講座の会員サイトに動画を並べて、受講生にURLを送る。これで講座の準備は終わり、と考えていませんか。私も最初はそれに近い形で作っていました。
結論から言うと、会員サイトは「見る場所」ではなく、受講生が手を動かして、できたかを確かめる場所にしないと、受講生は途中で止まります。理解はできても、行動につながらないからです。
この記事では、ある講座の会員サイトをAIに作らせたときに「内容が薄い」と指摘されたところから、手順・AI依頼文・できたかチェック・30日の実践記録を入れる基準に変えた経緯を書きます。あわせて、受講生ごとのパスワードで中身を守る版を作った話もまとめます。
最初の会員サイトは「内容が薄い」と言われた
最初に作ったのは、ある講座の会員サイトです。講座の各回の下書きをChatGPTで作り、それをClaude Codeに1枚のHTMLにまとめさせました。1回につき、概要・講義テキスト・ワークの3つのタブがある形です。
19講座ぶんがそろったところで、中身を見直しました。すると、講義の文章が1回あたり600〜1,300字ほどしかありませんでした。下書きを整えただけなので、読めば理解はできます。でも、読み終わったあとに何をすればいいかが書かれていなかったのです。
私がAIに伝えたのは「内容が薄い」の一言でした。そこで、19講座すべてを作り直させました。講義の文章は、1回あたりの平均で762字から2,391字になりました。
ここで大事だったのは、ただ文字数を増やしたことではありません。「理解できる」から「自分でやって、できたと確かめられる」までを1回の中に入れたことです。
会員サイトに入れると決めた4つのもの
作り直しで入れたものを、そのまま基準にしました。見直した19講座を見て、私は「見直しにより良くなりました。この基準で次回以降は作成してください」とAIに伝えています。それ以降の講座は、最初からこの基準で作らせました。
| 入れるもの | 中身 | ねらい |
|---|---|---|
| 手順 | ワークの進め方を番号つきで。1つの手順ごとに目安の分数を書く | 「どれくらいかかるか」が分かると始めやすい |
| AI依頼文 | そのワークで使うAIへの依頼文。コピーボタンつき | 白紙から考えずに、すぐ手を動かせる |
| できたかチェック | ワークの最後に、できたかを確かめる項目 | 自分で終わりを判断できる |
| 30日の実践記録 | まとめに30日分の記録欄と「つまずいたら戻る場所」 | 講座が終わったあとも続けられる |
講義の文章も、ワークがある回は1,800〜3,000字を目安にしました。中身の並びも決めています。
- なぜ大事か
- 判断の基準
- 良い例と惜しい例
- ワークの進め方(分数つき)
- AI依頼文
- 記入例の人物の「迷い→判断→結果」
- よくあるつまずき
記入例には、架空の人物をひとり決めて、すべての章で同じ人が登場するようにしました。章をまたいで記入例の数字や言葉がずれると、ひとりの事業が育っていく流れとして読めなくなるからです。
正直に書くと、ずれも残っている
ただ、全部うまくいったわけではありません。講座の数が増えるにつれて、記入例の人物の数字(事業に使う時間帯や、週に使える時間など)が講座ごとに少しずつずれてきました。これはまだ整理できていません。
また、出典の確かめられない会社名つきの説明は、一般的な説明に書き換えました。法律や税金の回は、数字を書かず、相談先の選び方を表にして、公開前に専門家の確認を受けるよう勧めています。AIが書いた説明をそのまま載せない、というのも基準の一部です。
1枚のHTMLにした理由
会員サイトを1枚のHTMLにしたのは、作るのも直すのも1つのファイルで済むからです。ワークに書いた内容は受講生のブラウザに保存され、最後の総合ワークで1つの設計書にまとまるようにしました。
デザインの元にしたのは、私の無料講座「AIチャレンジ企画マスター講座」の会員サイトです。一度作った形を、次の講座の型として使い回しています。
この講座の会員サイトは、9月24日に19講座、翌日に26講座、さらに36講座、51講座と増え、9月26日に56講座すべてがそろいました。基準が決まっていたので、新しい講座も最初から同じ形で作れました。
数が増えると、作り方を毎回AIに説明するのは大変です。そこで、本文の元データとHTMLを分け、元データを直したら道具でHTMLに書き戻す形にしました。直すときはHTMLを直接いじらず、必ず元データのほうを直す、と決めています。
並行で作るときの失敗もありました。複数のAIに別々の回を作らせたら、作業用のファイル名がぶつかって、2つの回のファイルが衝突したのです。それからは、作業用のファイル名に回ごとの略称を入れるよう指示しています。
他の人も使える形にした
この仕組みは、他の人のパソコンでも、Claude CodeでもCodexでも使える配布版にしました。講座の中身を抜いた空の型に、新しい講座の中身を流し込む形です。
配布版には、HTMLの中に自己点検の機能も入れました。全部の回を自動で点検して、手順やチェックが抜けていないかを確かめられます。配る前には、別のAIに説明書だけを渡して講座を1つ作らせる試験をしました。ここで9つの不備が見つかり、全部直してから配っています。
受講生ごとのパスワードで中身を守る版
有料の講座で、会員サイトのURLを知っていれば誰でも見られる、というのは困ります。そこで、パスワードで中身を守る版も作りました。
最初に考えたのは、画面にパスワードの入力欄を出すだけの方法です。でも、1枚のHTMLでこれをやると、ページの元の文字を開けば中身が丸見えです。かといって、本格的なサーバーの仕組みを入れるのは重すぎます。
選んだのは、本文そのものを暗号化して、受講生ごとのパスワードで鍵を開ける方式です。サーバーは要りません。受講生の名簿に、パスワードの発行・停止・期限を書いておくと、それに合わせて鍵つきのファイルができあがります。
実際に起きた失敗
この版でも失敗がありました。鍵つきのファイルを作り直したのに、自分のサーバーへの上書きを忘れて、古いファイルが公開されたままになっていたのです。それからは、上書きしたあとに「公開中のページが最新の鍵つきの版か」を確かめる道具を通すようにしました。
もう1つ、名簿から誰かを止めると、本文の鍵そのものが作り直されます。すると、ログインしたままの全員が1回ログアウトになります。これは仕組み上そうなるので、止める前に知っておく必要があります。
公開のしかたは、自分のレンタルサーバーに自分のドメインで置くのを標準にしました。配布版を作ったときも、別のAIに説明書だけで作らせる試験を2回行い、1回目で13件、2回目で17件の指摘を直しています。
購入者だけに講座を届ける考え方そのものは、購入者だけに届ける4つの守り方で詳しく書いています。
有料ワークショップの会員サイトにも同じ基準を使った
この基準は、私の有料のAIコンテンツ作成ワークショップの会員サイトにも使いました。2026年10月18日に、8つのコースと42本の回を公開しています。そのうち本文が入っているのは19本で、残りの23本は「準備中」です。
作り方を説明するページは、先ほどの基準に2つの段階を足した形にしました。「まず作れる」「自分仕様にする」「毎日自動で動かす」の3段階で、どのページもこの順に進みます。コースの並びも、ナレッジ→商品→販売→集客の順にそろえました。
ワークショップの参加者が一緒に出る、月4回の勉強会の過去の録画も、1月からの38回分を全部見られるようにしました。古い回には印をつけています。購入した人には、ログイン方法のメールが自動で届くようにしてあります。
ここも、まだ途中です。テストで購入してみたところ、一括での支払いはログインまで通りましたが、もう1つの支払い方法はエラーで通らず、残りの作業として対応しています。コピーボタンやチェック欄が会員サイトの仕組みの中で動くかも、まだ実際の画面で確かめきれていません。
明日からできること
あなたの講座の会員サイトを、次のチェックで見直してみてください。
- ワークのある回に、手順が番号つきで書かれているか
- 手順ごとに、目安の分数が書かれているか
- そのワークで使うAI依頼文が、コピーできる形で置かれているか
- ワークの最後に「できたか」を確かめる項目があるか
- 講座の最後に、30日の実践記録と「つまずいたら戻る場所」があるか
- 記入例の人物が、全部の回で同じ人になっているか
- 有料の中身が、URLを知っているだけで見られる状態になっていないか
AIに頼むときは「会員サイトを作って」ではなく、「この回の講義に、分数つきの手順・AI依頼文・できたかチェックを足して、講義を1,800字以上にして」と、入れるものを指定します。
進み具合が見えるチェックリストの考え方は学びを行動に変える5つの工夫、1つのノウハウを会員サイトまで広げた流れは1つのノウハウを本・スライド・動画・LP・会員サイトに広げた実例にまとめています。Claude CodeとCodexで商品づくり全体を仕組みにした記録は、非エンジニアの私がClaude CodeとCodexで商品づくりを仕組みにした記録からどうぞ。
まとめ
- 動画や講義を置くだけの会員サイトでは、理解はできても行動につながらない
- 手順(分数つき)・AI依頼文(コピーボタン)・できたかチェック・30日の実践記録の4つを、最初から入れる
- 記入例の人物はひとりに決め、全部の回でそろえる
- 1枚のHTMLなら作るのも直すのも速い。中身を守るなら、本文を暗号化して受講生ごとのパスワードで開ける
- 作ったあとも、公開中のものが最新かを確かめる
次の一歩として、まずはあなたの講座の1回分に、分数つきの手順とできたかチェックを足すところから始めてみてください。


