本がついにAmazonに並んだ。何か月もかけて書いた一冊です。あとは読者が見つけてくれるのを待つだけ。そう思っている方は、とても多いです。
ところが、出版から何週間たっても、ほとんど読まれない。そんなことが普通に起こります。Amazonには毎日たくさんの新しい本が並ぶので、何もしなければ、あなたの本はすぐに埋もれてしまうからです。
結論から言うと、本は「出版して終わり」ではなく、出版してからが始まりです。読まれる流れを作り、読んだ人が次の一歩に進める道を用意しておく。この2つがそろって、はじめて本はあなたの仕事を助け続ける資産になります。
この記事では、出版の前後に読まれる流れの作り方、売り込まずに紹介する伝え方、巻末から本業へつなげる設計、本をチャレンジ企画や本業の入口にする考え方をお伝えします。
出版して待つだけでは、本は見つけてもらえません
本が読まれない原因は、内容の良し悪しより先に「存在を知られていない」ことがほとんどです。読者は、知らない本を探し当ててはくれません。
これは、お店を開いたのに、看板も出さず、誰にも開店を知らせないのと同じです。どれだけ良い商品を並べても、人が来なければ売れません。
だから、本を出したら、あなた自身が「この本はこんな人のための本です」と伝え続ける必要があります。ここで言う宣伝は、大きな広告を出すことではありません。今いる読者やお客様に、丁寧に知らせることです。
宣伝というと、売り込むようで気が引ける方もいますよね。でも、あなたの本を必要としている人にとっては、知らせてもらえることは親切です。知らないまま悩み続けるより、ずっといいはずです。
本を出す意味そのものは、シリーズ最初の記事Kindle出版で手に入る3つのもので書いています。そこでお伝えした「本業への入口」は、この記事で扱う流れを作って、はじめて働き始めます。
出版の前から、読まれる流れを準備しておく
宣伝は、出版した日から始めるものではありません。出版の前から準備しておくと、発売直後に読まれる流れが作れます。
制作の途中から、少しずつ見せる
本を作っている途中から、その様子を発信していきます。
- 「こんな悩みを持つ人のために、本を書いています」と、テーマを伝える
- 目次の一部や、書いていて気づいたことを紹介する
- 表紙ができたら見せて、感想をもらう
- 発売日が決まったら、日付を伝える
途中を見せると、読者は「自分も関わっている本」のように感じてくれます。発売を楽しみに待つ人が少しずつ増えていき、発売日に手に取ってもらいやすくなります。
発売直後に、集中して伝える
発売した直後は、本を知ってもらう一番の機会です。この時期に、ブログ、SNS、メルマガ、LINEなど、あなたが持っている発信の場所で、まとめて知らせましょう。
発売のあとも、折に触れて紹介する
発売直後に知らせて終わりにせず、その後も紹介を続けます。ブログで本に関係する記事を書いたとき、メルマガで読者から質問が来たとき、セミナーで同じ話題が出たとき。そうした場面で「この話は本で詳しく書いています」と自然に添えるだけで、本はずっと読まれ続けます。
Amazonには、読み放題の仕組みや、期間を決めて価格を下げられる仕組みなど、本を手に取ってもらいやすくする機能が用意されています。ただし、使える条件や内容は変わることがあります。使うかどうかは、KDPの公式の案内で最新の条件を確かめてから決めてください。
ブログ・SNS・メルマガで「売り込まずに」紹介する
本の紹介で一番やってはいけないのは、「買ってください」「今すぐ読んでください」を繰り返すことです。売り込まれていると感じた瞬間、人は離れていきます。
売り込まずに紹介するコツは、本ではなく、読者の悩みから話を始めることです。
| 売り込みになる伝え方 | 売り込まずに伝わる伝え方 |
|---|---|
| 本を出しました。ぜひ買ってください | こんな悩みを持つ方が多いので、その答えを一冊にまとめました |
| 自信作です。絶対に役に立ちます | 本の中で一番反響があった考え方を、少しだけ紹介します |
| ランキングに入りたいので応援してください | 書いた理由と、どんな人に読んでほしいかをお話しします |
媒体ごとに役割を分けると、さらに伝わりやすくなります。
- ブログ:本の中の考え方を1つ取り上げ、記事として読める形で紹介する。検索から来た人が本を知るきっかけになる
- SNS:書いた理由や、制作の裏話を短く届ける。人柄が伝わり、本に興味を持ってもらえる
- メルマガやLINE:今いる読者に、なぜこの本を書いたのか、どんな人に役立つのかを手紙のように伝える
媒体ごとの役割の違いは、SNS・メルマガ・LINEの役割の違いと配信の順番で詳しく解説しています。同じ告知文を全部の媒体に流すのではなく、場所に合わせて伝え方を変えてください。
読者の数が少なくても、心配はいりません。最初から大勢に届ける必要はなく、まずは身近な数十人に丁寧に届けるところからで十分です。宣伝で大切なのは読者の数より、あなたの言葉を読んでくれる人との関係です。
巻末から、次の一歩へ案内する
本を読み終えた読者は、あなたへの関心が一番高まっている状態です。ここで何の案内もなければ、読者はそのまま本を閉じ、次の本へ移ってしまいます。
そこで、巻末やまえがきの近くに、次の一歩への案内を置きます。案内の行き先は、たとえば次のようなものです。
- 本の内容を実践するためのワークシートや、手順の一覧
- 本の内容を動画で学べる無料講座
- 最新の情報や、本に書ききれなかった話を届けるLINE
ここで気をつけたいのは、押し売りにしないことです。そのために、次の3つを守ります。
- 本の中身は、本の中で完結させる:「続きはLINEで」のように、肝心な答えを隠して誘わない
- 読んだ人が自然に欲しくなるものを用意する:本で学んだことを、もう一歩進めるための道具や場にする
- 案内はくどくしない:まえがきの近くと巻末など、読者が「次はどうすればいいか」と思う場所に絞って置く
たとえば、時間管理の本を書いた人がいたとします。巻末で「本で紹介した1週間の見直し表を、そのまま使える形で用意しました」と案内すれば、読者は売り込まれたとは感じません。本を読んで実践したい人ほど、自分から受け取りに来てくれます。
案内のページに書くこと
案内のページは、長い説明はいりません。次の4つが伝われば十分です。
- あなたが誰で、なぜこの本を書いたのか
- 案内の先で、何が受け取れるのか
- それが、どんな人の役に立つのか
- どうすれば受け取れるのか
特に大事なのは、2と3です。「登録してください」だけでは、読者は動きません。受け取れるものと、それが本の内容とどうつながっているかが分かって、はじめて「受け取ってみよう」と思ってもらえます。
あとがきの著者紹介と、この案内のページを近くに置くのもおすすめです。本を読み終えて、あなたに興味を持った読者が、そのまま次の一歩を見つけられるからです。
スマホで読む人が多いので、案内にはリンクだけでなく、読み取りやすい形も添えておくと親切です。案内のページを作るときは、Amazonの規約で禁じられている内容がないかも、公式の案内で確かめておきましょう。
本を、チャレンジ企画や本業の商品の入口にする
巻末から案内した先で、読者との関係を深めていきます。ここで、本と本業がつながります。
流れは、次のように考えるとシンプルです。
- 本で、あなたの考え方と手順を知ってもらう
- 巻末から、LINEや無料講座に来てもらう
- LINEで役に立つ情報を届けながら、関係を作る
- 実際に手を動かす場として、チャレンジ企画に案内する
- もっと深くサポートが必要な人にだけ、本業の商品を提案する
本は、あなたを知ってもらう入口です。本だけで全部を解決しようとせず、「本で考え方を知り、チャレンジ企画で実際に取り組み、必要な人が本業の商品で大きな成果を目指す」という役割分担を作ると、どこにも無理がなくなります。
チャレンジ企画は、3日間の実践型の企画で信頼を作り、必要な人を個別面談と商品の提案につなげる仕組みです。本を読んで「この人の話をもっと聞きたい」と思った人にとって、ちょうどいい次の場所になります。全体像はチャレンジ企画の完全ガイドにまとめています。
本業の商品の位置づけは、バックエンド商品の本当の役割と3段階のラインナップで解説しています。本は小さな入口、商品は大きな成果。この順番を守ると、売り込まずに売れる流れになります。
レビューは「集め方」を間違えないでください
本のレビューは、ほかの読者が本を選ぶときの大事な材料です。だからこそ、集め方には気をつけてください。
次のような集め方は、勧めません。
- 家族や知り合いに頼んで、読んでいない人にレビューを書いてもらう
- お金や特典と引き換えに、高い評価のレビューを書いてもらう
- 著者同士でレビューを書き合う
こうした方法は、Amazonの規約に反するおそれがあり、本が削除されたり、アカウントに影響が出たりすることもあります。何より、読者をだますことになり、著者としての信頼を失います。
レビューは、読んだ人が正直な感想を書いてくれるのを待つのが基本です。巻末で「感想を聞かせてもらえるとうれしいです」と添える程度にとどめ、評価の高さを求めないことが大切です。レビューに関する決まりは変わることがあるので、公式の案内で確かめてください。
そして一番の近道は、読んで役に立つ本を作り、読んだ人が次の一歩に進めるように支えることです。感想は、その結果として自然に集まってきます。
まとめ
- 本は出版して終わりではない。今いる読者やお客様に、丁寧に知らせ続ける
- 制作の途中から少しずつ見せ、発売直後に集中して伝えると、読まれる流れができる
- ブログ・SNS・メルマガでは、本ではなく読者の悩みから話を始め、売り込まずに紹介する
- 巻末からLINEや無料講座へ案内する。本の中身は本の中で完結させ、読者が欲しくなるものを用意する
- 本をチャレンジ企画や本業の入口にする。レビューは不正に集めず、正直な感想を待つ
まずは、あなたの本の巻末に置く「次の一歩」を1つ決めて、それを受け取れる場所を用意するところから始めてみてください。

