ブログやSNSで発信を始めると、「こうすれば早く読まれる」「この方法で一気に伸びた」という話がたくさん目に入ってきます。真面目にコツコツ書いている自分より、そういうやり方をしている人の方が先に伸びているように見える。焦る気持ちになりますよね。
一方で、こんな話もよく聞きます。ある日突然、検索からの読者がほとんど来なくなった。昨日まで表示されていた投稿が、急に誰にも届かなくなった。何が悪かったのか分からないまま、積み上げてきたものが止まってしまうのです。
結論から言うと、発信の場のルールを決めるのは、私たちではなく場の持ち主です。抜け道のようなやり方は、いつか必ず塞がれます。だからこそ、場の持ち主と読者の両方に喜ばれる発信を続けることが、遠回りに見えて一番確かな集客になります。
この記事では、なぜ抜け道に頼ると集客が止まるのか、場の持ち主と読者と自分がそろって得をする考え方、そして集客を積み上げるための5つの考え方を解説します。検索の細かい仕組みではなく、どんな場でも通じる考え方の話です。
ルールを決めるのは、場の持ち主
ブログを検索で読んでもらうにしても、SNSで投稿を届けるにしても、私たちは誰かが作った場を借りて発信しています。そして、その場で何が良くて何がだめかを決めるのは、場の持ち主です。
ここで知っておきたいのは、場の持ち主は「疑わしいものは外す」という考え方で動いていることが多い、ということです。場には毎日、数えきれないほどの発信が集まります。一つひとつを丁寧に確かめる余裕はありません。だから、少しでも怪しいと判断されたものは、理由の説明もなく外されることがあります。
しかも、判断の基準はときどき変わります。昨日まで問題なかったやり方が、今日から通用しなくなる。そして、その変化に文句を言っても、元には戻りません。場を借りて発信する以上、結果の責任は自分で引き受けるしかない。 まずこの前提を受け入れることが出発点です。
抜け道は、見つけた瞬間から古くなる
「みんなやっているのに、なぜ自分だけ」と感じることもあるかもしれません。抜け道のようなやり方で伸びている人が周りにいると、自分も手を出したくなります。
でも、抜け道には3つの弱点があります。
| 弱点 | 起きること |
|---|---|
| いつ塞がれるか分からない | ある日突然、それまでの積み上げが止まる |
| 情報がすぐ古くなる | 教わった時点で、もう通用しなくなり始めている |
| 手間がかかり続ける | 見つからないように隠す作業に、時間を取られ続ける |
特に見落とされがちなのが3つ目です。抜け道は、ばれないように工夫し続ける必要があります。その時間は、読者のために使える時間だったはずです。しかも、そうして積み上げたものが、ルールの変更一つで消えてしまうことがある。投資として見ると、割に合いません。
周りで伸びている人が抜け道を使っていたとしても、それは「今」だけの話かもしれません。場の持ち主は、少しずつ抜け道を塞ぐ方向に動いています。長く続けたいなら、その流れに逆らわないほうが得です。
場の持ち主・読者・自分がそろって得をする形
では、場の持ち主は何を喜ぶのでしょうか。ここを理解すると、やるべきことがはっきりします。
場の持ち主も、利益を求める事業者です。そして多くの場合、利益は「人がその場にどれだけ長くいてくれるか」で決まります。人が長くいれば、広告が見られる機会も、サービスが使われる機会も増えるからです。場の持ち主にとっての本当の競争相手は、同業者だけではありません。人の時間を奪うものすべてです。
ここから、次のような流れが見えてきます。
- 読者の役に立つ発信をする
- 読者が発信を最後まで読み、長くその場にいてくれる
- 場の持ち主が得をするので、その発信を多くの人に届けてくれる
- 読んでくれる人が増え、自分にも問い合わせや申し込みが届く
この流れの中では、読者も、場の持ち主も、自分も、それぞれ自分のために動いています。それでいいのです。大事なのは、自分の目先の得だけを取りにいって、この流れを止めないことです。読者をだますような発信や、中身のない発信は、この流れを止めるので、いずれ場から外されます。
そして、この流れは自分の売上にもつながっています。読者が長く読んでくれるということは、それだけあなたの考えに触れているということです。読まれる時間が長いほど、信頼が育ち、申し込みにもつながりやすくなります。 場の持ち主が喜ぶことと、自分が喜ぶことは、ちゃんと重なっているのです。
集客を積み上げる5つの考え方
ここからは、場の持ち主と読者の両方に喜ばれる発信を続けるための考え方を5つにまとめます。
考え方1:読者の役に立つことから始める
どんな工夫よりも先に、「この発信を読んだ人は、何が分かって、何ができるようになるのか」を考えます。読者の悩みに正面から答えているか。読んだあとに一歩動けるか。ここがずれていると、どんな工夫も長続きしません。
考え方2:最後まで読みたくなる中身にする
正しいことが書いてあるだけでは、読者は途中で離れていきます。自分の経験から出てきた視点、図や表での整理、読んでいて退屈しない話の運び。こうした一手間が、読者に長くいてもらう理由になります。一手間は面倒です。でも、その面倒さこそが、まねされにくい強みになります。
考え方3:新しいことは「試す枠」で小さく試す
ずっと同じやり方だけを続ける必要はありません。新しい機能や新しい見せ方は、どんどん試してみていい。ただし、試すのは全体の一部だけにします。
| 枠 | 中身 | ねらい |
|---|---|---|
| 積み上げる枠 | 読者の役に立つ発信を、同じ質で出し続ける | 長く効く土台を作る |
| 試す枠 | 新しい見せ方や機能を小さく試す | 変化に早く気づく |
積み上げる枠を土台にしながら、試す枠で様子を見る。両方を動かしておくと、場のルールが変わっても慌てずにすみます。
考え方4:すべて見られていると思って振る舞う
場の持ち主は、仕組みだけでなく人の目でも発信を確かめていることがあります。そして、発信の中身だけでなく、あなたのふだんの言葉づかいや、ほかの人への接し方も、どこかに記録として残っています。
誰に見られても恥ずかしくない発信をする。人を傷つける言葉を使わない。ルールに反することは、たとえ周りがやっていてもやらない。これは道徳の話というより、長く続けるための一番の守りです。
考え方5:読者との関係を、自分の手元に置く
最後に、借りている場の外にも、読者とつながる場所を持っておきます。メルマガやLINEのように、場のルール変更の影響を受けにくいところです。場で出会った読者に、手元の場所へ来てもらう流れを作っておけば、ある日場からの読者が減っても、関係はなくなりません。
媒体ごとの役割と、告知を流す順番については、SNS・メルマガ・LINEの役割の違いと配信の順番で解説しています。
たとえば、整理収納を教える人がいたとします
例を出してみます。整理収納のコツを発信している人がいたとします。
この人は、早く読者を増やしたくて、流行りの言葉を並べただけの投稿や、ほかの人の記事を少し言い換えただけの記事を量産し始めました。最初は少し読まれましたが、読者はすぐに離れ、しばらくすると場からの読者もほとんど来なくなりました。
そこで、やり方を変えます。自分がお客様の家で実際に片づけをしたときの手順を、写真と表を使って1本ずつ丁寧にまとめる。読者の「どこから手をつければいいか分からない」という悩みに、最初の一歩で答える。新しい見せ方は、週に1本だけ試す。そして、記事の最後では、片づけの手順をまとめたメールの案内をする。
発信の数は減りましたが、1本ずつが長く読まれるようになり、メールで相談をくれる人が少しずつ増えていきます。場からの読者が多少上下しても、メールでつながった人との関係は残り続けます。
抜け道に手を出したくなったときの3つの問い
それでも、伸びている人を見て気持ちが揺れることはあります。そんなときは、次の3つを自分に聞いてみてください。
- このやり方は、読者の役に立っているか。それとも、場の持ち主の目をごまかしているだけか
- このやり方が明日使えなくなったら、手元に何が残るか
- このやり方を、自分のお客様に胸を張って説明できるか
3つのうち1つでも答えに詰まるなら、そのやり方は見送った方が安全です。迷ったときに立ち返る基準を先に決めておくと、周りの話に振り回される時間がぐっと減ります。
読んでくれる人が少なくても、売上は作れる
ここまで読んで、「地道すぎて、いつまでも読者が増えないのでは」と不安になった方もいるかもしれません。
でも、講座やコンサルを売る個人に、大勢の読者は必要ありません。私自身、メルマガの読者が約100人の時に月収100万円になっています。読者の数より、読んでくれる人との関係の深さが売上を決めていました。少人数から売上を作る考え方は、集客3名でも売上は作れる理由でも書いています。
抜け道で一時的に大勢を集めるより、役に立つ発信で、深くつながる少数の読者を積み上げる。その方が、場のルールが変わっても揺らがない集客になります。発信から講座の案内までの全体の流れは、チャレンジ企画の完全ガイドにまとめています。
まとめ
- 発信の場のルールを決めるのは場の持ち主。抜け道はいつか塞がれ、結果の責任は自分が引き受けることになる
- 場の持ち主は、人に長くいてもらうことを喜ぶ。読者の役に立つ発信は、読者・場の持ち主・自分の三方にとって得になる
- 積み上げる枠を土台にし、新しいことは試す枠で小さく試す
- 誰に見られても恥ずかしくない振る舞いが、長く続けるための一番の守りになる
- 借りている場の外に、読者とつながる手元の場所を持っておく
まずは、最近の発信を3本見直して、「読者はこれを読んで何ができるようになるか」を一言で書けるか確かめてみてください。書けなかった発信が、最初に手を入れるところです。


