1年で億単位の売上を作った起業家の話を聞くと、「すごいけれど、自分とは別の世界の話だ」と感じる方が多いと思います。私も最初はそうでした。
でも、そういう人の話から学べるのは、売上の大きさではありません。その人がどう考えて、どんな順番で事業を組み立てたのか、という考え方です。考え方なら、事業の規模に関係なく、個人のビジネスにもそのまま取り入れられます。
結論から言うと、私がある起業家のセミナー映像から学んだ一番大きなことは、「システム化」という考え方でした。自分が働き続けなくても、商品が売れていく仕組みを作るという考え方です。
この記事では、私がその考え方に出会ってビジネスの方向を変えた話と、システム化とは何か、そして個人のビジネスでシステム化を始める手順をお伝えします。
すごい実績の人から学ぶのは「金額」ではなく「考え方」
以前、私は起業に興味のある方やコンサル生に、ある起業家の方の起業セミナーの映像を、最初に見てもらうようにしていました。
その方は、会社員から少ない元手で起業し、1年目から大きな売上を作り、その後もいくつもの事業を立ち上げてきた方です。ただ、私がその映像をすすめていた理由は、売上の大きさではありませんでした。
すごい実績の人の話を聞くと、つい金額に目が行きます。でも、金額をそのまま目標にすると、次のようなことが起きがちです。
- 「自分には無理だ」と感じて、学ぶのをやめてしまう
- 同じ金額を目指して、自分に合わないやり方まで真似してしまう
- 結果の数字ばかりを見て、そこに至るまでの考え方を見落とす
学ぶべきは、その人が何を考え、何を優先し、どんな順番で事業を作ったかです。 金額は、その考え方を積み重ねた結果にすぎません。成功している人のやり方を学ぶときの考え方は、モデリングは人生の攻略本でも書いています。
私が一番影響を受けたのは「システム化」の考え方
その起業家の方から、私が一番影響を受けたのは「システム化」の考え方です。
システム化とは、あなたが直接手を動かさなくても、商品が知られ、選ばれ、届けられていく流れを作ることです。人の体は一つしかなく、分身することはできません。でも、仕組みは複製したり、広げたりすることができます。
その方の考え方の中で、特に私の心に残ったのは、次のような考えでした。
- 経営者の仕事は、経営をすることであって、自分が現場で働き続けることではない
- 自分が働く時間を増やして売上を伸ばすのではなく、売れる仕組みを作って伸ばす
この考え方を知ってから、私は自分のビジネスの方向を大きく変えました。
働き続ける働き方から、仕組みを作る働き方へ
システム化の考え方を知る前の私は、新規のコンサル契約を毎月数件取り、コンサル生を指導しながら、月に数十万円ほどを稼いでいました。
それなりに収入はありましたが、あるとき気づいたのです。この働き方のままでは、いつまでたっても労働から離れられない、と。契約を取るのも、指導するのも、全部自分です。自分が動けなくなれば、収入も止まります。
そこで、自分が頑張って働かなくても商品が売れる仕組みを作ることに集中しました。システム化を取り入れた結果、年間の利益は以前の10倍くらいになり、直接働く時間はほとんどなくなりました。昔に比べると、自分の時間をたくさん持てるようになっています。
ただ、誤解のないようにお伝えしておくと、仕組みは一度作ったら放っておけるものではありません。数字を見て、お客様の反応を見て、直し続けることで保たれるものです。ビジネスの仕組み化の考え方は、ビジネスは仕組み化することが重要で詳しく解説しています。
個人のビジネスでシステム化を始める手順
システム化というと、大きな会社がやることのように聞こえるかもしれません。でも、個人のビジネスでも、小さく始められます。
私がおすすめしているのは、次の順番です。
- 今の仕事を書き出す:集客、案内、申し込みの受付、商品の提供、フォローなど、自分がやっている作業を全部書き出す
- 毎回同じことをしている作業に印をつける:同じ説明、同じ案内文、同じ手続きを繰り返している作業を探す
- 印をつけた作業を「自分がいなくても回る形」にする:案内文をテンプレートにする、よく聞かれる質問を資料にまとめる、申し込みから決済までを自動で進む流れにする
- 自分にしかできない仕事に時間を使う:お客様一人ひとりと向き合う時間や、新しい商品を考える時間に回す
たとえば、個別相談で申し込みを受けているコーチがいたとします。相談のたびに、自分の経歴やサービスの内容を一から説明し、日程の調整もメールで何往復もしている。この場合、次のように仕組みに置き換えられます。
- 経歴やサービスの説明は、相談の前に読んでもらう資料や動画にまとめる
- 日程の調整は、空いている枠から選んでもらえる予約の仕組みにする
- 相談後の案内は、あらかじめ用意した文面をもとに送る
こうすると、相談の時間を、相手の悩みを聞いて一緒に考えることだけに使えるようになります。
システム化は、自分の仕事をなくすことではなく、自分にしかできない仕事に時間を戻すことです。 繰り返しの作業を仕組みに任せるほど、お客様のために考える時間が増えていきます。
時給で働く働き方から、時給とは関係のない収入を作る考え方へ切り替える順番は、時給を上げるための努力は今すぐやめようでまとめています。
システム化についてのよくある誤解
システム化の話をすると、次のような誤解を受けることがあります。
| よくある誤解 | 実際は |
|---|---|
| 仕組みを作れば、何もしなくても売れ続ける | 数字を見て直し続けることで保たれる |
| 大きな資金や人手がないとできない | 案内文のテンプレート化など、小さなところから始められる |
| お客様との関わりが冷たくなる | 繰り返しの作業を任せる分、お客様と向き合う時間を増やせる |
| すごい実績がある人にしかできない | 考え方と手順は、事業の規模に関係なく使える |
特に1つ目は注意してください。「仕組みを作れば放っておいても稼げる」という言葉に引かれて始めると、思ったように動かないときに、すぐにやめてしまいます。仕組みは、育てていくものです。最初は小さな仕組みを一つ作り、動かしながら、うまくいかないところを直していく。その繰り返しで、少しずつ自分が手を動かさなくても回る部分が増えていきます。
必死に働き続けなくても、豊かに暮らすために
今の仕事が楽しくて、ずっと自分の手で働き続けたいという方もいると思います。それも一つの生き方です。
一方で、夢や趣味、家族との時間も大切にしながら、収入も作っていきたいと考えているなら、システム化の考え方は学んでおいて損のないものです。自分の時間を切り売りする働き方から、仕組みで収入を作る働き方へ。これが、私の言う「労働収入からの脱却」です。
すごい実績の人を見て落ち込む必要はありません。その人の考え方を一つ取り入れて、自分のビジネスで小さく試してみる。それが、最短で成果に近づく方法だと私は考えています。
まとめ
- すごい実績の起業家から学ぶべきは、売上の金額ではなく、考え方と順番
- 私が一番影響を受けたのは、自分が働き続けなくても売れる仕組みを作る「システム化」の考え方
- 私はコンサル契約を毎月取って働く形から、仕組みを作る形に方向を変えた
- システム化は、繰り返しの作業を仕組みに任せ、自分にしかできない仕事に時間を戻すこと
- 仕組みは作って終わりではなく、数字を見て直し続けることで保たれる
まずは、この1週間で自分がやった仕事を書き出して、「毎回同じことをしている作業」に印をつけてみてください。そこが、システム化の最初の候補です。


