3日間のチャレンジ企画の初日。最初が肝心だと思って、準備してきたノウハウをしっかり伝えた。内容には自信がある。それなのに、2日目になるとZoomに来る人が減り、宿題もあまり集まらない。
こうした経験から、「内容が物足りなかったのかも」と考えて、次の回ではさらに情報を増やす方がいます。でも、実は逆のことが起きている場合が多いのです。
結論から言うと、Day1はノウハウを詰め込む日ではありません。3日間の全体像を見せて、参加者に「自分にもできそう」「この3日間で前に進めそう」と安心してスタートしてもらう日です。
この記事では、Day1で難しい話をすると2日目に人が減る理由、Day1の3つの目的、そしてDay1を組み立てる9つのステップを解説します。最後に、AIで作ったDay1の構成案を確かめる5つの基準も紹介します。
3日間全体の流れは、チャレンジ企画の完全ガイドにまとめています。
Day1で難しい話をすると、なぜ2日目に人が減るのか
初日に難しい話や細かいノウハウをたくさん伝えると、参加者の中には、次のような気持ちが生まれます。
- 思ったより難しそう
- 自分には無理かもしれない
- 何からやればいいのか分からない
- 情報が多すぎて整理できない
こう感じた人は、2日目に参加する理由が弱くなります。宿題に手をつける気持ちも起きにくくなります。その結果、Day2以降の参加率と宿題の提出率が下がってしまうのです。
これは、参加者のやる気の問題ではありません。初日はまだ緊張していて、講師との信頼関係もこれからです。その段階で情報をたくさん受け取っても、消化しきれないのは自然なことです。Day1の組み立て方、つまり構造の問題なのです。
たとえば、2つのDay1を比べてみます
イメージしやすいように、同じテーマで2通りのDay1を開いたとします。
一つ目のDay1では、講師が時間いっぱいを使って、集客の方法や文章の型を次々に紹介しました。参加者は熱心にメモを取りましたが、終わったあとに残ったのは「覚えることが多いな」という気持ちでした。
二つ目のDay1では、講師は3日間の地図を見せ、参加者のよくある悩みを言葉にし、「うまくいかなかったのは、やる順番が決まっていなかったからです」と伝えました。そして最後に、自分の現状を書き出すワークに取り組んでもらいました。参加者に残ったのは「自分の場合はここからやればいいんだ」という感覚です。
翌日も参加したくなるのは、どちらでしょうか。3日間の中でDay1が担う役割は、ワークと宿題で人を動かすHOW設計でも整理しています。
Day1の目的は、3つだけ
Day1で参加者に分かってもらうのは、次の3つです。
- この3日間で、何をやるのか
- 自分は、何を目指せるのか
- 今の状態からでも、前に進めるのか
この3つが分かると、参加者は「まずはここから始めればいいんだ」と感じられます。Day1の役割は、参加者をいきなりゴールまで連れていくことではなく、安心してスタートできる状態を作ることです。
そのために、Day1では参加者に次のことを整理してもらいます。
- 今、自分がどんな状態なのか
- なぜ今まで前に進めなかったのか
- この3日間で何をやるのか
- どこまでできれば十分なのか
- 最初に何をやればいいのか
参加者の頭の中にある不安や混乱をほどいて、「まずはこれをやればいい」と分かる状態にする。これがDay1のゴールです。
Day1を組み立てる9つのステップ
Day1は、次の9つのステップで組み立てます。この順番で作ると、参加者が自然に理解しやすくなります。
- 冒頭の挨拶
- このチャレンジ企画の目的
- 参加者の悩みの言語化
- なぜ今までうまくいかなかったのか
- 3日間の全体像
- Day1のメイン講義
- ワーク
- 宿題
- Day2へのつなぎ
大きく分けると、前半の1〜5で「安心」と「自分ごと」を作り、後半の6〜9で「地図を見せて、手を動かし、明日につなぐ」という流れです。順番に見ていきます。
前半(1〜5):安心と「自分のことだ」を作る
1〜2. 挨拶と目的は、短く明確に
冒頭では、参加してくれたことへの感謝を伝えます。長くする必要はありません。「今日は参加していただきありがとうございます。ここから3日間で、〇〇について一緒に整理していきます」くらいで十分です。初日は参加者も緊張しているので、いきなり本題に入るより、少し温度感を整えます。
続いて、この3日間で何を目指すのかを伝えます。参加者が「今日は何をするのか」「自分は何を持ち帰ればいいのか」を分かっていると、安心して取り組めます。
3. 参加者の悩みを、代わりに言葉にする
次に、参加者が今感じている悩みを、講師が代わりに言葉にします。たとえば、チャレンジ企画を教える講座なら、次のような悩みです。
- 自分の商品をどう売ればいいか分からない
- 何から始めればいいか分からず、手が止まる
- AIを使っても、自分の商品に合った文章にならない
- 個別面談へのつなげ方が分からず、売り込みっぽくなる
具体的に言葉にするほど、参加者は「まさに自分のことだ」と感じます。ここでは、講師の専門用語ではなく、参加者が普段使っている言葉を使ってください。言葉の選び方は、見込み客が普段使う言葉に言い換える顧客情報の整理で詳しく解説しています。
4. うまくいかなかった理由は、「構造」で伝える
ここが、Day1で一番大事なステップかもしれません。参加者がこれまで前に進めなかった理由を整理します。
このとき、参加者を責めないことが何より大切です。能力が足りなかったのではなく、構造に原因があった、という形で伝えます。
| 参加者が思い込んでいる理由 | 実際の原因(構造) |
|---|---|
| AIが使いこなせない | AIに渡す材料が整理できていなかった |
| 文章力がない | 誰に・何を・どうやって届けるかが決まっていなかった |
| セールスが苦手 | 面談までの導線がつながっていなかった |
| 商品が悪い | 3日間の体験と商品が自然につながっていなかった |
こう伝えると、参加者は「自分がダメだったわけではない」「整理すれば前に進めるかもしれない」と感じ、前向きになれます。私自身、独立したばかりの頃は、ブログやSNSを続けても、無料相談をしても成約につながりませんでした。今振り返ると、足りなかったのは才能ではなく、やる順番でした。こうした実感があると、参加者にも伝わりやすくなります。
5. 3日間の地図を見せる
前半の最後に、3日間で何をやるのかを見せます。
- Day1:全体像を理解し、自分の現状を整理する
- Day2:整理した内容をもとに、改善ポイントと小さな実践案を作る
- Day3:3日間を振り返り、今後の課題と次の行動をはっきりさせる
先が見えないと、人は不安になります。3日間の地図が見えるだけで、参加者は安心して進めるようになります。
後半(6〜9):地図を見せて、手を動かし、明日につなぐ
6. メイン講義は「細かい技術」より「地図」
Day1のメイン講義では、細かいテクニックを教える前に、全体の地図を見せます。今どこにいて、どこに向かうのかを説明するイメージです。
たとえば、チャレンジ企画を教える講座なら、「材料の整理→軸の設計→商品設計→構成→募集→開催→面談→改善」という流れを、初心者でも分かる言葉で伝えます。専門用語を使いすぎないことがポイントです。
7. ワークで、自分の現在地を書き出してもらう
講義のあとは、その場で取り組むワークです。Day1のワークは、自分の現状を整理するものが向いています。問いは、書きやすく、考えやすいものにします。
- 今、困っていること
- 今まで試したこと
- うまくいかなかった理由
- 本当はどうなりたいのか
- この3日間で整理したいこと
8. 宿題は「少し考えれば書ける」くらいに
宿題は、Day2につながる材料を出してもらうものにします。現状や困りごと、理想の未来、自分の商品の情報、見込み客の悩みなどを書き出してもらいます。
難しすぎると提出率が下がり、簡単すぎると深く考えるきっかけになりません。少し考えれば書ける難しさが目安です。講師にとっても、宿題を読むことで、Day2で深掘りすべきポイントが見えてきます。
9. Day2への期待を作って終わる
最後に、次の日への期待を作ります。「明日は、今日の宿題をもとに、どこを直せばいいのか、何から取り組めばいいのかを具体的にしていきます」と伝えます。
明日参加する理由がはっきりすると、参加率が上がります。Day2の組み立て方は、「直すところを1つ選ぶ」Day2の10ステップで解説しています。
Day1の構成を確かめる5つの基準
Day1の構成は、AIでたたき台を作ることができます。WHO、WHAT、HOW、見込み客の悩み、商品情報などの材料を渡すと、あなたの企画に合った構成案を出してくれます。講座では、そのためのAIへの依頼文も用意しています。
ただし、AIの案はそのまま使わず、自分の経験や見込み客の言葉を入れて直します。確かめるのは次の5つです。
- 難しくしすぎていないか:全体像と可能性を見せることを優先しているか
- 参加者の悩みに触れているか:自分ごととして受け取れる内容か
- 可能性を感じられるか:「自分にもできそう」と思える構成か
- ワークと宿題がDay2につながるか:翌日の内容に接続しているか
- Day2への期待があるか:次の日の価値を伝えているか
Day1が終わったとき、参加者が「自分にもできそう」「まずはこの宿題をやればいい」「できなかった理由が見えてきた」「明日も参加したい」と感じていれば、Day1はうまくいっています。
まとめ
- Day1で難しい話をすると、「自分には無理かも」と感じさせ、Day2以降の参加率と宿題の提出率が下がる
- Day1の目的は、3日間で何をやるか、自分は何を目指せるか、今からでも進めるか、の3つを分かってもらうこと
- 9ステップのうち、前半で安心と自分ごとを作り、後半で地図を見せて手を動かしてもらう
- うまくいかなかった理由は、参加者を責めず「構造」で伝える
- 最後は、Day2への期待を作って終える
まずは、あなたのDay1で話そうとしている内容を書き出して、「細かいノウハウ」と「全体の地図」のどちらが多いかを見比べてみてください。


