ビジネスにはコンセプトが大事だと聞いて、考えてみた。でも、何から考えればいいのか分からない。それらしい言葉を並べてみても、しっくりこない。そんな方は多いです。
コンセプトづくりは、ひらめきやセンスが必要なものだと思われがちです。でも、実際にはそうではありません。
結論から言うと、魅力的なコンセプトは、5つの質問に一つずつ答えていくことで作れます。「誰が、誰を、どれほど、なぜ、どのようにして幸せにするのか」という5つです。
この記事では、コンセプトを作るための5つの質問の意味と、答える順番、答えを一文にまとめる手順、そしてよくある失敗をお伝えします。
コンセプトは「5つの質問」の答えでできている
コンセプトを決めるためには、次の5つを明らかにする必要があります。
| 質問 | 明らかにすること |
|---|---|
| 1. 誰が幸せにするのか | 価値を届けるのは誰か(あなたはどんな人か) |
| 2. 誰を幸せにするのか | 誰に届けたいのか(お客様は誰か) |
| 3. どれほど幸せにするのか | お客様がどれくらい良い状態になれるのか |
| 4. なぜ幸せにするのか | あなたがこの活動をする理由 |
| 5. どのようにして幸せにするのか | どんな方法で届けるのか |
5つとも、コンセプトの魅力に関わる質問です。一つひとつに具体的に答えていくことが、そのまま魅力的なコンセプトを作ることにつながります。
ここで「幸せにする」という言葉を使っているのは、ビジネスの目的が、お客様を今より良い状態にすることだからです。売上は、お客様を幸せにした結果として生まれます。
5つの質問の意味
それぞれの質問が、なぜコンセプトの魅力につながるのかを見ていきます。
1. 誰が幸せにするのか
価値を届けるのは誰なのかを明らかにします。同じ内容でも、「誰が言っているか」でお客様の受け取り方は変わります。あなたの経験、得意なこと、お客様との共通点などが、ここに入ります。すごい実績がなくても大丈夫です。お客様より少し先を歩いていることも、立派な強みになります。どんな強みがあるかの見つけ方は、コンセプトの「誰が」幸せにするのかで解説しています。
2. 誰を幸せにするのか
あなたのビジネスの対象となる人を考えます。誰に魅力を感じてもらいたいのかを、はっきりさせる質問です。「できるだけ多くの人に」と考えるほど、誰にも届かないコンセプトになってしまいます。年代や仕事、今の状況、抱えている悩みまで具体的に思い浮かべられる相手を決めると、残りの質問にも答えやすくなります。
3. どれほど幸せにするのか
お客様がどれくらい良い状態になれるのかを示します。お客様が感じる幸せの度合いが大きいほど、コンセプトの魅力は増していきます。ただし、約束できないほど大きく書くと、信頼を失います。
4. なぜ幸せにするのか
あなたがこの活動をしている理由です。活動の理由は、コンセプトの魅力に大きく関わります。人は、役に立つ情報だけでなく、その人の思いに共感して選ぶことがあるからです。理由の伝え方は、コンセプトの「なぜ」幸せにするのかでまとめています。
5. どのようにして幸せにするのか
どんなに素晴らしい夢を語っても、実現できそうにない話だと思われては意味がありません。どんな方法で届けるのかを示すことで、「この人なら本当にできそうだ」と思ってもらえます。方法は、細かい手順まで書く必要はありません。「〇〇の習慣づくりで」「〇〇を見える化して」のように、一言で道筋が想像できれば十分です。
5つの質問に答える順番
5つの質問は、表の順番どおりに答えなくてもかまいません。私は、次の順番で考えることをおすすめしています。
- 誰を:まず、届けたい相手を決める
- どれほど:その人が、どんな状態になれたら嬉しいかを考える
- どのようにして:その状態に近づくための方法を考える
- 誰が:その方法を届けるのに、自分のどんな経験や強みが生きるかを書き出す
- なぜ:なぜ自分がこの人たちを助けたいのかを言葉にする
最初に「誰を」を決めるのは、残りの4つの答えが、相手によって変わるからです。 同じ知識を持っていても、届ける相手が会社員か、子育て中の方か、すでに起業している方かで、目指す状態も、方法も、伝え方も変わります。
「なぜ」を最後にしているのは、ほかの4つが見えてくると、自分がこの活動をする理由も言葉にしやすくなるからです。もちろん、最初から強い思いがある方は、そこから始めてもかまいません。
5つの答えを一文にまとめる
5つの質問に答えたら、それをつなげて一文にしてみます。
たとえば、家計の管理が得意な人がいたとします。5つの答えを書き出すと、次のようになるかもしれません。
- 誰が:自分自身も家計の赤字に悩み、立て直した経験がある人が
- 誰を:毎月の貯金ができずに不安を感じている共働きの家庭を
- どれほど:お金の心配をせずに、家族の予定を立てられる状態に
- なぜ:自分と同じように、お金のことで家族の時間を曇らせてほしくないから
- どのようにして:家計の見える化と、毎月の見直しの習慣づくりで
これをつなげると、「家計の赤字を立て直した経験のある私が、貯金ができずに不安な共働き家庭を、家計の見える化と見直しの習慣づくりで、お金の心配をせずに家族の予定を立てられる状態へ導く」という一文になります。
最初は長くてかまいません。一文にしてみると、どこがあいまいか、どこが弱いかが見えてきます。そこを少しずつ削って、短く、伝わる言葉にしていきます。
コンセプトが決まると、やることが決まる
「誰が、誰を、どれほど、なぜ、どのようにして幸せにするのか」。ビジネスに本気で取り組むなら、まずはこれをしっかり突き詰めて考えてみてください。
コンセプトがはっきりすると、次のようなことが決まってきます。
- どんな情報を発信すればいいか
- どんな商品を扱えばいいか
- 誰に向けて、どんな言葉で案内すればいいか
反対に、コンセプトがはっきりしていないと、やっていることがばらばらになったり、何をすればいいのか分からなくなったりします。発信のテーマが毎回変わり、商品も思いつきで増えていく。そうなると、お客様からも「何の人なのか」が分からなくなります。
コンセプトは、ビジネスの仕組みを作るときの設計図です。 設計図があるから、集客、教育、販売の流れを一つにつなげて作ることができます。決めたコンセプトをキャッチコピーにして、ぶらさずに使っていく手順は、コンセプトを決定するで解説しています。
コンセプトづくりでよくある失敗
5つの質問に答えるときに、よくある失敗をまとめておきます。
| よくある失敗 | どう直すか |
|---|---|
| 「誰を」が広すぎる | 年代・状況・悩みまで具体的にする |
| 「どれほど」が約束できないほど大きい | 実際に届けられる変化の範囲で書く |
| 「どのようにして」が抜けていて、夢物語に聞こえる | 方法を一言で添える |
| 「誰が」で、すごい実績がないと書けないと思い込む | 経験や、お客様との共通点も強みになる |
| 5つを完璧にしようとして、いつまでも決まらない | まずは仮の一文を作り、発信しながら直す |
特に最後の失敗は多いものです。コンセプトは、考えるだけでは完成しません。仮の一文を作って発信し、お客様の反応を見ながら直していくことで、少しずつ磨かれていきます。
まとめ
- 魅力的なコンセプトは、「誰が・誰を・どれほど・なぜ・どのようにして幸せにするのか」の5つの質問で作れる
- 答える順番は、誰を→どれほど→どのようにして→誰が→なぜ、がおすすめ
- 5つの答えをつなげて一文にし、あいまいなところを削って伝わる言葉にする
- コンセプトが決まると、発信・商品・案内の言葉が決まり、ビジネスの仕組みを一つにつなげられる
まずは、5つの質問のうち「誰を幸せにするのか」だけを、年代・状況・悩みまで入れて一文で書き出してみてください。


