講座のスライドを作るとき、デザインで迷って手が止まる。1枚に文字を詰め込みすぎる。少し直すたびに、全部作り直しになる。こんな経験はありませんか?
結論から言うと、講座スライドはデザインから作らず、台本から作ると、迷いも作り直しもほとんど消えます。私はClaude Codeに「台本を見出しに割って、決めたルールどおりに組んで、写真に撮る」ところまで任せています。
この記事では、その5つの手順と、途中で何度も指摘されて直した失敗を全部書きます。私はプログラムを書けない非エンジニアです。同じように、AIに頼んで作らせ、検品で確かめるやり方なら真似できるはずです。動画でも同じ内容を解説していますので、先に全体をつかみたい方はこちらからどうぞ。
画像生成AIで描かせていたころは、作り直しが止まらなかった
最初は、スライドを画像生成AIに1枚ずつ描かせていました。絵としてはきれいに仕上がります。ただ、講座のスライドは文字が主役です。そこで問題が起きました。
入れるなと書いた番号が入る。指定した線画のアイコンが省かれる。文字のフチがにじむ。1枚直したいだけなのに、もう一度描かせると別の絵が出てくる。36〜50枚のスライドに、20〜40分かかっていました。
時間よりも困ったのは、直すたびに「まあいいか」と妥協したくなることでした。作り直しが重いと、気になる所があっても見なかったことにしてしまいます。これでは講座の質が上がりません。
「描かせる」のをやめて「組んで撮る」に変えた
そこで方法を変えました。スライドを絵として描かせるのではなく、文字と配置をウェブページの形で組み、それを1枚ずつ写真に撮って画像にします。組む作業も撮る作業も、Claude Codeに任せます。
結果はこうなりました。
| 画像生成AIで描かせる | 組んで撮る | |
|---|---|---|
| 36〜50枚 | 20〜40分 | 12〜17秒 |
| 1枚だけ直す | もう一度描かせる | 0.3秒で撮り直し |
| 文字 | 指示どおりに出ないことがある | 書いたとおりに出る |
文字を組んでいるので、崩れようがありません。直すのも一瞬なので、気になる所はその場で直せます。私の無料講座のスライドは、この方法で作りました。
台本から講座スライドを作る5ステップ
流れは次の5つです。順番を守るのが一番のポイントです。
- 台本を用意する
- 1スライド1メッセージに割る
- デザインのルールを決める
- 組んで撮る
- 検品して、自分の目で見る
ステップ1:台本を用意する
スライドは、話す内容を助けるためのものです。話す内容が決まっていないのにスライドを作ると、あとで全部ずれてしまいます。
台本はAIと一緒に作ってかまいません。ただし、誰に、何を、どこまで伝えるかは自分で決めます。中身は自分の経験から出して、言い回しをAIに整えてもらう。この分け方がうまくいきます。
ステップ2:1スライド1メッセージに割る
いきなり中身を作らずに、まず全部のスライドの見出しだけを並べます。Claude Codeへの頼み方は、「この台本を、1スライド1メッセージで見出しに割って一覧にしてください」の一言で十分です。
見出しを並べると、話の流れがおかしい所がすぐに見つかります。中身を作る前に直せるので、手戻りが減ります。見出しから作る考え方は、スライドをデザインから作るから終わりませんにも詳しく書きました。
ステップ3:デザインのルールを決める
ここを決めずに毎回頼むと、毎回ちがう見た目のスライドが出てきます。AIはルールがないと、その場でそれらしいものを作ってしまうからです。決めるのは次の3つだけです。
| ルール | 私の決め方 |
|---|---|
| 色の役割 | 見出しは紺、強調は赤、比べるときのおすすめしない側はグレー、一番大事な一語に黄色のマーカー |
| 文字の大きさ | いちばん小さい文字でも36ピクセル以上。入らないときは小さくせず、内容を削るか2枚に分ける |
| 箱の数 | 2つなら比べる、3つなら分ける、4〜5つなら手順、6〜8つなら一覧 |
この3つを1つのファイルに書いておき、Claude Codeには作る前に必ずそのファイルを読むように頼みます。こうすると、何十枚作っても同じルールのスライドが出てきます。
ステップ4:組んで撮る
Claude Codeが、見出しと中身をルールどおりに組み、1枚ずつ、動画と同じ大きさの画像にします。最初に書いた「十数秒」は、この撮影の時間です。
スライドに入れる絵も、毎回描かせません。手元に置いた素材から選ばせています。アイコンがおよそ2,100点、人物のイラストが47点です。素材を決めておくと、絵の雰囲気もそろいます。
ステップ5:検品して、自分の目で見る
撮るたびに、文字が小さすぎないか、枠からはみ出していないか、別の言葉なのに同じ絵になっていないかを、自動で調べるようにしています。問題があれば、直るまで完成にしません。
それでも、最後は必ず自分の目で見ます。人物の顔や指が向いている先に文字があるか。2つ並べたとき、おすすめする側が赤になっているか。余白が空きすぎて、スカスカに見えないか。ここは機械では見分けられません。
指摘されて直した、5つの失敗
ここからは、うまくいかなかったことです。どれも、作ったスライドを見せて指摘を受けたり、自分で見て気づいたりして直しました。
1. 文字が小さすぎた
最初に目分量で組んだスライドは、文字が全部小さすぎました。参考にしていた講座動画の文字の大きさを画面から測ってみると、見出しも本文も、こちらの方がひと回り小さかったのです。見た目の印象で合わせると、必ず小さめに外れます。
さらに、いちばん小さい文字を34ピクセルにしていたら「小さく感じる」と言われました。動画はスマホで見る人が多いからです。それ以降、下限を36ピクセルに上げています。
2. 意味のない赤が並んでいた
5つの手順を並べたとき、最後の1つだけを赤にしていました。見た目のアクセントのつもりでしたが、見る人には「5番目だけ特別なのか」と読まれます。赤は「否定・注意・こちらを推す」の意味に限ると決め、講座全体で意味のない赤を183か所外しました。
3. アイコンの選び方がばらばらだった
アイコンを英語の名前から自由に選ばせたら、「選択が不適切」と指摘されました。数えてみると、使った絵の種類が多すぎて、文の気分を表すだけの比喩の絵(芽や山など)まで入っていました。
直し方は逆でした。アイコンはその枠に書いてある名詞の絵にする。同じ意味には必ず同じ絵を使う。語彙はむしろ狭くする。変化をつけようとして絵の種類を増やしたことが、ちぐはぐに見える原因でした。
4. 話している内容と、画面がずれていた
1枚のスライドに30秒以上話していると、声だけ先に進んで、画面の文字と聞こえている内容がずれます。「セリフとスライドが違い過ぎる」と言われ、1枚あたり10〜15秒になるよう割り直しました。下の帯には、そのスライドで最後に読む一文だけを入れる、とも決めています。
5. 指さす絵の先に、文字がなかった
つい最近の失敗です。次回予告のスライドで、人物のイラストが画面の外を指さしていました。手元の手引きに「この絵は左を指す」と書いてあったのを信じて置いたのですが、実物を見ると右を指していました。手引きの方が間違っていたのです。指さす絵は、指の先に文字を置く。手引きも直しました。
5つとも、機械の検品では見つかりませんでした。最後に人の目で見る工程を省かないのは、こうした失敗が実際に起きるからです。
AIに任せる部分と、自分でやる部分
ここまでの作業を分けると、こうなります。
| Claude Codeに任せる | 自分でやる |
|---|---|
| 組む | 台本の中身 |
| 撮る | デザインのルールを決める |
| 自動の検品 | 最後の目視の確認 |
分けておくと、AIに振り回されません。逆に、ルールを決めずに「いい感じに作って」と頼むと、毎回ちがうものが出てきて、直す時間がかえって増えます。
画像生成AIを使わない、という意味ではない
誤解のないように書いておくと、画像生成AIそのものが悪いわけではありません。写真のような背景や、雰囲気を伝える1枚の絵には、今も画像生成AIを使っています。向いていないのは、文字が主役の講座スライドです。
写真や絵は画像生成AIに任せ、文字は組む。使い分けを決めておくだけで、作り直しの回数は大きく変わります。
そして、一度うまくいった手順は「スキル」という形で保存しておきます。スキルは、Claude Codeに覚えさせる作業手順書のようなものです。次からは「講義スライドを作って」の一言で同じ流れが動きます。スキルの考え方は、Claude CodeとCodexで作ってきたものの全体像にまとめています。
読者が明日からできること
Claude Codeを入れる前でも、今日からできることがあります。
- 次に作るスライドの見出しだけを、先に全部書き出す
- 色の役割を3つ決めて、メモに書いておく(見出し・強調・比べるときの劣る側)
- いちばん小さい文字の大きさを決める(スマホで見るなら大きめに)
- 1枚に言いたいことが2つあったら、2枚に分ける
- 作り終えたら、指や顔の向きの先に文字があるかを目で見る
1と2だけでも、スライド作りの迷いはかなり減ります。講座全体を動画にするまでの流れは、講座動画を47本作った流れに書きました。スライドはその中の1工程です。
まとめ
- 講座スライドは、デザインからではなく台本から作る
- 画像生成AIに描かせず、文字を組んで撮れば、崩れず、直すのも一瞬になる
- 流れは、台本→見出しに割る→ルールを決める→組んで撮る→検品の5ステップ
- ルールは色・文字の大きさ・箱の数の3つを1つのファイルに書き、毎回読ませる
- 機械の検品で見つからない失敗があるので、最後は必ず自分の目で見る
次にスライドを作るときは、まず見出しだけを全部書き出すところから始めてみてください。


