コーチやコンサルタントとして活動していると、クライアントが増えるのはうれしいことです。でも同時に、忙しさも増えていきます。問い合わせへの返信、日程の調整、発信の準備。気づけば、一人ひとりのクライアントに向き合う時間が削られている。そんな状態に悩んでいる方は多いと思います。
結論から言うと、この悩みを解決する答えは、できるだけ「楽をする」ことです。
「楽をする」と聞くと、手を抜くことのように聞こえるかもしれません。でも、ここでいう楽をするとは、仕事をさぼることではありません。日々の作業を仕組みにして、自分の労力がなくても回るようにすることです。そして、空いた時間をクライアントのために使うことです。
この記事では、私たちの仕事を2つの段階に分けて考える方法と、どこを仕組みにして、どこに力を注ぐべきかを解説します。
クライアントにとって、あなたはたった一人の指導者
コーチやコンサルタントは、多くのクライアントの人生に関わる仕事です。でも、クライアントから見ると、あなたはたった一人の指導者です。
もしあなたがコーチやコンサルタントを雇ったとして、その人の労力があちこちに分散されていると感じたら、どう思うでしょうか。「自分は真剣に取り組んでいるのに」と、不満を感じますよね。
だからこそ、目の前のクライアント一人ひとりに、全力で向き合う必要があります。
ただ、当たり前のことですが、クライアントが増えるほど負担も増えます。人数が増えれば労力も増え、時間を削られ、日々の作業に追われることも多くなります。
そして、それはこちらの都合です。クライアントには関係ありません。それでも、忙しいものは忙しい。この板挟みを、気合いや頑張りで乗り越えようとしても、いつか限界が来ます。 必要なのは、頑張る量を増やすことではなく、構造を変えることです。
仕事を「獲得するまで」と「獲得してから」に分ける
構造を変えるために、まず私たちの仕事を2つの段階に分けて考えます。
| 段階 | 主な仕事 | 目指す形 |
|---|---|---|
| 1段階目:クライアントを獲得するまで | 発信、見込み客との接点づくり、案内、申し込みの受付 | できる限り仕組みにして、自動で回るようにする |
| 2段階目:クライアントを獲得してから | セッション、サポート、成果が出るまでの伴走 | 自分の時間と力を集中させる |
1段階目は、できる限り自動にします。そして、2段階目に力を注ぐ。これが、クライアントのためになり、あなた自身の実績にもつながる形です。
集客から販売までの作業を仕組みが代わりに行ってくれると、時間に余裕が生まれます。その時間を、クライアントのサポートに使えるようになります。
余裕のない状態は、文章にも表れる
もう一つ、楽をしたほうがいい理由があります。日々の作業に追われていると、疲れがたまるだけでなく、心の余裕もなくなっていくからです。
余裕がないと、どうしても言葉が荒くなったり、反応が雑になったりします。そして、その状態は、書く文章にも表れます。人は、そうした微妙な変化を無意識のうちに感じ取るものです。
これは、メルマガの反応を見ていてもよく分かります。私の実感として、余裕のある状態で書いた文章のほうが、反応も売上も良くなります。
クライアントの立場から考えても、余裕がなくバタバタしている人より、落ち着いている人のほうが安心して相談できます。心に余裕を持って仕事ができる状態を作ることも、クライアントのための仕事の一部です。
仕組みにする部分を決める4つの手順
では、1段階目のどこから仕組みにすればいいのでしょうか。次の4つの手順で進めます。
1. 獲得までの作業を全部書き出す
最初に、クライアントを獲得するまでに自分がやっている作業を、全部書き出します。発信の準備、投稿、問い合わせへの返信、無料相談の日程調整、案内の送信、入金の確認など、細かいものも含めて書き出してください。
2. 毎回同じことをしている作業に印をつける
書き出した中から、毎回ほとんど同じ内容をくり返している作業に印をつけます。同じ説明を何人にもしている、同じ手順で日程を調整している、といった作業です。ここが、仕組みにしやすい部分です。
3. 仕組みに置き換える
印をつけた作業を、仕組みに置き換えていきます。たとえば、ブログからメルマガへの登録、登録した人へのステップメール、相談の予約受付などは、一度作れば自動で回る仕組みにできます。
最初から全部を作る必要はありません。一番時間を取られている作業から、一つずつ置き換えていけば大丈夫です。
4. 空いた時間の使い道を先に決める
仕組みができて時間が空いたら、その時間を何に使うかを先に決めておきます。決めていないと、空いた時間はすぐに別の雑務で埋まってしまいます。クライアントへのサポートや、サポートの質を上げる準備に使う、と決めておいてください。
仕組み化の全体像はビジネスの仕組み化が重要な理由と4つのパーツで、日程調整や入金確認などの雑務を自動にする方法は雑務に追われて疲弊する前にやるべきことで解説しています。
仕組みにしないほうがいい部分もある
ここで一つ、注意しておきたいことがあります。何でも自動にすればいい、というわけではないことです。
2段階目の仕事、つまりクライアントを獲得してからのサポートは、仕組みに任せきりにしないほうがいい部分です。一人ひとりの状況を聞き、その人に合った助言をすることは、あなたにしかできない仕事だからです。
また、1段階目の中でも、個別相談のように、相手の話をじっくり聞く場面は、人の手を残しておきます。仕組みが担うのは、「毎回同じことをくり返している部分」だけです。
「自動にすると冷たくなるのでは」と心配する方もいます。でも、実際は逆です。同じ説明をくり返す時間が減るからこそ、人にしかできない部分に心を込められるようになります。
たとえば、相談を申し込んでくれた人に、毎回同じ「当日の流れ」や「準備してほしいこと」を手で送っていたとします。これを自動の案内に置き換えれば、その分の時間を、相談の前に相手の申し込み内容をじっくり読む時間に回せます。案内は仕組みが届け、中身の準備は人が行う。この役割分担が、クライアントにとって一番ありがたい形です。
仕組みを作る期間は、区切って集中する
最後に、仕組みづくりの進め方についてです。
仕組みは、のんびりと「そのうち完成すればいい」と考えていると、いつまでも完成しません。日々の仕事に追われて、後回しになってしまうからです。
おすすめは、期間を区切ることです。たとえば「これから3か月は、仕組みづくりを最優先にする」と決めて、集中して取り組みます。その期間を過ぎれば、日々の作業は発信とクライアントのサポートが中心になり、そのほかの作業は仕組みが担ってくれる状態に近づいていきます。
私がクライアントさんと目指しているのも、「日々の作業はブログとメルマガを書くこと。そのほかの作業は仕組みに任せる」という段階です。仕組みを作る流れは寝てても売れる仕組みを作る、フルオートマーケティング構築の5ステップで、順番に解説しています。
まとめ
- 「楽をする」とは、手を抜くことではなく、日々の作業を仕組みにして、空いた時間をクライアントのために使うこと
- 仕事を「獲得するまで」と「獲得してから」の2段階に分け、前半をできる限り仕組みにし、後半に力を注ぐ
- 余裕のない状態は文章にも表れる。心に余裕を持てる状態を作ることも、クライアントのための仕事
- 仕組みにするのは「毎回同じことをくり返している作業」。一人ひとりに向き合う部分は人の手を残す
- 仕組みづくりは、期間を区切って集中して進める
まずは、クライアントを獲得するまでに自分がやっている作業を、今日のうちに全部書き出してみてください。一番時間を取られている作業が、最初に仕組みにする候補です。


