時間をかけて作った講座や、自信を持っておすすめできる商品を1つ用意した。あとは、この商品をどれだけ多くの人に買ってもらうかだけを考えればいい。そう思って、案内の文章や集客ばかり工夫している方は多いです。
でも、商品が1つしかないと、どれだけ案内を工夫しても届かない人が出てきます。興味はあるのに予算が合わない人と、もっと深い支援を受けたいのに、それを選べない人です。
結論から言うと、商品は1つに絞るより、お客様が自分に合う段を選べる「価値の階段」にしたほうが、お客様にとっても、あなたにとっても良い結果になります。いきなり何段も作る必要はありません。まずは2段から始められます。
この記事では、商品が1つだけのときに起きる取りこぼしと、松竹梅で考える商品ラインナップの作り方、そして段と段の価値の差をどう伝えるかをお伝えします。
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商品が1つだけのときに起きる、2つの取りこぼし
あなたのメルマガやLINEの読者は、同じ事情を持った人の集まりではありません。会社員もいれば、経営者もいます。使えるお金も、目指している結果も、人によって違います。
その中で商品が1つしかないと、次のどちらか、または両方が起きます。
高い商品しかない場合
たとえば、30万円の個別コンサルしかないとします。読者の中には「30万円は今は難しいけれど、3万円くらいなら学んでみたい」という人がいるはずです。
高い商品しかないと、この人たちは何も選べないまま離れていきます。関心はあるのに、合う入口がないだけなのです。
安い商品しかない場合
反対に、3万円の教材しかないとします。読者の中には少数ですが、「費用がかかっても、直接見てもらいながら確実に進めたい」という人もいます。
安い商品しかないと、この人たちは本当に欲しい支援を受けられません。例でいえば、差額の27万円分の支援を、あなたは届けられないままになります。
どちらの場合も、原因は案内の文章ではなく、商品の並べ方にあります。
なぜ商品を1つにしてしまうのか
商品を1つにしてしまうのには、理由があります。多いのは次の3つです。
- 1つの商品を作るだけで精一杯で、次を考える余裕がない
- 商品を増やすと、お客様が迷ってしまうと思っている
- 高い商品を案内することに、ためらいがある
1つ目は、自然なことです。ただ、次の段は新しく一から作らなくても、今ある商品に支援を足したり、一部を切り出したりすることで作れます。作り方は商品ラインナップを充実させるポイントで解説しています。
2つ目は、段の違いがはっきりしていれば心配いりません。迷うのは、違いが分からないときです。
3つ目のためらいを持つ方は多いです。でも、高い商品は「お金を多く取るためのもの」ではなく、「より深い支援を必要とする人のための選択肢」です。この考え方はバックエンド商品の本当の役割で詳しくお話ししています。
まずは「2段」から始める
いきなり松竹梅の3段をそろえる必要はありません。まずは、次の2段を用意することをおすすめします。
| 段 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| 手に取りやすい商品(フロントエンド) | 多くの人が最初に選べる入口 | 3万円の動画教材 |
| 深い支援の商品(バックエンド) | もっと先の結果を目指す人のための支援 | 30万円の個別コンサル |
この2段があるだけで、「予算が合わない」「もっと深く支援してほしい」の両方に応えられるようになります。
順番としては、手に取りやすい商品で成果を感じてもらい、そのうえで「もっと先に進みたい」と思った人に深い支援を案内する流れが自然です。最初から高い商品を選ぶ人がいても構いません。大切なのは、選べる段があることです。
慣れてきたら、真ん中にもう1段足して、松竹梅の3段にします。価格の並べ方の考え方は価格設定は松竹梅もあわせて読んでみてください。
価格ではなく「目指すところ」で分けてもいい
段の分け方は、価格だけではありません。お客様が目指している結果の大きさで分ける方法もあります。
- 本業のかたわら、少しずつ収入を作りたい人向け
- 本業にして、独立できる収入を目指したい人向け
後者のほうが、目指すところが大きい分、手厚い支援を求めます。そのため、高い価格の商品でも選ばれやすくなります。
目指すところで分けると、お客様は価格表を見比べる前に「自分はどちらだろう」と考えられます。自分に合う段を自分で選べるので、あとから「思っていたのと違った」ということも起きにくくなります。
段と段の「価値の差」をはっきり伝える
価値の階段を作るときに、1つだけ守ってほしいことがあります。それは、お客様が段ごとの価値の違いをはっきり分かるようにすることです。
もし「3万円の教材と30万円のコンサルで、得られるものがあまり変わらない」と思われたら、深い支援が必要だった人まで3万円の段を選びます。その結果、その人は必要な支援を受けられず、あなたの売上も下がってしまいます。
たとえば30万円のコンサルなら、次のように「教材との違い」を具体的に書き出します。
- 教材の内容をすべて含む
- 分からないところを、あなたに直接質問できる
- 毎月、あなたから個別のフィードバックを受けられる
- 進み具合を一緒に確認し、止まっているところを一緒に直す
大事なのは、支援の中身を「何ができるようになるか」「何をしてもらえるか」で書くことです。「プレミアム」「特別」のような言葉だけでは、違いは伝わりません。
段ごとの違いは、文章で長く説明するより、表や箇条書きで並べて見せたほうが、お客様は比べやすくなります。
価値の階段を作る4つの手順
ここまでの考え方を、実際の作業に落とすと次の4つの手順になります。
- 今ある商品を1つ決める:一番よく売れている商品か、一番自信のある商品を選ぶ
- その商品を買った人が、次に困ることを書き出す:「教材は見たけれど、自分の場合にどう当てはめればいいか分からない」など、購入後によく出る質問や相談を思い出す
- 困りごとに応える支援を、上の段として形にする:個別の質問、フィードバック、一緒に進める時間など、教材だけではできないことを足す
- 反対に、今の商品の一部を切り出して下の段を作る:「まず1つのテーマだけ学びたい」という人のために、範囲を絞った手に取りやすい形にする
手順2が、いちばん大事なところです。上の段の中身は、あなたが想像で作るより、実際のお客様の困りごとから作ったほうが、選ばれる理由がはっきりします。
購入後の質問や相談をまだ集めていない場合は、商品を買ってくれた方に「どこでつまずきましたか」「どんな手助けがあれば進めそうですか」と聞いてみてください。返ってきた答えが、そのまま上の段の中身の候補になります。
価値の階段でよくある失敗
最後に、価値の階段を作るときにつまずきやすいところを整理します。
| よくある失敗 | どう直すか |
|---|---|
| いきなり段を増やしすぎて、自分でも違いを説明できない | まずは2段にして、違いを一言で言えるようにする |
| 高い段の中身が、安い段とほとんど同じ | 直接の質問・個別のフィードバックなど、支援の違いを足す |
| 段の名前だけ変えて、中身を書いていない | 「何をしてもらえるか」を箇条書きで見せる |
| 高い段を案内することをためらい、誰にも伝えていない | 必要な人のための選択肢として、隠さず伝える |
| 安い段で成果を感じた人に、次の段を案内していない | 成果が出たタイミングで、次の段があることを伝える |
特に多いのが、2つ目の失敗です。価格だけが違って中身が同じだと、お客様は安いほうを選びます。それはお客様が悪いのではなく、段の設計の問題です。
まとめ
- 商品が1つだけだと、予算が合わない人と、深い支援を求める人の両方を取りこぼす
- 高い商品は、より深い支援を必要とする人のための選択肢と考える
- まずは「手に取りやすい商品」と「深い支援の商品」の2段から始める
- 価格だけでなく、お客様が目指すところの大きさで段を分けてもいい
- 段ごとの価値の違いを、「何をしてもらえるか」で具体的に伝える
まずは、今ある商品を1つ書き出し、その横に「もう少し手に取りやすくするなら何を切り出すか」「もっと深く支援するなら何を足すか」を1行ずつ書いてみてください。その2行が、あなたの価値の階段の最初の設計図になります。
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