「これからビジネスを始めたいけれど、どんな商品を作ればいいか分からない」「商品を作ると言っても、何から手をつければいいのか分からない」。そんな相談をよくいただきます。
多くの方は、この悩みを自分の頭の中だけで解決しようとします。机に向かって「自分に何ができるだろう」と考え続ける。でも、考えれば考えるほど「自分には大したことはできない」という結論になってしまいがちです。
結論から言うと、あなたの商品を欲しがる人は必ずいます。 ただ、その答えは自分の頭の中ではなく、周りの人の中にあることが多いのです。
この記事では、提供できるものを書き出し、周りの人に聞き、好き・得意・求められるの3つが重なる場所を見つけるまでの4つのステップをお伝えします。
自分の中だけで探すと、見つからない理由
自分の中だけで商品を探すと、なかなか見つからないのには理由があります。
それは、自分にとって当たり前のことは、価値に見えないからです。
たとえば、パソコンの操作に慣れている人にとって、表計算ソフトで簡単な集計表を作るのは当たり前のことです。でも、パソコンが苦手な人にとっては、それは「半日かけても終わらない大仕事」かもしれません。
料理が得意な人が、冷蔵庫の余りもので何品か作れるのも同じです。本人は「誰でもできるでしょう」と思っていますが、周りの人から見ると「どうやって考えているの」と不思議に思われていることがあります。
自分では大したことがないと思っていることでも、他人からすると十分にすごいこと。これは本当によくあります。だからこそ、自分の外に答えを聞きに行くことが大切なのです。
ビジネスは「価値と価値の交換」
少しだけ、考え方の土台をお話しします。
ビジネスとは、「価値と価値の交換」です。あなたが価値のある商品やサービスを届け、その対価としてお金をいただく。とてもシンプルな仕組みです。
ここで大事なのは、「価値があるかどうか」を決めるのは、あなたではなく相手だということです。あなたがどれだけ自信を持っていても、相手が必要としていなければ、お金との交換は起きません。逆に、あなたが「こんなことで」と思っていても、相手が困っていて、それを解決できるなら、立派な価値になります。
相手が求めていることを届けられれば、感謝されて、それがお金に変わります。だから、商品づくりは「相手が何を求めているか」を知るところから始めるのが近道です。
商品の種を見つける4つのステップ
ここからは、具体的な進め方です。
ステップ1:提供できるものを、思いつく限り全部書き出す
まずは、あなたが人に提供できそうなものを、思いつく限り全部書き出してみてください。
アナログな商品でも、デジタルな商品でも構いません。教えられること、代わりにやってあげられること、相談に乗れること、作れるもの。「こんなものは売れない」と自分で判断せずに、可能性のあるものは全部書き出すのがコツです。
仕事で身につけたこと、趣味で続けてきたこと、人から何度も頼まれたことなどを思い出すと、書き出しやすくなります。経験の書き出し方をもっと詳しく知りたい方は、経験と知識を商品の材料に変える棚卸し7項目を参考にしてみてください。
ステップ2:身近な人に「お金を払ってでも頼みたいこと」を聞く
書き出したら、友人や知人、以前の職場の仲間など、身近な人に聞いてみます。聞くのは、次の一言です。
「お金を払ってでも、私にやってほしいことは何ですか?」
この質問のよいところは、「得意なことは何?」と聞くよりも、答えが具体的になることです。「お金を払ってでも」と付けることで、相手は本当に困っていること、本当に助かることを考えてくれます。
恥ずかしいと感じるかもしれません。でも、ここは恥ずかしがらずに聞いてみてください。数人に聞くだけでも、自分では思いつかなかった答えが返ってくることがあります。
ステップ3:好き・得意・求められるの3つを並べる
集まった答えと、ステップ1で書き出したものを、次の3つの視点で整理します。
| 視点 | 問い |
|---|---|
| 好きなこと | 時間を忘れて取り組めることは何か |
| 得意なこと | 人より少ない力でうまくできることは何か |
| 求められること | 人から頼まれること、お金を払ってでも頼みたいと言われたことは何か |
ステップ4:3つが重なる場所を、商品の候補にする
最後に、3つが重なっている場所を探します。そこが、あなたの商品の候補です。
ビジネスは、ただ好きなことだけをやろうとしても、うまくいかないことがあります。趣味とビジネスは違うからです。好きなことに加えて、得意なこと、求められることが重なる部分が大きいほど、ビジネスとしてうまくいきやすくなります。
たとえば、事務の仕事を続けてきた人がいたとします
イメージしやすいように、例を出してみます。長く事務の仕事を続けてきた人がいたとします。
この人は、書類やファイルをきれいに整えるのが好きです。人に手順を説明するのも苦になりません。そして周りの人に聞いてみると、「パソコンのファイルがぐちゃぐちゃで困っている。整理の仕方を教えてもらえるならお金を払いたい」という答えが何人からも返ってきました。
好き(整える)、得意(手順を説明する)、求められる(ファイルの整理)。この3つが重なったところに、「在宅で働く人向けの、パソコンのファイル整理を教えるサービス」という候補が見えてきます。本人にとっては当たり前の作業でも、困っている人から見れば、十分にお金を払う価値のあることなのです。
私の場合の重なり方
参考までに、私の場合をお話しします。
- 好きなこと:何か形のあるものを作り上げること
- 得意なこと:人に分かりやすく説明すること
- 求められること:ビジネスやパソコンのスキル
この3つを組み合わせて、ビジネスやパソコン、インターネットのスキルを教えることを仕事にしています。
どれも、特別な才能というほどのものではありません。好きなこと、得意なこと、求められることは、誰にでもあります。大事なのは、それを3つ並べて、重なる場所を探すことです。
好きなこと・得意なことをそのままお金にしようとしてうまくいかない理由は、知識と経験を商品に変えるコンテンツビジネスの5つの手順でも詳しく書いています。
聞くときに気をつけたい3つのこと
最後に、周りの人に聞くときの注意点をまとめておきます。
- お世辞と本音を分ける。 「何でもできるよ」「すごいね」という答えは、うれしいですが商品の種にはなりにくいです。「具体的に、どんな場面で助かりそう?」と一歩聞き返してみてください
- すぐに売り込まない。 聞いた相手に、その場で「じゃあ買って」と言う必要はありません。あくまで、商品の種を探すための質問です
- 1人の答えで決めない。 1人の意見だけで決めると、その人の好みに引っぱられます。数人に聞いて、何度も出てくる答えを重視しましょう
また、「プロほどの実力がないのに、教えてもいいのだろうか」と不安になる方もいると思います。その不安については、アマチュアでも教えていい理由で考え方をまとめています。
まとめ
- あなたの商品を欲しがる人は必ずいる。ただ、その答えは自分の頭の中より、周りの人の中にある
- 自分にとって当たり前のことほど、自分では価値に見えにくい
- ビジネスは価値と価値の交換。価値があるかどうかを決めるのは相手
- 提供できるものを書き出し、「お金を払ってでも私にやってほしいことは?」と聞き、好き・得意・求められるの3つが重なる場所を探す
まずは今週、身近な人を3人思い浮かべて、「お金を払ってでも、私にやってほしいことは何ですか?」と聞いてみてください。返ってきた答えが、あなたの商品の出発点になります。


