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中身を磨くほど、メールは開かれなくなることがあります|受信箱の一覧で選ばれる「差出人・件名・最初の一文」の決め方

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メルマガの本文を、毎回時間をかけて書いている。役に立つ内容を入れて、読み返して、言い回しも整えている。それなのに、開いてもらえている手応えがない。配信の数字を見ると、開いた人はほんの一部。こんな状態の方は少なくありません。

そうなると、「もっと良い内容を書かなければ」と、さらに本文に時間をかけますよね。でも、開かれていないメールの本文は、どれだけ磨いても読まれません。

結論から言うと、メールが開かれるかどうかは、本文ではなく、受信箱の一覧に並んだ時点で決まっています。読者がそこで見ているのは、差出人の名前、件名、そして本文の最初の一文の3つだけです。この3つの入口を整えることが、本文を磨くより先にやるべきことです。

この記事では、読者が受信箱で何を見て判断しているのか、差出人名・件名・最初の一文それぞれの決め方、そして件名を作る手順を解説します。

読者は、受信箱の一覧で開くかどうかを決めている

自分の受信箱を開いたときのことを思い出してみてください。一覧にはたくさんのメールが並んでいます。その中から、開くメールと開かないメールを、ほんの一瞬で選んでいるはずです。

そのとき見ているのは、次の順番です。

  1. 差出人:誰から届いたのか。知っている人か、信頼できる人か
  2. 件名:何の話か。自分に関係があるか
  3. 最初の一文:スマホの一覧では、件名の下に本文の書き出しが少し見える。その続きが気になるか

つまり、メールには本文の前に、3段の入口があるということです。どれか1つでも「自分には関係ない」と思われたら、本文までたどり着いてもらえません。

文章は、最初の一文が次の一文を読ませ、その一文がまた次を読ませる、という流れで最後まで読まれていきます。メールの場合、その流れの一番最初にあるのが、差出人と件名です。 ここで止まれば、どんなに良い本文も存在しないのと同じになってしまいます。

差出人名は「一人の人」から届くようにする

入口の1段目は、差出人の名前です。読者は、件名を読むより先に、誰から届いたかを無意識に確かめています。知らない会社名や、よく分からない名前のメールは、中身を見ずに消されることもあります。

差出人名で目指すのは、「この人からのメールなら開いてみよう」と、読者が習慣的に思ってくれる状態です。そのために大事なのは、会社名やサービス名ではなく、一人の人の名前で届けることです。

人は、組織やブランドそのものより、そこにいる人に親しみを感じます。お店を選ぶときも、「あの店員さんがいるから」という理由で足を運ぶことがありますよね。メールも同じで、「〇〇通信」という名前より、「〇〇講座の山田です」のように、人の名前が見える方が、自分に向けた手紙として受け取ってもらいやすくなります。

名前は、ほかの発信でも使っている活動名とそろえます。SNSやブログで見かけた名前と同じなら、読者は「あの人だ」とすぐに分かります。メールを一人に向けた手紙として書く考え方は、メルマガは個人宛の手紙を意識するでも書いています。

できれば、顔の見える名前にしておくのがおすすめです。ニックネームだけだと、誰が責任を持って書いているのかが見えにくく、信頼が積み上がりにくいことがあります。事情があって本名を出せない場合でも、ほかの発信と同じ活動名で、いつも同じ人が書いていると分かるようにしておきます。

そして、一度決めた差出人名は、むやみに変えないことです。名前が変わると、それまでの信頼が一覧の上でつながらなくなります。

件名は「誰の、どんな悩みの話か」が一瞬で分かるように

入口の2段目は、件名です。件名の役目は、内容を説明することではなく、「これは自分の話だ」と読者に気づいてもらうことです。

そのために、件名を書く前に、誰に向けて書くのかを一人に決めておきます。たとえば、「最初の講座を作ったけれど、案内の仕方が分からない人」。この人が今どんなことで困っていて、どんな言葉で悩みを口にするのかを思い浮かべてから書くと、件名は自然と具体的になります。

件名を具体的にするときに使いやすいのは、次の3つの工夫です。

工夫 ねらい 例
数を入れる 中身の量や手順が、開く前に分かる 「講座の案内で見直したい3つのこと」
短く言い切る 一覧で途切れずに、一目で読める 「案内文は、最後から書く」
意外な言葉を入れる 「え?」と引っかかって、開きたくなる 「丁寧な案内ほど、申し込まれない理由」

スマホの一覧では、長い件名は途中で切れてしまいます。大事な言葉は前の方に置き、全体もできるだけ短くまとめます。

一方で、気をつけたいこともあります。開いてもらいたいあまり、本文と関係のない強い言葉や、大げさな約束を件名に入れることです。一度は開かれても、中身とのずれに気づいた読者は、次から差出人の名前を見ただけで開かなくなります。件名は、本文で必ず回収できることだけを書きます。件名そのものの大切さは、メルマガの件名は超重要でも書いています。

最初の一文は、件名の続きとして書く

入口の3段目は、本文の最初の一文です。スマホの受信箱では、件名の下に書き出しが少し表示されます。ここが「いつもお世話になっております」「こんにちは、〇〇です」だけだと、件名で生まれた興味が、そこで途切れてしまいます。

最初の一文は、件名の続きとして書きます。件名で投げかけた問いに、少しだけ答える。あるいは、件名で示した悩みを、読者の言葉でもう一度言い表す。

  • 件名:「丁寧な案内ほど、申し込まれない理由」
  • 最初の一文:「講座の説明を丁寧に書いたのに、反応がない。その原因は、説明の量ではなく順番にあります」

こうすると、読者は一覧を見た時点で「続きを読みたい」と感じます。あいさつや名乗りは、そのあとで十分です。

最初の一文を書いたら、次の一文も同じ考え方で見直します。一文目は二文目を読んでもらうため、二文目は三文目を読んでもらうためにある。そう考えると、前置きや言い訳のような文は、自然と削れていきます。

件名を作る手順

ここまでの話を、実際に件名を作る手順にまとめておきます。

  1. 読者を一人に決める:今回のメールを、誰に一番読んでほしいかを決める
  2. 本文を先に書く:件名は最後に付ける。本文で何を伝えたかが決まってからの方が、ずれない
  3. 件名の候補を5つ以上出す:数を入れる、短く言い切る、意外な言葉を入れる、の3つの工夫で書き分ける
  4. 一覧の見え方で選ぶ:差出人名と並べて、スマホで一目見たときに「自分のことだ」と思えるかで選ぶ
  5. 最初の一文を件名につなげる:選んだ件名の続きになるように、書き出しを直す

件名は、1つ目に思いついたものが一番良いとは限りません。候補を並べてみると、「こっちの方が読者の言葉に近い」というものが必ず出てきます。この比べる時間を取るだけで、件名は変わります。

入口づくりでやりがちな3つの失敗

入口を整えるときに、よく見かける失敗も挙げておきます。

  • 毎回同じ件名を使う:「〇〇通信 第12号」のような決まった件名は、送る側は楽ですが、読者から見ると中身が分かりません。号数を入れたいなら、後ろに回して、前には今回の話を書きます
  • 件名で全部を言ってしまう:答えまで件名に書くと、読者は開かなくても分かった気持ちになります。件名で示すのは問いや結論の入口までにして、理由や方法は本文に残します
  • 送る側の言葉で書く:「新講座のご案内」「募集開始のお知らせ」は、送る側にとっての出来事です。読者にとって何が変わるのかを、読者の言葉で書き直します

どれも、送る側の都合が先に立ったときに起きます。一覧で自分のメールを見るとき、読者の目になって「これを開く理由があるか」と問い直してみてください。

たとえば、整体院を開いている人がいたとします

例で考えてみます。整体院を開いていて、腰痛に悩む人向けにメールを送っている人がいたとします。差出人名は院の名前、件名は「〇月のお知らせ」、書き出しは「いつもご来院ありがとうございます」でした。

これを3つの入口で直します。差出人名は「〇〇整体院の佐藤」と、人の名前が見える形に。件名は、読者を「デスクワークで夕方になると腰が重くなる人」と決めて、「夕方の腰の重さは、座り方より立ち方で変わります」に。最初の一文は、「一日座りっぱなしの日ほど、夕方に腰が重くなりますよね。実は、見直すところは座っている間ではありません」とつなげます。

本文は一文字も変えていません。それでも、一覧で見たときの「自分のことだ」という感じ方は大きく変わります。

読者の数より、開いてくれる人との関係

最後に、入口を整える意味について、私自身の経験からお伝えしておきます。

私は、メルマガの読者が約100人の時に月収100万円になったことがあります。ここでお伝えしたいのは、読者の数そのものより、毎回メールを開いて読んでくれる人との関係の方が大事だ、ということです。

差出人名を見て開き、件名を見て「自分の話だ」と思い、最初の一文から最後まで読んでくれる人。そういう読者が少しずつ増えていけば、大勢に届けなくても講座は売れていきます。少人数でも売上は作れる、というのは、こうした関係が土台にあるときの話です。メールと他の媒体の使い分けは、SNS・メルマガ・LINEの役割の違いで解説しています。

まとめ

  • メールは、本文の前に「差出人・件名・最初の一文」の3段の入口で選ばれている
  • 差出人名は会社名より一人の人の名前にして、ほかの発信とそろえ、むやみに変えない
  • 件名は、読者を一人に決めてから、数・短さ・意外さの工夫で「自分の話だ」と気づかせる。本文で回収できないことは書かない
  • 最初の一文は、あいさつではなく件名の続きとして書く
  • 件名は本文を書いたあとに、候補を5つ以上出して、一覧の見え方で選ぶ

まずは、次に送るメールの件名を5つ書き出して、差出人名と並べてスマホで見たときに、一番「自分のことだ」と思えるものを選んでみてください。