自分の講座を一度売ってみると、次に考えるのが「もっと多くの人に届けたい」ということです。自分の名簿だけでは届く人数に限りがある。そこで、同じような悩みを持つ人たちを名簿に抱えている発信者に、講座を紹介してもらえないかと考えます。
ところが、いざ声をかけようとすると手が止まります。面識のない人に、どう頼めばいいのか。思い切ってメッセージを送ってみたけれど、返事が来ない。丁寧に断られた。そんな経験をした方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、協力者は「頼んで」見つけるものではなく、「頼む前の関係」で決まります。相手にとって、あなたはまだ知らない人です。知らない人の講座を、自分が大切にしている読者に紹介することはできません。まず自分から相手の役に立ち、信頼を積み上げてから、ようやく頼む。 この順番を守ると、協力の話は「お願い」ではなく「相談」になります。
この記事では、協力者の候補の見つけ方、頼む前に信頼を積み上げる5つの手順、組む相手の段階の合わせ方、そして頼むときに添える材料を解説します。
協力して売るとは、相手の信頼を借りること
まず、協力して講座を売るとはどういうことかを整理しておきます。
形としてはシンプルです。あなたは、講座の案内の入口(登録のページ)と、登録した人に届く案内の流れを用意します。協力者は、その入口を自分の名簿の読者に紹介します。そこから申し込みがあれば、あらかじめ決めた分け方で、協力者に紹介料を支払います。
あなたが「売れる流れ」を用意し、協力者が「届ける」を受け持つ。役割ははっきりしています。
ただ、ここで見落としやすいことがあります。協力者が紹介するとき、使っているのは名簿だけではありません。読者からの信頼です。紹介した講座の中身が薄かったり、買ったあとの対応が悪かったりすれば、読者の不満は紹介した協力者に向かいます。一度の紹介で得られる紹介料より、読者との長い信頼の方がずっと大事なので、協力者は「よく知らない人の講座」を紹介することを何より避けます。
いきなり頼んで断られるのは、あなたの講座が悪いからではありません。相手があなたを知らないからです。だから、やるべきことは頼み方を磨くことではなく、知ってもらうことです。
協力者の候補は「名簿を集めているか」で見る
信頼を積み上げる前に、誰と関係を作るかを決めます。探し方は特別なものでなくて大丈夫です。自分の講座のテーマに近い言葉で検索したり、SNSで発信している人を見たりすれば、候補は見つかります。
候補を見るときの基準は、有名かどうかではありません。次の3つです。
| 見るところ | 確かめること |
|---|---|
| 名簿を集めているか | 無料の資料や講座の登録ページ、メールやLINEの登録口があるか |
| 読者が近いか | 自分の講座の見込み客と、悩みや段階が重なっているか |
| 読者を大切にしているか | 売り込みばかりでなく、読者の役に立つ発信を続けているか |
いくら閲覧数が多くても、名簿を集めていない人とは、協力して売る形が成り立ちません。紹介を読者に直接届ける場所がないからです。まず「登録の入口があるか」で候補を絞り、そのうえで読者の近さと、発信の誠実さを見ます。
ここで候補が数人に絞れたら、すぐに連絡したくなりますが、まだ頼みません。ここからが本番です。
頼む前に信頼を積み上げる5つの手順
私は、信頼を積み上げる流れを次の5つで考えています。全部を順番にやる必要はありませんが、上から取り組むほど自然に関係が深まります。
- 相手の読者になる
- 相手の講座を受けて、実践して、結果を伝える
- 相手の講座を、自分の読者に紹介する
- 相手が困っているときに手を貸す
- 顔を合わせる場に足を運ぶ
手順1:相手の読者になる
最初は、相手の名簿に登録し、発信を読み続けることです。相手が何を大切にしていて、どんな読者を抱えていて、今何に力を入れているのか。これを知らずに関係は作れません。
読んでいて役に立ったことがあれば、短く感想を返します。長い自己紹介も、自分の講座の話もいりません。「この部分を試してみました」という一言で十分です。
手順2:相手の講座を受けて、実践して、結果を伝える
関係を深めるうえで、とても効き目があるのがこれです。相手の講座や個別の支援を実際に受け、学んだことを実践し、出た結果を本人に伝えます。
講座を作っている人にとって、「あなたの講座のおかげで、こうなりました」という報告は何よりうれしいものです。自分の教えたことが誰かの役に立ったかどうかを、講師は本当に知りたいと思っているからです。そして、結果を報告してくれた受講者のことは、はっきり覚えています。
大切なのは、受けるだけで終わらないことです。実践して、何か一つでも変化を作り、それを具体的に伝える。この一手間が、ほかの大勢の受講者との違いになります。
手順3:相手の講座を、自分の読者に紹介する
自分の講座を紹介してほしいなら、先に自分が相手の講座を紹介します。相手が紹介の仕組みを用意しているなら、それに登録して、自分の名簿やブログで紹介します。
販売している人は、誰の紹介から申し込みが来ているかを把握しています。自分の講座を熱心に紹介してくれる人の名前は、自然と目に入ります。先に相手の売上に貢献することで、「この人となら組める」と思ってもらえる土台ができます。
もちろん、紹介するのは自分が受けて良いと思った講座だけです。関係を作るために、自分の読者に合わないものを勧めてはいけません。それは自分の読者の信頼を削ることになります。
手順4:相手が困っているときに手を貸す
発信を読み続けていると、相手が困っている場面に気づくことがあります。人手が足りない、催しの準備が回っていない、ある作業に詳しい人を探している。そういうときに、自分にできることで手を貸します。
贈り物をする場合も考え方は同じです。高価なものである必要はありません。大事なのは、相手の関心や状況を知ったうえで選んでいることです。「自分のことを見てくれている」と伝わるかどうかが、相手の記憶に残るかどうかを分けます。
どちらも、見返りを求めないことが前提です。「手伝ったのだから紹介して」という気持ちが透けると、それまでの積み上げが一度に崩れます。
手順5:顔を合わせる場に足を運ぶ
オンラインだけでやり取りしていると、なかなか距離が縮まらないことがあります。そういうときは、相手が開いている勉強会や交流会、オンラインでも顔を出して話せる場に参加します。
そうした場では、講師本人だけでなく、ほかの参加者との出会いもあります。同じテーマに関心があり、同じように協力者を探している人がいることも少なくありません。直接話すと、人柄や考え方が文字よりずっと伝わります。
組む相手は「同じ段階の人」から
候補を選ぶときに、もう一つ気をつけたいことがあります。いきなり、自分よりずっと規模の大きい人と組もうとしないことです。
名簿の規模も実績も大きく違う相手に声をかけても、相手にとって組む理由がありません。まずは自分と近い段階の人と組み、小さく成果を出します。その記録を持って、次は少し上の段階の人へ。段階を一つずつ上げていく方が、結果として早く大きな協力につながります。
近い段階の人と組むと、お互いに得るものが同じくらいなので、話もまとまりやすいです。紹介し合う、講座を一緒に開くなど、形の選択肢も広がります。
頼むときは「数字」と「お客様の声」を添える
信頼が積み上がり、いよいよ頼む段階になったら、気持ちだけでなく材料を用意します。相手が知りたいのは、「紹介して読者に喜ばれるか」と「紹介する価値があるか」の2つです。
1つ目の材料は、自分の名簿で実際に売ったときの数字です。何人に案内し、何人が登録し、何人が申し込んだか。自分で一度売った記録があるから、相手も見通しを立てられます。案内から申し込みまでの数字の見方は、申込から成約までの9つの数字で解説しています。
2つ目の材料は、お客様の声です。受講した人からの感想や、実践して出た変化の報告。協力者が一番恐れているのは、紹介した講座で読者をがっかりさせることなので、「買った人が満足しているか」は数字と同じくらい大切な判断材料になります。売上の数字がまだ大きくなくても、満足の声がはっきりあれば、それを補ってくれることがあります。
そして、分け方(紹介料の決め方)は、相手に考えさせずにこちらから具体的に示します。そのうえで相手の希望を聞き、書面で残します。
協力者探しでやりがちな4つの失敗
最後に、よくある失敗を挙げておきます。
- 面識のない相手に、自分の講座の案内を送る:相手から見れば、大勢の売り込みの一つにすぎません
- 講座を受けても、報告しない:受講しただけでは、ほかの大勢の受講者と区別がつきません
- 見返りを前提に手伝う:「手伝ったのだから」という態度は、それまでの関係を壊します
- 自分の名簿で売った記録がないまま頼む:相手は、紹介してよいかを判断する材料を持てません
特に最後の失敗は、関係ができていても起こります。協力を頼む前に、まず自分の名簿で売る。少人数でも構いません。私も、チャレンジ企画で集客3名で売上600万円になったことがあります。人数が少なくても、自分で売った記録は残ります。チャレンジ企画の全体の流れは、チャレンジ企画の完全ガイドにまとめています。
まとめ
- 協力者が紹介するとき使っているのは、名簿と読者からの信頼。知らない人の講座は紹介できない
- 候補は「名簿を集めているか」「読者が近いか」「読者を大切にしているか」で選ぶ
- 頼む前に、読者になる・受講して結果を伝える・相手の講座を紹介する・困りごとに手を貸す・顔を合わせる、の順で信頼を積み上げる
- 組む相手は、自分と近い段階の人から始める
- 頼むときは、自分で売った数字とお客様の声を添え、分け方をこちらから示す
まずは、自分の講座と読者が近い発信者を数人書き出し、その人の名簿に登録するところから始めてみてください。頼むのは、ずっとあとで大丈夫です。

