商品が少しずつ売れるようになってきた。けれども、ふと不安になることがあります。
「お客様は、本当にこの商品に満足してくれているのだろうか」
「そもそも、どんな人が買ってくれているのだろう」
お客様の顔が見えないまま、手探りでビジネスを進めている方は少なくありません。アクセス数や成約率などの数字は見ていても、その数字の向こうにいる人の姿が分からない。そんな状態です。
結論から言うと、この暗がりを照らしてくれるのが「購入者アンケート」です。実際にお金を払ってくれた人の声には、ビジネスのどこを直せばいいかのヒントが詰まっています。
この記事では、購入者アンケートの2つの目的、回答を集客や商品の見直しにつなげる読み方、そして回答率を上げて声を活用するための5つのコツを解説します。
数字だけでは、お客様の顔は見えない
ビジネスの改善というと、アクセス数、登録率、成約率といった数字を思い浮かべる方が多いと思います。もちろん、数字を見ることはとても大切です。どこで人が離れているかは、数字で分かります。
ただ、数字は「どこで」起きているかは教えてくれても、「なぜ」そうなっているのかまでは教えてくれません。
- なぜ、この人は買ってくれたのか
- なぜ、この人は満足してくれなかったのか
- この人は、どこで私のことを知ったのか
こうした「なぜ」に答えられるのは、お客様本人だけです。だからこそ、数字と合わせてお客様の声を集めることに意味があります。
購入者アンケートの2つの目的
商品が売れ始めたら、ぜひ購入者アンケートを行ってください。目的は大きく2つあります。
目的1:満足度を確かめる
一つ目は、お客様がどれくらい満足しているかを確かめることです。
最初の商品に満足できなかったお客様が、次の商品を買ってくれることはまずありません。反対に、満足度が高ければ、次の商品の案内も受け取ってもらいやすくなり、長くお付き合いが続きます。
アンケートでは「商品に満足しましたか」という設問を入れておきます。このとき大事なのは、満足と答えた人の割合を眺めて安心することより、満足していないと答えた人の理由を先に読むことです。 そこに、商品や案内の直すべき点がはっきり書かれていることが多いからです。
目的2:誰が買っているのかを知る
二つ目が、アンケートの本当の力です。実際に商品を買ってくれたのは「どんな人」なのかを知ることです。
登録ページでは、広めに人を集めていることが多いので、いろいろな人が集まります。その中で、本当に反応してくれる人、つまりあなたにとって理想のお客様が誰なのかを見つけるのです。
年代、仕事、家族構成、今抱えている悩み、商品を知ったきっかけ。こうした情報がそろうと、あなたのビジネスの改善点が驚くほどはっきり見えてきます。
聞いておきたい質問の例
属性を知るための質問は、たとえば次のようなものです。全部を聞く必要はありません。あなたの商品に関係の深いものを選んでください。
- 年代と、今のお仕事(会社員、自営業、主婦・主夫など)
- 商品を知ったきっかけ(ブログ、動画、SNS、知人の紹介など)
- 購入する前に、一番困っていたこと
- 購入を決めた一番の理由
- 購入を迷ったときに、気になっていたこと
特に「購入を決めた一番の理由」と「迷ったときに気になっていたこと」は、販売ページや案内文をそのまま直す材料になります。お客様が自分の言葉で書いてくれた理由は、あなたが頭で考えた売り文句よりも、次のお客様に届きやすいからです。
年代や仕事などの個人に関わる質問は、答えたくない人もいます。「答えられる範囲で」と添えたり、選択肢に「答えない」を入れたりして、答える側の負担を軽くしておきましょう。
回答から、集客と商品の見直し方を読む
アンケートで特に役に立つのが、「どんな人が」と「どこから来たか」の組み合わせです。
たとえば、SNSを中心に集客している人がいたとします。フォロワーは順調に増えているのに、売上がなかなか伸びません。そこで購入者アンケートを取ってみたところ、実際に買ってくれた人のほとんどは、あまり力を入れていなかったブログや動画から来ていた。しかも、SNSで集まっていたのは、まだ商品を買う段階にない若い学生が中心で、買ってくれていたのは社会人だった、ということが分かったとします。
この場合、次の一手ははっきりしています。
- 対象のお客様を、実際に買ってくれている社会人に絞り直す
- 力を入れる場所を、購入につながっているブログや動画に移す
- 発信の言葉を、社会人の悩みに合わせて書き直す
アンケートを取らなければ、「フォロワーが増えているから順調だ」と思い込んだまま、同じ努力を続けていたかもしれません。回答は、力の入れどころを教えてくれる地図になります。
属性ごとに言葉を変える方法は、属性別マーケティングで成約率を上げる方法で詳しく解説しています。
回答率を上げて、声を活かす5つのコツ
では、どうすれば役に立つ回答が集まるのでしょうか。5つのコツをお伝えします。
| コツ | やること |
|---|---|
| 1. 道具を使う | 無料で使えるアンケートフォームの作成サービスを使えば、手軽に作れて集計も楽になる |
| 2. 質問は少なく | 質問が多いと回答率が下がる。多くても10問程度に収める |
| 3. お礼を用意する | 回答してくれた人へのお礼を用意し、回答完了の画面や返信メールで受け取れるようにする |
| 4. 時期を選ぶ | 購入直後と、商品を試す時間がたった頃など、何回かに分けてお願いする |
| 5. 使い方を先に伝える | 声を紹介する可能性があることを、回答の前に伝えておく |
声を紹介するときは、必ず本人の許可を取る
5つ目は特に大切です。いただいた感想を、次の販売ページで「お客様の声」として紹介できると、これから買う人の後押しになります。
ただし、回答の前に「個人が特定されない形で紹介する場合があります」と伝えておくのはもちろん、実際に掲載する前には、本人に掲載してよいかを確かめてください。名前や顔写真を出すかどうかも、本人の希望に合わせます。お客様の信頼を守ることは、声を集めることよりも先にあります。
また、質問を作るときは、「はい・いいえ」で答えられる質問と、自由に書いてもらう質問を混ぜると、集計しやすさと中身の深さを両立できます。自由に書いてもらう欄には、「購入を迷ったときに、一番気になっていたことは何ですか」のように、答えやすい問いを置くのがおすすめです。
アンケートを「取っただけ」で終わらせない
アンケートで一番もったいないのは、取っただけで満足してしまうことです。回答は、読んで、直して初めて意味を持ちます。
回答を受け取ったら、次の順番で見ていきます。
- 満足していない人の理由を読み、商品や案内で直せる点を1つ選ぶ
- 買ってくれた人の属性と経路を並べ、力を入れる場所がずれていないか確かめる
- 満足している人の言葉を、許可を得たうえで販売ページや案内文に活かす
満足してくれたお客様をさらに大切にし、長いお付き合いにつなげる考え方は、購入者を熱狂的なファンに変える方法でお伝えしています。セミナーのあとに取るアンケートの作り方は、セミナー後アンケートの10項目が参考になります。
まとめ
- 数字は「どこで」を教えてくれるが、「なぜ」を教えてくれるのはお客様の声
- 購入者アンケートの目的は、満足度を確かめることと、誰が買っているのかを知ること
- 「どんな人が」と「どこから来たか」を組み合わせると、力を入れる場所が見えてくる
- 質問は少なく、お礼を用意し、時期を分けてお願いする。声を紹介するときは必ず本人の許可を取る
- 取っただけで終わらせず、直す点を1つ選んで行動に移す
まずは、今の商品を買ってくれた方に向けて、「商品を知ったきっかけ」と「購入前に一番迷ったこと」の2問だけのアンケートを作ってみてください。それだけでも、次に直すべき場所が見えてきます。



