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文章がうまくなっても講座は売れません|読まない・信じない・動かない「3つの壁」で案内文の止まり所を見つける方法

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講座の案内文やメルマガ、SNSの投稿を、時間をかけて丁寧に書いている。読み返すと、我ながら分かりやすい。それなのに、申し込みがない。反応もほとんどない。こんなとき、多くの方は「もっと文章がうまくならないと」と考えます。

そして、言い回しを磨いたり、表現を強くしたり、文章の講座で学び直したりします。でも、それで反応が変わることは、あまり多くありません。

結論から言うと、売れない文章は「下手だから」売れないのではなく、読み手が越えるべき壁のどこかで止まっているから売れません。その壁は、読まない・信じない・動かないの3つです。どの壁で止まっているかが分かれば、直すところは1つに絞れます。

この記事では、3つの壁の中身、壁ごとの見分け方と直し方、そして案内文を書くときの順番を解説します。

売るための文章は「上手な文章」とはちがう

まず、言葉の意味をそろえておきます。この記事で言う「売るための文章」は、きれいな言い回しや、心に残る名文のことではありません。読んだ人に、実際に何か一つ行動してもらうための文章です。

行動といっても、いきなり申し込みだけを指すわけではありません。記事を最後まで読む、メルマガに登録する、次のメールを開く、個別相談に申し込む。こうした小さな行動の積み重ねの先に、講座の申し込みがあります。

つまり、売るための文章は、販売ページだけの話ではないんです。ブログ、SNSの投稿、メルマガ、問い合わせへの返信。読み手の興味を引き、信頼してもらい、行動してもらうための文章すべてが含まれます。「うまく書く」ではなく「次の行動まで運ぶ」と考えると、直すべきところが見えてきます。

読み手の前には、3つの壁がある

人が文章を読んで行動するまでには、順番があります。まず興味を持ち、次に信頼し、最後に行動する。この順番は入れ替わりません。興味がなければ読まれず、信頼がなければお金は払われません。

そして、それぞれの段階の前に、壁が立っています。

壁 読み手の状態 越えるために必要なもの
読まない壁 自分に関係ないと思い、開かない・読み進めない 「自分のことだ」と一瞬で分かる入口
信じない壁 読んではいるが、「本当かな」と疑っている 根拠と、正直さ
動かない壁 納得はしたが、「あとでいいか」と先延ばしにする 次の一歩の分かりやすさと、今動く理由

読み手は、忙しく、たくさんの情報に囲まれています。関係ないと思えばすぐに閉じますし、大げさな話には慣れているので簡単には信じません。そして、信じたとしても、人は決めることを先に延ばします。これは読み手が悪いのではなく、誰にでも起きることです。

だから、売るための文章の役目は、この3つの壁を1つずつ越えてもらうことになります。

壁ごとの見分け方と直し方

では、自分の文章がどの壁で止まっているのかを、どう見分ければいいのか。手元にある数字や反応で、ある程度は分かります。

読まない壁で止まっているとき

見分け方:メールが開かれていない。記事の最初の数行で離れられている。投稿が素通りされている。

この場合、本文をいくら直しても効果は出ません。問題は入口です。題名や件名、書き出しの一文が、読み手に「自分のことだ」と思わせられていません。

直し方は、読み手が普段使っている言葉で、読み手の悩みを書くことです。講師の側の専門用語で書くと、読み手は自分のことだと気づけません。見込み客の言葉への言い換え方は、見込み客が普段使う言葉に言い換える方法で詳しく書いています。

入口の言葉を決めるには、誰に向けて書くのかが決まっている必要があります。「講師やコーチの皆さん」ではなく、「最初の講座を作ったのに、案内の仕方が分からない人」のように、一人の姿が浮かぶところまで絞ります。

信じない壁で止まっているとき

見分け方:最後まで読まれている、「いいですね」という反応もある。でも、相談や申し込みには進まない。

この場合、読み手は興味を持っていますが、書いてあることを自分に当てはまるとは信じきれていません。直し方は、主張の強さではなく、根拠を足すことです。

  • なぜそう言えるのか、理由を書く
  • 実際に受けた人の声や、具体的な変化を書く
  • できないこと、向いていない人も正直に書く

3つ目は意外に思われるかもしれません。でも、良いことだけが並んだ文章ほど、読み手は疑います。「こういう人には向いていません」と書いてある方が、残りの内容を信じてもらいやすくなります。

動かない壁で止まっているとき

見分け方:「気になっています」「検討します」という声は届く。でも、申し込みの数が増えない。

この場合、読み手は納得しています。止まっているのは、次に何をすればいいか分からないか、今やる理由がないかのどちらかです。

直し方は、次の一歩を1つに絞って、はっきり書くことです。「詳しくはこちら」「お問い合わせはこちら」「申し込みはこちら」と出口が3つも4つもあると、人は迷って何も押しません。そのうえで、募集の締め切りや定員があるなら、その理由と一緒に伝えます。理由のない「今だけ」は、かえって信頼を下げます。締め切りの伝え方で信頼を失わない考え方は、「今日決めないと損です」は言わなくていいで書いています。

壁を見分けるときにやりがちな3つの失敗

止まり所を探すときに、よく起きる失敗も挙げておきます。

  • 全部の壁を一度に直そうとする:題名も本文も締め切りも一度に変えると、何が効いたのか分からなくなります。直すのは、一番手前で止まっている壁から1つずつです
  • 読まれていないのに、本文を書き直す:開かれていない文章の本文をいくら磨いても、読まれないままです。まず入口を直し、読まれるようになってから中身を見ます
  • 動かない壁を、強い言葉で越えようとする:「今しかない」「最後のチャンス」と言葉を強くすると、一時的に申し込みが増えることはあっても、信じない壁が高くなります。次の案内が届きにくくなるので、言葉の強さではなく、分かりやすさで越えてもらいます

壁は手前から順番に並んでいます。読まれなければ信じてもらえず、信じてもらえなければ動いてもらえません。だから、直す順番も手前からです。この順番を守るだけで、「どこを直せばいいか分からない」という迷いはなくなります。

案内文は「注意→関心→欲しい→行動」の順で組む

3つの壁が分かったら、案内文を書くときも、この順番に沿って組み立てます。昔からよく知られている文章の型も、この流れでできています。

  1. 注意:題名や書き出しで、「自分のことだ」と振り向いてもらう
  2. 関心:その悩みがなぜ起きるのか、どうなれるのかを示して、読み進めてもらう
  3. 欲しい:受けたあとの変化を具体的な場面で描き、根拠を添えて「自分もそうなりたい」と思ってもらう
  4. 行動:次の一歩を1つだけ示し、今動く理由があれば正直に伝える

この順番を飛ばすと、壁にぶつかります。たとえば、注意を引かないまま中身の説明から始めると、読まない壁で止まります。関心を育てないまま値段と申込ボタンを出すと、信じない壁で止まります。

たとえば、片づけを教える人がいたとします

例で考えてみます。家の片づけを教える講座を案内したい人がいたとします。最初の案内文は、「片づけ講座を開きます。全4回で、収納の基本から応用まで学べます。お申し込みはこちら」でした。

これを4つの順番で組み直します。注意は、「週末に片づけても、水曜日には元に戻ってしまう方へ」。関心は、戻ってしまう原因は収納の技術ではなく、物の定位置が決まっていないことだと示す。欲しいは、定位置が決まった家で、朝の支度が短くなる場面を描き、受けた人の声を添える。行動は、「まず無料の説明会で、自分の家の場合を聞いてみてください」と1つに絞る。

講座の中身は何も変えていません。読み手が壁を越えられるように、順番を並べ直しただけです。

最初の案内文が悪かったわけではありません。書いてあることは正しく、講座の中身も伝わります。ただ、読み手が「自分のことだ」と気づく入口も、「本当かな」に答える根拠もなく、いきなり申し込みを求めていました。3つの壁を一度に越えるよう頼んでいたわけです。順番を並べ直すと、読み手は一段ずつ壁を越えていけます。

メールは、壁を少しずつ越えてもらう場所になる

最後に、3つの壁とメールの関係について触れておきます。

販売ページのような長い文章は、3つの壁を1回で全部越えてもらう必要があります。これは難しい作業です。一方、メルマガのように何回にも分けて届けられる場所では、壁を少しずつ越えてもらえます。

  • 最初の数通で、「自分のことを分かってくれる人だ」と感じてもらう(読まない壁)
  • 考え方や根拠、失敗談を届けて、信頼を積み重ねる(信じない壁)
  • 最後に、次の一歩を示す(動かない壁)

ここで気をつけたいのは、メールのゴールを「面白かった」で終わらせないことです。読者に楽しんでもらうことは大切ですが、それが次の行動につながらなければ、読者も自分の悩みを解決できないままです。毎回のメールで、読んだ人に何をしてほしいのかを1つだけ決めておきます。

信頼を先に積んでおけば、最後に長い説明をしなくても、「案内を待っていました」と言ってもらえる状態に近づきます。売り込まずに売れる、というのは、こうして壁を先に越えてもらっている状態のことです。信頼を育てる発信の考え方は、売り込まずに信頼を作る3つの教育でも解説しています。

まとめ

  • 売るための文章は、上手な文章ではなく、読み手を次の行動まで運ぶ文章
  • 読み手の前には、読まない・信じない・動かないの3つの壁がある
  • 開かれないなら入口、読まれても動かないなら根拠、検討止まりなら次の一歩を直す
  • 案内文は「注意→関心→欲しい→行動」の順で組み、順番を飛ばさない
  • メールは、壁を少しずつ越えてもらう場所。毎回、次にしてほしい行動を1つ決める

まずは、最近書いた案内文を1つ選んで、「この文章はどの壁で止まっていそうか」を考えてみてください。止まっている壁が分かれば、直すところは1つに決まります。