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調べて書いた記事ほど、誰が書いたか覚えてもらえません|一般論を「自分の体験」に書き換える3つの手順と、証拠になる写真の選び方

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役に立つ情報を届けたいと思って、しっかり調べてから記事を書いている。内容は正しいし、分かりやすく整理したつもりです。それなのに、読者の反応は薄く、「読みました」という声もほとんど届かない。そんな経験はありませんか。

結論から言うと、原因は情報の正しさではなく、その記事が「誰が書いても同じ記事」になっていることです。調べて書いた情報は、調べれば誰でも書けます。読者から見ると、あなたの記事である理由がありません。

そこで必要になるのが、記事に「あなた」を入れることです。あなたの体験、あなたの判断、あなたが実際にやっている様子。これを入れるだけで、同じ情報でも、読者にとっては「この人の話」に変わります。

この記事では、正しいだけの記事が選ばれない理由、特別な実績がなくても書ける体験の見つけ方、一般論を自分の体験に書き換える3つの手順、そして借り物ではない写真の選び方と置き方を解説します。

正しいだけの記事が、選ばれない理由

まず、なぜ正しい記事が読まれないのかを整理します。

人に頼んで記事を書いてもらうと、多くの場合、調べて分かる範囲の情報をきれいにまとめた記事が届きます。間違ってはいません。でも、読んでも書き手の顔が浮かびません。実は、反応の薄い記事の多くは、自分で書いていても、これと同じ形になっています。

読者は、情報だけを探しているわけではありません。「この人は、実際にやってみてどう感じたのか」「この人なら、私の場合どうするだろう」ということを知りたくて読んでいます。正しい情報に、書き手の体験と判断が重なったとき、はじめて読者はその記事を「自分に役立つ話」として受け取ります。

知識や経験を商品にしたい人にとって、これはとても大事なことです。講座や個別の支援は、結局「この人から学びたい」と思ってもらえるかどうかで選ばれます。記事の段階で書き手の顔が見えなければ、その先の申し込みにもつながりません。

体験は、特別な実績でなくていい

「でも、私には書けるような体験がない」と感じる方もいると思います。

ここで言う体験は、大きな成功談のことではありません。むしろ、失敗したこと、迷ったこと、試してみて分かったことの方が、読者にとっては価値があります。読者の多くは、今まさにその途中にいるからです。

私自身、独立したばかりのころは、何を発信すればいいか分からないまま、ブログやSNSを続けていました。無料相談をしても成約につながらず、セミナーやZoomでのライブにも苦手意識がありました。当時一番欲しかったのは、「これをこの順番でやればいい」という手順です。こうした話は、実績の自慢ではありませんが、同じところで止まっている読者には、どんな一般論よりも届きます。

体験の材料は、次のような問いで見つかります。

  1. このテーマで、自分が最初につまずいたのはどこか
  2. ほかの人から勧められたけれど、自分には合わなかったやり方は何か
  3. いろいろ試して、今も続けているやり方は何か。なぜそれを選んだのか
  4. お客様からよく聞かれる質問に、自分はどう答えているか

自分の経験を棚卸しする考え方は、経験と知識を商品の材料に変える棚卸し7項目でも詳しく紹介しています。

一般論を「自分の体験」に書き換える3つの手順

体験の材料が見つかったら、それを文章に入れていきます。いきなり体験談を書こうとすると手が止まるので、まずは今ある一般論の文章を書き換えるところから始めます。手順は3つです。

手順1:主語を「私」にする

一般論の文章は、主語がありません。「〜という方法があります」「〜が大切です」という形です。これを、「私は〜しています」「私は〜を選びました」と、自分を主語にして書き直します。

主語を変えるだけで、文章は説明から語りに変わります。読者は「情報を読んでいる」状態から、「この人の話を聞いている」状態に移ります。

手順2:自分の判断と、その理由を足す

次に、自分がどう判断しているか、なぜそうしているかを足します。どのやり方を多く使い、どのやり方を少しだけ使っているのか。そして、その理由は何か。

あなたらしさは、実は判断の基準の中に一番よく表れます。同じ情報を知っていても、何を選ぶかは人によって違うからです。判断と理由が書いてあると、読者は自分の場合に当てはめて考えられるので、記事が「使える話」になります。

手順3:小さな場面を一つ添える

最後に、その判断をしている場面を、一つだけ具体的に描きます。いつ、どこで、どんな様子でやっているのか。小さな場面ほど、読者の頭に絵が浮かび、記憶に残ります。

たとえば、整体院を開いている人がいたとします

3つの手順を、例で見てみます。整体院を開いている人が、自宅でできる体のケアについて記事を書くとします。

最初の文章は、「肩こりには、ストレッチと温めることの2つの方法があります。」という一般論でした。

手順1で主語を変えると、「私は、肩こりの相談を受けたとき、ストレッチと温めることの2つをお伝えしています。」になります。

手順2で判断と理由を足すと、「ほとんどの方にはまず温めることをお勧めし、ストレッチは慣れてからにしてもらっています。痛みが強いうちに無理に伸ばして、かえって悪くした方を何度も見てきたからです。」になります。

手順3で場面を添えると、「私自身も、施術が続いた日の夜は、湯船につかりながら肩をゆっくり回すだけにしています。」となります。

情報の中身は、ほとんど変わっていません。それでも、読み終えたときに残る印象はまったく違いますよね。

書き換えた文章は、一度声に出して読んでみることをおすすめします。黙って読むと気づかない、硬い言い回しや、話し言葉なら使わない表現に気づけます。目の前の一人に話しているつもりで直すと、体験の部分がより自然に読めるようになります。

体験は、記事のどこに入れるか

書き換えの手順が分かっても、記事全体に体験を詰め込むと、今度は読みにくくなります。体験を入れる場所は、次の3か所を目安にします。

場所 入れる体験
冒頭 読者と同じところで自分もつまずいた話。「この人は分かってくれる」と感じてもらう
手順ややり方の説明 自分がどう判断しているか、どれを選んでいるか。一般論を「使える話」に変える
まとめの前 試して分かったこと、今も続けている理由。読者が自分でもやってみようと思える後押し

すべての段落に体験を入れる必要はありません。説明は説明として分かりやすく書き、要所に体験を置く。このメリハリがあると、体験の部分がかえって印象に残ります。

写真は「飾り」ではなく「証拠」

文章と同じことが、写真にも言えます。

素材集の写真は手軽ですが、誰でも使えるものです。記事の中身がどれだけあなたの体験でも、写真が借り物だと、読者の中で「どこかで見た記事」の印象が強くなります。

記事に添えたいのは、あなたの話が本当であることを示す写真です。

  1. 実際にやっている様子:説明しているやり方を、あなたが実際にやっている場面
  2. 実際に使っている道具:カタログの写真ではなく、あなたの机や部屋にある状態
  3. 実際に作ったもの:資料、ノート、作品など、あなたの手が入ったもの
  4. あなた自身が写っているもの:道具を手に持っている、作業をしている姿

特に4つ目は効果があります。読者は、情報と同じくらい、「誰が」その話をしているのかを気にしています。書き手の顔が見えると、記事に体温が生まれます。記事の冒頭やプロフィールに、読者と目が合う写真を置いておくと、「この人が話しかけてくれている」と感じてもらいやすくなります。

写真の上手さは必要ありません。スマートフォンで、普段の様子をそのまま撮れば十分です。記事を書く前に、「この話の証拠になる写真は撮れないか」と一度考えてみてください。

写真を置く場所は、2つの役割で決める

写真は、多ければいいわけでもありません。置く場所は、次の2つの役割で決めます。

役割 置く場所
理解を助ける 言葉だけでは伝わりにくい操作や形、初めて聞く言葉を説明するところ
読むリズムを作る 文章が長く続いて読者が疲れてくるところ、話題が切り替わるところ

言葉だけで伝わるところに写真を入れすぎると、話が細切れになって、かえって読みにくくなります。「ここは写真を見れば一瞬で分かる」というところと、「ここで一息ついてほしい」というところに絞って置きます。写真の使い方は、ブログ記事には画像を使うでも紹介しています。

体験を書くときに、気をつけたい4つのこと

最後に、体験を記事に入れるときの注意です。

  1. 盛らない:少しでも大きく見せた体験は、読者に伝わります。小さな体験を、そのまま書きます
  2. 自慢にしない:体験は、読者の役に立てるために書きます。自分がすごいと伝えるためではありません
  3. お客様の話は、許可を取ってから:お客様とのやり取りを書くときは、本人が特定されない形にし、できれば了承をもらいます
  4. 体験がまだ少ないなら、「試している途中」を書く:結果が出ていなくても、試して分かったことは、同じ途中にいる読者の役に立ちます

まとめ

  • 正しいだけの記事は、誰が書いても同じになり、書き手を覚えてもらえない
  • 体験は大きな実績でなくていい。つまずき、合わなかったこと、今も続けていることが材料になる
  • 一般論は「主語を私にする」「判断と理由を足す」「小さな場面を添える」の3つの手順で書き換える
  • 写真は飾りではなく、話が本当であることを示す証拠。できればあなた自身が写っているものを
  • 写真は「理解を助ける」「読むリズムを作る」ところに絞って置く

まずは、過去に書いた記事を一本選び、一般論になっている段落を一つだけ、3つの手順で書き換えてみてください。書き換えた段落と元の段落を並べて読むと、違いがはっきり分かるはずです。