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屋号に想いを詰め込む人ほど、名前を覚えてもらえません|個人名か屋号かの選び方と、名前・見た目を決める5つの基準

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講座やコーチングを始めようとしたとき、最初に悩むのが「名前」と「見た目」です。自分の名前で活動するのか、屋号をつけるのか。屋号にするなら、どんな言葉にするか。ロゴはどうするか。色は何にするか。

考え始めると、いつまでも決まりません。想いを込めた名前をいくつも書き出し、どれもしっくりこない。ロゴのデザインを見比べて、気づけば何週間もたっている。その間、講座の中身はまったく進んでいない。こういう方は少なくありません。

結論から言うと、名前と見た目で迷い続ける原因は、センスではなく「決める順番」と「基準」がないことです。先に中身を固め、名前は覚えてもらうための道具として基準で選び、見た目はそろえることを優先する。この順番なら、名前も見た目も短い時間で決められます。

この記事では、名前や見た目より先にやること、個人名と屋号の選び方、名前を決める5つの基準、見た目をそろえる考え方を解説します。

名前や見た目は、中身の「拡声器」でしかない

最初にお伝えしたいのは、名前やロゴは、それだけでは評判を作らないということです。

お客様があなたを覚えてくれるのは、名前が素敵だったからではありません。講座を受けて「分かりやすかった」「本当に変われた」と感じたからです。その体験が何度も重なると、「この人の講座なら間違いない」という印象が生まれます。これが、いわゆるブランドの正体です。

名前や見た目は、その印象を広げる拡声器のようなものです。中身が良ければ、良い評判がより遠くまで届きます。反対に、中身が弱いまま見た目だけを整えると、弱さの方が広がってしまいます。

ですから、順番は次のとおりです。

  1. 中身を固める:誰の、どんな悩みを、どう解決するのかを決め、お客様に成果を出してもらう
  2. 呼び名を決める:覚えてもらうための道具として、基準に沿って名前を選ぶ
  3. 見た目をそろえる:決めた名前とロゴと色を、すべての場所で同じにする

名前や見た目に何週間もかけているなら、一度手を止めて、1つ目が済んでいるかを確かめてください。中身の固め方は、チャレンジ企画の完全ガイドでも全体の流れを解説しています。

個人名か屋号かは、「5年後の自分の立ち位置」で決める

名前で最初に迷うのが、自分の名前で活動するか、屋号をつけるかです。どちらが正しいということはありません。決め手になるのは、これから先、あなたがどんな立ち位置で仕事をしていたいか、です。

選び方 向いている人 気をつけたいこと
個人名 自分の考えや人柄そのものを商品にしたい人。自分が前に立ち続けたい人 商品が「その人のもの」になるので、他の人に任せたり、仲間と一緒に作ったりしにくい
屋号 いずれは教える人を育てたり、仲間と一緒に運営したりしたい人 最初は「誰がやっているのか」が伝わりにくい。顔と名前を別に見せる工夫がいる

コーチやコンサル、カウンセラーのように、あなた自身の関わり方が価値になる仕事なら、個人名から始めるのが自然です。相手は「どんな人に相談するのか」を一番気にしているからです。

一方で、いずれは自分のやり方を教えられる人を育てたい、自分は裏方に回りたい、と考えているなら、最初から屋号を用意しておく方が後で楽になります。個人名で強く知られてから屋号に切り替えるのは、思っている以上に大変です。

迷ったときは、5年後の自分を想像してみてください。今と同じように自分が前に立って話しているのか、それとも仲間や受講生が前に立ち、自分は仕組みを整えているのか。その姿に合う方を選べば、後悔は少なくなります。

実名かどうかも、先に決めておく

実名を出さずに活動することもできます。ただし、支払いや契約の場面では、どこかで本名を伝えることになります。そのときに、活動名との関係をどう説明するかを先に考えておくと安心です。

名前を途中で変えると、それまでに積み上げた評判や検索での見つけやすさがいったんリセットされます。最初に少しだけ時間をかけて、長く使える形を決めておくのがおすすめです。

名前を決める5つの基準

屋号や活動名をつけるときは、想いを表現することより、覚えてもらう道具として役に立つかを優先します。名前は一瞬で決めるものですが、想いはこれから何年もかけて、講座や発信の中身で伝えていくものだからです。

名前の候補を出したら、次の5つの基準で確かめてください。

基準 確かめ方
1. 一度で読める 初めて見た人が、読み方を迷わずに声に出せるか
2. 打ち込みやすい 耳で聞いた人が、スマホで一度に変換・入力できるか
3. 口頭で伝わる 電話や窓口で伝えたとき、相手が聞き返さずに書き取れるか
4. 説明しすぎていない 事業の中身や理念を全部詰め込んで、長くなっていないか
5. 覚えるきっかけがある 由来を一言で話せて、聞いた人が「なるほど」と思えるか

1つ目から3つ目は、人に紹介してもらうときに効いてきます。受講生が友人にあなたのことを話してくれたとき、その友人が名前を検索できなければ、せっかくの紹介が途中で切れてしまいます。

4つ目は、多くの方がつまずくところです。「〇〇で悩む人の△△を××する会」のように、説明を全部名前に入れたくなる気持ちはよく分かります。でも、長い名前は覚えられません。説明は、名前のすぐ下に一文で添えれば十分です。

5つ目は、名前を覚えてもらうための工夫です。まったく意味の分からない言葉は、興味を持たれずに忘れられます。反対に、ありふれた言葉は、ほかの何かと混ざってしまいます。聞いたことのある言葉を組み合わせつつ、由来を聞くと少し意外で、「だからこの名前なんですね」と腑に落ちる。そのくらいのバランスが、一番記憶に残ります。

たとえば、家計の相談にのる人がいたとします

子育て中の家庭向けに、家計の見直しを手伝う人がいたとします。最初に考えた屋号は、「子育て家庭のための家計見直しと将来設計のサポートオフィス」でした。やっていることは全部入っていますが、長すぎて誰も覚えられません。

そこで、5つの基準で考え直します。説明は名前の下に一文で添えることにして、名前そのものは短くする。本人がいつも相談の最初に「まず1か月分のレシートを一緒に並べましょう」と言っていることから、レシートにちなんだ短い名前にする。聞いた人が「どうしてレシートなんですか」と尋ねたくなり、由来を話すと「なるほど」と覚えてもらえます。

このように、名前は相談の現場でいつもやっていることから探すと、無理のない、その人らしい名前が見つかりやすくなります。

見た目は「作り込む」より「そろえる」

名前が決まったら、次は見た目です。ここで大切なのは、凝ったデザインを作ることではなく、すべての場所でそろえることです。

ブログ、SNSのプロフィール、メルマガ、申し込みのページ、講座の教材。お客様は、いくつもの場所であなたに触れます。そのたびにロゴや色や写真が違うと、同じ人だと気づいてもらえません。どんなに素敵なデザインでも、場所ごとに違えば印象は散らばってしまいます。

そろえておきたいのは、次の4つです。

  • ロゴ:1つに決めて、すべての場所で同じものを使う
  • 色:基本の色を2〜3色に絞り、ページや資料で同じ色を使う
  • 写真:プロフィールの写真を1枚に決め、どこでも同じものを使う
  • 名前とアドレス:屋号とサイトのアドレスの表記をそろえる

とくに、申し込みのページだけ色や雰囲気が違うと、お客様は「このページで合っているのかな」と不安になって手を止めます。見た目をそろえることは、安心して申し込んでもらうための準備でもあるのです。

そろえる作業は、一度にやらなくても構いません。まずは、お客様が一番よく見る場所から直します。多くの場合、それはSNSのプロフィールと、申し込みのページです。そのあとで、ブログや教材など残りの場所を順番に合わせていけば、無理なく全体がそろっていきます。

ロゴは、シンプルで長く使えるものを

ロゴは、複雑なものである必要はありません。むしろ、文字だけのシンプルなものの方が、小さなアイコンにしても大きな画面に出しても形が崩れず、長く使えます。

自分で作るなら、拡大や縮小をしても画質が落ちない形式で保存しておくことを覚えておいてください。人に頼む場合は、SNSのプロフィールやヘッダーなど、使う予定の大きさの画像もまとめて用意してもらうと、あとで作り直す手間が省けます。

名前と見た目で、やりがちな3つの失敗

最後に、名前と見た目でよくある失敗を挙げておきます。

  • 決めるまで講座の中身を止める:名前や見た目は、中身が固まってからでも間に合います。仮の名前で始めて、中身が固まった段階で決めても遅くありません
  • 途中で何度も変える:名前やロゴを変えるたびに、覚えてもらったことが一からやり直しになります。一度決めたら、少なくとも数年は使い続ける前提で決めます
  • 自分の好みだけで選ぶ:見るのはお客様です。自分がかっこいいと思う言葉より、お客様が普段使う言葉に近い方が、覚えてもらいやすくなります

3つ目の、お客様の言葉に近づける考え方は、見込み客が普段使う言葉に言い換える方法でも詳しく書いています。

名前と見た目が決まったら、あとは中身で名前を育てていくだけです。講座を受けた人が成果を出し、その人が誰かにあなたの名前を伝えてくれる。そのくり返しで、名前は少しずつ「この人なら」という意味を持つようになります。自分の経験の中から、講座の中身になる材料を探す方法は、経験と知識を商品の材料に変える棚卸しで解説しています。

まとめ

  • 名前や見た目は、中身の評判を広げる拡声器。先に中身を固める
  • 個人名か屋号かは、5年後に自分が前に立っているか、仕組みを整えているかで決める
  • 名前は想いを詰め込むより、「読める・打ち込める・口頭で伝わる・短い・由来がある」の5つで選ぶ
  • 見た目は作り込むより、ロゴ・色・写真・表記をすべての場所でそろえる
  • 一度決めた名前と見た目は、何度も変えずに使い続けて育てる

まずは今考えている名前の候補を、家族や友人に口頭で伝えてみてください。聞き返されずに書き取ってもらえるかどうか。それが、最初の確かめになります。