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AIへの指示を毎回書く人ほど、品質がばらつきます|CLAUDE.mdと「スキル」で作業を型にする方法

claude-md-skills 実録
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AIに作業を頼むたびに、「日本語で」「この口調で」「保存先はここ」「この言い方はしないで」と、同じ指示を書いていませんか。最初のうちはそれで回ります。でも、作業の数が増えると、書き忘れた日だけ仕上がりが崩れる、ということが起きます。

結論から言うと、毎回の指示はやめて、変わらない決まりは「CLAUDE.md」に、作業の手順は「スキル」に書いておくほうが、品質は安定します。指示を上手に書く力より、指示を書かなくても同じ品質になる仕組みのほうが、ずっと再現性があります。

この記事では、非エンジニアの私が Claude Code で、口調・保存先・決まりごとをCLAUDE.mdにまとめ、電子書籍やスライドや動画の作り方をスキルにしてきた記録を書きます。スキル同士がぶつかった失敗や、人に配る版を作ったときの判断もそのまま書きます。

毎回の指示が、品質をばらつかせる理由

AIへの指示を毎回その場で書くと、3つのことが起きます。

  1. 書き忘れる:急いでいる日ほど、いつもの注意書きが抜ける
  2. 言い回しが変わる:同じことを頼んでいるつもりでも、言葉が違えばAIの受け取り方も変わる
  3. 直したことが残らない:一度「この言い方はやめて」と直しても、次の作業では元に戻る

3つ目が一番やっかいです。せっかく失敗から学んだことが、その日の会話の中だけで消えてしまいます。これでは、作業をいくら重ねても型が育ちません。

Claude Code には、作業フォルダに置いた「CLAUDE.md」というファイルを、毎回の作業の前に読んでくれる仕組みがあります。さらに「スキル」という、作業の手順書と道具をひとまとめにしたものを置いておくと、それに合う依頼が来たときに読み込んで、その手順どおりに進めてくれます。つまり、直したことを「ファイル」として残せるのです。

CLAUDE.mdに書いたこと:口調・出力先・決まり

私のCLAUDE.mdに書いてあるのは、どの作業にも共通する決まりです。全文は載せませんが、要旨はこうです。

項目 書いてあること
出力の言語 常に日本語で出す
保存先 作ったファイルは決まったフォルダに保存する
口調・立場 一人称は「私」。結論は明確に、初心者にも分かりやすく、根性論ではなく構造と再現性で話す
文章の型 結論から入り、理由・具体例・やり方・次の行動の順で書く
使わない表現 過度な敬語、精神論、具体性のない励まし、売り込み感の強い言い方
スキルの呼び出し 「スライドを作って」などの言葉が来たら、どのスキルを使うか
例外 特定の作業フォルダでは、この決まりの一部を使わない

最後の「例外」も大事です。たとえば、動画講義を作るフォルダは、台本・スライド・音声の置き場所が固定のパスで決まっていて、「決まったフォルダに保存する」というルールを当てはめると、道具が台本を見つけられずに止まります。だから、そのフォルダでは保存先のルールを使わない、と書いてあります。

口調についても使い分けを書きました。動画のナレーション台本を書くときは私の口調で書く。でも、制作の進み具合や検品の結果を報告するときは、口調より事実を正確に伝えることを優先する。こうしておくと、報告が「それっぽい言葉」でぼやけなくなります。

スキルは「手順書+道具」:直したことを残す場所

スキルの最初の1本は、チャレンジ企画の一式を作るスキルでした。集客の募集文から3日間の台本、ワークシート、個別面談の台本まで、PHASE 0〜8の順番で作らせる手順書です。初版を作った同じ日に、2回作り直しました。2回目は、ChatGPTで作ったものと並べて比べ、足りない所を手順書に足しています。たとえば、台本を構成案で止めず、そのまま話せるセリフで出させる、といった直しです。

講義スライドを焼くスキルは、少し違う理由で作りました。毎回、作業フォルダの中身を手で触って作っていたのですが、それでは同じものをもう一度作れる保証がありません。「スライドだけ先に作って確認してから動画にする」という進め方が定着したので、それをスキルに切り出しました。焼くたびに、文字の下限・はみ出し・帯への食い込みなどを自動で検品します。それでも、検品が通っても一覧の画像を目で見ることまで手順書に書いてあります。

読み上げの辞書を、18のスキルで1つにした

スキルが増えると、新しい問題が出てきます。同じ決まりが、あちこちに散らばるのです。

音声を作るスキルには、「読み上げのテキストの作り方」という同じ見出しの節が入っています。数えてみると18個のスキルにありました。読み間違いを防ぐ言いかえの辞書も、本来は1つのはずが、Claude Code用とCodex用に分かれていました。

ある読み方の規則を足したとき、片方だけ直したら、Codexから動かしたときだけ読み間違いが再発しました。そこで決まりを変えました。

  • 辞書の本体は1つにして、もう1つはその写しにする。足すときは両方をそろえる
  • 規則を1つ直すなら、18個すべてを機械的に置き換える。手で1つずつ直さない
  • 辞書は上から順に置き換わるので、長い語の規則を先に、短い語の規則を後に置く
  • すでに作った音声は、読み間違えた部分だけを作り直す。文が同じなら、前に作った音声がそのまま使い回される

決まりが1か所にあれば、直すのも1か所で済みます。逆に、同じ決まりが何か所にもあると、直すたびに「どこか直し忘れていないか」を探す作業が増えます。スキルを増やすほど、この整理が効いてきます。

引き金の言葉がぶつかった:「スライド」と言うと別のスキルが動く

スキルは、決まった言葉が来ると呼び出されます。私のCLAUDE.mdでは、「セミナースライド」「スライド作って」などの言葉で、画像生成のAIを使ってスライドを作るスキルが動くようにしていました。

ところが、Zoomで画面共有するための、右に台本が出るHTMLのスライドを作るスキルを足したとき、問題が起きました。「台本つきのセミナースライドを作って」と頼むと、「スライド」という言葉に反応して、画像を作るほうのスキルが動いてしまうのです。

直し方は、CLAUDE.mdに例外を書くことでした。

  • 「HTML」「台本付き」(台本つき・右に台本)が入っていたら、画像のスキルではなくHTMLのスキルを使う
  • 「ウェビナー」「5ステップ」「高額商品を売るセミナー」が入っていたら、ウェビナー用のスライドのスキルを使う

スキルを1つ足すたびに、既存のスキルの引き金とぶつからないかを確かめる。これも手順の一部になりました。ウェビナー用のスライドのスキルの中身は、ウェビナーの48枚を「型の検品」から作る方法に書いています。

配布版:中身とエンジンを分け、鍵はかけない

自分用に作ったスキルを、ほかの人にも使ってもらえる形にしたことがあります。電子書籍、セミナースライド、会員サイト、ナレッジづくりなどです。そのときに決めたことを書いておきます。

本の中身と、作る仕組みを分ける

電子書籍のスキルを配布版にしたとき、本の中身(章の原稿・画像・設定)と、Wordファイルを組み立てるエンジンを分けました。自分用の版では、本ごとに組み立ての道具を写していたので、本が増えるほど写しも増えていきます。分けておけば、エンジンを1か所直すだけで、どの本にも効きます。名前も自分用と変えて、私のパソコンで誤って配布版を入れても、自分用のスキルが上書きされないようにしました。入れる道具(インストーラー)は、同じ名前のスキルがすでにあれば、先に控えの場所へ退避してから入れます。Claude CodeでもCodexでも使えるように、両方の置き場所に入れる形にしました。

別のAIに、説明書だけで作らせて試す

配布版を作るたびに、別のAIに説明書だけを渡して最初から作らせる試験をしています。ナレッジづくりのスキルでは、これを2回行いました。そこで「お客様の事例に、本人の了承が済んでいるかの印をつけ、未確認のものは発信に使わない」という決まりが足りていないと分かり、足しました。

配布物に鍵はかけない

配布するスキルに、会員かどうかを確かめる仕組みやライセンスキーをつけるかも考えました。でも、手順書は書き換えられるし、読み込んだノウハウは手元に保存できるので、鍵では守り切れません。だから鍵はかけないと決めました。差をつけるなら、更新や添削のほうで、と考えています。

明日からできる:CLAUDE.mdとスキルの始め方

プログラムが書けなくても、次の順番で始められます。

  1. この1週間でAIに書いた指示を見返し、2回以上書いたものを抜き出す
  2. どの作業にも共通するもの(口調・保存先・使わない言葉)を、CLAUDE.mdに書く
  3. 特定の作業の手順(電子書籍の作り方など)は、1つのスキルにまとめる
  4. 失敗したら、その日の会話で直すだけでなく、CLAUDE.mdかスキルに1行足す
  5. 新しいスキルを足したら、呼び出しの言葉が他とぶつからないか確かめる

AIに頼むなら、「このフォルダのやり取りを見て、毎回書いている指示をCLAUDE.mdにまとめる案を出して」と頼むのが早いです。AIに渡す材料の考え方は、AIに渡すべき10の材料とマザープロンプトの作り方でも解説しています。また、私がClaude CodeとCodexで商品づくりを仕組みにしてきた全体像は、非エンジニアの私がClaude CodeとCodexで商品づくりを仕組みにした記録にまとめています。

まとめ

  • 毎回の指示は、書き忘れ・言い回しの違い・直したことが残らない、の3つで品質をばらつかせる
  • 変わらない決まりはCLAUDE.mdに、作業の手順と道具はスキルにまとめる
  • 同じ決まりが散らばったら1か所にまとめ、直すときは全部を機械的にそろえる
  • スキルを足すたびに、呼び出しの言葉の衝突を確かめる
  • 配布版は中身とエンジンを分け、別のAIに説明書だけで作らせて試す

次の一歩として、まずはこの1週間でAIに2回以上書いた指示を3つ、書き出してみてください。それが、あなたのCLAUDE.mdの最初の3行になります。