AIに台本を書かせたら、どこかで聞いたような話になった。読み上げたら、言葉がおかしかった。そんなことはありませんか?
結論から言うと、台本は先に型を決めて、AIに型どおりに書かせ、最後は完成した動画で確かめることです。AIに「台本を書いて」と丸投げするのではなく、書き方の決まりを先に渡します。
この記事では、私のYouTubeチャンネルで実際に使っている台本の型と、AIに書かせると失敗する3つの所を書きます。下の動画の台本も、この型で書いています。つまり、動画そのものが実例です。
AIに台本を丸投げすると起きる3つのこと
AIに「YouTubeの台本を書いて」とだけ頼むと、それらしい台本はすぐに出てきます。ただ、そのまま動画にすると、次の3つが起きます。
- ありもしない数字が入る
- AIの音声が、言葉を読み間違える
- どの動画も、同じ話になる
どれも、台本を読んだだけでは気づきにくい失敗です。だから、書かせる前の決まりと、仕上がったあとの確かめ方の両方が必要になります。
このチャンネルの台本の型
私のチャンネルの台本は、毎回同じ型で書いています。型は、AIに渡す手順書に書いてあります。人が書いても、AIが書いても、同じ形の台本になるようにするためです。
型1:最初の画面で悩み、3つ目の画面で結論
最初の画面で、見ている人の悩みを言います。2つ目で困りごとを並べ、3つ目の画面で結論を言います。
検索して動画を見に来た人は、答えを探しています。結論が後ろにあるほど、答えにたどり着く前に離れてしまいます。だから、結論は早く出します。
型2:挨拶と自己紹介を入れない
「こんにちは、〇〇です」から始めません。悩みから、すぐ本題に入ります。自己紹介が必要なら、概要欄やチャンネルの紹介に書けば十分です。
型3:1つの画面ごとに、最後に読む一文を決める
台本は、スライド1つごとに区切って書きます。そして、その画面で最後に読む一文を決めて、画面の下の帯にそのまま出します。
| 決めること | ねらい |
|---|---|
| 最後に読む一文 | 話の区切りがはっきりする |
| 帯の文字=その一文 | 声と文字が、一字一句そろう |
声と画面の文字がずれていると、見ている人は「どっちを読めばいいのか」と迷います。一字一句そろえると、音を消して見ている人にも内容が伝わります。
型4:帯の一文は、1行に収まる長さにする
画面の下の一文は、1行に収まる長さにします。2行になると、読みにくくなります。長くなりそうなときは、台本のほうの文を2つに分けて、最後の文を短くします。
型5:疑問文は「?」で終える
ここはAIの音声ならではの決まりです。AIの音声は、文の最後に「?」がないと、下がり調子で読みます。「〜ありませんか。」と書くと、問いかけなのに言い切りに聞こえます。
| 書き方 | 聞こえ方 |
|---|---|
| 〜ありませんか。 | 下がり調子で、言い切りに聞こえる |
| 〜ありませんか? | 上がり調子で、問いかけに聞こえる |
「〜なのか。」のような文も、問いかけなら「?」で終えます。
型6:英語はカタカナで書く
英語のままだと、AIの音声の読み方が安定しないことがあります。そこで、画面には英語で出し、読み上げる台本だけをカタカナにします。例えば、画面は「Claude Code」、台本は「クロードコード」です。
型7:呼びかけは中盤と最後の2回
特典の案内などの呼びかけは、最初には入れません。入れるのは、一番役に立つ手順を話した直後と、最後の2回だけです。最初に案内しても、まだ中身を見ていない人には響かないからです。
型8:特典は、その動画の中身の続きにする
案内する特典は、その動画の話の続きになるものにします。台本の話をした動画なら、台本の作り方をもっとくわしく書いた資料です。話がつながっていると、受け取る理由がはっきりします。
実例:この記事の動画の台本は、こう書いている
型だけだと分かりにくいので、この記事の動画の台本から、スライド1つ分をそのまま載せます。疑問文の決まりを話している所です。
表示文章:型5/疑問文は「?」で終える
台本:5つ目は、疑問文の終わり方です。AIの音声は、はてなマークがないと、下がり調子で読みます。問いかけなのに、言い切りに聞こえるんです。だから、疑問文は必ず、はてなマークで終えます。
帯:だから、疑問文は必ず、はてなマークで終えます
見てほしいのは3つです。
- 表示文章は、画面に大きく出す見出しです。読み上げません
- 台本は、AIの音声が読み上げる文です。記号の「?」も、声に出すときは「はてなマーク」と言葉で書いています
- 帯は、台本の最後の一文と一字一句同じです
この形がそろっていると、スライドを組む道具も、声を作る道具も、同じ台本から迷わず動けます。台本が「動画の設計図」になるわけです。AIに書かせるときも、この1つ分の実例を一緒に渡すと、形の崩れがぐっと減ります。決まりを言葉で説明するより、見本を1つ見せるほうが、AIには伝わりやすいからです。
型は手順書にして、機械で確かめる
この型は、手順書に書いて、毎回AIに渡しています。そして、書けた台本は機械で確かめます。
- 帯の一文と、最後に読む一文が同じか
- 帯の一文が長すぎないか
- 疑問文が「?」で終わっているか
- 読み間違いが出たことのある言葉を使っていないか
人の目だと、こういう所は見落とします。決まりが文章になっていれば、確かめる作業も機械に任せられます。手順書でAIの作業を型にする考え方は、CLAUDE.mdと「スキル」で作業を型にする方法にまとめています。
AIに書かせると失敗する3つの所
失敗1:AIは、数字を作ってしまう
AIは、それらしい数字を作ってしまいます。「成約率〇%」「〇人が受講」のような数字は、台本に入るとそれだけで説得力が出るので、AIは入れたがります。
私も、AIに書かせた記事で経験があります。私の実績ではない数字が、私の実績のように入っていたんです。読み返したときに気づいて直しましたが、そのまま出していたら、信用を落としていました。
直し方は、使ってよい数字を先に渡すことです。 依頼文には、次のように書いておきます。
数字は、下に書いたものだけを使ってください。新しい数字・割合・人数・金額は作らないでください。
架空の例を使うときは、「例えば、〇〇な人がいたとします」のように、例だと分かる書き方にしてもらいます。
失敗2:AIの音声が、読み間違える
台本が正しくても、AIの音声が読み間違えることがあります。私のところで実際にあったのは、こんな読み間違いです。
| 台本の言葉 | 聞こえた言葉 |
|---|---|
| 締め切り | しみきり |
| 出来上がり | 石器上がり |
直し方は2つです。 1つ目は、読み間違えやすい言葉を、台本の段階で言い換えること。「出来上がり」は「仕上がり」に変えました。一度読み間違えた言葉は、一覧にしておき、次の台本からは使いません。
2つ目は、完成した動画を文字に書き起こして確かめることです。音声の部品だけを聞いていても、つなげたあとの言い間違いや抜けは見つかりません。焼き上がった動画を書き起こして、台本と突き合わせます。動画の検品のくわしいやり方は、AI動画講座の音ズレ・読み間違いを防ぐ検品に書いています。
なお、書き起こしと台本の字が違っていても、すべてが読み間違いとは限りません。「高額」と「工学」のように、同じ音を書き起こしが別の字で書いただけのこともあります。本当の読み間違いは、言葉そのものが違って聞こえる所です。
失敗3:どの動画も、同じ話になる
AIは、知っていることを全部入れようとします。すると、どの動画を見ても、似た話が並びます。台本1本ずつはよくできていても、チャンネルとして見ると、違いが分からなくなります。
直し方は、1本の動画にテーマを1つだけ渡すことです。 「今日の話はこれだけ」と先に決めて、ほかの話は別の動画に回します。依頼文には、その動画で話すことと、話さないことの両方を書いておきます。
任せる所と、自分で決める所
| 任せる所(AI) | 自分で決める所 |
|---|---|
| 文章を書く | どのテーマを話すか |
| 型にそろえる | どの数字を使うか |
| 決まりどおりか確かめる | 公開してよいか |
AIは書くのが速く、型にそろえるのも得意です。ただ、何を話すか、どの数字を出すかは、自分で決めます。ここを手放すと、どの動画も同じ話になり、事実と違う数字が混ざります。
台本からスライド、AI音声、動画にするまでの流れは、台本からAI音声・スライド・動画まで47本作った流れに、スライドの作り方はClaude Codeで台本からスライドを作る5ステップに書いています。
よくある質問
AIに台本を書かせるとき、最初に何を渡せばいいですか?
まずは3つです。台本の型、その動画のテーマ1つ、使ってよい数字。この3つがあれば、丸投げしたときの失敗の多くは防げます。
自分の声ではなく、AIの音声で読ませても大丈夫ですか?
大丈夫です。ただし、AIの音声には読み間違いと、疑問文の下がり調子という癖があります。台本の段階で言い換えと「?」を入れ、完成した動画で確かめれば、気になる所はかなり減ります。
台本の長さはどれくらいがいいですか?
私のチャンネルでは、1本を4〜5分ほどにしています。1本1テーマにすると、自然とこのくらいに収まります。
まとめ
- 台本は、先に型を決めて、AIに型どおりに書かせる
- 最初の画面で悩み、3つ目で結論。挨拶と自己紹介は入れない
- 1つの画面ごとに最後に読む一文を決め、画面の下の帯とそろえる
- 疑問文は「?」で終え、英語は台本だけカタカナにする
- 数字は、使ってよいものを先に渡す
- 読み間違えやすい言葉は言い換え、完成した動画を書き起こして確かめる
- 1本の動画に、テーマは1つだけ
まずは、次の台本をAIに書かせる前に、使ってよい数字を書き出してみてください。それだけで、作られた数字は入らなくなります。



