商品もサービスも、一生懸命に作った。内容には自信がある。それなのに、なかなか売れない。そんな悩みを持っている方は多いです。
こうしたとき、多くの方は「もっと内容を良くしなければ」「もっと発信を増やさなければ」と考えます。でも、内容を磨いても、発信を増やしても、状況があまり変わらないことがあります。
結論から言うと、売れるかどうかを分けるのは、商品の出来よりも「どこを見ているか」です。成果を出している起業家は、自分のやりたいことだけでなく、常に「人」を見ています。
この記事では、成果を出す起業家と、なかなか成果が出ない起業家の違い、お金は価値との交換だという考え方、そして自分目線を相手目線に切り替える4つの問いをお伝えします。
成果を出す起業家は「起業家脳」で人を見ている
起業家として成果を出している人と、まだ成果が出ていない人には、大きな違いがあります。それは、ものごとを見るときの視点です。
ビジネスに慣れていない方の多くは、自分のやりたいことを、そのまま形にしようとします。「この知識を教えたい」「この方法を伝えたい」。その気持ちはとても大切です。
一方で、成果を出している人は、同じ「やりたいこと」でも、見方が少し違います。自分のやりたいことや能力が、「どうすれば人に求められるのか?」という視点で、常に人を観察しながら考えているのです。私はこれを「起業家脳」と呼んでいます。
どんなに優れた商品やサービスでも、それを求める人がいなければ、価値があるとは言えません。価値は、商品の中にあるのではなく、商品と、それを必要とする人との間に生まれるものだからです。
好きなことをしていい。ただ、同時に相手を見る
「好きなことを仕事にしよう」という言葉は、個人ビジネスの世界でよく聞きます。私も、好きなことをして生きています。好きなことを仕事にできたら、毎日がとても楽しいです。
ただ、好きなことをしながらも、同時にいつも考えていることがあります。それは、「どうすれば、お客様に最高の価値を届けられるか?」ということです。
間違ったことを教えないように、検討を重ね、必要な情報を集めて確かめ、効果が出るもの、再現性の高いものを、シンプルに分かりやすく伝える。そのための努力を続けています。
自分に人生があるように、相手にも人生があります。相手にとって何が一番良いのかを、いつも考えていたいと思っています。
お金は、価値との「交換」でいただくもの
私のところにたどり着いてくださる方の多くは、「どうすればうまくいくのか」と迷いながら、解決策を探してこられた方です。
一生懸命に働いて手にしたお金を少しずつ貯めて、不安を感じながらも、悩んだ末に決断して払ってくださったお金が、私のもとに届きます。私は、その重みをしっかり受け止める覚悟を持って向き合っています。
お金は、もらうものではなく、価値との「交換」でいただくものです。
- 飲食店は、料理とお金を交換します
- 本屋は、本とお金を交換します
- コンサルタントは、知識や経験とお金を交換します
そして、お金を払ってくれるのは、いつも「人」です。だからこそ、次のことを常に考えておく必要があります。
- どれほどの価値を届けられたか
- それは、お金と交換してもらえるだけの価値があるか
ここで大切なのは、「自分だったら払う」という自分目線ではなく、相手がどう感じるかで考えることです。収入と価値の関係については、ビジネスで得られる収入は与えた価値で決まるでも詳しく書いています。
自分目線を相手目線に切り替える4つの問い
売れるものとは、人に求められているものです。売れないものとは、今はまだ人に求められていないものです。高額でも売れるものは、その金額に見合う価値を感じてもらえているものです。
これらは、人を観察していれば少しずつ分かるようになります。反対に、自分の中だけで考え続けても、なかなか答えは出ません。考える材料が、自分の頭の中にしかないからです。
そこで、自分目線を相手目線に切り替えるための4つの問いを用意しました。商品やサービスを考えるとき、発信を書くときに、使ってみてください。
| 問い | 自分目線のとき | 相手目線に切り替えると |
|---|---|---|
| 1. 誰が困っているか | 自分が教えたいこと | それで困っているのは、どんな人か |
| 2. 何に困っているか | 自分の知識の説明 | その人が、実際に口にしている悩みは何か |
| 3. 何が手に入るか | 商品の内容 | 手に入れたあと、その人の毎日はどう変わるか |
| 4. 払う価値を感じるか | 自分なら払う値段 | その人にとって、払っても惜しくない理由はあるか |
特に2つ目は、見落とされがちです。講師の言葉ではなく、相手が普段使っている言葉で悩みを言い表せるかどうか。ここができると、発信の反応は大きく変わります。見込み客の言葉の集め方は、見込み客が普段使う言葉に言い換える顧客情報の整理で解説しています。
人を観察する具体的な方法
「人を見る」と言っても、特別なことをするわけではありません。たとえば、次のようなことから始められます。
- お客様や見込み客からの質問を、そのままの言葉で書き留めておく
- 自分の分野の本の感想やレビューを読み、どんな不満や期待が書かれているかを見る
- 身近な人の相談ごとに耳を傾け、何に困っているのかを聞く
- 自分の発信で、どの投稿に反応があったか、なかったかを振り返る
こうして集めた「人の声」が、商品や発信を考えるときの一番の材料になります。
たとえば、ヨガを教えたい人がいたとします
例を出してみます。ヨガが大好きで、「ヨガの正しいポーズを教えたい」と考えている人がいたとします。これは、自分目線の出発点です。
4つの問いで考え直すと、見え方が変わります。困っているのは、在宅で仕事をしていて肩こりに悩む人かもしれません。その人が口にしている悩みは「ポーズを覚えたい」ではなく、「夕方になると肩が重くて集中できない」です。手に入れたいのは、正しいポーズではなく、夕方まで楽に仕事ができる毎日です。
同じヨガでも、「正しいポーズを学ぶ講座」と「在宅ワークの肩こりを仕事の合間にほぐす習慣づくり」では、届く相手も、払う理由もまったく違います。中身を大きく変えなくても、見る方向を変えるだけで、商品の伝わり方は変わるのです。
売れないのには、必ず理由がある
ものごとには、すべて原因があり、それが結果につながっています。売れている人には売れる理由があり、売れていない人には売れていない理由があります。
ただ、それは才能の差でも、努力の量の差でもありません。多くの場合、考えるときの出発点が「自分」になっているか、「相手」になっているかの違いです。出発点がずれていると、どれだけ一生懸命に考えても、答えがずれてしまいます。
よくある失敗
| よくある失敗 | どう直すか |
|---|---|
| 商品の内容を増やせば売れると考える | 増やす前に、相手が本当に求めていることを聞く |
| 「自分なら買う」で価格を決める | 相手にとっての価値と、払う理由から考える |
| 売れない原因を自分の中だけで探す | すでに成果を出している人のやり方と比べる |
3つ目について、少し補足します。自分の世界の中だけで答えを見つけようとしても、なかなか見つかりません。すでに成果を出している人のやり方を学び、自分のやり方と比べてみる。どこがずれているのかが分かれば、直す場所もはっきりします。相手のために動くことがなぜビジネスになるのかは、ビジネスに他者貢献が必要な理由でも書いています。
まとめ
- 売れるかどうかを分けるのは、商品の出来よりも「どこを見ているか」
- 成果を出す起業家は、自分のやりたいことを「どうすれば人に求められるか」という視点で考えている
- お金は価値との交換。払ってくれるのはいつも「人」なので、相手がどう感じるかで考える
- 「誰が・何に困っていて・何が手に入り・払う価値を感じるか」の4つの問いで、相手目線に切り替える
- 売れない原因は才能や努力ではなく、考える出発点のずれにあることが多い
まずは今週、お客様や身近な人からもらった質問や相談を、そのままの言葉で5つ書き出してみてください。その言葉の中に、次の商品や発信のヒントが隠れています。


