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白紙のページから書き始める人ほど、手が止まります|読者の質問50個に答えるだけで、Kindle本の原稿と目次ができる方法

kindle-50-questions Kindle出版
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テーマも決まった。題名の案もできた。いざ書こうとパソコンを開くと、真っ白な画面の前で手が止まる。

「はじめに」と打ってみたものの、2行目が出てこない。何から書けばいいのか分からないまま、気づけば1時間がたっている。Kindle本を書こうとした方の多くが、一度はこの場面を経験しています。

これは、文章力の問題ではありません。白紙から「本を書こう」とする、取りかかり方の問題です。

結論から言うと、Kindle本の原稿は「作家」として書くより、「読者の質問に答える人」として作るほうがずっと進みます。読者が持っている質問を50個集めて、一つずつ答えていく。答えがたまったら、質問を並べ替える。それがそのまま本の目次になります。

この記事では、質問を増やす方法、読者の本当の疑問を集める場所、質問リストを目次に変える手順、そして本全体の型を解説します。

作家ではなく「質問に答える人」になる

白紙を前に手が止まるのは、「本を書く=作家のように文章を生み出すこと」だと思っているからです。でも、実用書を読む人が求めているのは美しい文章ではありません。自分の疑問への答えです。

考えてみてください。知り合いから「これってどうすればいいの?」と聞かれたら、たいていの人は答えられますよね。目の前の相手の質問に答えるのは、白紙に文章を書くよりずっと楽です。

実用書の原稿は、この「聞かれて答える」を何十回もくり返したものだと考えてください。1つの質問に1つの答え。それが本の1つの項目になります。

私自身、独立したばかりの頃に一番欲しかったのは、立派な理論ではなく「これをこの順番でやればいい」という手順でした。読者も同じです。自分の疑問に、順番に答えてくれる本を求めています。

全部の答えを知っている必要はない

「50個も答えられるほど詳しくない」と心配になるかもしれません。大丈夫です。答えが分からない質問が出てきたら、調べればいいのです。

ただし、調べたことをそのまま書き写すのではなく、自分の経験や考えを加えて答えてください。「一般的にはこう言われていますが、私が試したところ……」と一言添えるだけで、それはあなたにしか書けない答えになります。

質問は、1つの答えから次の疑問へつなげて増やす

では、50個の質問をどうやって集めるか。最初の方法は、自分で質問をつなげていくことです。

コツは、答えを書いたら「この答えを聞いた読者は、次に何が気になるか」を考えることです。1つの答えが、次の疑問を連れてきます。

例:ベランダで野菜を育てる本

たとえば、ベランダで野菜を育てる初心者向けの本を書く人がいたとします。最初の質問から、つなげてみましょう。

  • Q1:初めてなら、何を育てればいい?
  • A1:ミニトマトのように、育てやすく、実がなる様子が分かりやすいものがおすすめ
  • Q2:(A1から)ミニトマトは種から? 苗から?
  • A2:最初は苗から始めるほうが失敗しにくい
  • Q3:(A2から)良い苗はどう見分ける?
  • Q4:(A2から)苗はいつ植えればいい?
  • Q5:(Q4から)ベランダの日当たりが悪くても育つ?
  • Q6:(Q5から)日当たりが悪いとき、置き場所でできる工夫は?
  • Q7:(A1から)プランターはどのくらいの大きさが必要?
  • Q8:(Q7から)土は何を買えばいい?
  • Q9:(Q8から)使い終わった土はどう処分する?

1つの質問から、枝分かれするように質問が増えていくのが分かると思います。ここに水やり、肥料、虫、収穫、留守にするとき……と枝を伸ばしていけば、50個はそれほど遠くありません。

質問を増やすときの3つの視点

つなげる質問が出てこなくなったら、次の視点で考えてみてください。

  1. 前後を聞く:「その前に準備することは?」「そのあとはどうする?」
  2. つまずきを聞く:「うまくいかないときは?」「よくある失敗は?」
  3. 例外を聞く:「〇〇な場合はどうする?」「〇〇がないときは?」

特に「つまずき」の質問は、読者がいちばん答えを知りたい部分です。自分が最初に失敗したこと、人からよく聞かれることを思い出してみてください。

読者の本当の疑問は、外から集める

自分でつなげた質問だけでは、どうしても書き手の目線にかたよります。そこで、読者が実際に口にしている疑問を、外から集めます。

疑問が見つかる場所

場所 見るところ
Q&Aサイト テーマの言葉で検索し、実際に投稿されている質問と、その書き方
検索結果 「テーマ+Q&A」「テーマ+よくある質問」で出てくるページの質問の項目
検索窓の候補 テーマの言葉に続く候補。「〜 できない」「〜 いつ」などは、そのまま質問になる
同じテーマの本 目次で扱われている問いと、感想にある「ここが知りたかった」という声
お客様や周りの人 これまでに実際に聞かれたこと

Q&Aサイトでは、質問の中身だけでなく、言い回しにも注目してください。書き手が「わき芽かきの時期」と呼んでいることを、読者は「トマトの脇から出てくる芽は取ったほうがいいですか?」と書いているかもしれません。読者はその言葉で困っています。目次の項目にもその言い方を使うと、ぐっと伝わりやすくなります。

読者の言い方に合わせる考え方は、見込み客が普段使う言葉に言い換える顧客情報の整理で詳しく書いています。お客様から実際の声を集める方法は、“お客様の声”に宝の地図が眠る購入者アンケート術も参考にしてください。

集めた質問は、コンセプトでふるいにかける

集め始めると、質問は50個どころか、その倍以上になることもあります。ここで役に立つのが、本の軸を決めた1文のコンセプトです。「この本が助けると決めた人の質問か」「約束した変化に近づく質問か」で、入れる・入れないを決めてください。

1文のコンセプトの作り方は、1文のコンセプトで軸をぶらさない方法で解説しています。

質問リストを並べ替えると、そのまま目次になる

50個ほど質問がそろったら、目次づくりです。といっても、新しく考えることはほとんどありません。質問を並べ替えるだけです。

並べ替えの手順

  1. 質問を1つずつ付箋やカードに書く(表計算の1行に1つでも構いません)
  2. 似た質問を集めて、グループを作る
  3. グループに名前をつける。これが章になる
  4. 章を、読者が進む順番に並べる
  5. 章の中の質問も順番に並べる。これが各章の項目になる

ベランダ菜園の本なら、たとえばこんな章立てになります。

  • 第1章 始める前に(何を育てるか、置き場所、道具)
  • 第2章 植えつけ(苗の選び方、土、植える時期)
  • 第3章 毎日の世話(水やり、肥料、支柱)
  • 第4章 困ったとき(虫、病気、実がならない)
  • 第5章 収穫とその後(収穫の目安、土の処分、次の季節)

並べる順番は、読者が実際に進む順番、つまり「始める前→始める→続ける→困ったとき→次へ」の流れにすると、迷わずに読み進められます。

書くのは、書きやすい質問からでいい

目次ができても、第1章の1問目から書く必要はありません。答えやすい質問、話したいことがすぐ浮かぶ質問から書いてください。1つ答えると勢いがつき、次の質問にも手が伸びます。

質問への答えを、書かずに「話して」作る方法もあります。書くのが苦手な方は、Kindle本の原稿を仕上げる4つの方法も読んでみてください。

本の型は「まえがき→本編→役立つおまけ→あとがき」

最後に、本全体の型を確認しておきます。質問と答えは本の中心ですが、その前後に置くものがあります。

部分 役割 入れること
まえがき 読者を本の中に招き入れる なぜこのテーマを知っておくといいのか/書いているのは誰で、なぜこの人の話を聞く意味があるのか/読むと何ができるようになるか
本編 疑問に答える 並べ替えた質問と答え。章の終わりに、短い要点と「次にやること」を添える
役立つおまけ 読んだあと行動に移せるようにする チェックリスト、書き込み用のシート、手順の一覧表、さらに学べる資料の紹介など
あとがき 背中を押して送り出す 本編の大事なポイントのまとめと、読者が次に踏み出す一歩

まえがきで「誰の話か」を伝える

まえがきは、読者が買う前の試し読みで目にすることが多い部分です。ここで「この本は自分のためのものだ」「この人の話なら聞いてみたい」と感じてもらえるかどうかが決まります。

立派な経歴がなくても大丈夫です。あなたがそのテーマにどう向き合ってきたか、どんな失敗をしてきたかを、正直に書いてください。読者が知りたいのは肩書きより、「この人も自分と同じところでつまずいたことがある」という手ざわりです。

章の終わりのまとめは、読者のためになる

読者は、読んでいる間は納得していても、本を閉じると内容を忘れてしまいがちです。章の終わりに3行ほどの要点と、「次にやること」を1つ置いておくと、読者が行動に移しやすくなります。

本の厚みが足りないと感じたときも、まず足すべきはこの「章ごとの要点」や、本編の内容を実際に使った例です。話を広げて別のテーマを足すより、読者の役に立つ厚みになります。

役立つおまけとあとがきは、次の関係への入口

役立つおまけとあとがきは、本を読み終えた読者と、あなたとの次の関係につながる場所でもあります。本で役に立った読者は、「この人からもっと学びたい」と感じてくれます。その気持ちを本業の講座や個別のサポートへ自然につなぐ場所として、巻末を設計しておくと、本は読まれて終わりではなく、本業への入口になっていきます。

まとめ

  • 白紙から書こうとすると手が止まる。作家ではなく、読者の質問に答える人になる
  • 質問は、1つの答えから「次に何が気になるか」とつなげて増やす
  • Q&Aサイト、検索結果、検索窓の候補、同じテーマの本、周りの人から、読者の本当の疑問を集める
  • 質問リストを並べ替えると、そのまま目次になる
  • 本の型は「まえがき→本編→役立つおまけ→あとがき」

まずは、あなたのテーマで読者が最初に聞きそうな質問を1つ書き、その答えを書いてみてください。答えを書き終えたとき、次の質問はもう浮かんでいるはずです。