「新時代のビジネススキル」が手に入る無料講義はコチラ

部品ごとに確かめる人ほど、完成した動画で事故が起きます|AI動画講座の音ズレ・読み間違いを防ぐ検品

ai-video-quality-check 実録
この記事は約8分で読めます。

AIで講座動画を作るとき、音声を聞いて確かめ、スライドを目で確かめ、字幕も確かめる。部品を1つずつ丁寧に見ていけば大丈夫だと思いますよね。私もそう思っていました。

結論から言うと、部品を全部確かめても、完成した動画でしか見つからない事故があります。 音声も映像も1つずつは正しいのに、つなげた1本で音がずれる。検品の道具が「合格」を返したのに、言葉が抜けている。こうしたことが、私の制作で何度も起きました。

この記事では、講座動画・解説動画を作る中で実際に踏んだ罠を、原因と直し方つきで並べます。非エンジニアの私が、AIに作らせた動画をどう確かめるようになったか、という記録です。最後に、明日から使える検品の手順もまとめます。

部品は全部合格、完成品で音がずれた

最初の大きな事故は、動画講義を7本作ったときでした。1本は短い部品の動画をいくつもつないで作ります。部品を1つずつ再生すると、どれも音と映像はぴったり合っていました。

ところが、つないだ完成品では、うしろへ行くほど声が映像より先に進んでいました。原因は、部品の映像が音声より0.8秒だけ長かったことです。スライドの余韻のぶんでした。

この差を放っておいてつなぐと、完成品の音声には部品ごとに0.8秒の穴が空きます。穴を飛ばして再生するプレーヤーでは、部品ごとに0.8秒ずつ音が先に進み、ある回では約5.6秒もずれていました。直し方は、部品の音声の終わりに無音を足して、映像と同じ長さにそろえることでした。

逆に、映像だけが短くなったこともある

別の講座では、反対のことが起きました。36枚のスライドを並べて動画にしたら、映像だけが音声より1.33秒短くなったのです。最後のスライドだけ絵が消えて、声だけが残ります。

原因は、1枚ごとの表示時間を細かく丸めていたことでした。小さな誤差が36枚ぶん積もったのです。どちらの事故も、部品を1つずつ見ていても絶対に気づきません。完成した動画の「映像の長さ」と「音声の長さ」を両方測って比べることで、初めて見つかりました。

検品の道具が「合格」を返したのに、壊れていた

AIに検品の道具を作らせると、とても助かります。ただ、道具は「見るように作った項目」しか見ません。合格の表示を信じて出していたら事故になっていた例が、3つあります。

起きたこと 道具が見ていなかったもの 見つけたきっかけ
「コーチングや整体、美容、英語、資格学習、子育て、店舗集客」の「子育て」が読まれていなかった 言葉が丸ごと抜けていないか 台本と書き起こしを文字単位で比べた
台本を直して音声を作り直したのに、完成品には古い音声が入っていた 中身が新しい音声かどうか 音声の長さが0.11秒違うことに気づいた
完成後にもう一度読みを検品したのに、1回目と1文字も違わない結果が返った 完成した動画の音そのもの 道具が部品の音声を聞き直していただけと分かった

1つ目は、全項目で合格していました。音声が途切れていないかは見ていても、言葉が抜けていないかは見ていなかったのです。

2つ目は、速さを変える前の古い原本を、道具がそのまま使い続けていたのが原因でした。スライドの同期と音量は正しかったので、検品は合格。気づかなければ、直す前の音声のまま納品していました。

3つ目は、講座の紹介動画で起きました。「完成後の検品も済ませた」つもりが、実際には完成前の同じ音声を2回聞いていただけでした。今は、完成した動画から音を抜き出して、1本丸ごと書き起こして台本と並べています。1分半の動画なら数分で終わります。

合格ぎりぎりの音量

もう1つ、合格の裏に隠れていたのが音量です。動画講義の検品では、音が大きすぎないかを上限の値で見ていました。ところが、動画を圧縮して書き出すと、音が少しだけ天井を超えて出ることがあります。

調べてみると、上限まで余裕がほんのわずかしかありませんでした。長い回ほど超えやすく、実際に5分半ほどの回が不合格になりました。7本とも上限ちょうどで、引きが悪ければ落ちる状態だったのです。合格していても、どれだけ余裕を持って合格しているかまで見ておかないと、次の1本で突然止まります。

文字起こしのAIを信じすぎた

読み間違いを探すときは、AIが読み上げた音声を、別の文字起こしのAIで書き起こして台本と比べます。この方法は便利ですが、文字起こしのAIにも癖があります。

英字は英字のまま返ってくる

講座で「WHO設計」「WHAT設計」「HOW設計」という言葉を使ったときのことです。読み上げを書き起こしたら「WHO」と返ってきたので、正しく読めていると判断しました。

ところが、完成した動画を私が聞いてみると「フー・ワット・ハウ」と読めていませんでした。文字起こしのAIは、英字を英字のまま返すことがあります。だから、この方法では合否が分からなかったのです。今は、読み上げ用の台本にだけカナで「フー」と書いて、最初から読み間違いを潰しています。

無い言葉まで作ることがある

セミナーの録画を編集したときは、もっと驚きました。文字起こしのAIが出した時刻が、実際の話し始めから最大6秒ずれていたのです。しかも、無音のところに「4分間取り付けます」という、誰も言っていない一言まで作っていました。

私はその一言を本物だと思い込んで、「この一言を外しますか」と確認まで取ってしまいました。今は、切れ目の位置は音の大きさの波形で決め、文字起こしは「何を言っているか」を確かめるためだけに使っています。

「違う」と出ても、大半は音が正しい

逆の失敗もあります。書き起こしと台本の違いは、大半が同じ読みの漢字違いです。「導線」が「動線」、「成約」が「制約」と出ても、音声は正しく読めています。

読みが違うものだけが、本物の読み間違いです。判断に迷ったら、疑う読みと正しい読みを短い文で別々に作り、文字起こしのAIがそもそも聞き分けられるかを先に確かめます。これをしないと、正しい音声を「直して」かえって崩してしまいます。

字幕は、うしろへ行くほど遅れる

字幕にも、完成品でしか見えないずれがあります。字幕は、1本の読み上げを何枚かに分け、文字数の割合で表示時間を配ります。このとき、配る時間の幅に文と文のあいだの無音を入れると、全体が引き伸ばされます。

すると、最初は合っているのに、最後の字幕ほど遅れて出ます。締めの「ありがとうございました」が、声が終わったあとから出てくる、ということが起きました。尺の検品ではまったく見つからないので、締めの30秒は実際に再生して目で確かめるようにしています。

もう1つ決めたのが、字幕の文字と読み上げの文字を分けることです。読み間違いを防ぐために台本をカナで書くと、それがそのまま字幕に出て、見る人にはただの読みにくい文字になります。画面に出す文字は普通の表記、読ませる文字はカナ、と別々に持ちます。

誤読は、音声を作る前に探す

読み間違いを、音声を作ったあとに見つけると、音声もスライドも動画も作り直しになります。検品の聞き直しだけで1本10分以上かかることもあります。だから今は、音声を作る前に、台本の中から危ない言葉を機械で探すようにしました。

ここで大事な気づきが2つあります。

1つ目は、言い換えた先がまた化けることです。ある解説動画で「注意点をまとめて」が「11点をまとめて」と化けました。「気をつけるところを」に言い換えたら、今度は「火をつけるところを」に。「押さえておくところを」にして、やっと正しく読めました。言い換えたら、その言い換えも必ず検品に通します。

2つ目は、1本で見つかった読み間違いは、ほかの本にも入っていることです。同じ人が同じ書き癖で書くからです。見つけた言葉はその場で辞書に足し、辞書は1か所にまとめます。同じ辞書を何か所にも置くと、片方だけ直して再発します。

検品は「焼く前」と「焼いた後」の2回

誤読を見つけて直すのは、動画にする前の検品です。ここで直せば、動画を作り直さずに済みます。ただ、それだけでは足りません。完成した動画は、速さを変えたり、つないだりしたあとの音です。

だから、完成した動画からもう一度音を抜き出して、通して確かめます。速さを変えたことで聞き取りが崩れていないか、言葉が抜けていないか。これは完成品でしか分かりません。

明日から使える検品の手順

ここまでの失敗を、動画を出す前の手順にまとめました。AIに作らせるときも、この順番で頼むと抜けが減ります。

  1. 音声を作る前に、台本の中の危ない言葉(英字・数字・読み間違えた語)を探して直す
  2. 言い換えた言葉は、短い文で音声を作って確かめる
  3. 読み上げ用の文字と、画面に出す文字を分けて持つ
  4. 部品ごとの検品をする(ここまでは今までどおり)
  5. 完成した動画の、映像の長さと音声の長さを両方測って比べる
  6. 完成した動画から音を抜き出し、1本丸ごと書き起こして台本と比べる(言葉の抜けを探す)
  7. 書き起こしの違いは、読みが違うものだけを本物の誤読として扱う
  8. 締めの30秒と、迷ったところは実際に再生して目と耳で確かめる

AIに頼むときは「検品して」だけでは足りません。「完成した動画から音を抜いて書き起こし、台本と比べて3文字以上抜けている所を出して」のように、何を見るのかまで指定します。AIの「できました」を成果物で確かめる習慣は、完了報告ではなく成果物で確かめる5つの習慣にまとめています。

動画47本を作った流れそのものは台本からAI音声・スライド・動画まで47本作った流れ、講座動画の音や見せ方の考え方は音・映り・話し方を直す順番で書いています。Claude CodeとCodexで制作全体を仕組みにした記録は、非エンジニアの私がClaude CodeとCodexで商品づくりを仕組みにした記録からどうぞ。

まとめ

  • 部品を全部確かめても、完成した動画でしか見つからない事故がある(音ズレ・映像の不足・言葉の抜け)
  • 検品の道具の「合格」は、見るように作った項目だけの合格。何を見ていないかを知っておく
  • 文字起こしのAIは、英字を英字で返し、時刻がずれ、無い言葉も作る。読みが違うものだけを誤読とする
  • 誤読は音声を作る前に探し、言い換えた先も確かめる。検品は焼く前と焼いた後の2回
  • 締めの30秒は、自分の目と耳で再生して確かめる

次の一歩として、手元にある完成した動画を1本選び、映像の長さと音声の長さを比べるところから始めてみてください。