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ライバルがいないテーマほど、本は売れません|Kindle本のテーマを決める前に確かめる3つの質問

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本を出そうと決めて、最初に悩むのがテーマです。「自分は何について書けばいいんだろう」。ここで何週間も止まってしまう方は少なくありません。

そして、テーマを探しているうちに、こんな考えが浮かぶことがあります。「このテーマの本は、まだ誰も書いていない。ライバルがいないなら、自分の本が一番になれるはずだ」。

結論から言うと、その考えはとても危険です。誰も書いていないテーマは、チャンスではなく「求めている人がいない」サインであることがほとんどです。本が売れるかどうかは、書き始める前のテーマ選びでかなりの部分が決まります。

この記事では、テーマを決める前に確かめたい3つの質問と、読者が「本」を求めているのか「別の形の解決策」を求めているのかを見分ける方法、そして売れている市場に自分ならではの切り口を足す考え方を解説します。

「誰も書いていない」は、チャンスではなく危険のサイン

ライバルがいないテーマに惹かれる気持ちは、よく分かります。競争しなくていいなら、楽に一番になれそうに感じますよね。

でも、少し立ち止まって考えてみてください。Amazonには、すでに数え切れないほどの本が並んでいます。そのなかで、誰も手をつけていないテーマがあるとしたら、理由はたいてい次のどれかです。

  • そもそも、その悩みを持っている人がほとんどいない
  • 悩みはあっても、お金を払って解決しようとは思われていない
  • 悩みはあるが、本以外の方法で解決されている

どれに当てはまっても、本は売れません。ライバルがいないのではなく、市場がないのです。

ライバルがいるのは、お客様がいる証拠

逆の見方をしてみましょう。同じテーマの本がたくさん並んでいて、レビューもついている。これは「このテーマにお金を払う人がいる」という、何よりの証拠です。

ライバルがいる市場に入るのは、怖く感じるかもしれません。でも、売れている市場に入るほうが、お客様を一から探すより、ずっと再現性が高いです。私がよくお伝えしている「オリジナルで頑張るな、パクって超えろ」も、同じ考え方です。中身を真似るのではなく、売れている場所を選び、そこで自分にしか出せない価値を足す。これが正しい順番です。

売れているテーマをAmazonで探す考え方は、売れるテーマはAmazonに聞けの記事でも解説しています。

テーマを決める前に確かめる3つの質問

では、思いついたテーマが売れるかどうかを、どう確かめればいいのか。私は、次の3つの質問に順番に答えることをおすすめしています。

質問 確かめること
1. どれくらい探されているか その悩みを調べている人が、十分にいるか
2. 誰が探しているか どんな立場・状況の人が、その悩みを持っているか
3. すでにお金を払って何かを買っているか その悩みのために、人がお金を使っているか。何に使っているか

大事なのは、3つすべてに答えることです。 1つ目だけを見て「たくさん探されているから大丈夫」と判断すると、あとで大きくつまずきます。

質問1:どれくらい探されているか

最初に見るのは、その悩みを調べている人がどれくらいいるかです。

細かい数字を出す必要はありません。ここでの目的は、大まかな需要があるかどうかをつかむことです。たとえば、次のような方法で確かめられます。

  • 検索サイトやAmazonの検索窓にテーマの言葉を入れ、どんな検索候補が出てくるかを見る
  • そのテーマについて書かれたブログや記事、動画がどれくらいあるかを見る
  • 関連する本がどれくらい並んでいるかを見る

検索候補がほとんど出てこない、関連する情報もほとんど見つからない。この場合は、テーマを広げるか、別のテーマを考えたほうがいいサインです。

なお、検索候補に出てくる言葉は、本の題名や説明文を作るときにも役立ちます。その使い方は、シリーズのAmazonの検索候補から「買う人の言葉」を拾う方法で詳しく書いています。

質問2:誰が探しているか

次に、その悩みを持っているのが「どんな人か」を考えます。

同じテーマでも、探している人によって、求める中身はまったく違います。たとえば「家計の見直し」というテーマでも、次のように読者は分かれます。

  • 結婚したばかりで、二人のお金の管理方法を決めたい人
  • 子どもの進学を前に、教育費を準備したい人
  • 定年が近づき、これからの暮らしに不安がある人

誰に向けた本なのかがぼやけていると、どの人にも「自分のための本だ」と思ってもらえません。探している人の顔を具体的に思い浮かべられるかどうかを、確かめてください。

届ける相手の決め方は、ターゲットの決め方とWHO設計の記事も参考になります。チャレンジ企画向けの記事ですが、考え方は本でも同じです。

質問3:すでにお金を払って何かを買っているか

3つ目が、一番見落とされやすく、一番大事な質問です。

その悩みのために、人はすでにお金を払っているでしょうか。本、講座、道具、サービス。何でも構いません。お金が動いているなら、その悩みは「お金を払ってでも解決したい」ものだと分かります。

確かめ方の一つは、Amazonで関連する本や商品を見て、レビューがどれくらいついているかを見ることです。レビューの数は、買って使った人の数の目安になります。

さらに、星の少ないレビューや、真ん中くらいの評価のレビューも読んでみてください。「内容は良いけれど、自分の状況には当てはまらなかった」「やり方は分かったが、続けられなかった」。こうした声は、既存の本に足りないものを教えてくれます。そこが、あなたの本が入り込める場所です。

すでに何かを買っている人に買ってもらうほうが、一度もお金を払ったことのない人に買ってもらうより、ずっと簡単です。だからこそ、この質問を飛ばさないでください。

「本」を求めているのか、「別の形」を求めているのか

3つ目の質問に答えるとき、もう一歩踏み込んで見てほしいことがあります。それは、人がお金を払っている先が「本」なのか、「別の形の解決策」なのか、という点です。

同じ悩みを持つ人が、たくさん探していて、お金も払っている。それでも、その人たちが求めているのが本ではない形なら、本を出しても読まれにくいのです。

例:大人になってからギターを始めたい人

たとえば、大人になってからギターを始めたい人を考えてみます。検索もされていますし、お金を払っている人もたくさんいます。

ただ、その人たちが何にお金を払っているかを見ると、いくつかの形に分かれます。

求めていること お金を払う先 本との相性
指の動かし方や音を確かめたい 動画のレッスン、教室 低い(動きや音は文字で伝えにくい)
弾きたい曲を練習したい 楽譜、練習用の教材 中くらい
忙しくても練習を続けたい、挫折したくない 続け方の考え方、練習の組み立て方 高い(考え方や手順は本で伝えやすい)

もし「ギターの弾き方」そのものを本にしようとすると、動画や教室と比べられてしまいます。指の形や音は、文字だけではどうしても伝わりにくいからです。

一方で「仕事をしながら、大人がギターで挫折しないための練習の続け方」なら、話は変わります。時間の作り方、練習の順番、気持ちが折れそうなときの考え方。こうした内容は、本という形と相性がいいです。

本と相性がいい悩みの見分け方

同じ悩みのなかでも、本が向いている部分と、向いていない部分があります。見分けるときは、次のように考えてみてください。

  • 本が向いている:考え方、判断の基準、手順、順番、つまずきやすい場所の先回り
  • 本が向きにくい:体の動き、音や映像で確かめること、その場で一緒にやってもらうこと

あなたの専門分野にも、この両方があるはずです。本で届ける部分と、本業のサービスで届ける部分を分けて考えると、テーマを選びやすくなります。

売れている市場に、自分ならではの切り口を足す

3つの質問を通り、本と相性がいいことも分かった。最後にやるのは、売れている市場の中で「あなたの本でなければいけない理由」を作ることです。

ライバルの本と同じ中身では、後から出したあなたの本を選ぶ理由がありません。とはいえ、まったく新しいことを発明する必要もありません。すでにある市場に、あなたならではの切り口を一つ足せばいいのです。

切り口を見つける4つの方向

切り口は、次の4つの方向から考えると見つけやすいです。

  1. 相手を絞る:「誰にでも」ではなく、特定の立場や状況の人に向ける
  2. 場面を絞る:「いつ・どんなときに」困っているのかに焦点を当てる
  3. 経験を足す:あなたがその悩みを解決してきた経験や、お客様と向き合ってきた中での気づきを入れる
  4. 順番を示す:情報を並べるのではなく、「この順番でやればいい」という道筋を見せる

たとえば、家計の本が多く並んでいる市場でも、「共働きで忙しい夫婦が、週に一度の話し合いだけで家計を整える方法」なら、相手と場面がはっきりします。同じ市場の中で、ちゃんと選ばれる理由ができるわけです。

切り口は、読者の言葉で確かめる

切り口を考えたら、それが読者に響く言葉になっているかも確かめてください。書き手が使いたい専門用語と、読者が普段使う言葉は、ずれていることがよくあります。

この「言葉のずれ」の直し方は、見込み客が普段使う言葉に言い換える整理で詳しく書いています。また、読者がその本を買う理由を複数そろえて、1文のコンセプトにまとめる方法は、シリーズの読者が本を買う理由と1文のコンセプトの回で解説しています。

まとめ

  • 「誰も書いていないテーマ」は、チャンスではなく市場がないサインであることが多い
  • テーマを決める前に、「どれくらい探されているか」「誰が探しているか」「すでにお金を払って何かを買っているか」の3つすべてに答える
  • お金を払っている先が「本」なのか「別の形の解決策」なのかを見分け、本と相性がいい部分を選ぶ
  • 売れている市場に入り、相手・場面・経験・順番のどれかで自分ならではの切り口を足す

次の一歩として、思いついているテーマを一つ選び、Amazonで関連する本を3冊探して、そのレビューを読んでみてください。読者が何に満足し、何に物足りなさを感じているかが見えてくるはずです。