会社で働きながら、副業として自分のビジネスを始めた。最初はやる気に満ちていたのに、気づけば何か月も同じところで止まっている。そんな方は少なくありません。
こういうとき、多くの方は「本業が忙しくて時間が取れないから」と考えます。もちろん、時間が限られているのは事実です。副業から始めるのは、とても現実的な選び方ですし、私もそれで良いと考えています。
ただ、成果が出るかどうかを分けるのは、時間の多さだけではありません。結論から言うと、副業でも「本業をもう一つ持っている」という意識で取り組むことが、成果への近道になります。
この記事では、なぜ「副業だから」という意識が進みを遅くするのか、そして限られた時間の中で本業意識を形にする方法をお伝えします。
副業から始めるのは、正しい順番
最初に確かめておきたいのは、副業から始めること自体は、まったく悪くないということです。
好きなことや得意なことをビジネスにして、しっかり収益が出るようになるまでは、今の仕事を続けながら取り組むほうが安心です。生活の土台があるので、焦って無理な売り方をせずに済みますし、じっくり仕組みを作ることもできます。
これは、副業で成果が出たら会社を辞めなさい、という話でもありません。今の仕事は、これまでどおり続けてかまいません。ここでお伝えしたいのは、働き方の形ではなく、ビジネスへの向き合い方の話です。
「副業だから」という前提が、進みを遅くする
では、なぜ副業だと進みにくくなるのでしょうか。
それは、「副業だから」という前提が、先延ばしの理由になりやすいからです。たとえば、次のような言葉が頭に浮かぶことはないでしょうか。
- 「副業だから、できなくても仕方ない」
- 「副業だから、分からなくても仕方ない」
- 「副業だから、予定どおり進まなくても仕方ない」
- 「副業なのに、そこまで求められても困る」
一つひとつは、もっともな言い分に聞こえます。でも、これが積み重なると、作業が少しずつ後回しになり、お客様への対応も遅れがちになります。その結果、ビジネスの進み方がゆっくりになり、商品やサービスの質も上がりにくくなります。
これは、あなたの性格や才能の問題ではありません。「副業」という前提そのものが、手を緩めてもいい理由を作ってしまう構造なのです。
一方で、同じ市場には、そのビジネスを本業として取り組んでいる人もいます。専業の人と比べて副業では勝てない、という意味ではありません。お客様から見れば、副業か本業かは関係がないということです。お客様は、自分の悩みを解決してくれる人を選びます。
「本業を2つ持つ」という考え方
そこでおすすめしたいのが、副業ではなく「本業を2つ持っている」と考えることです。
ビジネスを始めて収入が出るようになれば、個人事業主として、届け出や申告といった手続きも関わってきます。つまり、会社員であっても、そのビジネスについてはあなたが事業主です。
会社の仕事が1つ目の本業、自分のビジネスが2つ目の本業。こう考えると、取り組み方が自然と変わります。
- お客様への約束を守ることを、当たり前と考えるようになる
- 「いつかやる」ではなく、「いつまでにやる」と決めるようになる
- 分からないことを、調べたり人に聞いたりして解決しようとする
意識を変えるといっても、気合いを入れるという話ではありません。自分のビジネスを「事業」として扱う、というだけのことです。ビジネスに取り組むときの考え方の土台は、マインドの重要性でも解説しています。
限られた時間で本業意識を形にする4つの方法
意識を変えても、使える時間が増えるわけではありません。そこで、限られた時間の中で本業意識を形にする方法を4つ紹介します。
1. 取り組む時間を、予定として先に確保する
「空いた時間にやろう」と考えていると、空いた時間はなかなかやってきません。週に何時間、どの曜日のどの時間に取り組むかを決めて、会社の予定と同じように手帳やカレンダーに書き込みます。
2. 目標と、そのための手段を決める
「いつか月に〇万円稼げたらいいな」では、何から手をつければいいか分かりません。いつまでに、何を、どのくらい達成するのかを決め、そのために必要な作業を書き出します。目標と手段の決め方は、ビジネスは目標と手段を明確にして取り組むで解説しています。
3. 締め切りを、外に向けて先に決める
自分の中だけの締め切りは、つい延ばしてしまいます。たとえば、お客様向けの講座や企画の日程を先に決めて告知すると、その日に向けて準備を進めざるをえなくなります。先に日程を決めて準備を進める考え方は、先に日程を決めるチャレンジ企画の実践スケジュールでもお伝えしています。
4. 毎回ゼロから作らない仕組みを作る
副業で使える時間は限られています。だからこそ、同じ説明を何度もしたり、毎回ゼロから資料を作ったりしないように、一度作ったものを使い回せる形にしておきます。時間が少ない人ほど、仕組み化の効果は大きくなります。
副業で取り組むときによくある失敗
副業で取り組むときにつまずきやすいところを整理しておきます。
| よくある失敗 | どう直すか |
|---|---|
| 空いた時間にやろうとする | 取り組む時間を、予定として先に確保する |
| 目標が「いつか稼げたら」になっている | いつまでに、何を、どのくらいかを決める |
| 締め切りを自分の中だけで決めている | 企画の日程などを、外に向けて先に決める |
| お客様への返事が遅れる | 返事をする時間帯を決めて、予定に入れる |
| 全部を一度にやろうとする | 今週やることを1つか2つに絞る |
特に見落としやすいのが、お客様への返事です。副業だと、会社の仕事が終わるまで返事ができないこともあります。それ自体は仕方のないことです。大切なのは、「いつまでに返事をするか」をあらかじめ伝えておき、その約束を守ることです。
迷ったときに自分に問いかけること
ビジネスを進めていると、「今日は疲れたから、やめておこう」「これくらいでいいか」と感じる日もあります。それは誰にでもあることです。
そんなときは、自分にこう問いかけてみてください。「もし、このビジネスだけが自分の本業だったら、これでいいだろうか」と。
答えが「いいえ」なら、少しだけ手を動かしてみる。答えが「はい」なら、今日は休んでも大丈夫です。無理に頑張る量を増やすのではなく、判断の基準を持っておくことが、長く続けるための支えになります。
休むことも、本業意識の一部
本業意識というと、休まずに働き続けることだと思われがちです。でも、そうではありません。会社の仕事でも、体調を崩せば良い仕事はできませんよね。自分のビジネスも同じです。
会社の仕事と自分のビジネスを両立させるには、睡眠や家族との時間も、予定の中に最初から組み込んでおくことが大切です。休む時間を決めておくと、取り組む時間に集中しやすくなります。
「本業を2つ持つ」とは、2倍働くことではありません。2つの仕事それぞれに責任を持ち、限られた時間を計画的に使うことです。この違いを押さえておくと、副業でも無理なく続けられます。
まとめ
- 副業から始めるのは現実的な選び方で、今の仕事は続けてかまわない
- 「副業だから」という前提は、先延ばしの理由になりやすい
- 会社の仕事とは別に「本業をもう一つ持っている」と考えると、取り組み方が変わる
- 時間を予定として確保し、目標と締め切りを決め、毎回ゼロから作らない仕組みを作る
- 迷ったら「これが本業だったら、これでいいか」と自分に問いかける
まずは、来週のカレンダーを開いて、自分のビジネスに取り組む時間を1つだけ予定として書き込んでみてください。


