チャレンジ企画を開いて、役に立つ話もした。参加者からは「勉強になりました」という感想ももらえた。それなのに、宿題はあまり出てこないし、個別面談の申し込みもほとんどない。
そんな経験をされた方は、多いのではないでしょうか。
内容が悪かったわけではないと思います。話し方が下手だったわけでもありません。多くの場合、抜けているのは「教育メッセージ」です。
結論から言うと、参加者が行動し、自然に面談を申し込むようになるには、ノウハウとは別に「考え方と判断基準を整えるメッセージ」が必要です。それも、参加者を責めるのではなく、うまくいかなかった原因を構造で伝えることが大切です。
この記事では、教育メッセージとは何か、「問題・手段・お金」の3つの教育の中身、募集から面談までの使い分け、そしてAIでたたき台を作るときの直し方をまとめました。
ノウハウだけでは、人は動きません
チャレンジ企画は、ノウハウを伝える場ではあります。ただ、それだけで終わると参加者はこうなりやすいです。
- 勉強にはなったけれど、行動しない
- 自分の課題に気づかない
- 一人でもできそうだと思ってしまう
- 個別面談の必要性を感じない
- 最後の商品の案内が、急に感じられる
理由はシンプルです。参加者は、自分がなぜ今まで止まっていたのかを分かっていないからです。原因が分からないまま新しいノウハウを受け取っても、「いい話だった」で終わってしまいます。
そこで必要になるのが、教育メッセージです。教育メッセージとは、参加者の考え方や判断基準を整えるためのメッセージのことです。具体的には、次のようなことを納得できる形で伝えます。
- なぜ今までうまくいかなかったのか
- 何を変えれば前に進めるのか
- なぜこの方法が必要なのか
- なぜ一人だと止まりやすいのか
- なぜサポートに投資する価値があるのか
これが伝わると、参加者の中で「だから自分はここで止まっていたんだ」「だからこの方法なんだ」と話がつながります。行動する理由が、本人の中に生まれるのです。
教育は、売り込みではありません
「教育」と聞くと、相手をコントロールするような印象を持つ方もいるかもしれません。でも、ここで言う教育は、不安を煽って買わせるためのものではありません。
目的は、参加者が自分の状況を正しく理解して、次の行動を自分で選べるようにすることです。選ぶのはあくまで参加者本人です。
1つ目:問題の教育は「責めずに、構造で伝える」
問題の教育とは、参加者が今抱えている悩みの、本当の原因を理解してもらうことです。
多くの人は、うまくいかない理由を自分の中に探します。
- 自分には才能がない
- 文章力がない
- 実績が少ない
- フォロワーが少ない
- セールスが苦手
もちろん、これらが少し関係していることもあります。ただ、本当の原因は別のところにあることがほとんどです。
たとえば、募集文が書けないのは、文章力の問題というより、誰に何を届けるのかが決まっていないからかもしれません。AIに頼んでも一般的な文章しか出てこないのは、AIの性能のせいではなく、自分の経験や商品の情報、お客様の悩みといった材料を渡していないからかもしれません。
言ってはいけない言葉
問題の教育で一番大事なのは、参加者を責めないことです。次のような言い方は避けてください。
- 「行動力がないからです」
- 「本気度が足りないからです」
- 「努力不足だからです」
- 「センスがないからです」
これを言われた参加者は、前向きに動けなくなります。そして、何も言わずに静かに離れていきます。
代わりに、構造として伝えます。
これまでうまくいかなかったのは、才能がないからではありません。誰に届けるのか、何を届けるのか、どう販売につなげるのかが、まだ整理されていなかっただけかもしれません。
こう言われると、参加者は「自分がダメだったわけではない」「整理すれば前に進めるかもしれない」と感じます。安心できて初めて、人は自分の課題に向き合えます。
私自身、独立したばかりの頃は、ブログもSNSも続け、無料相談もしたのに成約につながりませんでした。当時の私に足りなかったのは根性ではなく、「これをこの順番でやればいい」という手順でした。だからこそ、原因を構造で伝えることの大切さがよく分かります。
2つ目:手段の教育は「なぜこの順番か」まで話す
問題の教育で「止まっていた原因はそこだったのか」と気づいてもらったら、次は「では、どうすればいいのか」です。これが手段の教育です。
手段の教育とは、なぜこの方法が課題の解決に役立つのかを伝えることです。チャレンジ企画で言えば、たとえば次のような内容です。
- AIに丸投げせず、まず材料を整理する
- WHO・WHAT・HOWを先に決める
- 3日間で届ける「小さな成果」を決める
- Day1・Day2・Day3で役割を分ける
- ワークと宿題で、実際に手を動かしてもらう
ここで気をつけたいのは、「この方法がいいです」と言うだけでは弱いということです。なぜその方法なのか。なぜその順番なのか。なぜそれをやると動きやすくなるのか。ここまで説明して、初めて納得してもらえます。
たとえば、こんな伝え方です。
3日間で大事なのは、全部を教えることではありません。自分の課題に気づいて、小さく動いてもらうことです。だから、Day1では全体像、Day2では直すところ、Day3では振り返りと次の一歩を扱います。
こう聞くと、参加者は「だからこの流れなんだ」と理解できます。方法の理由が分かると、人は安心してその方法を試せるようになります。
3つ目:お金の教育は「提案は課題解決」と伝える
3つ目は、お金の教育です。商品の提案は売り込みではなく、必要な人への課題解決の提案だと伝えるメッセージです。
チャレンジ企画の参加者の中には、次のような不安を持っている人がいます。
- 最後に売り込まれるのではないか
- 高額な商品をすすめられるのではないか
- 面談に行ったら断りにくいのではないか
この不安を残したままDay3で個別面談を案内すると、参加者は身構えます。だからこそ、先にお金の教育が必要です。
伝えることは、次のような内容です。
- 商品の提案は、無理に買わせることではない
- 3日間でできることと、その先のサポートでできることは違う
- 一人で進めるより、個別に整理したほうが早い人もいる
- 必要ない人には、無理に提案しない
たとえば、こう伝えます。
個別面談は、商品を売り込むための場ではありません。まず、今の状況と、理想の未来と、今の課題を整理する場です。そのうえで、サポートが必要な場合だけ、ご提案します。
こう伝えておくと、面談への警戒心が下がります。
強い言い方ほど、逆効果になります
お金の教育で気をつけたいのは、言い方が強くなることです。「一人でやっても無理です」「高額商品を買わないと変わりません」。こういう言葉は、売り込み感を一気に強めます。
おすすめは、こんな言い方です。「一人で進められる方は、そのまま進めていただいて大丈夫です。ただ、自分の場合は何から直せばいいか分からない方は、個別に整理したほうが早い場合があります」。選ぶ権利を相手に残しておくのがポイントです。
面談そのものの進め方は、売り込まずに選ばれるカウンセリングセールスの10ステップで詳しく書いています。
教育メッセージは、場面ごとに角度を変える
教育メッセージは、一度話せば終わりではありません。募集から面談まで、一貫して伝え続けるものです。ただし、同じ言葉を何度も繰り返すと、くどくなります。場面に合わせて、角度を変えます。
| 場面 | 使い方 |
|---|---|
| 募集文 | 見込み客の悩みと「うまくいかない本当の原因」として伝える |
| SNS投稿 | 短い問題提起として、1投稿1テーマで伝える |
| Day1 | 「うまくいかなかったのは、あなたがダメだからではない」と伝え、安心してもらう |
| Day2 | 参加者の宿題の内容とつなげて、直すところとして伝える |
| Day3 | 3日間の振り返りから、今後の課題と次の行動として伝える |
| 個別面談 | その人の状況に合わせて、具体的に伝える |
特に効くのは、Day2で宿題の内容とつなげる使い方です。「昨日の宿題を見ると、ターゲットが広くなっている方が多いです」と、実際に出てきた内容から話すと、参加者は自分のこととして受け取ってくれます。
3日間それぞれの役割は、チャレンジ企画の完全ガイドで全体の流れとして紹介しています。
AIで作るときの材料と、5つの直し方
教育メッセージも、AIでたたき台を作れます。ただ、「教育メッセージを作ってください」とだけ頼むと、抽象的で誰にでも当てはまる文章が出てきます。
AIには、これまでに整理した材料を渡します。
- 誰に届けるのか(WHO)
- 見込み客の悩みと不安
- 3日間で得られる小さな成果
- 最後に提案する商品と、それで解決できる課題
- 参加者が誤解しやすいこと
そのうえで「煽らない」「参加者を責めない」「個別面談への流れが自然になるように」といった条件を添えます。材料の渡し方は、AIに渡すべき10の材料とマザープロンプトの作り方で解説しています。講座では、そのまま使えるAIへの依頼文も用意しています。
出てきた文章は、この5つで見直す
AIの文章はそのまま使わず、次の5つで確認してください。
- 参加者を責めていないか:原因を性格や能力のせいにしていないか
- 原因が具体的か:「行動できないから」ではなく「ターゲットが広い」「導線がつながっていない」のように書けているか
- 自分の方法につながっているか:問題を指摘するだけで終わっていないか
- お金の話が強引でないか:「一人では無理」のような言い方になっていないか
- 自分の言葉で話せるか:硬い言い回しを、普段の話し言葉に直せているか
5つ目は見落としがちです。AIは「成果創出において重要なのは、戦略的導線設計です」のような文章を書きがちです。これを「大事なのは、集客から面談までの流れをつなげることです」と言い直す。それだけで、ぐっと伝わりやすくなります。
最後にもう一つ。教育メッセージは、ワークや宿題につなげて終わらせてください。「だから今日は、まず誰に届けたいのかを1つ書き出してみてください」。こうして行動につながると、話を聞くだけの時間が、前に進む時間に変わります。
参加者が持っている「自分には無理」という思い込みの外し方は、思い込みを外す4つのステップで続けて解説しています。
まとめ
- 教育メッセージとは、参加者の考え方と判断基準を整えるメッセージ。売り込みではない
- 問題の教育:うまくいかなかった原因を、責めずに構造で伝える
- 手段の教育:なぜこの方法、なぜこの順番なのかまで説明する
- お金の教育:提案は課題解決であり、必要ない人には提案しないと伝える
- 場面ごとに角度を変え、最後は必ず小さな行動につなげる
まずは、あなたの見込み客が「自分のせい」だと思い込んでいる原因を1つ書き出し、それを構造の言葉で言い直してみてください。それが、あなたの最初の教育メッセージになります。


