講座やサービスを広めるために、SNSを毎日更新している。投稿のネタを考え、写真を選び、反応を確かめ、ほかの人の投稿にも反応する。気づけば1日のうちかなりの時間を、SNSに使っている。それなのに、講座の申し込みにはなかなかつながらない。
こうした悩みを持つ方は多いです。そして、うまくいかないとき、多くの方は「もっと投稿を増やさなければ」と考えます。でも、投稿を増やすほど時間はなくなり、肝心の講座づくりや、お客様との時間が削られていきます。
結論から言うと、SNSは「何にでも使う場所」ではなく、「使い道を決めて使う道具」です。使い道を4つに絞り、開く時間と見る数字を決めておく。これだけで、SNSに振り回される時間はぐっと減ります。
この記事では、SNSに時間を取られやすい理由、SNSの4つの使い道、振り回されないための5つの決めごと、やりがちな失敗を解説します。
SNSの投稿は、流れていく
SNSに時間を取られやすいのには、理由があります。SNSの投稿は、時間とともに流れていくからです。
今日の投稿は、数日もすればほとんど見られなくなります。見てもらい続けるには、投稿し続けるしかありません。つまり、SNSだけで集客しようとすると、投稿という作業を止められなくなります。これは形を変えた時間の切り売りです。
一方、ブログの記事は、書いたあとも検索から読まれ続けます。メルマガやLINEの読者は、こちらから連絡を届けられる、自分の手元にある関係です。どちらも、一度作ったものが積み上がっていきます。
| 場所 | 発信の残り方 | 誰の場所か |
|---|---|---|
| SNS | 流れていく。見てもらうには投稿を続ける | 運営する会社の場所 |
| ブログ | 残る。検索から後で見つけてもらえる | 自分の場所 |
| メルマガ・LINE | 読者の手元に届き、関係が続く | 自分の手元の関係 |
もう一つの理由は、気持ちの消耗です。SNSには反応の数が見えます。ほかの人の華やかな投稿も目に入ります。ビジネスのために始めたはずが、いつの間にか「どう見られるか」を気にして投稿するようになる。こうなると、時間だけでなく気持ちもすり減っていきます。
主役は自分の場所、SNSはつなぐ道具
ここで考え方を整理しておきます。少人数で売る個人にとって、発信の主役は自分の場所です。考えやノウハウをためるブログと、読者との関係を深めるメルマガやLINE。講座の案内も、主にここで行います。
SNSは、その自分の場所へ人をつなぐ道具です。SNSで知ってもらい、ブログで考え方を読んでもらい、メルマガやLINEで関係を深め、講座を案内する。この流れの中で、SNSは入口の役目を担います。
SNSを主役にしないと決めると、SNSにかける時間の上限が自然に決まります。 全部をSNSで完結させようとするから、時間がいくらあっても足りなくなるのです。SNS・メルマガ・LINEの役割の違いは、SNS・メルマガ・LINEの役割と配信の順番でも解説しています。
SNSの4つの使い道
では、SNSは何に使えばいいのか。私は、次の4つの使い道に絞ることをおすすめしています。
- 知らせる:ブログの新しい記事や、講座の募集を知らせる
- 連絡する:お客様や見込み客と、すばやくやり取りする
- 入口にする:まだ自分を知らない人に見つけてもらい、自分の場所へ案内する
- 特別な場にする:受講してくれた人だけが入れる、非公開の集まりを作る
知らせる
ブログに記事を書いたら、SNSで知らせます。SNSごとに使っている人の層が違うので、同じ記事でも届く相手が変わります。記事の要点を一言添えて、続きはブログで読んでもらいます。
連絡する
SNSのメッセージは、メールより気軽にやり取りできます。お客様からの質問に早めに答えるだけで、「この人はちゃんと見てくれている」と感じてもらえます。ただし、返信の時間帯は決めておきます。いつでもすぐ返すと、それが当たり前になり、自分の時間がなくなります。
入口にする
SNSの強みは、今の読者の外にいる人に届くことです。役に立つ投稿が共有されると、まだ自分を知らない人の目に入ります。そこから自分の場所へ案内するために、投稿の行き先は一つに絞っておきます。
特別な場にする
講座を受講してくれた人や、長く付き合ってくれているお客様だけが入れる、非公開のグループを作る使い方もあります。そこでは、公開の場では話さない補足や、受講した人どうしの交流を届けます。参加者どうしが励まし合える場があると、講座の途中で止まる人も減ります。こうした場の運営は、オープンチャットの投稿の工夫でも書いています。
非公開の場を作るときは、始める前に決まりを書いておきます。たとえば、質問に答える曜日や時間帯、参加者どうしで商品を売り込まないこと、ほかの人の相談内容を外に持ち出さないこと。決まりがないまま始めると、いつでも答えなければいけない場になったり、参加者が安心して話せない場になったりします。決まりを最初に示しておくことは、参加者を守ることでもあり、自分の時間を守ることでもあります。
振り回されないための5つの決めごと
使い道を決めたら、次は自分を守るための決めごとです。私は次の5つを勧めています。
- 投稿する前に、4つの使い道のどれかを確かめる
- SNSを開く時間と回数を先に決める
- 反応の数ではなく、自分の場所に来てくれた人の数を見る
- 昔からの友人とのつながりと、仕事の発信を分ける
- 使い道に当てはまらない機能は使わない
1つ目と2つ目:使い道と時間を先に決める
投稿する前に「これは知らせる投稿か、入口にする投稿か」と確かめます。どれにも当てはまらないなら、その投稿は急がなくていいものです。人柄を伝える日常の話も、見込み客に自分を知ってもらう入口と考えられるなら、使い道の中に入ります。
時間は、「朝と夕方に、決めた長さだけ」のように、開く時間帯と長さを先に決めます。通知を切っておくと、決めた時間以外に手が伸びにくくなります。
3つ目:見る数字を変える
反応の数は、見ていると気になります。でも、反応の数が多いことと、講座が売れることは別の話です。
見るのは、SNSからブログに来てくれた人の数や、メルマガやLINEに登録してくれた人の数、問い合わせの数です。SNSの数字は、自分の場所へつながったかどうかで見る。 こう決めると、反応が少ない投稿にも落ち込まなくなります。
4つ目と5つ目:つながりと機能を分ける
昔からの友人や知人とつながっているアカウントでは、仕事の発信がしにくいことがあります。知っている人の目が気になって、新しい挑戦を書けなくなるのです。仕事の発信は、仕事用のアカウントや公開範囲に分けると、気持ちが楽になります。
また、SNSには次々と新しい機能が増えます。全部を試そうとすると、それだけで時間がなくなります。4つの使い道に役立つ機能だけを使えば十分です。新しい機能が気になったときは、「これは知らせる・連絡する・入口にする・特別な場にする、のどれに役立つか」と自分に聞いてみてください。答えが出なければ、今は試さなくて大丈夫です。
たとえば、ヨガを教える人がいたとします
イメージしやすいように例を出します。オンラインでヨガを教えている人が、3つのSNSに毎日投稿していたとします。1日のうち、SNSに使う時間がかなり長くなっていて、レッスンの準備が夜にずれ込んでいました。
この人は、まず使い道を決めました。1つのSNSは入口として、姿勢のコツを短く投稿し、行き先はブログの記事に絞る。ほかのSNSは、ブログの更新を知らせるだけにする。受講者には非公開のグループを用意し、質問はそこで受ける。
開く時間は朝と夕方の2回に決め、反応の数ではなく、ブログから登録してくれた人の数を週に1回だけ確かめるようにしました。投稿の数は減っても、レッスンの準備に使える時間が戻り、受講者への返信も丁寧になりました。
SNSの使い方でやりがちな3つの失敗
最後に、よくある失敗を3つ挙げておきます。
- すべての投稿で講座を案内する:毎回売り込みの投稿が流れてくると、見る人は離れていきます。講座の案内は自分の場所で行い、SNSでは知らせる程度にします
- 行き先がいくつもある:プロフィールや投稿に、ブログ、別のSNS、講座の案内と、行き先が並んでいると、人は迷って何も選びません。行き先は一つに絞ります
- 他人の投稿と比べて落ち込む:SNSに見えているのは、その人のほんの一部です。比べる相手は他人ではなく、先月の自分の場所に来てくれた人の数です
SNSから離れて、時間を取り戻す
私自身、独立したばかりのころは、何を発信すればいいか分からず、ブログやSNSを続けていました。それでも、無料相談をしても成約にはつながりませんでした。当時一番欲しかったのは、「これをこの順番でやればいい」という手順です。
発信を続けること自体は大切です。ただ、発信の量を増やすことと、売れる流れを作ることは別の作業です。SNSにかける時間を決めて、空いた時間を講座づくりやお客様との対話に回す。それが、時間の切り売りから抜け出すための地道な一歩だと私は考えています。
たくさんの人に見てもらわなくても、売上は作れます。その考え方は、集客3名でも売上は作れる理由で詳しく書いています。
まとめ
- SNSの投稿は流れていくので、SNSだけで集客しようとすると投稿を止められなくなる
- 発信の主役はブログとメルマガ・LINEの自分の場所。SNSはそこへ人をつなぐ道具
- SNSの使い道は「知らせる・連絡する・入口にする・特別な場にする」の4つに絞る
- 投稿の前に使い道を確かめ、開く時間を決め、見る数字は自分の場所に来てくれた人の数にする
- 昔からのつながりと仕事の発信を分け、使い道に役立たない機能は使わない
まずは、今使っているSNSを一つずつ書き出して、それぞれを4つの使い道のどれに使うかを決めてみてください。どれにも当てはまらないSNSがあれば、それは休んでいいSNSです。


