個別相談の申し込みは入った。でも、いざ話してみると「今回は見送ります」と言われてしまう。何人と話しても、なかなか申し込みにつながらない。
そんな状態が続くと、「自分はセールスが向いていないのかもしれない」と感じてしまいますよね。
でも、多くの場合、原因はトークの上手さではありません。面談の「順番」です。特に多いのが、相手の話を十分に聞く前に、商品の説明から入ってしまうパターンです。
結論から言うと、個別相談は商品を売る場ではなく、相手の課題を一緒に整理する場です。先に聞いて、理想と今の状態の差をはっきりさせ、その差を埋める手段として必要な人にだけ提案する。この順番を守るだけで、売り込まなくても選ばれるようになります。
この記事では、カウンセリングセールスの考え方と、個別相談の10ステップ、面談中に意識すること、AIで台本を作るときの確認点をまとめました。
商品説明から入ると、断られやすい理由
まず、断られやすい面談には共通点があります。
- 相手の話を十分に聞かずに、すぐ商品の説明に入る
- 自分の商品がいかに良いかを話し続ける
- 相手の状況に合っているか分からないまま提案する
- 申し込むかどうかだけを急いで確かめる
こうなると、相手は「やっぱり売り込まれた」と身構えます。どんなに良い商品でも、自分に必要だと感じていない状態で説明されると、人は断る理由を探し始めます。
相手が申し込むかどうかを決めるのは、商品の良さではなく「自分にこれが必要だ」と感じられるかどうかです。そして、その感覚は説明からではなく、自分の話をしているうちに生まれます。
カウンセリングセールスとは
カウンセリングセールスとは、相手の話を聞きながら、理想の未来と今の状態の差を整理し、必要なサポートを提案する売り方です。
大事なのは、売る前に聞くことです。相手は何を望んでいるのか。今どこで止まっているのか。なぜこれまでうまくいかなかったのか。これを聞いていくと、相手自身が「このままだとここで止まりそうだ」「一人で進めるより、サポートがあったほうが早そうだ」と気づいていきます。その気づきのあとに提案するから、売り込みにならないのです。
私は、この流れで個別相談をして、25人中23人、成約率92%になったことがあります。特別な話し方をしたわけではありません。先に聞いて、相手の課題を一緒に整理しただけです。
個別相談の10ステップ
個別相談は、次の10ステップで進めます。
| ステップ | やること | ねらい |
|---|---|---|
| 1 | 冒頭のあいさつ | 安心して話せる空気を作る |
| 2 | 面談の目的を共有する | 売り込まれないと分かってもらう |
| 3 | チャレンジ企画の感想を聞く | 話しやすい入り口を作る |
| 4 | 理想の未来を聞く | 本当はどうなりたいのかを知る |
| 5 | 今の課題を聞く | 理想との差を見つける |
| 6 | これまで試したことを聞く | 必要なサポートを見極める |
| 7 | うまくいかなかった理由を整理する | 自分がダメだったわけではないと分かってもらう |
| 8 | 解決した場合・しなかった場合を考える | 解決する必要性に本人が気づく |
| 9 | 一緒に取り組みたいかを確かめる | 提案に進んでいいか合意を取る |
| 10 | 商品を提案する | 課題と商品をつなげて伝える |
商品の提案は、最後の10番目だけです。1から9は、すべて相手の話を聞いて整理する時間です。ここからは、特に大事なステップを見ていきます。
前半:安心してもらい、理想と今を聞く
面談の目的を最初に伝える
ステップ2の目的の共有は、省かないでください。面談に来る人の多くは、少し緊張しています。「何を聞かれるんだろう」「売り込まれるのかな」と不安に思っているからです。
そこで最初に、「今日はいきなり商品の説明をするのではなく、まず今の状況と理想、そしてどこで止まっているのかを一緒に整理していきます。そのうえで、必要であればサポートできる内容もご案内します」と伝えます。これだけで、相手の肩の力が抜けます。
感想から入る
いきなり「今の課題は何ですか?」と聞くと、相手は構えます。まずは「3日間参加してみて、率直にどうでしたか?」と、感想から聞きます。答えやすい質問から入ると、相手が話しやすくなり、どこに価値を感じてくれたのかも分かります。
理想の未来は、具体的になるまで聞く
ステップ4の理想の未来は、とても大事です。理想が分からないと、何を提案すればいいかも分からないからです。
ここでは、答えがぼんやりしていたら、もう一段深く聞きます。たとえば「売上を上げたいです」と言われたら、「どのくらいを目指したいですか?」「何の商品で作りたいですか?」「いつ頃までに?」と聞いていきます。聞かれるうちに、相手自身も自分が何を目指しているのかが見えてきます。
理想と今の「差」を見る
ステップ5では、その理想に対して、今どこで止まっているのかを聞きます。「一人で進めようとしたとき、どこが一番不安ですか?」のように聞くと、答えやすくなります。
理想はある。でも、今はここで止まっている。この「差」が、個別相談の中心です。商品は、この差を埋めるための手段として提案するものです。
事前のアンケートで理想と課題を聞いておくと、このあたりがとても進めやすくなります。アンケートの作り方は、セミナー後アンケートの10項目で解説しています。
後半:責めずに整理し、合意を取ってから提案する
これまで試したことを聞く
ステップ6では、相手がこれまで何をしてきたかを聞きます。まだ何も試していない人と、いろいろ試したけれど結果が出なかった人では、必要なサポートがまったく違うからです。
たとえば、まだ何もしていない人には、全体像と最初の一歩が必要かもしれません。SNSや無料相談をやってきたのに売上につながっていない人には、販売の流れそのものを見直すサポートが必要かもしれません。
うまくいかなかった理由は、構造で整理する
ステップ7は、面談の中でも特に気をつけたいところです。次のような言い方は避けます。
- 「行動量が足りなかったですね」
- 「本気度が足りなかったんですね」
- 「やり方が間違っていましたね」
こう言われると、相手は落ち込み、心を閉じてしまいます。代わりに、「商品が悪いというより、誰に何を届けるのかが少し曖昧だった可能性があります」のように、構造として整理します。
相手が「自分がダメだったのではなく、整理すべきところがあったんだ」と分かると、前向きに話を聞けるようになります。この考え方は、売り込まずに信頼を作る3つの教育でも詳しく書いています。
解決した場合・しなかった場合を、本人に考えてもらう
ステップ8では、「今の課題が解決したら、どんな状態になれそうですか?」「逆に、このまま一人で進めると、どこで止まりそうですか?」と聞きます。
これは不安を煽るためではありません。講師が「このままだと危ないですよ」と言うのではなく、相手自身に「このままだと、また準備で止まりそうだ」と気づいてもらうための質問です。自分で気づいたことは、人に言われたことよりずっと納得感があります。
提案の前に、合意を取る
ステップ9は、見落とされがちですが、とても大切です。商品の説明に入る前に、「ここから先、個別に整理しながら進めていくことに興味はありますか?」と確かめます。
この一言があるだけで、提案の受け取られ方がまったく変わります。相手が「具体的に聞きたいです」と言ったら、提案に進みます。興味がなさそうなら、無理に説明を続ける必要はありません。
提案は、相手の課題から話す
ステップ10でようやく提案です。ここでも、商品の特徴を全部並べるのではなく、「〇〇さんの場合、今の課題は〜なので、ここを一緒に整えたほうが早いです。そのためのサポートとして、このプログラムがあります」と、相手の課題から商品につなげて話します。
伝える内容は、商品名、対象者、得られる成果、期間、サポート内容、価格、特典、申し込み後の流れなどです。ただし、説明は長くしすぎず、相手に関係のあるところを中心にします。提案のあとの迷いへの向き合い方は、迷っている人への向き合い方と決済案内で解説しています。
面談中に意識したい5つのことと、避けたいこと
台本は、一字一句読む必要はありません。大事なのは、相手の話を聞きながら流れを進めることです。面談中は、次の5つを意識してください。
- 相手の話を途中で遮らない
- 答えがぼんやりしていたら、深く聞く
- 相手を責めない
- 提案を急がない
- 提案の前に合意を取る
特に4つ目は、売りたい気持ちが強いときほど崩れやすいです。聞き取りが浅いまま提案に入ると、相手にとって「必要な理由」が見えないまま話が進んでしまいます。
反対に、避けたいのは次のようなことです。
- アンケートの答えを見て、課題を決めつける
- 商品の説明を長くしすぎる
- 断りにくい雰囲気を作る
- その場の成約だけを目的にする
アンケートから仮説を持っておくのは良いことです。ただ、決めつけずに本人の言葉で確かめてください。そして、その場で申し込みにならなくても、信頼が残っていれば、あとから相談してくれたり、次の企画に参加してくれたりすることがあります。
AIで台本を作るときの確認点
個別相談の台本も、AIでたたき台を作れます。「個別相談の台本を作って」とだけ頼むと、よくあるセールストークが出てくるので、チャレンジ企画の内容、ターゲット、アンケートの項目と回答例、商品の情報、面談に向いている人・向いていない人を渡します。講座では、このためのAIへの依頼文も用意しています。
出てきた台本は、質問が自然な流れか、相手の話を引き出す作りか、理想と今の差が見えるか、提案の前に合意があるか、自分の言葉で話せるか。この5つで見直してください。チャレンジ企画全体の中での面談の位置づけは、チャレンジ企画の完全ガイドで紹介しています。
まとめ
- 個別相談は、商品を売る場ではなく、相手の課題を一緒に整理する場
- 10ステップのうち、提案は最後の1つだけ。1〜9は聞いて整理する時間
- 理想と今の状態の「差」をはっきりさせ、その差を埋める手段として提案する
- うまくいかなかった理由は責めずに構造で整理し、提案の前に合意を取る
- その場で成約しなくても、信頼が残れば次につながる
まずは、次の個別相談の冒頭で「今日は商品の説明ではなく、状況の整理から始めます」と伝えることから試してみてください。


