自分の知識や経験を商品にしたい。でも、まだ自分の商品はない。そんな段階の方にとって、他人の商品を紹介して収入を作る方法は、時間を切り売りする働き方から抜け出すための現実的な入口です。商品を作らなくても、読者との信頼を今日から育て始められます。
ところが、いざ調べ始めると、不安になる方が多いんですよね。同じ分野で紹介をしている人がすでにたくさんいる。検索しても、上のほうには見慣れた名前ばかり並んでいる。「今から始めても、もう遅いのではないか」。そう感じて、始める前に止まってしまう。
結論から言うと、紹介の世界で「後から始めた」ことは、思っているほど不利ではありません。差がつくのは、始めた時期ではなく、手法が変わっても続けられる力を育てているかどうかです。その力は、「自分の発信の場を育てる力」「何が求められているかをつかむ感覚」「文字で伝える力」の3つです。
この記事では、後から始めた人が不利にならない理由、長く続けるために育てる3つの力、そして始める前に決めておくことを解説します。なお、紹介でどれくらいの収入になるかは、扱う分野や読者との関係によって大きく変わります。ここでは金額の話ではなく、長く続けるための考え方をお伝えします。
「後から始めた人は不利」は、言葉の印象にすぎない
他人の商品を紹介して報酬を受け取る仕組みは、ネットの歴史の中で生まれた、比較的新しい働き方です。そして、その中身は何度も入れ替わってきました。
検索で記事を読んでもらう方法、メールで読者と関係を作る方法、広告を使う方法、SNSや動画で広める方法。発信の場が変わるたびに、うまくいくやり方も変わってきました。先に始めた人も、そのたびに試し直しています。つまり、この世界には「一度覚えれば終わり」の勝ち方がまだありません。後から始めた人にも、先に始めた人と同じように、試す余地が残っているのです。
「後から始めた人が、先に始めた人に勝つ方法」という言葉を見かけることがあります。こうした言葉は、読む人の気持ちを引きつけるための言い回しであることが多いです。自分は後から来た側だ、と思い込む必要はありません。
もう一つ、よくある思い込みがあります。以前よく見かけた人が最近見かけなくなると、「あの人も続かなかったのか」と感じてしまうことです。でも、目立たなくなったことが、そのまま失敗を意味するわけではありません。ほかの仕事に移った人も、表に出なくなっただけの人もいます。見えている景色だけで、市場が終わったと判断しないことが大切です。
新しい読者は、毎日やって来る
「もう市場が埋まっている」と感じるのは、発信する側から見た景色です。読む側に目を向けると、見え方が変わります。
どんな分野にも、今日はじめてその悩みを持った人がいます。はじめて家計を見直そうと思った人、はじめて子どもの進路に悩んだ人、はじめて転職を考えた人。こうした人は、毎日のように新しく現れて、自分に合う情報を探し始めます。
そして、先に始めた発信者は、続けるうちに経験が増え、だんだんと詳しい人向けの話をするようになりがちです。始めたばかりの人ほど、はじめて悩む人の気持ちに近い言葉で書ける。 これは、後から始めた人だけが持っている強みです。
はじめての人がつまずく場所、分からない言葉、不安に感じること。それを、少し前の自分の体験として書ける。この強みは、始めた時期が遅いほど失われるどころか、今この時点で一番新鮮です。
差がつくのは、始めた時期より「長く続ける力」
では、紹介を長く続けられる人と、途中でやめてしまう人の差は、どこから生まれるのでしょうか。
手法は、これからも変わり続けます。今うまくいっている方法が、来年も同じように通用するとは限りません。だから、手法そのものを覚えることより、手法が変わっても使える力を育てることが大切です。私は、その力を次の3つだと考えています。
| 力 | 中身 | 手法が変わっても残る理由 |
|---|---|---|
| 自分の発信の場を育てる力 | 記事や動画を積み上げ、読者が集まる場所を作り続ける | 場の形が変わっても、積み上げる手順は同じ |
| 何が求められているかをつかむ感覚 | 誰が何に困り、どの商品が合うのかを見極める | 読者の悩みは、場が変わってもなくならない |
| 文字で伝える力 | 頭の中の考えや体験を、分かりやすい言葉にする | どの場でも、伝える土台は言葉になる |
一つずつ見ていきます。
力1:自分の発信の場を育てる力
紹介を続けるには、読者が集まる場所が必要です。記事でも動画でもかまいませんが、大事なのは、コツコツと積み上げていくことです。すぐに反応がなくても、続けた分だけ場は育っていきます。
ここで言う「続ける」は、気合いの話ではありません。続けられる仕組みの話です。書く日と時間を先に決めておく、ネタを思いついたらすぐ書き留める場所を作っておく、一回で完璧を目指さない。こうした工夫で、やる気に頼らずに続けられるようになります。
もう一つ大切なのは、自分で持っている場所を中心にすることです。SNSや投稿サービスは人が集まりやすい反面、決まりを決めるのは場の持ち主で、その決まりは変わることがあります。一方、自分で持っているブログなら、決まりを決めるのは自分です。借りた場所は入口として使い、積み上げは自分の場所に置いておくと、決まりが変わっても揺らぎにくくなります。
力2:何が求められているかをつかむ感覚
2つ目は、商売の感覚と言ってもいいかもしれません。今、読者は何に困っているのか。この商品は、どんな人に合うのか。どう見せれば良さが伝わるのか。この価格は、読者にとって納得できるものか。こうしたことを見極める力です。
この感覚は、才能ではなく経験で育ちます。一番の近道は、紹介したい商品を自分で使ってみることです。使ってみて、どこが良くて、どこでつまずいたか。どんな人なら満足しそうで、どんな人には合わなさそうか。自分の基準で評価を書き出してみると、それだけで感覚が磨かれていきます。
気をつけたいのは、報酬の高さや、ほかの人の評判で評価を決めてしまうことです。報酬が高い順に並べただけの紹介は、読めばすぐに分かります。自分の基準で評価しているかどうかが、読者からの信頼の分かれ目になります。
力3:文字で伝える力
3つ目が、3つの中で一番の土台になる力です。自分の考えや体験を、読む人に分かりやすい言葉にする力です。
発信の場が変わっても、伝える土台は言葉です。記事はもちろん、動画でも台本がありますし、SNSの短い投稿でも言葉を選びます。文字で伝える力がある人は、場が変わってもまた新しい場所で発信を始められます。反対に、特定の場の仕組みだけに詳しい人は、その場が変わったときに一から出直すことになります。
文字で伝える力を育てるには、次のようなことが役に立ちます。
- 一つの記事では、一人の読者に向けて書く
- 調べたことより、自分が使ってみた体験を中心に書く
- 書いたら声に出して読み、引っかかるところを直す
自分の体験の中から書く材料を見つける方法は、経験と知識を商品の材料に変える棚卸し7項目も参考になります。
たとえば、介護の経験がある人がいたとします
イメージしやすいように、例を出してみます。親の介護を何年も続けてきた人が、その経験を生かして、介護用品の紹介を始めたいと考えたとします。
調べてみると、介護用品を紹介している記事はたくさんあり、「今から始めても遅い」と感じました。でも、読む側の景色を思い浮かべてみます。今日はじめて親の介護が始まり、何を買えばいいのか分からずに検索している人は、毎日のようにいます。その人が知りたいのは、商品の一覧より、「最初の一週間で何が本当に必要だったか」という、経験した人の話です。
そこで、自分のブログを場の中心に決め、書く日を週に二回と決めます。紹介する商品は、自分が実際に使ったものだけに絞ります。そして、使ってみて助かったこと、合わなかったこと、はじめての人がつまずきやすいところを、自分の言葉で書いていきます。
先に始めた人が大勢いても、この人にしか書けない記事があります。後から始めたことは、むしろ「つい最近まで、はじめての側にいた」という強みになります。
始める前に、決めておく3つのこと
最後に、始める前に決めておきたいことを挙げておきます。
- 扱う悩みの分野:商品の種類ではなく、「誰のどんな悩みに役立つか」で決める
- 積み上げる自分の場所:借りた場所は入口に使い、積み上げる場所は自分で持つ
- 続ける時間の枠:週に何回、いつ書くかを先に決めておく
この3つは、始めてから考えようとすると、いつまでも決まりません。分野が決まらないと書く記事がぶれ、場所が決まらないと積み上げが散らばり、時間の枠がないと忙しい週から止まっていきます。反対に、この3つさえ決まっていれば、最初の記事の出来が多少粗くても、続けるうちに整っていきます。完璧な準備より、小さく決めて始めることのほうが、ずっと大切です。
私も独立したばかりのころは、何を発信すればいいか分からず、ブログやSNSを続けても成約につながりませんでした。当時いちばん欲しかったのは、「これをこの順番でやればいい」という手順です。紹介から始める全体の順番は、初心者はまずアフィリエイトから始めよでまとめています。
まとめ
- 紹介の手法は発信の場が変わるたびに入れ替わってきたので、後から始めた人にも試す余地がある
- どんな分野にも、はじめて悩む人が毎日やって来る。始めたばかりの人ほど、その人に近い言葉で書ける
- 差がつくのは始めた時期ではなく、「発信の場を育てる力」「求められているものをつかむ感覚」「文字で伝える力」の3つ
- 始める前に、扱う悩みの分野、積み上げる自分の場所、続ける時間の枠を決める
まずは、あなたが「少し前の自分なら知りたかったこと」を3つ書き出してみてください。それが、後から始めたあなたにしか書けない、最初の記事の材料になります。


