フロントエンドとバックエンドの考え方を学ぶと、「なるほど、本命の商品の前に安いお試し商品を置けば、もっと売れるようになるんだ」と思いますよね。
その発想自体は、とても良いものです。ただ、少しだけ立ち止まってください。商品の性質によっては、そのお試し商品が、せっかく買う気になってくれたお客様を逃す「余計な一手」になってしまうことがあります。
結論から言うと、フロントエンドは、本命の商品とお客様の間に「大きな距離」があるときだけ置くものです。本命の商品がすでに買いやすいものなら、その前に何かを挟む必要はありません。
この記事では、フロントエンドが逆効果になるのはどんなときか、自分の商品に必要かどうかを見分ける4つの質問、そして不要だったときに代わりにやるべきことをお伝えします。
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フロントエンドは「橋」、いらない場所に架けると障害物になる
フロントエンド商品を置く目的は、高額な本命の商品(バックエンド)への橋渡しです。いきなり高額な商品を勧められても、多くの人は決められません。そこで、手に取りやすい商品で先にあなたのことを知ってもらい、信頼を作ってから本命を案内します。
この考え方の基本は、フロントエンド・バックエンド戦略の2つの役割で解説しています。
では、本命の商品が、もともと「すぐ向こう岸にある」ものだったらどうでしょうか。お客様が自分で気軽に渡れる距離なのに、わざわざ手前に別の商品を置くと、それは丁寧な橋ではなく、行く手をふさぐ障害物になってしまいます。
お客様が取るステップは、少ないほど迷わずに進めます。これが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。
すでに欲しい人に、遠回りをさせてしまうと
すでに「この商品が欲しい」と思ってくれている人に、「その前に、まずこちらのお試し商品をどうぞ」と案内すると、何が起きるでしょうか。
- その間に、気持ちが冷めてしまう
- 「なんだか手間がかかるな」と感じて、離れてしまう
- 安いお試し商品で満足して、本命の商品を買わなくなる
- もっと手早く買える、ほかの商品を選んでしまう
どれも、本来なら届いたはずの売上を逃す形です。しかも、売り手の側からは「お試し商品が売れた」ように見えるので、失っているものに気づきにくいのが厄介なところです。
よくある失敗のパターン
たとえば、数千円で買える初心者向けの教材を売っている人が、「フロントエンドが必要らしい」と聞いて、その前に500円の小冊子を作ったとします。
小冊子はそれなりに売れました。でも、本命の教材の売上は伸びません。小冊子を読んだ人の多くが、「だいたい分かった」と満足してしまったからです。もともと教材を買うつもりだった人も、小冊子の分だけ遠回りをしています。
このケースでは、小冊子を作る時間を、教材そのものの案内や、教材を買った人への次の提案に使ったほうが、ずっと売上につながったはずです。
もう一つよくあるのが、商品の数が増えすぎて、お客様が「どれから買えばいいのか」迷ってしまうパターンです。お試し商品、入門講座、本命の講座と並べたものの、それぞれの違いがはっきりしない。すると、比べるのに疲れた人から順に離れていきます。商品を足す前に、「この商品は、誰のどんな迷いを減らすためのものか」を一文で言えるか確かめてみてください。言えないなら、その商品はまだ置かなくて大丈夫です。
あなたの商品に、フロントエンドは必要か? 4つの質問
では、自分の商品にフロントエンドが必要かどうかは、どう見分ければいいのでしょうか。本命の商品について、次の4つの質問に答えてみてください。
| 質問 | 「はい」が多いと |
|---|---|
| 1. 初心者でも、そのまま始められる内容か | 最初の一歩として手に取りやすい |
| 2. 価格は、数千円から2万円くらいまでの手に取りやすい範囲か | 迷わず決めやすい |
| 3. すでに売れた実績があり、買った人の声があるか | 安心して選ばれやすい |
| 4. 1週間ほどのメールでの案内だけで、買うかどうか判断してもらえるか | 別の橋渡しがなくても決められる |
多くの質問に「はい」がつくなら、あなたの本命の商品は、それ自体がすでにフロントエンド向きの商品です。その前に、さらにお試し商品を置く必要はありません。
反対に、「いいえ」が多い場合は、本命の商品とお客様の間に距離があります。その距離を埋める橋として、フロントエンドを考える価値があります。
フロントエンドが必要になるのは、どんなときか
フロントエンドが本当に役立つのは、本命の商品の参加ハードルが高く、メールでの案内だけでは決めてもらうのが難しいときです。
たとえば、月々の費用が大きい法人向けのサービスや、数十万円以上の個別コンサルのように、決断が重い商品を想像してください。文章を読んだだけで申し込む人は、ほとんどいません。こうした商品では、少額のセミナーや体験の場を先に用意して、「この人なら任せられる」と感じてもらう時間を作ります。
高額な講座やコンサルを売る場合は、有料のお試し商品の代わりに、無料で参加できる短い企画を橋として使う方法もあります。たとえば3日間のチャレンジ企画で、参加者に実際に手を動かしてもらい、自分の課題に気づいた人だけを個別面談に案内する形です。流れの全体は、チャレンジ企画の完全ガイドにまとめています。
迷ったときは、買った人と買わなかった人に聞く
4つの質問に答えても、「はい」と「いいえ」が半々で決めきれないこともあります。そんなときは、頭の中で考え続けるより、お客様の声で確かめるのが確実です。
すでに本命の商品を買ってくれた人がいれば、「申し込む前に、何に迷いましたか」「何があれば、もっと早く決められましたか」と聞いてみてください。「価格が高くて迷った」という声が多ければ、少額で試せる場があると決めやすくなるかもしれません。「自分にできるか不安だった」という声が多ければ、お試し商品よりも、体験談や手順の見える案内のほうが役立つかもしれません。
案内を見たのに申し込まなかった人にも、答えてもらえる範囲で理由を聞いてみましょう。迷った理由が分かれば、フロントエンドを作るべきか、今の案内を直すべきかが見えてきます。フロントエンドは、お客様の迷いを減らすための手段の一つにすぎません。作ること自体を目的にしないことが大切です。
フロントエンドが不要だったときに、やるべきこと
4つの質問で「フロントエンドは不要」と分かったら、取るべき道はシンプルです。
- 本命の商品の前に、余計な商品を挟まない
- 本命の商品までの案内を、できるだけ短く分かりやすくする
- 本命の商品を買ってくれた人に、さらに価値の高い次の商品を提案できないか考える
3つ目が、フロントエンド向きの商品を持っている人にとって大切な視点です。買ってくれた人は、すでにあなたを信頼してくれています。その人たちに、より深いサポートや次の段階の商品を案内することで、一人のお客様と長くお付き合いできるようになります。
どの順番で商品を並べるかは、最初は2段で十分な「価値の階段」の作り方が参考になります。
まとめ
- フロントエンドは、本命の商品とお客様の間に大きな距離があるときだけ置く「橋」
- すでに買いやすい商品の前にお試し商品を置くと、お客様を逃す余計な一手になる
- 初心者向けか、手に取りやすい価格か、売れた実績があるか、メールの案内だけで判断できるか。この4つの質問で見分ける
- 決断の重い高額な商品では、少額のセミナーや無料の企画を橋として使う
- フロントエンドが不要なら、本命までの道を短くし、買ってくれた人への次の提案を考える
まずは、あなたの本命の商品を4つの質問に当てはめてみてください。「はい」がいくつつくかで、次に作るべきものが、お試し商品なのか、買った人への次の商品なのかが見えてきます。
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