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頑張るだけが正解ではありません|目の前の課題を頑張る前に確かめたい、目的から逆算する3つの問いと「損切り」の考え方

rev-340 コラム
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目の前の仕事や課題を、とにかく頑張る。真面目な人ほど、それが正しいことだと信じて、つらくても手を止めずに続けます。

頑張ること自体は、とても大切な力です。でも、頑張る場所を間違えると、その力が自分を追いつめてしまうことがあります。

結論から言うと、頑張るだけが正解ではありません。頑張る前に、「その課題は、自分の目的を達成するために本当に必要なのか」を確かめることが大切です。見込みが低いと分かったら、勇気を持ってやめる「損切り」も、立派な選択です。

この記事では、私が後輩から受けた相談をもとに、頑張りどころを見極める3つの問いと、損切りの考え方をお伝えします。ビジネスで成果が出ないときにも、そのまま使える考え方です。

真面目な後輩から受けた相談

帰省したときに、地元の後輩に会いました。車好きの彼は、少し前に欲しかった車を買ったそうで、同じく車好きの私にずっと見せたかったと話してくれました。久しぶりに車の話で盛り上がったあと、地元の海辺で、彼から人生の相談を受けました。

彼の会社は、とても忙しい職場です。朝早くに出社し、帰るのは日付が変わってから。休日に出勤したり、家で仕事をしたりすることも多いそうです。仕事自体は社会的な意義があり、外から見れば良い会社だと思われています。

彼には昔から叶えたい夢があり、少ない休みを使って、その活動を続けていました。叶えて仕事にできれば一番いいし、叶わなくても趣味として楽しめる人生を送りたい。でも、今の働き方では、そのための時間がほとんど取れません。

彼は責任感が強く、真面目で、慎重な人です。仕事がつらいからといって辞めるのは、「責任からの逃げ」だと感じていました。環境に不満があっても、自分の努力で合わせようとする。その我慢強さは、本当に尊敬できる素質です。

ただ、その素質が、彼自身を追いつめることにもなりました。つらさを我慢して頑張り続けた結果、心身の調子を崩して、休職することになったのです。

私に会ったとき、彼は「迷惑をかけてしまった」と自分を責めていました。転職や起業も考えているけれど、周りからは「どんな仕事でもつらいことはある。簡単に逃げるな」と言われ、決められずにいました。

頑張る前に確かめたい、目的から逆算する3つの問い

私は彼に、「頑張るべきではないこともある」と伝えました。これは、ビジネスでもまったく同じです。

目の前の課題に取り組む前に、次の3つの問いで確かめてみてください。

  1. 最終的な目的は何か:自分は、何のためにこれをしているのか
  2. この課題をクリアしないと、目的は達成できないのか:目の前の課題と目的は、本当につながっているか
  3. 別の方法ではだめなのか:同じ目的に、もっと無理なくたどり着ける道はないか

勉強を頑張る、良い学校に行く、良い会社に入る。こうした行動は、多くの場合、「幸せになる」という目的のための手段です。手段を頑張ることが、いつの間にか目的になっていないか。そこを確かめるのが、この3つの問いです。

彼の場合、目的ははっきりしていました。夢を追うこと、そしてそれが叶わなくても、好きなことに時間を使える人生を送ることです。その目的に照らすと、「今の会社で頑張り続ける」ことは、目的につながる道とは言いにくい状態でした。

職場の先輩たちを見ても、年次が上がるほど責任が重くなり、忙しくなっていく。彼がどれだけ頑張っても、その構造は変えられそうにありませんでした。

見込みが低いと分かったら、「損切り」する

ビジネスでも投資でも、「見込みが低い」と分かったときにやるべきことは、必死に頑張り続けることではなく、勇気を持ってやめることです。これを損切りと言います。

損切りができないと、時間がたつほど失うものが増えていきます。彼の場合なら、次のようなものです。

  • 夢に使えたはずの時間
  • 健康
  • 新しいことに挑戦する体力と気力

「今までこれだけ頑張ったのだから」という気持ちが、損切りを一番難しくします。 でも、これまでに使った時間は、続けても戻ってきません。大事なのは、ここから先の時間をどこに使うかです。

これは、会社を辞めるかどうかだけの話ではありません。ビジネスでも、成果の出ない方法を「もう少し頑張れば」と続けてしまうことがあります。

頑張り続けてしまう例 目的から見直すと
反応のない発信を、同じやり方で毎日続ける 目的は「発信すること」ではなく「お客様と出会うこと」。場所ややり方を変える
安い商品を、数でカバーしようと売り続ける 目的は「生活できる収入」。価格と商品の設計を見直す
全部を自分で抱えて、休みなく働く 目的は「自由な時間」。任せる・仕組みにする

頑張る量を増やす前に、頑張る場所を選び直す。成果が出ない原因を努力の量ではなく構造で考える方法は、ビジネスは仕組み化することが重要でも書いています。

今いる場所が、世界のすべてではない

自信をなくしていた彼に、もう一つ伝えたことがあります。それは、「今いる世界がすべてではない」ということです。

会社が変われば、仕事の中身も、ルールも、評価のされ方も、一緒に働く人も、まるで違います。世の中には数えきれないほどの会社があり、働き方があります。一つの職場でうまくいかなかったからといって、その人に価値がないわけではありません。その場所の環境やルールが、たまたま合わなかっただけです。

会社勤めだけでなく、自分でビジネスを始めるという道もあります。起業するとしても、分野、規模、やり方によって、必要な力はまったく違います。会社でうまくいかなかった人が、自分に合う場所で力を発揮する例もたくさんあります。

もちろん、会社を辞めれば、一時的に収入が減ることもありますし、準備や家族との話し合いなど、大変なことも出てきます。だからこそ、勢いで決めるのではなく、3つの問いで目的と手段を整理してから動くことが大切です。

なお、心や体の調子を崩しているときは、一人で抱え込まず、医師などの専門家に相談してください。大きな決断は、休んで少し回復してからでも遅くありません。

会社の「逃げるな」という言葉との向き合い方は逃げるは恥でも生きていけるで、我慢を続けるかどうかの考え方は人生を失敗して後悔する典型的なパターンで書いています。

頑張らなくていい状況を作るために頑張る

頑張っている状態というのは、心も体も、どこか無理をしている状態です。何かを一時的に頑張ることは必要ですが、何十年も頑張り続けるのは、やはりつらいものです。

だから私は、同じ頑張るなら、「頑張らなくてもいい状況を作るために頑張る」ことをおすすめしています。ビジネスで言えば、自分が動き続けなくても売れる仕組みを作ることです。

誤解のないように言うと、暇にならなければいけない、ということではありません。忙しくても、楽しくて充実しているなら、それはつらい状態ではありません。そういうとき、人は自分のことを「頑張っている」とは感じないものです。

まとめ

  • 頑張ることは大切な力だが、頑張る場所を間違えると自分を追いつめてしまう
  • 頑張る前に「目的は何か」「その課題は目的に必要か」「別の方法はないか」の3つを確かめる
  • 見込みが低いと分かったら、これまでの努力にとらわれずに損切りする
  • 今いる場所は世界のすべてではない。心身の不調があるときは専門家に相談する
  • 同じ頑張るなら、頑張らなくてもいい状況を作るために頑張る

まずは、今あなたが一番頑張っていることを1つ選び、3つの問いに答えを書いてみてください。そこが本当の頑張りどころかどうかが、見えてくるはずです。