LINEやメルマガの登録特典として、何十ページもの丁寧な解説の資料を作った。自分の知っていることを出し惜しみせず詰め込んだ。それなのに、受け取った人から反応がない。感想も質問も届かない。こういう経験のある方は多いのではないでしょうか。
資料が読まれないのは、中身が悪いからではありません。受け取った人の多くは、長い文章を読む時間を取れないからです。登録した直後はやる気があっても、数ページ読んだところで手が止まり、そのまま忘れられてしまいます。
結論から言うと、登録特典は「読むもの」より「使うもの」にした方が、あなたとの関係が続きます。その代表がチェックリストです。やることが一覧になっていて、一つ終えるたびに印を付けられる。これだけで、資料は読み物から「手元に置いて使う道具」に変わります。
この記事では、チェックリストが行動につながる理由、見込み客が使ってくれるチェックリストの5つの要素、項目の書き方と分け方、そしてよくある失敗を解説します。
長い解説の資料は、途中で閉じられる
まず、長い解説の資料がなぜ最後まで読まれないのかを整理します。
登録特典を受け取る人の多くは、「今の悩みを早く解決したい」と思っています。知りたいのは、細かい背景や理屈より、「結局、何をすればいいのか」です。ところが長い解説の資料は、その答えにたどり着くまでに何ページも読まなければなりません。
さらに、読み終えたあとに「では自分は何から始めればいいか」を、読んだ人が自分で組み立て直す必要があります。この組み立て直しが、多くの人にとって一番の負担です。結果として、「良いことが書いてあった気がする」で終わり、行動には移りません。
行動に移らないと、あなたの教える内容が役に立つという実感も生まれません。登録特典の役割は、見込み客に「この人の言うとおりにやったら、少し進んだ」と感じてもらうことです。そこまで届かないと、特典を渡した意味が薄れてしまいます。
チェックリストが行動につながる3つの理由
チェックリストは、この問題をまとめて解決してくれます。理由は3つあります。
- 全体が一目で見える:やることの数と順番が、1枚か数枚で分かる。どこまで進めばいいかの見通しが立つ
- 次にやることが1つに決まる:印の付いていない一番上の項目が、次にやること。読んだ人が組み立て直す必要がない
- 進んだ実感が残る:印が増えていくので、自分が進んでいることが目に見える
特に3つ目が大事です。人は、自分が進んでいると感じられるものを続けます。印を1つ付けるたびに、小さな「できた」が積み上がります。そして、その「できた」をくれたのは、あなたの作ったチェックリストです。特典で小さな成功を渡せると、見込み客はその先の講座にも期待を持つようになります。 特典の中身そのものの選び方は、読者をファンに変える特典の4つの条件で解説しています。
使ってもらえるチェックリストの5つの要素
では、どんなチェックリストなら使ってもらえるのか。私は次の5つの要素で組み立てます。
| 要素 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 1. 題名 | 何のためのチェックリストかが一目で分かる言葉 | 「初めての個別相談の前日までにやること」 |
| 2. 短い説明 | 誰の、どんな悩みのためのものかを1〜2文で | 「個別相談を始めたいけれど、何を準備すればいいか分からない方へ」 |
| 3. 分類 | 項目をまとまりに分ける見出し | 「3日前」「前日」「当日」 |
| 4. 項目 | 1つずつの具体的な行動と、印を付ける四角 | 「□ 相談の最初に聞く質問を3つ書き出す」 |
| 5. 作った人 | あなたの名前と、どこから届いた資料か | 表紙や最後のページに、名前とブログやLINEの案内 |
1つ目の題名と2つ目の説明は、受け取った人が「これは自分のためのものだ」と分かるためのものです。「集客チェックリスト」のような広い題名より、「誰が、どの場面で使うか」まで入っている方が、手に取ってもらえます。
3つ目の分類は、項目が10を超えるときに必要になります。分類がないと、項目がただ縦に並ぶだけになり、どこから手を付ければいいか分からなくなります。見出しの下に線を1本引く、文字を少し大きくするなど、見出しと項目の違いが目で見て分かるようにしておきます。
5つ目の「作った人」は、忘れられがちな要素です。資料は、転送されて、あなたを知らない人の手に渡ることがあります。そのとき「誰が作ったのか」が分からないと、あなたのところに戻ってくる道がありません。表紙にはあなたの名前を入れ、できれば仕事をしている様子の写真など、自分の写真を使ってください。どこかで見たような素材の写真より、あなたの顔や活動が見える方が、受け取った人は安心して中身を読み進めます。
項目は「1項目=1つの行動」で書く
5つの要素の中で、一番時間をかけたいのが4つ目の項目の書き方です。ここがあいまいだと、チェックリストは使われません。
項目を書くときの決まりは、「誰が読んでも同じ行動が取れる言葉で、1つの項目に1つの行動だけを書く」ことです。良くない例と直した例を並べてみます。
| 良くない書き方 | 直した書き方 | 直したところ |
|---|---|---|
| □ 準備をする | □ 相談で使う質問を3つ紙に書く | 何をするかを具体的にした |
| □ お客様の理解を深める | □ 申込フォームの回答を読み、悩みに線を引く | 目で見て終わったか分かる行動にした |
| □ 資料を作り、日程を決め、案内を送る | □ 資料を作る/□ 日程を決める/□ 案内を送る | 3つの行動を3つの項目に分けた |
| □ しっかり振り返る | □ 良かった点と直す点を1つずつ書く | 終わりの目安をはっきりさせた |
ポイントは、印を付けるときに迷わないことです。「理解を深める」「しっかり振り返る」のような言葉は、どこまでやれば終わりなのかが分かりません。終わりが分からない項目には、誰も印を付けられません。「書く」「送る」「決める」のように、終わったかどうかがはっきりする言葉で書きます。
もう一つの決まりは、1つの項目に行動を詰め込まないことです。「資料を作り、日程を決め、案内を送る」を1つの項目にすると、資料だけ作った人は印を付けられず、そこで止まってしまいます。分けておけば、1つ終えるたびに印が付き、進んでいる実感が残ります。
分け方は「時間の順」か「目的別」の2つ
3つ目の要素の分類には、2つの分け方があります。
1つ目は時間の順です。「1週間前」「3日前」「前日」「当日」のように、いつやるかで分けます。準備や手順のように、やる順番が決まっているものに向いています。受け取った人は、今日の日付を見て、どの見出しの項目をやればいいかがすぐ分かります。
2つ目は目的別です。「集客のためにやること」「当日の中身のためにやること」「終わったあとのためにやること」のように、何のためにやるかで分けます。順番より、抜け漏れを防ぐことが大事なものに向いています。
どちらにするか迷ったら、受け取った人がそのチェックリストを「いつ開くか」を考えてください。予定に合わせて開くなら時間の順、作業の途中で確かめるために開くなら目的別が使いやすくなります。
チャレンジ企画の準備も、時間の順のチェックリストにしておくと便利です。開催の何日前に何をするかが決まっていれば、当日に慌てずに済みます。そのチェックリストの考え方は、チャレンジ企画の開催前チェックリスト12項目で紹介しています。
たとえば、整理収納のコーチがいたとします
5つの要素を、例に当てはめてみます。家の片づけを教える整理収納のコーチがいたとします。これまでの登録特典は、片づけの考え方を丁寧に書いた長い資料でした。
このコーチは、特典をチェックリストに作り直しました。題名は「散らかったリビングを週末2日で片づけるチェックリスト」。説明には「平日は時間が取れない共働きの方へ」と書きます。分類は「土曜の午前」「土曜の午後」「日曜」の時間の順です。
項目は、「□ 床に置いてある物を、全部1か所に集める」「□ 1年使っていない物を、袋に分けて入れる」のように、1つの行動ずつ書きました。最後のページには、コーチの名前と、個別の相談の案内を載せます。
受け取った人は、週末にこのチェックリストを横に置いて片づけを進めます。印が全部付いたとき、リビングは片づいていて、「この人の言うとおりにやったら、本当に片づいた」という体験が残ります。長い資料では届かなかったところまで、チェックリストなら届くわけです。
チェックリストでよくある3つの失敗
最後に、チェックリストを作るときにやりがちな失敗を挙げておきます。
- 項目を詰め込みすぎる:知っていることを全部入れたくなりますが、項目が多すぎると、見ただけで気持ちが重くなります。最初の特典なら、1回の週末や数日で終えられる量に絞ります
- 解説を項目の中に書く:1つの項目の下に長い説明が続くと、結局は読み物に戻ってしまいます。説明が必要なら、1〜2行の補足にとどめるか、別の動画や記事に分けます
- 見た目に時間をかけすぎる:表紙の色や飾りに何日もかけるより、項目の言葉を磨く方が使われるチェックリストになります。見た目は読みやすく整っていれば十分です
チェックリストの価値は、見た目ではなく、受け取った人が実際に使って、少し前に進めるかどうかで決まります。作り終えたら、自分や身近な人に一度使ってもらい、印を付けるときに迷う項目がないかを確かめてから配ってください。
まとめ
- 長い解説の資料は、答えにたどり着くまでが長く、読んだあとに自分で組み立て直す必要があるため、途中で閉じられる
- チェックリストは、全体が見え、次にやることが1つに決まり、進んだ実感が残るので行動につながる
- 題名・短い説明・分類・項目・作った人の5つの要素で組み立てる
- 項目は「1項目=1つの行動」で、終わったかどうかがはっきりする言葉で書く
- 分け方は、予定に合わせて開くなら時間の順、作業中に確かめるなら目的別
まずは、あなたが見込み客によく伝えている「最初にやってほしいこと」を、1項目1行動で5つ書き出してみてください。それが、あなたの最初のチェックリストの骨組みになります。


