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デザインに自信がない人ほど、スライドに飾りを足しています|講座スライドを「引き算」で見やすくする6つの決まり

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講座やセミナーのスライドを作っていると、「なんだか素人っぽいな」と感じることはありませんか。色を足してみる。文字を赤くしてみる。動きを付けてみる。手を加えるほど、なぜか見づらくなっていく。そして1枚作るのに、思った以上の時間がかかる。

こうなると、「自分にはデザインのセンスがないから」と考えてしまいますよね。でも、原因はセンスではありません。

結論から言うと、講座のスライドは「足し算」ではなく「引き算」で整えるものです。色を減らす、文字を減らす、動きを減らす。そして、減らしたあとに残ったものを、全部のページで同じにそろえる。これだけで、デザインを学んだことがない人でも、落ち着いて読めるスライドになります。

この記事では、スライドが素人っぽく見える原因、センスの代わりに使う6つの決まり、写真や図の選び方、そしてスライドを作らずに済む場面について解説します。

スライドが素人っぽく見えるのは、飾りが多いから

まず、素人っぽく見えるスライドに共通していることを整理しておきます。多くの場合、次のどれかが起きています。

  • ページごとに色がちがう。強調したい所が赤、青、黄色とバラバラ
  • 1枚に文章がびっしり詰まっている
  • 文字が回転しながら出てくる、ページが派手に切り替わる
  • 写真とイラストが混ざっていて、雰囲気がそろっていない
  • ページによって文字の形(書体)が変わる

どれも、「もっと良くしよう」と思って足した結果です。一つずつ見ると悪くないのに、全部そろうと、どこを見ればいいのか分からなくなります。

講座のスライドの役目は、見た目で驚かせることではありません。受講する人が、話の中身に集中できるようにすることです。 飾りは、そのじゃまをします。だから、センスを磨くより先に、飾りを減らすことから始めた方が早いんです。

そしてもう一つ、飾りが多いスライドは作るのに時間がかかります。講座は一度作って終わりではなく、直したり、次の回を作ったりが続きます。1枚ごとに悩んでいたら、発信や面談に使う時間がなくなってしまいます。

センスの代わりに使う、6つの決まり

では、何を減らして、何をそろえればいいのか。私は次の6つを決まりとして考えています。

決まり やること
1. 土台は既製品を使う 一から作らず、整ったひな形に中身を入れる
2. 色は2色まで 基本の色と、差し色を1つだけ
3. 1枚に言いたいことは1つ 多いときはページを分ける
4. 文字は読みやすさだけで選ぶ 見慣れた書体を1つ決めて、最後まで変えない
5. 強調は色でなく大きさと太さ 大事な言葉だけ大きく、太くする
6. 動きは付けない 文字の出現や切り替えの演出はなしにする

ここから一つずつ見ていきます。

1. 土台は既製品を使う

一番効くのは、デザインを自分で考えないことです。スライド作成ソフトやデザインツールには、整ったひな形(テンプレート)が用意されています。有料で売られているものもあります。配色、文字の大きさ、余白の取り方が最初から整っているので、文章と画像を入れ替えるだけで形になります。

「人が作ったものを使うのはずるい」と感じる必要はありません。受講する人が見ているのは、あなたの話の中身です。土台に時間をかけず、中身に時間を回す。これも、正しい順番の一つです。

2. 色は2色まで

使う色は、基本の色と、目立たせたい所に使う差し色の2つまでにします。背景と文字は、白い背景なら黒い文字、濃い背景なら白い文字というように、はっきり差がつく組み合わせにします。黄色の背景に白い文字のような、近い色どうしは読めなくなるので避けます。

決めた2色は、講座の全部のページで使い続けます。回ごとに色が変わると、同じ講座なのに別物のように見えてしまいます。

3. 1枚に言いたいことは1つ

1枚に文章を詰め込むと、受講する人は「読むこと」と「聞くこと」を同時にしなければなりません。話を聞いているのに、画面の文章を目で追ってしまう。これでは、どちらも頭に入りません。

伝えたいことが多いときは、ページを分けます。枚数が増えても大丈夫です。1枚に1つのことしか書いていなければ、話す側も「このページでは何を言うか」が迷わなくなります。見出しからスライドを組み立てる手順は、1スライド1メッセージで見出しから作る手順で詳しく書いています。

4. 文字は読みやすさだけで選ぶ

書体(フォント)を選ぶ基準は、「読みやすいかどうか」だけです。おしゃれな書体や手書き風の書体は、少し読みにくいだけで、伝わる量が減ってしまいます。パソコンに最初から入っている、誰もが見慣れた書体で十分です。

そして、一度決めた書体は、講座の最後まで変えません。途中の回だけ書体がちがうと、受講する人は理由が分からなくても違和感を持ちます。

5. 強調は色でなく大きさと太さ

大事な言葉を目立たせたいとき、つい文字を赤くしたくなりますよね。でも、強調のたびに色を増やすと、2色の決まりが崩れて、画面がにぎやかになっていきます。

目立たせたい言葉は、文字を大きくするか、太くします。見出しと一番伝えたい言葉は大きく太く、補足の説明はふつうの大きさのまま。色の数を増やさずに、大きさの差だけで「どこが大事か」を伝える。 これだけで、画面の落ち着きを保ったまま、メリハリがつきます。

6. 動きは付けない

文字が1行ずつ飛び込んでくる動きや、ページが回転して切り替わる演出は、見ている人の目を話から引きはがします。付けるとしても、ごく控えめなものに限ります。最初は、動きなしで作ってみてください。困ることはほとんどないはずです。

写真と図は「半分ずつ」と「世界観の統一」で選ぶ

文字だけのスライドが続くと、見ていて疲れます。写真や図を入れると、話の場面が浮かびやすくなり、記憶にも残りやすくなります。ただし、入れ方と選び方には決まりがあります。

写真と文字は、画面を半分ずつ使う

写真と文章を1枚に入れるときは、画面を左右に分けて、片側に写真、もう片側に文章を置きます。スライドは横に長いので、左右に分けると安定して見えます。どちらを右にするかは自由です。

気をつけたいのは、画面の真ん中に中途半端な空白ができることです。空白を作るなら、上下にしっかり取るなど、わざと空けたと分かる形にします。

写真とイラストは、どちらかに決める

一つの講座の中で、写真とイラストが混ざらないようにします。写真でいくなら写真だけ、イラストでいくならイラストだけ。図やアイコンも、影や立体感のない平らな絵柄のものにそろえると、画面がすっきりします。平らな絵柄の図は、デザインに自信がない人が使っても、一定の見やすさが出やすいのもいいところです。

写真を選ぶときは、どこかで何度も見たような写真は避けた方がいいです。多くの人が使っている無料の写真は、それだけで「どこかで見た資料」という印象になります。有料の写真素材を少し買うだけで、講座全体の見え方が変わることがあります。どこで買うかは、値段、数、質、探しやすさの4つで比べて、自分の講座に合うものを選べば十分です。

全部のページに、あなたの名前を入れておく

見た目の話とは少しちがいますが、スライドにはもう一つ入れておきたいものがあります。それは、あなたの名前です。

受講する人は、似た講座や発信をいくつも見ています。その中で「この人から学んだ」と覚えてもらえないと、次に何かを学ぼうとしたとき、あなたを思い出してもらえません。

  • 全部のページの右下など、決まった位置に名前と肩書きを小さく入れる
  • 話の始めと終わりに、声でも名乗る
  • 最初のページで、顔写真を見せる

名前を1枚ずつ貼るのは大変なので、スライド作成ソフトの「マスター」の機能を使います。マスターは全ページ共通の土台のようなもので、ここに一度名前やロゴを置けば、すべてのページに反映されます。ロゴを使うなら、背景が透明な画像にしておくと、どの色の上にも自然に載ります。

一つ注意があります。講座の販売サイトなど、他の人が運営する場所で講座を出すときは、スライドにロゴや社名を入れてよいかどうかの決まりがある場合があります。作り込む前に、その場所の決まりを確かめておいてください。

スライドを作らなくていい場面もある

最後に、少し発想を変えた話をしておきます。すべての説明に、スライドが必要なわけではありません。

たとえば、申し込みフォームの作り方や、ツールの設定の仕方を教える場面を考えてみてください。画面の写真を何枚も撮ってスライドに貼るより、パソコンの画面をそのまま録画しながら、実際に操作して見せた方が、ずっと伝わります。どこを押せばいいのか、次に何が出てくるのかが、そのまま見えるからです。

  • 操作や手順を教えるとき:画面を録画して、実際に動かして見せる
  • 考え方や全体像を伝えるとき:スライドで、1枚1つのことを見せる

この使い分けをするだけで、作るスライドの枚数そのものが減ります。資料づくりに追われる時間が減れば、そのぶん、参加者の宿題を見たり、面談をしたりする時間に回せます。

少人数で売る講座やセミナーで大事なのは、参加した人が何を持ち帰り、次に何をするかです。スライドは、その流れを見せるための道具にすぎません。道具づくりに時間をかけすぎないことが、仕組み化の第一歩になります。セミナーから面談までの流れ全体は、チャレンジ企画の完全ガイドにまとめています。

たとえば、料理教室の先生がいたとします

イメージしやすいように例を出します。オンラインで料理の基本を教えたい先生がいたとします。最初に作ったスライドは、ページごとに色がちがい、料理のイラストと写真が混ざり、大事な所は赤と黄色の文字で強調されていました。

これを6つの決まりで直します。ひな形を一つ選び、色は基本の色と差し色の2つに。写真だけでそろえ、写真と説明は左右半分ずつ。大事な分量は、色ではなく大きな太い数字で見せる。包丁の使い方のような動きのある説明は、スライドをやめて手元を映した映像にする。

新しいセンスは何も足していません。減らして、そろえて、道具を使い分けただけです。それでも、受講する人から見た分かりやすさは大きく変わります。

まとめ

  • スライドが素人っぽく見えるのは、センスがないからではなく、飾りが多いから
  • 土台は既製品、色は2色、1枚1つ、書体は1つ、強調は大きさ、動きなしの6つを決まりにする
  • 写真と文字は左右半分ずつ。写真かイラストのどちらかにそろえる
  • 全部のページに名前を入れる。人の場所で売るときは、ロゴの決まりを先に確かめる
  • 操作の説明は画面の録画に任せて、スライドの枚数そのものを減らす

まずは、今あるスライドを1枚だけ選んで、色を2色まで減らしてみてください。それだけで、「引き算」の効き目が実感できるはずです。