の高い安いは、金額ではなく「何を避けられたか」「どれだけの時間を取り戻せたか」で決まる
- 中古車販売の社長の例では、1日で数千万円の投資計画を止め、初月の売上は約2倍になった
- 学ぶお金を惜しむと、代わりに時間で払うことになる。うまくいかない原因は努力の量ではなく方向にあることが多い
- 判断するときは「何を避けられるか」「何年短くできるか」「今の課題に合っているか」の3つを問う
- いきなり大きな金額ではなく、収入の中で知識に使う割合を少しずつ増やす
まずは、今のやり方をこのまま続けた場合に、成果が出るまでにどれくらいかかりそうかを、正直に書き出してみてください。その期間が、あなたにとっての「知識の値段」を考える出発点になります。



