他人の商品を紹介して収入を作る方法は、自分の商品がまだない人でも始められます。労働収入から抜け出す最初の一歩として、選ぶ人が多い方法です。
ところが、始め方を調べると「このジャンルが稼げる」「この手順どおりにやれば大丈夫」という情報がたくさん出てきます。言われたとおりに始めてみたものの、同じ分野、同じ切り口の記事がすでに山ほどある。書いても書いても埋もれてしまう。そんな経験はありませんか。
結論から言うと、紹介の収入が消耗戦になるのは、判断を他人に預けているからです。誰でもすぐに真似できる方法には、同じ方法を選んだ人がすぐに集まり、差がなくなります。長く続く差は、自分の経験や考え方のように、他人が簡単には真似できないところから生まれます。そのためには、なぜその分野を選び、なぜその商品を紹介するのかを、自分の言葉で説明できる状態を作ることが大切です。
この記事では、収入が差から生まれる仕組み、最初に持っておきたい全体の地図、自分で説明できる5つの判断基準、そして反応がないときの受け止め方を解説します。
収入は「差」から生まれ、簡単な方法ほど差は消える
少し根本の話から始めます。商売で収入が生まれるのは、どこかに「差」があるからです。ほかでは手に入らない情報、ほかより分かりやすい説明、ほかより信頼できる人。もしすべての人が同じものを同じように届けていたら、誰を選んでも同じなので、選ばれる理由がなくなります。
ここで気をつけたいのが、「簡単」「すぐできる」「作業だけでいい」とうたわれる方法です。簡単な方法は、それだけ多くの人がすぐに真似できます。同じ方法を選んだ人が増えれば、最初にあった差はあっという間になくなります。
差の作り方には、大きく2つあります。
| 差の作り方 | 中身 | 真似されやすさ |
|---|---|---|
| 立ち位置で差をつける | 相手を絞る、扱う範囲を絞るなど、ほかがやらない位置を取る | 時間がたつと真似されることがある |
| 自分の中にある資源で差をつける | 自分の経験、考え方、物事の見方、言葉の選び方で差をつける | 他人には真似しにくい |
立ち位置で差をつけるのも大切です。ただ、長く続く差の土台になるのは下の方です。同じ商品を紹介していても、その人の経験と考え方を通した紹介は、ほかの誰にも同じようには書けません。個人で小さく商売をする人ほど、ここを武器にした方が有利です。
「基準に従う側」から「基準を作る側」へ
では、自分の中にある資源を武器にするには、何から始めればいいのか。私は、判断の基準を自分で持つことだと考えています。
仕事には、基準を作る側と、基準に従う側があります。会社で言えば、どの市場に出るか、誰を相手にするかを決めるのが経営者で、その枠の中で作業を進めるのが従業員です。
紹介で収入を作る人は、立場としては一人の経営者です。どの分野を選ぶか、誰に向けて書くか、どの商品を紹介するか。これを決めてくれる上司はいません。ところが、「このジャンルが稼げる」「この言葉で書けばいい」という情報をそのまま使うと、判断を他人に預けたまま作業だけをすることになります。そして、同じ情報を受け取った人たちと同じ場所で、同じものを書くことになる。これが消耗戦の始まりです。
基準を作る側に回る第一歩は、とてもシンプルです。自分の選択に一つずつ「なぜ」を問いかけることです。
- なぜ、この分野を選ぶのか
- なぜ、この人たちに向けて書くのか
- なぜ、この商品を紹介するのか
「誰かがそう言っていたから」ではなく、自分の言葉で答えられるまで考えます。答えられないものは、まだ他人の基準で動いているということです。
最初に持っておきたい「全体の地図」
判断の基準を持つ前に、もう一つ用意しておきたいものがあります。紹介で収入が生まれるまでの全体の地図です。
地図がないまま作業を始めると、毎日手を動かしているのに、自分が今どこにいて、あと何が足りないのかが分かりません。紹介の全体の流れは、大きく次の4段階です。
- 紹介する商品を選ぶ
- 誰に、どんな言葉で届けるかを決める
- 読んでもらう場所(記事や投稿のまとまり)を作る
- 探している人に見つけてもらう
この中で成否を大きく分けるのは、1と2です。どんなに記事を丁寧に書いても、選んだ商品や届ける相手がずれていれば、成果にはつながりません。逆に、ここが合っていれば、3と4は少しずつ整えていけば大丈夫です。
届ける相手の悩みの段階に合わせて記事を書き分ける考え方は、初心者向けの商品選びのロードマップとあわせて読むと、流れがつかみやすくなります。
自分で説明できる5つの判断基準
ここからが本題です。上の地図の1と2で、私が自分に問いかけている5つの基準を紹介します。答えは人によって違っていいです。大事なのは、それぞれに自分の言葉で答えられることです。
基準1:自分がその悩みを経験したことがあるか
一番強いのは、自分がかつてその商品を探していた側だった分野です。経験があれば、どんな言葉で悩みを検索するか、何が決め手になるか、どこで迷うかが、調べなくても分かります。悩んでいる人の気持ちが分かる分、紹介の言葉も具体的になります。
経験がない分野を選ぶ場合は、自分で使い込む覚悟が要ります。商品を実際に使い、比べ、分からないことは調べて確かめる。その積み重ねが、ほかの人には書けない中身になります。
基準2:一つの分野に絞れているか
あれもこれも稼げそうに見えて、関係のない分野に次々と手を出すと、どの分野も知識が浅くなります。浅い知識の紹介は、読む人の心に届きません。
最初は一つの分野に絞ります。絞ると、知識が深まり、自分で試す費用も抑えられ、読者から見ても「この分野ならこの人」と分かりやすくなります。一つの分野で「どんな悩みの人に、何を、どの順番で伝えると申し込まれるか」が分かれば、その経験はほかの分野にも持っていけます。
基準3:その商品は今、伸びている時期か
商品には、出たばかりで知られていない時期、知られて伸びていく時期、行き渡って伸びが止まる時期、ほかの商品に置き換わって減っていく時期があります。紹介する人が一番力を発揮しやすいのは、伸びていく時期です。探す人が増えているので、同じ手間でも届きやすくなります。
あわせて、一年中必要とされる商品か、特定の季節だけ売れる商品かも見ます。季節の商品は、その時期を過ぎると収入がほぼ止まります。最初のうちは、一年を通して必要とされる商品で土台を作る方が安定します。
基準4:相手の悩みの深さに対して、価格は見合っているか
「高い商品は売るのが難しい」と思い込んでいる方は多いです。でも、1件の申し込みをもらうまでの手間は、価格によってそれほど大きくは変わりません。記事を書き、信頼してもらい、申し込みの一歩を踏み出してもらう。この流れは、安い商品でも高い商品でも同じです。
そして、人が申し込むのは、価格より価値の方が大きいと感じたときです。価値には、機能としての価値と、手に入れたときの気持ちの価値があります。悩みが深い人ほど、価値を大きく感じます。だから見るべきは価格の高さではなく、「相手の悩みがどれくらい深いか」です。自分の金銭感覚だけで「こんな高いものは誰も買わない」と決めつけないことも大切です。
ただし、最初の1件は、申し込む側の負担が小さいもの(無料の資料請求や、お試しの商品など)の方が生まれやすいです。負担の小さいものから始めて、段階を上げていく順番も考えておきます。
基準5:紹介する理由を、読者のための言葉で言えるか
最後の基準は、4つを通したうえでの確認です。「この商品を、この人たちに、なぜ勧めるのか」を、報酬の話を抜きにして言えるかどうか。言えるなら、その紹介は読者のためのものです。言えないなら、判断のどこかがまだ他人任せになっています。
この5つを書き出してみると、同じ商品を選んだとしても、ほかの人とは違う理由と言葉が見つかるはずです。それが、真似されにくい差になります。
たとえば、在宅で働く会社員がいたとします
例を出してみます。子育てをしながら在宅で働いていて、仕事と家事の段取りに何年も悩んできた会社員がいたとします。
「稼げるジャンル」の一覧から選ぶのではなく、5つの基準で考えると、選ぶのは「在宅で働く人の時間の使い方」という分野になります。自分が悩んできた当事者なので、検索する言葉も、迷うところも分かります(基準1)。紹介するのは、この分野の道具や講座に絞ります(基準2)。在宅で働く人が増えていく流れの中にあり、一年中必要とされます(基準3)。悩みが深い人ほど、段取りを変える講座にも価値を感じます(基準4)。そして「自分が何年も試して、やっと続いた方法だから」と、読者のための理由を言えます(基準5)。同じ商品を紹介している人がいても、この人の紹介は、この人にしか書けません。
反応がないのも、大事な手がかり
最後に、始めたあとの話です。記事を出しても読まれない、読まれても申し込まれない。そういうときに「自分には向いていない」とやめてしまう方がいます。
でも、反応がないのは失敗ではなく、手がかりです。読まれないなら、地図の3か4、または2の言葉がずれている。読まれるのに申し込まれないなら、1か2の選び方がずれている。反応がないという結果があって初めて、どこを直せばいいかが分かります。
だからこそ、完璧を目指して準備に時間をかけるより、不完全でも一度、地図を最後まで通すことが大事です。全体を一周させて、反応を見て、5つの基準に戻って直す。この繰り返しで、自分の基準はだんだん確かになっていきます。私がチャレンジ企画で一番大切にしているのも、同じ考え方です。準備が整ってから始めるのではなく、先に日程を決めて一度開き、結果を見て直す。その進め方はチャレンジ企画の実践スケジュールで書いています。
まとめ
- 収入は差から生まれる。誰でもすぐ真似できる方法ほど、差はすぐに消える
- 長く続く差は、自分の経験・考え方・言葉といった、他人に真似しにくい資源から生まれる
- 紹介する人は一人の経営者。選択の一つずつに「なぜ」を問い、自分の言葉で答える
- 判断の基準は「経験」「一つの分野に絞る」「伸びている時期」「悩みの深さと価格」「読者のための理由」の5つ
- 反応がないのは手がかり。一度全体を通して、基準に戻って直す
まずは、今取り組んでいる、またはこれから選ぼうとしている分野について、5つの基準に一行ずつ答えを書いてみてください。答えられなかった基準が、次に考えるべきところです。


