講座の動画を作りたい。でも、スライドを作って、話して録って、編集して、となると、1本作るだけで疲れてしまう。2本目に取りかかる前に手が止まっている。そんな方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、AIに講座の動画を作らせるときに大事なのは、作り方よりも確かめ方です。作るのはAIが速い。でも、速さだけでは足りません。間違いに気づけるのは、確かめ方を先に決めた人だけです。
私は自分の講座の動画を47本、AI社員に作らせて仕上げました。この記事では、その5つの手順と、途中でつまずいた所を順番に書きます。動画でも同じ内容を解説しています。
講座の動画づくりで、手が止まる3つの所
講座の動画づくりで手が止まる所は、だいたい次の3つです。
| 止まる所 | 時間がかかる理由 |
|---|---|
| スライドを作る | 1枚ずつ文字を置き、見た目を整える |
| 話して録る | 言い間違えるたびに録り直す |
| 編集する | 話とスライドの切り替えを合わせる |
どれも1本なら何とかなります。ところが本数が増えると、同じ手間が本数分だけ積み重なります。続けられないのは、やる気の問題ではなく、毎回すべてを手でやる作り方の問題です。
私が仕上げた47本の内訳
私が仕上げたのは、自分の講座の動画47本です。購入者の方への特典も入れて、内訳は次のとおりです。
| 種類 | 本数 |
|---|---|
| 本編 | 41本 |
| まとめ | 1本 |
| 特典 | 5本 |
スライド・音声・動画は、AI社員に作らせました。私がやったのは、台本の中身を決めることと、確かめることです。この分け方は、この記事の最後に表でまとめます。
作り方より、確かめ方を先に決める
AIに作らせると、1本ずつの手間はぐっと減ります。ただ、AIは間違いがあっても「できました」と返してきます。作り方だけを決めて、確かめ方を決めていないと、間違いに気づかないまま公開してしまいます。
だから私は、流れを決めるときに、最後の「確かめる」を必ず入れています。流れは次の5つです。
- 台本を1回分ずつに分ける
- スライドを作る
- 音声を作る
- 動画にまとめる
- 確かめる
ここから、1つずつ見ていきます。
手順1・2:台本を分けて、スライドを撮る
最初の2つは、AIに渡す材料と、画面の作り方です。ここを整えておくと、あとの手順がずっと楽になります。
手順1:台本を1回分ずつに分ける
講座の台本を、1本の長いファイルのまま渡すと、どこまでが今回の話なのか、AIが迷います。前後の回の話が混ざりやすくなります。
そこで、台本は1回分ずつのファイルに分けておきます。分けておくと、もう1つ良いことがあります。直したいときに、作り直しが1回分で済むことです。全部をやり直さなくていいので、気軽に直せます。
手順2:スライドは、ウェブページの形で組んで撮る
スライドは、画像としてAIに描かせるのではなく、ウェブページの形(HTML)で組んで、写真のように撮ります。こうすると、文字が崩れません。
画像として描かせると、文字が崩れることがあります。講座のスライドは文字が主役なので、文字が崩れないことを優先しました。くわしい作り方は講座スライドを台本から作る5ステップに書いています。
スライドは、話に合わせて割る
スライドは、話に合わせて割ります。目安は、1枚を10秒から15秒で切り替えることです。話が長いのに画面が変わらないと、見ている人が飽きてしまうからです。
画面の決まりも2つあります。
| 決まり | 中身 | 理由 |
|---|---|---|
| 読む順番 | 上から下、左から右 | 話す順番と画面の並びを合わせる |
| 文字の大きさ | 36px以上 | スマホで見る人が多い |
話している順番と、画面の上から下の順番がそろっていると、見ている人は目で追いやすくなります。文字を小さくしすぎないのも、スマホの小さな画面で読めるようにするためです。スライドの見やすさは講座スライドを引き算で見やすくする6つの決まりにもまとめています。
手順3:音声はAIの声で、読み間違いを先に探す
3つ目は音声です。私の講座の動画は、AIの声で読ませています。
普通の速さで作って、あとから速める
音声は、最初は普通の速さで作り、あとから2割速めます。最初から速く読ませると、言葉が崩れやすいからです。
速さは、最後に全体をそろえて変える方が、聞き取りやすさを保てます。47本すべてで、声と速さはそろえました。回によって声や速さが違うと、見ている人が落ち着かないからです。
読み間違いは、音声を作る前に探す
ここで大事なのが、読み間違いです。AIの声は、ときどき言葉を読み間違えます。だから、音声を作る前に探します。間違えやすい言葉を、台本の段階で先に言い換えておきます。
音声を作ってから聞いて探すと、47本分を全部聞き直すことになります。作る前に台本の文字で探す方が、ずっと早く見つかります。
実際に言い換えた例
私の講座では、ある言葉が、まったく別の言葉に聞こえました。そこで、次のように言い換えました。
| 台本の言葉 | 読ませる言葉 |
|---|---|
| 会員サイト | メンバーサイト |
| Day1 | デイワン |
英語の混じった言葉は、カタカナで書いておきます。英字のままだと、AIの声がどう読むか分からないからです。
BGMは、かすかに聞こえる程度に
BGMは、かすかに聞こえる程度にしています。声より大きいと、内容が頭に入りません。
音量は、耳で決めていません。数字で測ってそろえています。耳で決めると、回ごとに大きさがばらつくからです。音の大切さは講座動画の音・映り・話し方を直す順番でも書いています。
手順4:動画にまとめて、切り替えをそろえる
4つ目は、スライドと音声を1本の動画にまとめることです。
話の切れ目と、スライドの切り替えをそろえる
ここで合わせるのは、スライドの切り替えと、話の切れ目です。話が終わる前にスライドが変わると、見ている人が置いていかれます。前の話を聞きながら、次の画面を読むことになるからです。
1枚の話を言い終わってから、次のスライドに変わる。これだけで、見ている人の負担はかなり減ります。
私がつまずいた所
正直に、私がつまずいた所も書いておきます。
| 起きたこと | 原因 |
|---|---|
| 動画の途中で、BGMが消えた | BGMを敷く設定の範囲が足りなかった |
| 音声づくりが、途中で止まった | 台本に空の行が残っていた |
どちらも、AIが悪かったわけではありません。渡した設定や台本に、小さな抜けがあっただけです。だからこそ、次の手順の「確かめる」が欠かせません。
手順5:部品ではなく、完成した動画で確かめる
5つ目が、確かめることです。いちばん大事なのが、ここです。確かめるのは部品ではなく、完成した動画です。
私の失敗:直した音声が、完成品に入っていなかった
なぜ完成した動画で確かめるのか。私は一度、読み間違いを直した音声を作ったのに、完成した動画には、直す前の古い音声が入っていたことがあるからです。
しかも、自動の検品は「合格」を返していました。音声の部品だけを見ていたら、直っているように見えます。完成した動画を見ないと、気づけない失敗でした。完成品で確かめる大切さは完成した動画で事故を防ぐ検品にもくわしく書いています。
今の確かめ方:完成した動画を、もう一度文字にして読む
今は、完成した動画の声を、もう一度文字に起こしています。そして、その文字を台本と並べて読みます。
- 完成した動画を用意する
- 動画の声を、文字に起こす
- 台本と並べて、違う所を探す
聞き流すより、ずっと見落としが減ります。耳だと流してしまう読み間違いも、文字にして並べると、目で見つけられます。
AI社員に任せる所と、自分でやる所
ここまでの5つの手順を、任せる所と自分でやる所に分けると、次のようになります。
| AI社員に任せる | 自分でやる |
|---|---|
| スライド | 台本の中身 |
| 音声と動画 | 言い換える言葉 |
| 文字起こし | 最後に見ること |
作る作業はAI社員に任せます。何を話すか、どの言葉を言い換えるか、出してよいかの最後の判断は、自分でやります。Claude CodeとCodexで作ってきたものの全体は、非エンジニアの私がAIで商品づくりを仕組みにした記録にまとめています。
今日からできること
今日やっていただきたいことは、1つだけです。講座の1回分の台本を開いて、AIの声が読み間違えそうな言葉を、3つ探してみてください。
狙い目は、次の3種類です。
- 英語やアルファベットが混じった言葉
- 数字
- 似た読み方がある言葉
3つ見つかったら、読ませたい形に言い換えてみてください。音声を作る前に探す習慣がつくと、あとで作り直す手間が大きく減ります。
よくある質問
台本は、どこまで自分で書けばいいですか?
台本の中身は、自分で決めてください。何を話すか、どの順番で話すかは、講座の価値そのものだからです。AI社員に任せるのは、決まった台本からスライド・音声・動画を作る所です。
台本を書くときは、1回分ずつのファイルに分けておきます。読み間違えそうな言葉の言い換えも、この段階で済ませておくと、音声を作る工程で止まりません。
確かめるのに、時間がかかりませんか?
部品を1つずつ全部確かめようとすると、時間がかかります。しかも、部品がすべて正しくても、完成品に古い音声が入っていれば意味がありません。
だから、確かめるのは完成した動画1本だけに絞ります。声を文字に起こして台本と並べれば、聞き直すより速く、見落としも減ります。もし間違いが見つかっても、台本を1回分ずつに分けてあるので、作り直しはその回だけで済みます。
スライドを画像生成で作ってはいけませんか?
絵が主役の画面なら、画像生成が向いていることもあります。ただ、講座のスライドは文字が主役です。文字が崩れると、内容が伝わりません。
私は講座のスライドでは、文字が崩れないことを優先しました。そのために、ウェブページの形で組んで撮るやり方を選んでいます。
47本を作っていった記録そのものは、講座の動画47本を作った実録にまとめています。この記事は、その中で決まった手順だけを取り出したものです。
まとめ
- AIに講座の動画を作らせるときは、作り方より先に確かめ方を決める
- 流れは、台本を分ける→スライド→音声→動画→確かめる、の5つ
- スライドは組んで撮り、1枚10〜15秒で、話に合わせて割る
- 読み間違いは、音声を作る前に台本の文字で探して言い換える
- 確かめるのは部品ではなく、完成した動画。文字に起こして台本と並べる
まずは1回分の台本から、読み間違えそうな言葉を3つ探すところから始めてみてください。



