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収入の柱が1本のフリーランスほど、休めません|時間の切り売りから抜けるために「柱」を増やす順番と4つの段階

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この記事は約7分で読めます。

フリーランスとして仕事は順調。お客様もついてきた。それなのに、体調を崩したときや、家族の用事で数日休むときに、ふと怖くなる。「自分が手を止めたら、収入も止まる」。こうした不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。

この不安は、仕事の出来とは関係がありません。収入の入り方の問題です。自分が作業した分だけ収入になる形しかないと、休むことは、そのまま収入が減ることを意味します。これが、時間の切り売りの正体です。

結論から言うと、時間の切り売りから抜けるには、収入の柱を増やすことです。ただし、やみくもに増やすのではなく、順番があります。今の実務を土台にして、作業を商品に、商品を教える形に、そして自動で届く形へと、段階を踏んで広げていく。この順番を守ると、無理なく柱が増えていきます。

この記事では、柱が1本だと危うい理由、資格や肩書きではなく自分を起点に考える理由、柱を増やす4つの段階、そして「飽き」を感じたときの考え方を解説します。

柱が1本だと、何が危ういのか

まず、収入の柱が1本しかない状態の危うさを整理します。

1つ目は、自分が止まると収入も止まることです。病気、けが、家族の事情。どれも、誰にでも起こりえます。作業した分しか収入にならない形では、そのたびに収入が途切れます。

2つ目は、仕事そのものが置き換わる可能性です。道具の進化で、かつては専門家に頼んでいた作業を、自分でできる人が増えています。文章、デザイン、経理、翻訳。どの分野でも、「そこそこの品質なら、道具で十分」という場面が広がっています。今の仕事がなくなるとは限りませんが、同じ仕事で同じ金額をもらい続けられる保証はありません。

3つ目は、お客様が来る道が1本しかないことです。紹介だけ、特定の場所での発信だけ、という状態だと、その道が細くなった瞬間に、新しい仕事が来なくなります。

柱が1本の状態 起きやすいこと
作業した分だけが収入 休むと収入が止まる。休めない
1つの仕事の技術に頼っている 道具の進化や価格の下落の影響を、まともに受ける
お客様が来る道が1本 その道が細くなると、新しい仕事が止まる

収入の柱を増やすというのは、この3つの危うさを、それぞれ少しずつ減らしていくことです。

資格や肩書きではなく、「自分」を起点に考える

柱を増やそうとすると、多くの方は「新しい資格を取ろう」と考えます。ただ、資格を起点にした柱の増やし方には限界があります。

資格は、同じものを持っている人がたくさんいます。資格を取る人が増えるほど、その資格でできる仕事は奪い合いになり、値段で比べられやすくなります。資格の名前で仕事を探している限り、あなたは「その資格を持っている大勢のうちのひとり」になってしまうのです。

そこで、考える起点を変えます。資格を中心に置くのではなく、あなた自身を中心に置き、資格や技術はその周りにある道具の一つとして見るのです。

たとえば、経理の仕事をしてきた人がいたとします。「経理の人」として考えると、できることは経理の作業に限られます。でも、自分を中心に置いて棚卸しをすると、見え方が変わります。経理の知識がある。小さな会社の社長の悩みをたくさん聞いてきた。説明が分かりやすいとよく言われる。こうした要素を組み合わせると、「経理が苦手な個人事業主に、お金の流れの見方を教える」という、別の柱の候補が見えてきます。

一つひとつの技術では、他の人と大きな差はつきません。でも、あなたの経験や考え方、話し方まで含めた組み合わせは、他の誰にもまねできません。差がつくのは、技術そのものではなく、技術と自分の組み合わせです。 経験や知識の棚卸しのやり方は、経験と知識を商品の材料に変える棚卸し7項目で解説しています。

柱を増やす4つの段階

では、実際にどういう順番で柱を増やしていけばいいのか。私は、次の4つの段階で考えています。

  1. 実務:今の仕事を、依頼を受けて自分で行う
  2. 形にした商品:実務を、中身と価格が決まった商品にまとめる
  3. 教える商品:実務で身につけた知識を、講座や個別の指導として教える
  4. 自動で届く入口:発信や特典、自動で届くメッセージを通じて、見込み客が入り続ける流れを作る

大事なのは、1つ目の実務をやめないことです。実務は、今の収入の土台であり、教える内容の材料でもあります。実務を続けながら、2つ目、3つ目と段階を上がっていきます。

2つ目の「形にした商品」は、依頼のたびに見積もりをするのではなく、「この内容でこの価格」と決めた商品にすることです。これだけで、やり取りの手間が減り、お客様も選びやすくなります。

3つ目の「教える商品」で、収入の入り方が大きく変わります。実務は一件ごとに自分の時間を使いますが、教える形なら、同じ知識を何人にでも届けられます。少人数に向けた講座でも、実務だけのときとは時間の使い方がまったく違ってきます。

4つ目の「自動で届く入口」は、自分が作業していない時間にも、見込み客があなたを知り、関係を深めてくれる流れです。これがあると、新しい仕事を探す時間が減り、教える商品の案内もしやすくなります。

たとえば、写真を撮る仕事をしている人がいたとします

例で考えてみます。個人のお店の写真を撮る仕事をしている人がいたとします。今は、依頼のたびに撮影に出かけ、撮った分だけが収入になっています。

1つ目の実務は、そのまま続けます。2つ目として、「お店の紹介用の写真を決まった枚数、決まった価格で」という商品にまとめました。見積もりのやり取りが減り、申し込みが早く決まるようになりました。

3つ目として、撮影の依頼をくれるお店の多くが「普段の発信用の写真は自分で撮りたい」と話していたことに目をつけ、店主向けに、手元の道具で商品を撮るコツを教える少人数の講座を開きました。4つ目として、よく読まれていた撮影のコツの記事に、撮る前に確かめる点をまとめた一枚を特典として置き、受け取った人に講座の案内が届くようにしました。

撮影の仕事は続けたまま、教える柱と、見込み客が入ってくる入口が増えたことになります。どの段階も、今の仕事で得た経験と、お客様の声をもとにしています。新しい資格は一つも取っていません。

段階を飛ばすと、うまくいかない

よくある失敗は、いきなり4つ目の自動の仕組みから作ろうとすることです。売る商品が決まっていないのに入口を作っても、集まった人に何を案内すればいいか分かりません。反対に、2つ目の商品が決まっていれば、入口で何を渡し、何を案内すればいいかがはっきりします。

段階は、下から順番に積み上げる。これが、柱を増やすときの一番の決まりです。

もう一つの失敗は、柱を一度に増やしすぎることです。講座も、会員制の場も、資料の販売も、と同時に始めると、どれも中途半端なまま手が回らなくなります。一つの段階が回り始めてから、次の段階に進む。柱は、一本ずつ立てていけば十分です。

お客様が来る道も、1本にしない

収入の柱と並んで、もう一つ増やしておきたいのが、お客様が来る道です。

ネットでの発信は、一度育てば、寝ている間にも人が来てくれる大事な道です。ただ、ネットだけに頼っていると、決まりごとの変更や、読まれ方の変化で、突然人が来なくなることがあります。

そこで、次のような道を組み合わせておきます。

  • ネットでの発信:記事、動画、SNSなど、あなたが続けやすい形を一つ
  • 人からの紹介:今のお客様や、仕事仲間からの紹介
  • 対面やオンラインの場:勉強会や交流の場、少人数の体験会

どれか一つが細くなっても、他の道から人が来る。この状態を作っておくと、仕事の不安はずいぶん小さくなります。特に独立したばかりのころは、ネットで人が来るまでに時間がかかるので、人からの紹介や対面の場を並行して使うのが現実的です。

「自分じゃなくてもいい」と感じたら、仕組みにして次へ

最後に、柱を増やしていく途中で必ず出てくる気持ちについてです。

同じ仕事を長く続けていると、ある時点で「飽き」を感じることがあります。同じような人が増えて、自分の仕事と他の人の仕事の違いが、お客様から見えにくくなる。「これは自分じゃなくてもいいのでは」と感じ始める。

この気持ちは、仕事を投げ出すサインではありません。その仕事が型として固まってきた、という成熟のサインです。型ができているなら、それを自動で回る仕組みにできます。

  • 実務の手順を、手順書やひな形にまとめる
  • 教える内容を、動画や資料として残す
  • 案内から申し込みまでの流れを、自動で届くメッセージにする

こうして、その柱が自分の手を離れても回るようにしておき、空いた時間とお金を、次の新しい柱に使う。これを繰り返すと、飽きることなく、柱が一本ずつ増えていきます。

仕組みがあると、止まっても収入は止まらない

私自身の話をすると、アキレス腱を断裂して思うように動けなかった時期にも、月収174万円になったことがあります。これは、けがの前に、見込み客の入口から案内、講座の提供までを仕組みにしていたからです。自分が手を止めても、仕組みは止まりませんでした。

収入の柱を増やすのは、たくさん稼ぐためだけではありません。自分が止まっても暮らしが止まらない状態を作り、安心して休めるようにするためでもあります。案内から講座の提供までの流れの全体は、チャレンジ企画の完全ガイドで詳しく書いています。

まとめ

  • 柱が1本だと、自分が止まると収入も止まり、仕事の置き換わりやお客様の来る道の変化の影響をまともに受ける
  • 資格や肩書きではなく、自分を中心に置き、技術と経験の組み合わせで柱を考える
  • 柱は、実務→形にした商品→教える商品→自動で届く入口の順に、下から積み上げる
  • お客様が来る道も、ネット・紹介・対面の場を組み合わせて、1本にしない
  • 「自分じゃなくてもいい」と感じたら、その仕事を仕組みにして、空いた時間を次の柱に使う

まずは、今のあなたの収入が、4つの段階のどこから入っているかを書き出してみてください。1つ目の実務だけなら、次にやることは、今の仕事を「この内容でこの価格」の商品にまとめることです。