集客のために動画を作ろうと決めたものの、「プロが作ったようなきれいな動画でないと恥ずかしい」「機材をそろえてから始めたい」と考えて、なかなか1本目が作れない。そんな方は多いです。
動画を作るなら、かっこよく質の高いものにしたい。その気持ちはよく分かります。でも、集客という目的で考えると、ここに落とし穴があります。
結論から言うと、集客用の動画は、プロのような仕上がりを目指す必要はありません。最低限の品質を守った動画を、たくさん作る方が集客につながります。
動画のクオリティーは、作る時間やお金に影響し、最終的には集客や売上にも影響します。この記事では、動画の2つのクオリティーの違いと、それぞれの向き不向き、そして最低限守っておきたい3つの基準をお伝えします。
動画のクオリティーは、大きく2つに分かれる
制作する動画のクオリティーは、大きく分けると次の2つです。
| クオリティー | どんな動画か | 主な目的 |
|---|---|---|
| プロ仕様の動画 | 時間とお金をかけて、見た目まで作り込んだ動画 | 会社や商品のイメージを伝える |
| 簡単な動画 | 品質はある程度割り切り、手早く作る動画 | まだあなたを知らない人に見つけてもらう |
どちらが良い悪いではなく、目的が違います。問題になるのは、集客が目的なのに、プロ仕様の動画を作ろうとしてしまうことです。
プロ仕様の動画は、集客には向かない
プロ仕様の動画には、たとえば次のような種類があります。
- 会社紹介型:会社の理念や雰囲気を伝える動画
- 商品紹介型:商品の魅力を映像で見せる動画
- セミナー型:講演やセミナーを撮影して見せる動画
どれも作るのに時間がかかります。質を高くしようとすると自分では作れないことが多く、制作会社に頼むことになるでしょう。
作る側の満足と、見る側の満足は違う
プロ仕様の動画を作ると、作った側には良いことがあります。自分たちがどんな会社なのか、なぜこの仕事をしているのかを見つめ直せます。社内の気持ちが高まることもあります。
ただ、見込み客の側から見ると、どうしても作り手の満足で終わりがちです。見込み客が知りたいのは、「あなたの会社がどんなに素敵か」より「自分の悩みがどうすれば解決するか」だからです。
費用と手間をかけても、それが売上に直結しにくい。これが、集客用としてプロ仕様の動画をおすすめしない理由です。
プロ仕様の動画が向いている場面
もちろん、プロ仕様の動画がいらないわけではありません。すでにあなたのことを知っていて、商品の購入を考えている人に向けて、会社や商品の信頼感を伝えたい場面では役に立ちます。
大切なのは順番です。まだあなたを知らない人に見つけてもらう段階では簡単な動画を、購入を考えている人に信頼を伝える段階では作り込んだ動画を、と目的に合わせて使い分けます。
集客には、簡単な動画をたくさん作る
集客用の動画としておすすめしたいのは、ある程度割り切って作る、簡単な動画です。
品質や自分の好みはあまり気にせず、新しいお客様を集めること、あなたの商品やサービスをまったく知らなかった人に知ってもらうことだけを目的に作ります。
簡単な動画には、次のような良さがあります。
- 作るのにお金がかからない
- 早く作れる
- 1本あたりの時間がかからない
- たくさん作れるので、検索結果に表示されやすい
本数が増えると、見つけてもらえる入口が増える
簡単な動画なら、1本を作る期間が短くて済むので、たくさんの動画を作れます。そして、いろいろな検索キーワードで動画を作れば、それだけ検索結果に表示される機会が増えます。
1本に時間とお金をかけて少ない本数になるより、同じ時間とお金でたくさんの動画を作る方が、見込み客に見つけてもらえる可能性は大きく広がります。動画が見つけてもらえれば、そこからあなたのブログやサイトに来てもらう流れも作れます。
簡単な動画の形はいくつもある
簡単な動画といっても、形はいろいろです。
- カメラの前で、よく聞かれる質問に1つずつ答える
- スライドを見せながら、声で説明する
- パソコンやスマートフォンの画面を映しながら、やり方を説明する
どれも、特別な機材や編集の技術がなくても作れます。あなたが話しやすい形、見込み客が見やすい形を選んでください。形を1つに決めておくと、毎回の準備も早くなります。
どんなテーマで動画を作ればいいかは、需要のある動画のテーマを探す方法で解説しています。
手を抜きすぎると、かえって逆効果になる
ただし、簡単な動画にも気をつけたい点があります。手を抜きすぎると、次のようなことが起きます。
- 再生回数が増えず、作る意味がなくなる
- 見た人に悪い印象を持たれる
- 集客につながらず、作った本人の満足で終わる
たくさん作ろうとして、最低限の品質もない動画を量産しても、見てもらえません。それどころか、あまりにも見づらい動画だと、「この会社は大丈夫かな」と不信感を持たれてしまうこともあります。
簡単な動画は「雑な動画」ではありません。割り切るのは見た目の作り込みであって、見る人への配慮まで割り切るわけではありません。
最低限守りたい3つの基準
では、最低限の品質とは何でしょうか。次の3つは、必ず確かめてください。
| 基準 | 確かめること |
|---|---|
| 1. 音声 | 話している声がしっかり聞き取れるか |
| 2. 明るさ | 画面が暗すぎないか |
| 3. 手ぶれ | 画面の揺れがひどくないか |
いちばん大事なのは音声
3つの中で特に気をつけたいのは音声です。映像が多少地味でも見てもらえますが、声が聞き取れない動画は、すぐに閉じられてしまいます。周りの雑音が入らない場所で撮る、話す人とマイクの距離を近づける、といった工夫だけでも聞き取りやすさは変わります。
公開前に、見る人の立場で1回見直す
3つの基準は、撮影したあと、公開する前に必ず確かめます。確かめ方は簡単です。
- イヤホンをつけて、最初から最後まで一度再生する
- スマートフォンの小さな画面でも見てみる
- 声が聞き取りにくい、暗い、揺れるところがあれば撮り直すか直す
自分で撮った動画は、どうしても「作り手の目」で見てしまいます。見込み客になったつもりで見直すのがコツです。
よくある失敗
| よくある失敗 | どう直すか |
|---|---|
| 機材がそろうまで1本目を作らない | 手元の道具で、3つの基準を守って作り始める |
| 1本を作り込みすぎて、本数が増えない | 見た目は割り切り、本数を優先する |
| 本数を優先しすぎて、声が聞き取れない | 公開前に音声だけは必ず確かめる |
| 見た目のきれいさで満足してしまう | 見た人が次に何をしてくれたかで判断する |
特に最後の一つは大切です。集客用の動画の出来は、見た目ではなく、見た人があなたのブログやサイトに来てくれたか、問い合わせをしてくれたかで判断します。数字で振り返る習慣をつけると、どこにこだわるべきかが見えてきます。
作る時間をさらに短くする工夫は、動画制作時間の短縮方法でまとめています。見た人に最後まで見てもらう中身の作り方は、視聴者を最後まで惹きつける7つの原則で解説しています。
まとめ
- 動画のクオリティーには、プロ仕様の動画と簡単な動画の2つがある
- 集客用には、作り込んだ動画より、簡単な動画をたくさん作る方が向いている
- ただし手を抜きすぎると、見てもらえないうえに悪い印象を持たれる
- 最低限、音声・明るさ・手ぶれの3つは確かめる
- 公開前に、見込み客の立場でイヤホンとスマートフォンで見直す
まずは、今手元にあるスマートフォンで、1分ほどの動画を1本撮ってみてください。イヤホンで見直して、音声・明るさ・手ぶれの3つに問題がなければ、それがあなたの集客用動画の最低ラインです。


