なぜあなたはお客を幸せにしようと思ったのか、なぜあなたはゴールにお客を連れて行くのかということです。
「なぜ」が分からない状況では、お客はあなたのことを完全には信用してくれません。
例えば、私があなたに「ビジネスの成功法則を教えます!」と言ったとします。
しかし、お客の立場で考えると、「なぜこの人はこんな情報を提供してくれるのだろう?」「何を考えているのだろう?」「何を狙っているのだろう?」「なぜそんな事をしているのか?」と思います。
だから、「なぜ」あなたがその活動をしているのかという理由に対しての説得力が必要となります。
人は信念、理念、思想がない人についていかない
人は信念、理念、思想がない人についていかないという法則があります。
原則として、信念、理念、思想がない文章や記事には共感しようがありません。
共感することができず、感情が湧かないので、ファンにもならないのです。
共感というものは作者の思いや感情に対して抱くので、そのようなものが無ければ共感は生まれません。
共感が生まれなければ、ファンにはならないし、突き動かされるような衝動を感じることもありません。
例えば、学校の教科書は分かりやすい事例だと思います。
教科書は、ただ単に事実の羅列がされていて、作者の信念、理念、思想というものは最初から排除されています。
当然そのようなものを入れてしまうと客観的ではなくなるので、入れることはできなくなっているからですが、そのため教科書を読んで人生が変わったという人はいないのです。
教科書の作者の名前など誰も覚えてないし、教科書を読んで作者の熱烈なファンになった人などいません。
これは共感しようがないからです。
辞書も同じ理由で共感されません。
百科事典や英語辞書、国語辞書、六法全書などの作者のファンになる人はいません。
それらはものすごく役に立つコンテンツだし、驚異的なボリュームでありながら、体系的にきちんとまとめられているもので、どこかの教授やすごい知識を持った権威のある人が作者または監修をしているはずです。
しかし、どんなに有益なコンテンツだろうと、その作者のファンにはなりません。
六法全書は法律なので人を縛りますが、それを読んでも人を動かすことはありません。
共感が生まれないので作者のファンにはならないし、人生が変わることもありません。
人は有益性だけでは動かないことを理解してください。
信念、理念、思想が人を動かします。
メディアを運営する場合に行ってしまいがちなミスとして、有益な記事、役に立つ記事ばかりを書いてしまうケースがあります。
ブログやメルマガなどで役に立つ情報を記事にして発信することは読者にも喜ばれるので大切です。
しかし、ビジネス系のブログなどで「ワードプレスで使えるプラグイン10選」とか、「画像加工で使える5大テクニック紹介」とか、「レンタルサーバーの契約手順を説明」とか、「FXの始め方を教えます」のような役に立つコンテンツは有益だし、アクセスも集まりますが、それだけでは教科書や辞書と同じです。
それだけでファンになる人などは、ほとんどいません。
それらは事実の羅列であり、「勉強できた」「参考になった」「役に立った」と思われるだけで終わり、作者の熱烈なファンになることはありません。
だから、必ずあなたの信念、理念、思想を交えて情報発信をしてください。
ビジネスに限らず政治や宗教などでも同じことが言えます。
民主主義や社会主義などの信念、理念、思想によって国家単位で人を動かした結果で、今の様々な国が形作られています。
キリスト教などの宗教でもあるべき姿を示すなど、信念、理念、思想を提示することで、それらを正しいと信じる人々がついていきます。
時にはそれらに対する異論も巻き起こることがあり、戦争によって人を殺すほどの行為へと人を突き動かします。
つまり、信念、理念、思想によって人は突き動かされ、それらが無い事実だけの羅列では人は動かないということを理解してください。
主観を感情的に表す
信念、理念、思想というものは主観でいいです。
あなたが正しいと考えるものであれば、証明されてなくてもいいし、客観性がなくてもいいです。
但し、あなたなりの根拠は持ちましょう。
そして、感情的に表すと良いです。
感情的とは、嬉しい、悲しい、怒りを感じるなどの感情を交えることです。
私の場合は、「人は自由に生きるべき」だと主張していますが、客観的な根拠などは何もありません。
私がそう考えているというだけの私の思想です。
しかし、そこに共感してくれれば、人はついてきてくれるので、特に客観性は求められていません。
そして感情が入ったときに人を動かします。
共感は感情に対して生まれるものであり、思想や主張に対して抱かれるのが共感です。
「私もそう思う」「私もあなたと同じように感じる」というものが共感です。
だから、あなたの感情がないと共感が生まれないため、記事の中でも感情を積極的に出していく必要があります。
また、感情の入っている記事のほうが反応は良いです。
例えば、コピーライティングのテクニックを記事にする場合ですが、テクニックだけを記事にして文章を書いて終わりではなく、「こんな嬉しいことがありました」「こんな悲しいことがありました」「こんなことに怒りを感じました」などとテクニックに絡めて感情的な記事を書いたほうが、何倍も反応が高まり、それによりファンになる人が現れます。
それだけ、感情的な記事は大事だということです。
信念、理念、思想を抱く背景、根拠
信念、理念、思想を抱くに至った背景や根拠も大事です。
なぜそのような主義が必要なのか、なぜそんな主張をするのかということを伝える必要があります。
例えば、政治でも共産主義の国が続々と生まれた背景としては、資本主義による労働者抑圧のような時代があり、低賃金で長時間労働をさせられて、生活水準の格差も大きく、苦しんでいる人が多かったからこそ、当時は共産主義が支持されました。
黒人解放運動が行われた背景としては、黒人が理不尽な扱いをされて抑圧されていたからこそ、そこから解放されるべきだという主張は説得力を持ちました。
このように何らかの主義・主張を行う背景や根拠があると、そこには説得力が生まれます。
何の背景も根拠もなければ、何かが必要だとか、何とかすべきだと主張しても誰もついてきません。
なお、背景や根拠は壮大なものでなくても大丈夫です。
ただ単に自由が大事だと言っても説得力がないので共感されにくいですが、背景がしっかりしていると説得力が生まれます。
例えば、私の場合ですがサラリーマン時代に長時間の残業をしていて、周りの人たちも自宅と会社の往復だけみたいな生活を当たり前のようにしていました。
朝起きて、働いて、飯食って、少しだけ寝ることをただ繰り返すだけの人生は楽しくないし、何十年も同じことを繰り返して続けていくだけなんて人間らしくないと私は感じました。
だから、私はサラリーマンとして雇われて会社のために人生をすり減らす人に向けて、そんな生き方は人間的ではないし、あるべき姿ではないという私の主観を感情的に伝えて、私たちはもっと自由に生きるべきだと主張しています。
そんな思いを抱くに至った当時のことを背景として私は色々と書いているので、 共感してくれる人がいるのです。
背景や根拠をきちんと伝えれば、説得力があるので納得されるし、共感もされるので、信念、理念、思想は伝わります。
「なぜ」幸せにするのかということがしっかりしていないと、どんな夢物語を言っても、そのための方法を言っても、なかなか共感はしてもらえません。
儲けたいからだろうと思われるとか、この人よく分からない変な人だと思われてしまうので、きちんと「なぜ」を伝えて、あなたがその活動をしている理由を理解してもらいましょう。
それにより読者は安心できるので、あなたからの情報を真剣な思いで受け取ったり、あなたの活動を支持してくれたりするようになり、あなたが販売する商品やお勧めするものに対しても、疑いが払しょくされていくので、商品・サービスが売れるようになります。
そして、あなたの信念、理念、思想は繰り返し表明することが大事です。
信念、理念、思想を考えたら、次になぜあなたがビジネスにおいて、そのように考えるのか根拠や背景を伝え、それを主観的、感情的に語って繰り返し表明するということです。
これはブログでもステップメールでも、あなたのメディアを使って繰り返し行いましょう。
仮想敵を考える
もしも、信念、理念、思想などの表現が難しい場合は、仮想敵を考えてみましょう。
自分には信念なんか特に無いとか、理念なんて言われてもよく分からないと思う場合は、 逆にあなたが受け入れられない考え方や在り方、人の存在などを考えてみてもいいです。
仮想敵を考えてみると、自分の信念の輪郭のようなものが見えてきます。
例えば、特別な強い思いは無いけれど、こんなものはダメだと思うとか、こんなビジネスはダメだ、こんな商品は販売してはダメだとか、あるいはこんな人生、こんな生き方はダメだと思うことは色々あるでしょう。
受け入れられないものを明確にして、受け入れられないと主張することも信念、理念、思想となるので、その受け入れられないことに共感した人たちが、私たちも受け入れられないと言って、あなたのファンになる可能性があります。
私の場合は、残業ばかりで会社のために生きているみたいなサラリーマンの人生は今となっては絶対に受け入れがたいと思います。
受け入れられる人は受け入れていくらでも残業すればいいと思いますが、私は昔そんな状況に嫌気がさして会社を辞めたので、そんな状況には二度と戻りたくないと思います。
だから、そんな会社のために生きているような人生や価値観を仮想敵として設定しています。
なお、サラリーマンの人は仮想敵ではなく、私が救いたい人であり、価値を提供したい人であり、幸せにしたい相手です。
仮想敵は、個人名や具体的な会社名などにはしないほうがいいです。
仮想ではなく実際の敵を生んでしまうので、あまり具体的に個人攻撃や会社への攻撃をして本当の敵を作ってもいいことはありません。
場合によっては、名誉棄損で訴えられたり、裁判になったりする可能性もあります。
仮想敵とは、こんな人はダメ、こんな価値観はダメ、こんな在り方はダメ、こんな思想はダメ、こんな考え方はダメというような表現にしましょう。