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会員数だけ見ている人ほど、サブスクは伸び悩みます|継続期間・離脱する場所・参加の度合いの3つの数字と、少人数で回す仕組み化

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会員制を始めて半年、1年とたつと、気になってくるのが「会員数」です。先月より増えたか、減ったか。数字が横ばいだと焦って、募集を増やしたり、新しい中身を足したりする。でも、思ったほど会員数は伸びない。そんな悩みを持つ方は多いです。

実は、会員数だけを見ていると、何が起きているのかが分かりません。毎月たくさん入って、同じくらい辞めているのか。入る人は少ないけれど、ほとんど辞めないのか。同じ「横ばい」でも、打つべき手はまったく違います。

結論から言うと、サブスクを伸ばすために見るべき数字は3つです。会員がどれくらい続けてくれているか(継続期間)、どこで辞めているか(離脱する場所)、どれくらい関わってくれているか(参加の度合い)。この3つが見えれば、直す場所がはっきりし、やみくもに頑張る必要がなくなります。

この記事では、3つの数字の見方と、募集の成果を比べる数字、そして労働を増やさずに少人数で会員制を回す仕組み化の考え方を解説します。

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会員数だけを見ると、判断を誤ります

会員数は、「入ってきた人」と「辞めた人」の差でしかありません。たとえば、先月も今月も会員数が同じだったとします。この中身は、少なくとも次の2つのどちらかです。

  • 新しく入った人が多いが、同じくらい辞めている
  • 新しく入った人は少ないが、ほとんど辞めていない

前者なら、直すべきは迎え入れや中身です。後者なら、中身は満足されているので、知ってもらう機会を増やせばいい。会員数という1つの数字では、この違いが見えません。

だから、会員数を「誰が、いつ入って、いつ辞めたか」に分けて記録するところから始めます。 毎月の合計人数だけを書き留めるのではなく、入会した月ごとにまとめて、その人たちが翌月、翌々月にどれくらい残っているかを追うのです。これができると、次の3つの数字がすべて見えるようになります。

記録の道具は、表計算のシート1枚で十分です。入会した月、辞めた月、辞めた理由の3つの列があれば、最初のうちは困りません。

数字1:継続期間とLTV

1つ目の数字は、会員が平均してどれくらいの期間続けてくれているか、です。ここで出てくるのがLTVという言葉です。LTVは、ひとりのお客様が続けてくれる間に生まれる売上の合計のことです。

会員制の売上は、月額だけを見ていると小さく見えます。でも、続けてくれる期間が長くなるほど、ひとりの会員から生まれる売上は積み上がっていきます。月額を上げなくても、続けてもらえる期間が延びればLTVは大きくなる。これが、会員制で継続期間を大切にする理由です。

継続期間の調べ方

立ち上げたばかりの時期は、平均の継続期間はまだ分かりません。そこで最初は、「先月いた会員のうち、今月も続けている人の割合」を毎月記録します。これを積み重ねていくと、何か月くらい続く人が多いのかが見えてきます。

決済の仕組みによっては、解約の割合や平均の継続期間を自動で出してくれるものもあります。まずは自分の使っている道具で何が見られるかを確かめてみてください。

LTVの考え方そのものは、LTV(顧客生涯価値)がなぜ大切なのかで詳しく書いています。

LTVは、使えるお金と時間の目安になる

LTVが分かると、ひとりの会員に来てもらうために、どれくらいのお金や手間をかけていいかの目安ができます。逆に言えば、LTVが分からないまま募集に力を入れると、かけた手間に見合う売上が戻ってくるのかが分かりません。

ただし、LTVは一度調べて終わりではありません。中身や迎え方を変えれば、数字も変わります。季節ごとなど、定期的に見直してください。

数字2:離脱する場所

2つ目の数字は、会員がどこで辞めているか、です。入会月ごとに残っている割合を追っていくと、ある時期にまとまって辞める人が出てくることに気づきます。これが離脱する場所です。

離脱する場所には、2つの見方があります。

見方 調べること 分かること
時期 入会から何か月目に辞める人が多いか 迎え入れや、その月の中身の弱さ
段階 成長の道筋のどの段階で止まって辞めるか 中身の難しさや、つまずきやすい場所

一般に、入会から最初の数か月を越えた会員は、その後も長く続く傾向があります。最初の時期に辞める人が多いなら、まず見直すべきは迎え入れです。入会直後の設計は、退会を減らす最初の30日の設計にまとめています。

辞めた理由を聞いて、穴の場所を確かめる

数字で「いつ」辞めているかが分かったら、「なぜ」辞めたのかを聞きます。退会のときに、辞める理由と、どこまで取り組めたかを短く答えてもらうだけで十分です。「使い方が分からなかった」が多ければ案内を、「時間がなかった」が多ければ中身の量を直す、という具合に、打つ手が決まります。

離脱しやすい時期の手前に、手当てを置く

離脱する場所が分かったら、その少し手前に手当てを置きます。たとえば、ある段階で止まる人が多いなら、その段階のやることをもっと細かく分ける。ある月に辞める人が多いなら、その月に振り返りの集まりを開き、ここまでの進み具合と、この先で手に入るものをもう一度見せる。

ここで気をつけたいのは、手当ての目的は「辞めにくくすること」ではなく「続ける価値を感じてもらうこと」だという点です。解約の手続きを分かりにくくするような工夫は、信頼を失うだけなので勧めません。続けてもらう理由は、中身と支えで作ります。

数字3:参加の度合い

3つ目の数字は、会員がどれくらい関わってくれているか、です。会員制は、中身を受け取ってもらわないかぎり価値が届きません。関わりが薄くなった会員は、近いうちに辞める可能性が高い。だから、参加の度合いは「辞める前ぶれ」を知る数字でもあります。

参加の度合いは、次の3つで見ます。

  1. ログイン:どれくらいの頻度で会員サイトを開いているか
  2. 取り組み:教材を見たか、課題を出したか、資料をダウンロードしたか
  3. 発言:交流の場で投稿や返事をしているか

この3つを、会員全体と、ひとりひとりの両方で見ます。全体で見ると、どの中身がよく使われていて、どの中身がほとんど開かれていないかが分かります。ひとりひとりで見ると、しばらく姿を見せていない会員に気づけます。

使われていない中身は、減らしてもいい

全体の数字を見て、ほとんど使われていない中身があれば、思い切って減らすことも考えてください。会員に「この中でなくなったら困るものはどれですか」と聞いてみると、実際によく使われている中身と答えが重なることが多いです。

中身を減らすと、会員は迷わず大事なところに時間を使えるようになり、主催者も作り続ける負担が軽くなります。会員の参加を増やす仕掛けは、進み具合の見える化と仲間づくりで紹介しています。

1回の募集あたりの利益で、募集を比べる

3つの数字に加えて、募集をしたときに見ておきたい数字があります。1回の募集あたりの利益です。これは、1回の募集で生まれた売上を、その募集の案内を受け取った見込み客の数で割ったものです。見込み客ひとりあたり、どれくらいの売上につながったかを表します。

入会した人数だけを見ると、案内した相手が多いほど成果が大きく見えます。でも、見込み客ひとりあたりで比べると、どの募集がうまくいったのかが公平に分かります。

さらに、見込み客がどこから来たかごとに分けて計算すると、メール、SNS、紹介など、入口ごとの違いが見えてきます。人数がいちばん多い入口が、いちばん入会につながる入口とは限りません。

最初の募集では、比べる材料がないので、数字は記録しておくだけで大丈夫です。2回目以降に、前回と比べて良くなったかを確かめます。広告にお金をかけるのは、こうした数字がそろってからでも遅くありません。まずは、すでにつながっている人に向けた募集から始める方が、少人数でも確かめながら進められます。

少人数で回す仕組み化

数字が見えるようになると、次に気になるのが「この先、会員が増えたら自分ひとりで回せるのか」ということです。ここで大事なのは、会員数を伸ばすために、自分の労働時間を増やさないことです。成長は、かけた時間の量に比例するわけではありません。時間を増やして伸ばした会員制は、主催者が疲れた時点で止まってしまいます。

少人数で回すための仕組み化を、5つに分けて整理します。

1. 中身を作り置きする

毎月その場で中身を作っていると、忙しい月に必ず苦しくなります。撮影や執筆の日をまとめて取り、何か月分かを先に作っておきましょう。作り置きするなら、時間がたっても古くならない中身を中心にします。その時々の話題が中心の中身は、作り置きには向きません。

2. 1年分の制作計画を立てる

月ごとのテーマを先に決め、1年分を一枚の予定表に並べます。テーマが決まっていれば、中身を作るときに迷う時間がなくなりますし、会員にも「来月はこれを扱います」と予告できます。最初から細かく埋める必要はありません。テーマだけ先に並べ、中身はあとから入れていけば十分です。毎月の中身の組み立て方は、会員制で「毎月何を届けるか」を決める4つの形を参考にしてください。

3. 手順書を作る

人に仕事をお願いしても思うように進まないとき、原因はたいてい、相手ではなく手順が言葉になっていないことです。自分が普段どうやって作業しているかを、画面を録画しながら話すだけでも手順書の元になります。それを文章に起こし、誰が見ても同じようにできる形にしておきます。手順書ができれば、仕事を人に渡せるようになります。

4. 役割を分ける

会員制の運営は、大きく分けると3つの役割に分かれます。

役割 担うこと 見る数字
主催者 何のための会員制か、どこへ向かうかを決める 全体の方向
伸ばす係 見込み客を集め、募集をする 見込み客の数、1回の募集あたりの利益
続けてもらう係 会員の質問に答え、交流の場を整える 継続期間、離脱する場所、参加の度合い

最初は全部を自分ひとりで担うことになります。それで大丈夫です。大事なのは、自分が今どの役割の仕事をしているのかを意識し、会員が増えてきたら、続けてもらう係の仕事から順に手放していくことです。

5. 外に任せる範囲を決める

外に任せやすいのは、問い合わせへの返信、動画の編集、文字起こし、資料の整形など、手順書にできる仕事です。続けてもらう係の仕事は、人柄や対応の姿勢が大切な分、手順を教えれば身につけてもらいやすい面もあります。交流の場をよく盛り上げてくれている会員に、まとめ役をお願いするのも一つの方法です。

一方で、会員制の方向を決めることと、会員との信頼に関わる判断は、主催者の手元に残します。 何を手放し、何を残すかを決めておくことが、少人数で長く続けるための線引きになります。外注の考え方は、ビジネスを加速させる外注という武器でも解説しています。

たとえば、写真の撮り方を教える人がいたとします

例を出してみます。スマートフォンでの写真の撮り方を、月額の会員制で教えている人がいたとします。会員数がしばらく横ばいで、募集を増やそうか迷っていました。

入会月ごとに残っている割合を記録してみると、入会して2か月目に辞める人が多いことが分かります。退会のときの答えを見ると、「課題が難しくなって止まった」という声が目立ちました。そこでこの人は、2か月目の課題を小さく分け、2か月目の終わりに作品を見せ合う集まりを開くことにします。

同時に、毎月の中身を半年分まとめて撮っておき、問い合わせへの返信は手順書を作って人にお願いすることにしました。浮いた時間は、集まりの準備と、会員の作品に一言返すことに使います。募集は増やしていません。それでも、辞める人が減ることで、会員数は少しずつ積み上がっていきます。

まとめ

  • 会員数は「入った人」と「辞めた人」の差。入会月ごとに分けて記録するところから始める
  • 継続期間とLTVで、ひとりの会員から生まれる売上と、かけていい手間の目安を知る
  • 離脱する場所は「何か月目」「どの段階」の2つで見て、理由を聞き、手前に手当てを置く
  • 参加の度合いはログイン・取り組み・発言で見る。使われていない中身は減らしてもいい
  • 労働を増やさずに伸ばすために、作り置き・1年分の計画・手順書・役割分担・任せる範囲を決める

まずは、これまでの会員を入会した月ごとに並べ、翌月に何割が残っていたかを書き出してみてください。それが、あなたの会員制で直すべき場所を見つける最初の一歩です。

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