ブログで講座の見込み客を集めたい。そう考えて記事を書くとき、多くの人がまず狙うのは、たくさんの人が検索している大きな言葉です。「起業」「集客」「ダイエット」のような、一言で多くの人に届きそうな言葉ですね。
ところが、大きな言葉で記事を書いても、検索結果の上のほうにはなかなか出られません。仮に読まれたとしても、講座の申し込みにはつながらない。書くのに時間をかけたのに、手応えがないまま終わってしまう。こうした経験をした方は少なくないと思います。
結論から言うと、少人数で売る個人が狙うべきなのは、大きな言葉ではなく、悩みと場面が入った「具体的な言葉」です。探す人の数は少なくても、その言葉で探す人は、あなたの講座にぴったり合う見込み客です。しかも、大きな会社と正面から競わずに済みます。
この記事では、大きな言葉が講座につながらない理由、具体的な言葉の強さ、そして具体的な言葉を集め、探している人がいるかを確かめ、勝てるかを見極め、題名に入れるまでの4つの手順を解説します。細かい数値の目安より、判断の考え方を中心にお伝えします。
大きな言葉は、探している理由が見えない
まず、大きな言葉の何が問題なのかを整理します。
「起業」とだけ検索する人は、何を知りたいのでしょうか。起業の意味を調べている学生かもしれませんし、手続きの方法を知りたい人かもしれません。成功した人の話を読みたいだけかもしれません。探している理由がばらばらで、見えないのです。
理由が見えないと、どんな記事を書けば満足してもらえるかが分かりません。あれもこれもと詰め込んだ、ぼんやりした記事になりがちです。そして、大きな言葉には、大きな会社や、長く続いている強いサイトが並んでいます。個人が始めたばかりのブログで、そこに割って入るのはとても難しいです。
つまり、大きな言葉を狙うと、こうなります。
| 大きな言葉を狙うと | 起きること |
|---|---|
| 探している理由がばらばら | 誰に向けた記事か決まらず、中身がぼやける |
| 強いサイトが上に並んでいる | 書いても上のほうに出られない |
| 読まれても理由が合わない | 講座の申し込みにつながらない |
具体的な言葉には、悩みと場面が入っている
これに対して、いくつかの言葉を組み合わせた具体的な言葉は、まったく性質が違います。
たとえば「コーチ 講座 作り方 初めて」と検索する人を想像してみてください。この人は、コーチとして仕事をしていて、初めて講座を作ろうとしていて、何から手をつければいいか迷っている。探している理由が、はっきり見えますよね。
理由が見えれば、その悩みにまっすぐ答える記事が書けます。読んだ人は「まさに知りたかったことだ」と感じ、書いた人への信頼が生まれます。そして、その人は、あなたの講座の見込み客そのものです。
具体的な言葉を狙う記事は、一本ごとに集まる人は少なくても、集まる人の質が高い。これが、少人数で売る個人に具体的な言葉が向いている一番の理由です。
もう一つ、ブログ全体を安定させる効果もあります。大きな言葉を狙う記事が一本だけあって、そこからの読者に頼っていると、その記事の順位が下がった途端に読者がいなくなります。具体的な言葉を狙った記事がたくさんあれば、一本の順位が下がっても、他の記事が読者を連れてきてくれます。ブログを、たくさんの細い柱で支えるイメージです。
小さな市場で一番を取る考え方は、ライバル不在のニッチ市場で頂点を取る方法でも書いています。
手順1:具体的な言葉を集める
では、具体的な言葉をどうやって集めるのか。私は次の3つの方法を組み合わせています。
- 理想のお客様の「場面」から考える:講座を一番喜んでくれる人を一人思い浮かべ、その人がどんな場面で困って検索するかを書き出す
- 検索窓の候補を見る:検索窓に言葉を入れると、よく一緒に検索されている言葉が候補として出てくる。その候補は、実際に人が探している言葉そのもの
- 言葉を広げる道具を使う:一つの言葉を入れると、関連する言葉の候補をたくさん並べてくれる無料の道具がある。自分では思いつかない言葉が見つかる
1つ目が一番大切です。道具から始めると、たくさんの言葉が出てきて、どれが自分の見込み客の言葉なのか分からなくなります。先にお客様の場面を考えておくと、道具で出てきた言葉の中から、自分に合うものを選べるようになります。
場面を考えるときは、いつもの見込み客像から少しずらしてみるのも効果的です。たとえば、話し方を教える講師なら、「人前で話すのが苦手な人」だけでなく、「話すのは得意なのに、オンラインだと伝わらない人」を考えてみる。すると、「オンライン 話し方 伝わらない」のような、これまで思いつかなかった言葉が出てきます。
見込み客が実際に使う言葉を集める考え方は、見込み客が普段使う言葉に言い換える顧客情報の整理で詳しく解説しています。
手順2:探している人がいるかを確かめる
言葉が集まったら、次はその言葉で本当に探している人がいるかを確かめます。
検索される回数の目安を調べられる無料の道具があります。細かい数字にこだわる必要はありません。見るのは次の2点です。
- 探している人がいるか:ほとんど誰も探していない言葉は、どれだけ良い記事を書いても読まれない
- 競う相手が多すぎないか:同じ言葉で上を狙っている人がとても多い言葉は、後回しにする
そして、道具の数字とは別に、自分で確かめることがもう一つあります。それは、その言葉で探す人が、自分の講座の見込み客かどうかです。探す人が多くても、講座とつながらない言葉なら、書く順番は後ろにします。
手順3:勝てるかを見極める
候補が絞れたら、最後に「その言葉で、自分が上のほうに出られそうか」を見極めます。道具の数字だけでは分からないので、実際に検索して確かめます。
選んだ言葉で検索し、最初のページに出てくる記事を上から一つずつ開いて読みます。見るポイントは次の3つです。
| 見るポイント | 狙い目のサイン | 後回しのサイン |
|---|---|---|
| 並んでいるサイト | 個人のブログや、小さなサイトが混ざっている | 大きな会社や有名なサイトばかり |
| 記事の中身 | 悩みに答えきれていない、情報が古い | 詳しく、分かりやすく、答えが出そろっている |
| 自分が書けるか | 経験から、もっと役立つ話が書ける | 自分が書いても、今の記事を超えられない |
一番大事なのは3つ目です。「今並んでいる記事より、この悩みを持つ人の役に立つ記事を、自分なら書ける」と思えるかどうか。思えるなら、書く価値があります。思えないなら、別の言葉を探したほうが早いです。
たとえば、家計の見直しを教える人がいたとします
イメージしやすいように、例を出してみます。家計の見直しを教えている人が、「節約」という大きな言葉で記事を書こうとしていたとします。検索してみると、大きな情報サイトや有名な雑誌の記事がずらりと並んでいます。ここで上に出るのは、ほぼ無理です。
そこで、お客様の場面から考え直します。この人の講座を一番喜んでくれるのは、「子どもが小学校に上がって、習い事の費用が増えてきた共働きの家庭」だとします。すると、「習い事 費用 共働き 見直し」のような言葉が出てきます。検索してみると、個人のブログがいくつか並び、どれも一般的な節約術を並べているだけで、習い事の費用と家計全体のバランスまでは書いていません。
これなら、この人の経験から、今並んでいる記事より役に立つ話が書けます。探す人は少なくても、読んだ人は「この人に家計を見てもらいたい」と思ってくれる見込み客です。
この見極めを飛ばして書き始めると、時間をかけた記事が誰にも読まれない、ということが起きます。書く前の数分の確認が、何時間もの作業を守ってくれます。
手順4:題名に言葉を入れ、中身と一致させる
書く言葉が決まったら、題名に入れます。ここでのポイントは3つです。
- 言葉はできるだけ題名の前のほうに置く:検索した人は、自分の探した言葉が入っているかを一瞬で見ている
- 長くしすぎない:長すぎる題名は、検索結果で途中が切れて伝わらない
- 題名と中身を必ず一致させる:題名で約束したことに、本文でちゃんと答える
3つ目は、他の2つよりずっと大切です。目を引く題名で読んでもらっても、中身が題名と違えば、読者はすぐにページを閉じます。そして「この人の記事は当てにならない」と覚えられてしまいます。検索結果に出る短い説明文にも、記事で何が分かるのかを、正直に書いておきます。
書いたあとは、検索結果にどれくらい表示され、どれくらい読まれたかを確かめられる無料の道具で、反応を見ていきます。表示はされているのに開かれていない記事は、題名や説明文を見直す候補です。
具体的な言葉選びでやりがちな3つの失敗
最後に、よくある失敗を挙げておきます。
- 道具の数字だけで選ぶ:探す人が多くても、講座の見込み客でなければ意味がない。先にお客様の場面を考える
- 同じ悩みの言葉で何本も書く:似た言葉で記事を増やすと、自分の記事どうしで読者を取り合う。一つの悩みには一つの記事で答える
- 言葉に合わせて中身をゆがめる:言葉を入れることが目的になり、読みにくい文章になる。書く相手は、あくまで悩んでいる人
言葉選びは、記事を書く前の準備にすぎません。本当の目的は、講座を必要としている人に出会うことです。誰に出会いたいのかがはっきりしていれば、言葉選びで迷うことはぐっと減ります。出会いたい相手の決め方は、WHO設計の11項目と選び方の5基準で解説しています。
まとめ
- 大きな言葉は、探している理由が見えず、強いサイトが並び、講座にもつながりにくい
- 具体的な言葉には悩みと場面が入っていて、集まる人は少なくても質が高い
- 言葉は、お客様の場面・検索窓の候補・言葉を広げる道具の3つで集める。お客様の場面が先
- 実際に検索して最初のページを読み、「自分ならもっと役立つ記事が書けるか」で見極める
- 題名の前のほうに言葉を入れ、題名と中身を必ず一致させる
まずは、あなたの講座を一番喜んでくれる人を一人思い浮かべて、その人が困って検索しそうな言葉を、場面ごとに書き出してみてください。そのリストが、次に書く記事の順番になります。


