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話がうまい人ほど、個別面談で成約しません|9割聞く人が使っている聞き方の型

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説明には自信がある。セミナーでも、分かりやすいと言ってもらえる。それなのに、個別面談になると決まらない。

実は、こういう方は少なくありません。話がうまい人ほど、面談でもつい説明が長くなります。相手の反応がよいと、さらに話を続けてしまう。気づけば面談の時間のほとんどを自分が話していて、最後に「考えます」と言われて終わる。

結論から言うと、高額の講座を安定して売れる人は、面談のほとんどの時間を聞くことに使っています。そして、その「聞く」は、ただ黙って相手の話を待つことではありません。相手が安心して本音を話せるように、聞き方と質問の順番を意識して組み立てています。

この記事では、その聞き方を「型」としてお渡しします。特別な才能は要りません。型として覚えて練習すれば、誰でも身につけられるものです。

「9割聞く」は、黙って待つことではない

「面談では聞くことが大事」と言われると、こちらからは何も言わずに、相手が話してくれるのを待てばいいと思うかもしれません。でも、それでは本音は出てきません。

初対面の相手に、自分の悩みや不安を話すのは、誰でも抵抗があります。何も言わずに待っていると、相手は「何を話せばいいんだろう」と戸惑い、当たり障りのない話で時間が過ぎていきます。

9割聞く面談で売り手がしているのは、次の3つです。

  1. 相手が「この人には話しても大丈夫だ」と感じられる聞き方をする
  2. 相手が話しやすくなる順番で、ほめて、認める
  3. 答えやすい質問と、本音を聞く質問を組み合わせる

どれも、話す量は少ないけれど、何もしていないわけではありません。むしろ、相手が話しやすくなるように、細かく気を配っています。ここから一つずつ見ていきます。

相手を理解するための5つの聞き方

相手にあなたのサービスを理解してほしいなら、先にあなたが相手を理解する必要があります。そのために私が意識している聞き方が5つあります。

聞き方 具体的にすること
1. 思惑を手放す 「次に何を話そうか」「どう商品の話につなげようか」を考えながら聞かない。相手の考えを否定も評価もせず、「そう考えているんですね」と受け止める
2. 聞いていると示す うなずく、メモを取る、相手の目を見る。オンラインなら、カメラを見て、相づちを少し大きめにする
3. 小さな疑問を聞く 少しでも引っかかったことは、質問して確かめる。話が長くなりそうでも聞く
4. 沈黙を待つ 相手が黙っても、その沈黙を埋めない。相手は頭の中で考えを整理している
5. 先に理解する まず相手を理解することに集中する。分かってもらえたと感じた相手は、今度はこちらの話を聞こうとしてくれる

思惑は、必ず相手に伝わる

1つ目の「思惑を手放す」は、一番難しく、一番大切です。どうやって商品の話につなげようかと考えながら聞いていると、相づちが上の空になり、相手には必ず伝わります。

心の中で「結局は楽をしたいだけでは」とツッコミを入れるのも同じです。表情に出て、信頼を壊します。面談の残り時間といった、自分の側の都合も、いったん脇に置いてください。

沈黙のあとに、本音が出てくる

4つ目の「沈黙を待つ」も、慣れるまでは勇気が要ります。数秒の沈黙でも、こちらはとても長く感じるからです。

でも、相手が黙っているときは、言葉を探しているときです。そこで待っていると、それまで出てこなかった言葉が出てきます。沈黙を埋めようと次の質問をすると、その言葉は出てこないままになります。

相手が「長くなってしまうので」と遠慮して話を切り上げようとしたときは、こう伝えてください。

あなた:大丈夫です。全部伺いたいので、思いつくまま話してください。

この一言で、相手は「この人は本当に聞いてくれる」と安心します。

ほめる、認める、共感する、の順番

人には、ほめられたい、認められたいという気持ちがあります。心理学では「承認欲求」と呼ばれるものです。また、人には、何かをしてもらうと「お返しをしたい」と感じる傾向もあります。こちらは「返報性」と呼ばれ、好意を受けると好意で返したくなる、という形でも表れると言われます。

面談では、この2つが順番につながります。先にほめられ、認められたと感じた相手は、「この人の話を聞いてみよう」と感じやすくなります。逆に、いきなり「私の話を聞いてください」と求めても、相手の心は動きません。

  1. ほめる:相手の行動や努力を、具体的に言葉にする
  2. 認める:相手の考えや苦労を、否定せずに受け止める
  3. 共感する:相手の気持ちに寄り添う一言を添える
  4. 応えたくなる:相手の中に「この人の話を聞いてみよう」という気持ちが生まれる

この順番は学術的な分類ではなく、私が面談で実感してきた流れです。そして、ほめるのは、本当にそう感じたことだけにしてください。心にもないお世辞は、すぐに見抜かれます。

「すごいですね」で終わらせない

「すごいですね」だけでは、相手の心には残りません。何がすごいのかを、具体的に言葉にします。

たとえば、会社員をしながら副業でコーチングをしていて、毎晩の発信を1年続けているけれど、成果がまだ出ていない人がいたとします。

あなた:お仕事をしながら、毎晩の発信を1年も続けてこられたんですね。それは、なかなかできることではないと思います。
相手:いえ、成果が出ていないので……。
あなた:成果はこれから作ればいいと思います。続ける力があるということは、やり方さえ分かれば、ちゃんと形にできる方だということですから。

成果が出ていないことを責めず、続けてきた事実を認める。これだけで、相手は自分の状況を話しやすくなります。

答えやすい質問を重ねてから、本音を聞く

質問には、大きく分けて2つの種類があります。

  • 答えやすい質問(クローズド質問):「はい・いいえ」や、2〜3の選択肢から選んで答えられる質問。会話のテンポとリズムを作る
  • 本音を聞く質問(オープン質問):自由に答えてもらう質問。相手の考えや本音を引き出せるが、使い方を誤ると、相手が答えに詰まる

面談の基本のリズムは、答えやすい質問をいくつか重ねてから、本当に聞きたいことを本音を聞く質問で尋ねる形です。

たとえば、整体院を一人で営んでいて、去年腰を痛めた人がいたとします。

あなた:整体院は、今、予約はほぼ埋まっている状態ですか。
相手:はい、ほぼ埋まっています。
あなた:施術は、お一人でされているんですよね。
相手:そうです。
あなた:去年、腰を痛められたと伺いましたが、今もまだ痛みはありますか。
相手:ええ、まだ少し。
あなた:そうでしたか。……この先のお仕事のことを考えたとき、一番気がかりなのは、どんなことですか。
相手:正直に言うと、自分が倒れたら、収入がなくなることですね。

答えやすい質問で「はい」が続くと、相手は会話に乗りやすくなります。そのうえで本音を聞く質問をすると、自然に深い答えが返ってきます。いきなり「この先の不安は何ですか」と聞くと、相手は身構えて、答えに詰まりがちです。

2つの注意点

  • 答えやすい質問を続けすぎると、尋問のように聞こえる。続けるのは多くても5つ程度まで、というのが私の経験上の目安
  • 相手が答えに詰まったら、本音を聞く質問が早すぎた合図。答えやすい質問に戻って、リズムを作り直す

また、相手の話を一言にまとめて確かめるのも、答えやすい質問の大切な使い方です。「今一番のお悩みは、ご自身が倒れたときの収入の不安、ということで合っていますか」と聞けば、相手は自分の悩みがはっきり言葉になったと感じます。

本音を聞く質問を、面談のどこで、どの順番で重ねていくかは、悩みを深める「質問の階段」の作り方で詳しくお伝えしています。

次の日程は、二択で決める

答えやすい質問は、日程を決める場面でも役に立ちます。次の面談や、スタートの打ち合わせの日程を決めるとき、「次はいつにしましょうか」と自由に答えてもらう聞き方は避けてください。相手は予定を思い浮かべて迷い、「また連絡します」で終わってしまうことが多いからです。

二択を重ねて、少しずつ絞り込みます。

あなた:次回のお打ち合わせですが、今週と来週でしたら、どちらがご都合よいですか。
相手:来週のほうがいいですね。
あなた:平日と週末でしたら、どちらがよろしいですか。
相手:週末は仕事があるので、平日で。
あなた:午前と午後でしたら?
相手:午前ですね。
あなた:では、来週の火曜日と木曜日の午前でしたら、どちらがよいですか。
相手:木曜日でお願いします。

一つひとつは小さな質問ですが、相手は迷わずに答えられます。これは強引に決めているのではなく、相手が迷う手間を減らしている、という考え方です。決まった日程の前日にどう連絡するかは、面談リマインドと未返信フォローの考え方にまとめています。

聞く力を体で覚える「聞かない3分」と「聞く3分」

聞く力は、知識として知っているだけでは身につきません。体で違いを感じるのが一番の近道です。家族や仕事仲間と、二人一組でできる練習を紹介します。

  1. 話し手と聞き手を決める。話し手は「最近うれしかったこと」か「最近困っていること」を話す
  2. 1回目の3分:聞き手はわざと聞かない。目をそらす、相づちを打たない、別のことを考える
  3. 2回目の3分:聞き手は、この記事の5つの聞き方で、しっかり聞く
  4. 役割を入れ替えて、同じことをする
  5. 最後に、話し手と聞き手それぞれの立場で、1回目と2回目の違いを話し合う

やってみると、多くの方が驚きます。聞いてもらえないと、話し手は焦って言葉が出なくなります。反対に、しっかり聞いてもらえると、1回目には出てこなかった話が次々に出てきます。わざと聞かない役のほうも、思った以上につらいと感じるはずです。

慣れてきたら、受け止めにくい話で

ふつうの話をふつうに聞くことは、誰にでもできます。本当の練習になるのは、自分には共感しにくい考えや、理解しにくい話を受け止めることです。

慣れてきたら、話し手にあえて自分と違う意見や目標を話してもらい、否定せずに聞き切る練習をしてみてください。実際の面談では、そういう場面こそが、信頼を得られるかどうかの分かれ目になります。

聞く力は、生まれつきの性格で決まるものではありません。型と練習で身につく、再現性のある技術です。練習で体に入った聞き方は、本番の面談でも自然に出てくるようになります。

まとめ

  • 9割聞く面談は、黙って待つことではない。相手が本音を話せるように、聞き方と質問の順番を組み立てる
  • 5つの聞き方:思惑を手放す/聞いていると示す/小さな疑問を聞く/沈黙を待つ/先に理解する
  • ほめる → 認める → 共感する、の順番を守ると、相手は「この人の話を聞いてみよう」と感じやすくなる
  • 答えやすい質問を重ねてから、本音を聞く質問をする。日程は二択を重ねて決める
  • 「聞かない3分」と「聞く3分」の練習で、聞く力の違いを体で覚える

次の一歩は、身近な人と「聞かない3分」と「聞く3分」を一度だけやってみることです。たった6分ですが、面談での聞き方が変わり始めます。