お客様が増えてきたのは嬉しい。でも、それと同じくらい、毎日の連絡や確認の作業が増えていく。気づけば、本来の仕事であるセッションやサポートより、事務作業に追われている。そんな状態になっていませんか。
個人でビジネスをしていると、申し込みの受付から入金確認、日程調整まで、すべてを自分一人でこなしている方が多いです。お客様が少ないうちはそれでも回りますが、人数が増えるほど、同じ作業が人数分だけ積み上がっていきます。
結論から言うと、申し込みから決済までの雑務の多くは、インターネット上の道具を組み合わせれば自動化できます。 空いた時間を、お客様のサポートや自分のやりたいことに使えるようになります。
この記事では、雑務が増えていく仕組み、自動化で何が変わるか、そして自動化する前にやるべき4つの手順と、あえて人の手を残すところを解説します。
お客様が増えるほど、雑務が増えていく仕組み
たとえば、コーチの仕事をしている場合を考えてみます。一人のお客様が申し込んでから、実際にコーチングを始めるまでに、次のような作業があります。
- 申し込みを受け付ける
- 振込先の情報を連絡する
- 振り込みの連絡をもらう
- 入金を確認する
- コーチングの日程を調整する
- オンラインの場合は、つなぎ方を連絡する
- 事前にお客様の悩みや状況を確認する
一つひとつは小さな作業です。でも、これをすべて手作業でメールのやり取りをしながら進めると、一人あたりでもかなりの時間がかかります。
そして、お客様が5人、10人と増えれば、同じ作業が人数分だけ必要になります。お客様が増えるほど、本業以外の時間が増えていく。 これが、雑務に追われて疲れていく仕組みです。
自動化すると、何が変わるのか
ところが、インターネット上のサービスを組み合わせて仕組みにすると、上の作業の多くは自動で進むようになります。
- 申し込みフォームに入力してもらうと、自動返信で振込先や決済の案内が届く
- 決済が終わると、次の案内のメールが自動で届く
- 日程は、予約の仕組みからお客様に選んでもらう
- 事前の質問も、フォームで答えてもらう
自分は、届いた通知を確認するだけで済むようになります。一人ひとりに確認の連絡をする必要がなくなるのです。
カウンセラーのSさんの例
副業でカウンセラーとして活動を始めたSさんは、お客様が増えるたびに、申し込みからカウンセリング、その後のサポートまで、すべてを手作業で行っていました。
仕組みにしたことで作業の効率が大きく変わり、それまでの2倍のお客様になっても、余裕を持って対応できるようになったそうです。カウンセリングそのものに集中できるようになり、サポートも充実させることができました。
雑務の時間が減ると、その分をお客様のために使えます。これが、自動化の一番の価値です。
自動化する前にやるべき4つの手順
ここで大事なのは、いきなり道具を選ばないことです。道具から考えると、機能の多さに迷ったり、使わない機能にお金を払ったりしがちです。次の4つの手順で進めましょう。
手順1:雑務をすべて書き出す
まず、お客様が申し込んでからサービスが終わるまでに、自分がやっている作業をすべて書き出します。上のコーチの例のように、順番に並べてください。
書き出してみると、「こんなに同じことを毎回やっていたのか」と驚くことが多いです。書き出すことで、はじめて自動化できる場所が見えてきます。
手順2:「毎回同じ作業」と「人ごとに違う作業」に分ける
次に、書き出した作業を2つに分けます。
| 分類 | 例 | 向いている方法 |
|---|---|---|
| 毎回同じ作業 | 受付の返信、振込先の案内、入金後の案内、つなぎ方の連絡 | 自動化する |
| 人ごとに違う作業 | 悩みに合わせた返信、セッションの中身、個別の相談 | 自分でやる |
自動化するのは、毎回同じ内容を送っている作業だけです。 人ごとに違う作業まで無理に自動化すると、かえってお客様の満足度が下がります。
手順3:作業ごとに、使う道具を当てはめる
毎回同じ作業が分かったら、それぞれに道具を当てはめます。個人ビジネスでよく使われるのは、次のような道具です。
- メール配信システム(自動返信、決まった日数ごとにメールを送るステップメール)
- 申し込みフォーム、アンケートフォーム
- 日程の予約の仕組み
- オンライン決済の仕組み
最近は、これらの機能をまとめて持っているサービスもあります。どのサービスが合うかは、自分の作業の量と、使いこなせるかどうかで選んでください。まずは一番時間を取られている作業を一つだけ自動化するところから始めれば十分です。
ステップメールの使い方は、ステップメール機能を使いこなすメリットで解説しています。
手順4:自分がお客様になって、一度通してみる
仕組みを作ったら、必ず自分がお客様の立場で、申し込みから最後まで一度通してみてください。
- 自動返信のメールは届くか
- 文章は分かりやすいか、案内に抜けはないか
- 決済のあとに、次に何をすればいいか分かるか
自動化の失敗は、お客様が困っていることに自分が気づけないことです。最初に自分で通してみるだけで、多くの抜けは防げます。
自動化でよくある3つの失敗
仕組みを作るときに、つまずきやすい点も押さえておきましょう。
失敗1:一度に全部を自動化しようとする
申し込みから終わりまでを一気に仕組みにしようとすると、設定の量が多すぎて途中で止まってしまいます。止まったまま手作業にも戻れず、かえって混乱することもあります。一番時間を取られている作業を一つ選び、それが安定して動いてから、次の作業に進んでください。
失敗2:作ったあとに見直さない
自動返信の文や案内の内容は、サービスの中身が変わると古くなります。日程の決め方や決済の方法を変えたのに、自動で届くメールだけが昔のまま、ということはよく起こります。サービスの内容を変えたときは、自動で届く文もあわせて見直す習慣をつけましょう。
失敗3:通知を見逃す
自動化すると、自分の手元には「申し込みがありました」「決済が完了しました」という通知だけが届くようになります。この通知を見逃すと、お客様を待たせてしまいます。通知を受け取るアドレスを分けておく、毎日決まった時間に確認するなど、見逃さない工夫をしておきましょう。
自動化しないほうがいいところ
自動化はとても便利ですが、すべてを機械に任せればいいわけではありません。
人の手を残したほうがいい3つの場面
- 申し込みの直後の一言:自動返信とは別に、短くても自分の言葉でお礼を伝えると、お客様は安心します
- お客様が迷っているとき:質問や不安には、決まった文ではなく、相手に合わせて答える
- サービスが終わったあと:感想を聞いたり、次の一歩を一緒に考えたりする場面は、人の手で行う
自動化の目的は、人との関わりを減らすことではありません。毎回同じ作業を仕組みに任せて、人にしかできない関わりに時間を使うことです。
また、作業の量が増えてきたら、自動化だけでなく、人に任せるという選択もあります。任せ方についてはビジネスを加速させる「外注」という武器で解説しています。
パソコンが苦手でも、少しずつで大丈夫
自動化を進めるには、パソコンやインターネット上のサービスを使いこなす力が必要です。今は苦手でも、一つの作業を自動化するところから始めれば、少しずつ慣れていきます。苦手意識との付き合い方は、パソコン、インターネット初心者が稼げない理由も参考にしてください。
まとめ
- お客様が増えるほど、申し込みから決済までの雑務は人数分だけ積み上がる
- 毎回同じ作業は、フォーム・自動返信・ステップメール・予約・決済の仕組みで自動化できる
- 道具から選ばず、「書き出す→分ける→道具を当てはめる→自分で通してみる」の順で進める
- 申し込み直後の一言、迷っている人への対応、終わったあとの関わりは人の手で行う
- 空いた時間を、お客様のサポートや自分のやりたいことに使う
まずは、お客様が申し込んでからサービスが始まるまでに自分がやっている作業を、紙にすべて書き出してみてください。その中で「毎回同じ文を送っている作業」が、最初に自動化する候補です。


