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書くのが苦手な人ほど、「話して」本を作ってください|Kindle本の原稿を仕上げる4つの方法と、自分に合う選び方

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本を出してみたい。テーマも決まって、目次の案もできた。それなのに、いざ書こうとすると手が止まる。

真っ白な画面を前に、最初の一文で30分悩んでしまう。そんな経験をしている方は、とても多いです。「自分は文章を書くのが苦手だから、本なんて無理なのかもしれない」と、そこで諦めてしまう方もいます。

でも、原稿が進まない原因は、文章力ではありません。多くの場合、自分に合わない「作り方」を選んでいるだけです。

結論から言うと、Kindle本の原稿の作り方は、大きく4つあります。一人で短期集中して書く方法、聞き役に質問してもらう方法、一人で話して録画する方法、そして過去の発信を集めて組み直す方法です。書くのが苦手な人ほど、「話して」原稿を作る方法が向いています。

この記事では、4つの方法の進め方と向き不向き、自分に合う方法の選び方、そして話した長さから原稿の量を見積もる計算の仕方まで、順番に解説します。

原稿が進まないのは、文章力のせいではありません

ハウツー本やノウハウ本で読者が求めているのは、美しい文章ではありません。「自分の悩みが、分かりやすく解決されること」です。

つまり、必要なのは作家のような表現力ではなく、相手に物事を分かりやすく伝える力です。そして、この力をすでに持っている方は意外と多いです。お客様からの質問に答えている。後輩に仕事を教えている。友人の相談に乗っている。こうした場面で、あなたは毎日のように「分かりやすく伝える」ことをしているはずです。

それなのに、書こうとすると止まってしまう。理由はシンプルで、「書く」という作業そのものに慣れていないからです。話せば5分で伝えられることが、文章にしようとすると1時間かかる。これは能力の問題ではなく、道具の問題です。

だからこそ、原稿の作り方を一つに決めつけないことが大切です。キーボードに向かって書くのが得意な人もいれば、話す方がずっと楽な人もいます。自分が一番力を出しやすい方法で、原稿の「材料」を作ればいいのです。

どの方法を選ぶ場合でも、先に用意しておきたいのが、読者の質問を並べた目次の案です。質問の集め方は、読者の質問に答えるだけで原稿と目次ができる方法で解説しています。この質問リストがあれば、4つのどの方法でも「何を書くか・何を話すか」で迷わなくなります。

方法1:一人で短期集中して書く

一つ目は、もっともオーソドックスな「自分で書く」方法です。ただし、ダラダラと何か月もかけるのではなく、期間を短く区切って一気に書き上げるのがポイントです。

進め方

  1. 準備の日を1日とる:書く場所を決め、通知を切り、目次の案と必要な資料を手元にそろえる。この日はまだ書かない
  2. 書きやすい質問から書く:目次の1番目から書く必要はありません。答えやすい質問から手をつけると、勢いがつきます
  3. 時間を区切る:たとえば「30分書いて休む」を1回として、1日に何回かくり返す
  4. 止まったら別の質問へ移る:一つの項目で行き詰まったら、すぐに別の項目に移って書き続ける
  5. 最後に全体を読み直す:抜けている説明や、例が足りないところを足す

大事なのは、書いている途中で直さないことです。誤字や言い回しが気になっても、まずは最後まで書き切ります。直す作業と書く作業を同時にやろうとすると、どちらも進まなくなるからです。

向いている人

  • 書くこと自体が苦ではない人
  • まとまった時間と、集中できる場所を確保できる人
  • 自分のペースで、黙々と進めたい人

反対に、書くのが苦手な人がこの方法を選ぶと、準備の段階で止まりやすくなります。その場合は、次の「話す」方法を試してみてください。

方法2:聞き役に質問してもらい、対談を録音する

二つ目は、書くのが苦手で、話す方が得意な人に一番おすすめしたい方法です。

あなたの代わりに質問をしてくれる「聞き役」を一人見つけます。友人、仕事仲間、お客様など、誰でも構いません。その人に、目次の案に沿って質問してもらい、あなたが答えます。そのやり取りをすべて録音して、あとから文字にするのです。

進め方

  1. 質問リストを聞き役に渡す:目次の案をそのまま質問の形にしておく
  2. 日時を決めて対談する:オンライン通話でも対面でも構いません。必ず録音する
  3. 録音を文字にする:文字起こしの道具を使うか、文字起こしの仕事を請けている人に頼む
  4. 読みやすく整える:「えー」「あのー」などを取り、話し言葉を書き言葉に直し、質問ごとに節に分ける

この方法の良いところは、一人では出てこない話が引き出されることです。聞き役から「それって、具体的にはどういうことですか?」と聞かれると、自分では当たり前だと思っていた手順や、例え話が自然と出てきます。読者がつまずくポイントを、聞き役が代わりに見つけてくれるのです。

もう一つの良いところは、人と約束することで締切が生まれることです。「この日に話を聞いてほしい」とお願いした以上、それまでに目次を仕上げるしかありません。一人だと先延ばしにしがちな準備が、自然と進みます。

気をつけたいこと

録音の失敗は、取り返しがつきません。録音の道具を二つ同時に動かしておく、始める前に短く試し録りをする、といった備えをしておくと安心です。

聞き役には、相手にとっての良いことも用意しましょう。たとえば「できあがった本を先にお渡しします」と伝えるだけでも、引き受けてもらいやすくなります。

方法3:一人でプレゼンして録画する

三つ目は、方法2の「一人版」です。聞き役が見つからない場合や、自分のペースで話したい人に向いています。

目次の案をもとに、質問と答えの要点をスライドにまとめます。そして、オンライン会議の道具で自分一人の会議を開き、録画ボタンを押して、聞き手がいるつもりでスライドを1枚ずつ説明していきます。あとは方法2と同じように、録画を文字にして整えます。

この方法ならではの良さ

一番の良さは、作ったスライドが、そのまま本の図として使えることです。

文字ばかりの本は、読者にとって読み疲れしやすいものです。手順の流れや、比べる表、全体の地図のような図が入るだけで、本はぐっと分かりやすくなります。プレゼン用に作ったスライドを画像として書き出せば、原稿づくりと図づくりが一度に終わります。

また、セミナーや講座で話した経験がある人にとっては、もっとも慣れた形で原稿を作れる方法です。普段の説明の流れをそのまま使えるので、構成で悩む時間も短くなります。

気をつけたいこと

一人で話していると、聞き手の反応がない分、説明が抜けやすくなります。話す前に、「この部分で読者はどこにつまずきそうか」を目次の横にメモしておくと、抜けを防げます。録画のあとで、身近な人に一部を聞いてもらうのも効果的です。

方法4:過去のブログやメルマガを集めて組み直す

四つ目は、すでに発信を続けている人に向いた方法です。

ブログ記事、メルマガ、SNSの長めの投稿、セミナーの資料、動画の台本。これまでに作ってきたものの中には、本の材料がたくさん眠っています。目次の案に関係するものを集め、本の流れに沿って並べ直し、足りない部分を書き足すのです。

進め方

  1. 目次の案に沿って、過去の発信を集める:質問ごとに「使えそうなもの」を割り当てていく
  2. 足りない質問を見つける:材料がない質問は、方法1〜3のどれかで補う
  3. 流れと口調をそろえる:順番を入れ替え、重なる説明を削り、全体のトーンを整える

「無料で公開している記事を本にしていいの?」と心配される方もいます。でも、読者がお金を払うのは、情報が一冊にまとまっていることに対してです。バラバラの記事を探し回る手間がなくなり、正しい順番で読める。それ自体が、本ならではの価値になります。

ただし、記事をそのまま貼り合わせるだけでは本になりません。セミナーの資料に入っていた商品の案内や、当時の時事ネタは削りましょう。本として最初から読んだときに、話がつながっているかを必ず確かめてください。

まだ発信が少なく、材料になるものが思いつかない方は、経験と知識を商品の材料に変える棚卸しから始めてみてください。本の材料も、商品の材料も、元は同じあなたの経験です。

自分に合う方法の選び方と、原稿量の目安

4つの方法は、どれが正解というものではありません。自分の得意と、今の状況で選びます。

状況 向いている方法
書くのが苦ではなく、集中できる時間がある 方法1:一人で短期集中して書く
話す方が得意で、頼める相手がいる 方法2:聞き役との対談
話す方が得意だが、一人で進めたい/図も作りたい 方法3:一人でプレゼンして録画
すでに記事やメルマガが積み上がっている 方法4:過去の発信を組み直す

組み合わせても構いません。たとえば、過去の記事で半分を埋め、残りを一人プレゼンで補う、という進め方もできます。

話した長さから、原稿の量を見積もる

話して原稿を作る場合、「どれくらい話せば一冊分になるのか」が気になりますよね。これは、自分で計算できます。

  1. 自分の話す速さを測る:いつもの調子で1分ほど話して録音し、文字にして数える
  2. 話す時間をかける:1分あたりの文字数 × 話す分数 = 文字起こしの量
  3. 整えたあとの量を見込む:言い直しや重複を削るので、文字起こしより少し減ると考えておく

たとえば、1分の録音を文字にしたら250字だった人がいたとします。この人が90分話せば、250字 × 90分で、およそ22,500字の文字起こしができます。整える段階で削れる分を見込んでも、2万字前後の原稿の土台が手に入る計算です。

これが本にしたときに何ページになるかは、文字の大きさや図の量、表示のしかたで変わります。ページの数え方や条件は、公式の案内で最新の情報を確かめてください。大事なのは、「何百ページも書かなければ」と身構える必要はない、ということです。

まとめ

  • 原稿が進まない原因は文章力ではなく、自分に合わない作り方を選んでいること
  • 原稿の作り方は「一人で短期集中」「聞き役との対談」「一人でプレゼン」「過去の発信を組み直す」の4つ
  • 書くのが苦手な人ほど、話して録音し、文字にしてから整える方法が向いている
  • 話した長さから原稿の量は計算できる。まず自分の1分あたりの文字数を測る

次の一歩として、まずは目次の案の中から質問を一つ選び、スマホで1分だけ答えを録音してみてください。それを文字にすると、「話せば原稿になる」感覚がつかめます。文字にしたあとの整え方は、話した音声とAIで原稿を速く仕上げる手順で解説しています。