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講座の中身を丁寧に並べる人ほど、申し込みは来ません|「受講したあとの場面」で価値を伝える4つの書き換え

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講座の案内を書くとき、多くの方はまず中身を並べます。「全6回のオンライン講座」「動画は20本」「毎回ワークシート付き」「質問は何度でもOK」。どれも本当のことで、作り手としては自信のある部分ですよね。

それなのに、案内を出しても反応が薄い。読んだ人から「良さそうですね」とは言われても、申し込みにはつながらない。そんな経験がある方は多いと思います。

結論から言うと、読む人が知りたいのは講座の中身ではなく、「受講したあと、自分がどうなっているか」です。中身の説明をいくら丁寧にしても、その先の自分が思い描けなければ、人は申し込みません。反対に、受講したあとの場面がありありと浮かべば、中身の説明は短くても読む人は動きます。

この記事では、なぜ中身の一覧では伝わらないのか、中身を「受講したあとの場面」に書き換える4つのステップ、場面を描くための材料の集め方、そして書き換えでやりがちな失敗を解説します。

申し込む人が買っているのは、講座ではなく「そのあとの自分」

まず、講座に申し込む人の頭の中を想像してみてください。

その人は、講座そのものが欲しいわけではありません。動画を20本見たいわけでも、ワークシートを埋めたいわけでもない。欲しいのは、講座を通り抜けた先にある「今より良い状態」です。人前で落ち着いて話せる自分、集客の手順が分かって迷わなくなった自分、毎月の売上の見通しが立っている自分。

少し極端な言い方をすると、もし講座を受けずにその状態になれるなら、誰も講座には申し込みません。講座は、欲しい状態にたどり着くための「通り道」なんです。

私自身、独立したばかりの頃は、何を発信すればいいか分からず、ブログやSNSを続けても成約につながりませんでした。あの頃に一番欲しかったのは、立派な教材でも長い講義でもありませんでした。「これをこの順番でやればいい」と分かって、迷わずに手を動かせている自分です。もし当時の私に講座を案内するなら、響くのは中身の一覧ではなく、この場面だったはずです。

中身の一覧は、読む人にとって「越えるべき山」に見える

作り手にとって、中身は講座の価値そのものです。時間をかけて作ったからこそ、全部伝えたくなります。

ところが、読む人の側から見ると、中身の一覧は少し違って見えます。「全6回」「動画20本」「毎回の宿題」は、欲しい状態にたどり着くまでに越えなければならない山のように映るんです。忙しい人ほど、「そんなに時間が取れるだろうか」「途中で止まりそうだ」と感じます。

つまり、中身だけを並べた案内は、良さを伝えているつもりで、実は負担の大きさを伝えている場合があります。これが、丁寧に書いたのに反応が薄い理由の一つです。

作り手が書いたこと 読む人が受け取ること
全6回のオンライン講座 6回も時間を確保しなければならない
動画は20本 全部見終わるだろうか
毎回ワークシート付き 宿題が大変そう
質問は何度でもOK 分からないことが多い講座なのかな

もちろん、中身の説明が要らないわけではありません。申し込む直前の人は、中身を確かめたいと思っています。大事なのは順番です。先に「受講したあとの自分」を見せて、そのあとで「そのためにこういう中身を用意しています」と説明する。この順番にするだけで、同じ中身が「負担」ではなく「そこに行くための道具」として読まれるようになります。

書かないことは、伝わっていないのと同じ

もう一つ、作り手が陥りやすい思い込みがあります。それは、「言わなくても分かってもらえるだろう」という思い込みです。

作り手は、自分の講座を受けたらどうなるかをよく知っています。だから「話し方の講座です」と書けば、その先にある変化まで相手に伝わった気になります。でも、読む人は講座を受けたことがありません。書かれていない変化は、読む人の頭の中には存在しないのと同じです。

たとえば、次の2つの書き方を比べてみてください。

  • 中身だけの書き方:「プレゼンの型を学べる、全4回の話し方講座です」
  • 場面まで書いた書き方:「会議で発言を求められても、頭が真っ白にならず、言いたいことを3つにまとめて話し終えられるようになります」

下の書き方は、読む人が自分の会議の場面を思い浮かべられます。場面が浮かんだ瞬間に、人は「これは自分のための講座だ」と感じます。 書き手が一言足すだけで、読む人の受け取り方は大きく変わるんです。

中身を「受講したあとの場面」に書き換える4つのステップ

では、具体的にどう書き換えればいいのか。私は次の4つのステップで考えています。

  1. 中身を書き出す:講座の内容、回数、特典を、まずは作り手の言葉のまま全部並べる
  2. 「だから何ができるようになるか」を1行ずつ足す:中身1つにつき、受講者ができるようになることを書く
  3. 「それができると、どんな場面が変わるか」を書く:日常や仕事の中で、実際に変わる瞬間を1つ選んで書く
  4. その場面を、見込み客の言葉で言い直す:作り手の専門用語を、読む人が普段使う言葉に置き換える

ポイントは、2と3を分けることです。「できるようになること」は、まだ少し抽象的です。そこからもう一段降りて、「いつ、どこで、何が変わるか」まで書くと、読む人の頭に映像が浮かびます。

たとえば、話し方の講座を持つ講師がいたとします

イメージしやすいように、例で考えてみます。人前で話すのが苦手な会社員向けに、話し方の講座を開いている講師がいたとします。

中身 できるようになること 変わる場面
話の組み立ての型を学ぶ 話す前に要点を3つにまとめられる 会議で急に意見を求められても、落ち着いて話し終えられる
本番前の練習方法 一人で練習して仕上げられる 発表の前夜に、不安で眠れなくなることが減る
毎回の講師からの感想 自分の話し方のくせが分かる 話したあとに「何が悪かったんだろう」と一人で悩まなくなる

左の列だけを見ると、どこにでもある講座に見えます。右の列まで書くと、読む人が「会議で真っ白になる自分」や「前夜に眠れない自分」を思い出し、その先の変化を想像できます。

この表ができたら、案内文の冒頭には右の列を、後半には左の列を置きます。場面で興味を持ってもらい、中身で安心してもらう流れです。

場面は、案内文の3か所に置く

書き換えた場面は、案内文の中で特に次の3か所に置くと効きます。

  • 冒頭の数行:読む人が「自分のことだ」と感じるかどうかは、最初の数行で決まります。一番多くの人に当てはまる場面をここに置きます
  • 見出し:案内文を上から丁寧に読む人は多くありません。見出しだけを拾い読みしても、変わる場面が伝わるようにしておきます
  • 申し込みの直前:中身や価格を読んで迷い始めた人に、もう一度「受講したあとの自分」を思い出してもらいます

同じ場面を3回くり返す必要はありません。冒頭には一番大きな変化、見出しには中身ごとの変化、申し込みの直前には一番身近な変化、というように、場面の大きさを変えて置くと自然に読めます。

小さな変化と大きな変化を分けて考えると、場面はさらに描きやすくなります。この考え方は、「小さな成果」と「大きな成果」を分けて設計する方法でも詳しく書いています。

場面を描くための材料は、見込み客の言葉の中にある

「場面を書いてください」と言われても、机の前で考えているだけでは、なかなか良い場面は出てきません。出てきたとしても、作り手が想像した、どこか他人事の場面になりがちです。

場面の材料は、見込み客がすでに口にしています。材料が見つかる場所は、次のようなところです。

  • 無料相談や面談で、相手がぽろっと言った一言
  • 問い合わせやSNSのコメントに書かれた悩み
  • 講座を受けた人の感想や、受ける前の不安
  • 同じテーマの本やサービスについた、読者の感想

こうした言葉を見つけたら、その場で書き留めておきます。「会議で頭が真っ白になる」「前の晩に眠れない」といった言葉は、作り手の頭からはなかなか出てきません。でも、同じ悩みを持つ人には一瞬で刺さります。

もう一つの材料は、あなた自身の経験です。あなたが今教えていることは、かつてのあなたが悩んでいたことのはずです。その頃に何に困り、どんな瞬間に「分かった」と感じたかを思い出してみてください。作り手の立場をいったん離れて、「初めてこの講座を見つけた人」として自分の講座を眺めると、書くべき場面が見えてきます。

見込み客の言葉を拾って言い換える方法は、見込み客が普段使う言葉に言い換える方法でも解説しています。

書き換えるときにやりがちな3つの失敗

最後に、場面に書き換えるときにやりがちな失敗を挙げておきます。

  • 約束できないことまで書く:「受講すれば必ず売上が上がります」のように、講座だけでは保証できない結果を書くと、信頼を失います。書くのは、講座の中で実際に手に入る変化までです
  • 誰にでも当てはまる言葉で書く:「人生が前向きになります」のような抽象的な言葉は、場面が浮かびません。「いつ・どこで・何が」が入っているかを確かめます
  • 中身の説明を消してしまう:場面だけで中身が書かれていないと、申し込む直前の人が判断できません。場面で興味を持ってもらい、中身で安心してもらう。両方そろって初めて申し込みにつながります

特に1つ目は注意が必要です。場面を生き生きと書こうとするほど、つい大げさになります。書いたあとに「この変化は、講座を受けた人の多くが本当に手にしているか」と自分に聞いてみてください。答えに迷うなら、もう一段小さな場面に書き直します。小さくても本当の変化の方が、読む人の信頼につながります。

案内文全体の組み立て方は、申し込みが来る募集文の書き方でも解説しています。場面の書き方とあわせて使ってみてください。

まとめ

  • 申し込む人が欲しいのは講座そのものではなく、受講したあとの「今より良い自分」
  • 中身の一覧だけの案内は、読む人には「越えるべき山」に見えることがある
  • 書かれていない変化は、読む人には伝わっていない。場面まで言葉にする
  • 中身→できるようになること→変わる場面→見込み客の言葉、の4つのステップで書き換える
  • 大げさな約束をせず、場面で興味を持ってもらい、中身で安心してもらう

まずは、今の講座の案内から中身を一つ選び、「それができると、どんな場面が変わるか」を1行だけ書いてみてください。その1行が、案内文の冒頭に置く言葉の候補になります。