講座を作ろうと決めて、カメラの前で1本目を撮る。ここまではできる方が多いです。ところが2本目、3本目になると、撮り直し・言い間違い・編集の手間が重なって、手が止まってしまいます。
結論から言うと、講座動画は「撮るもの」ではなく、台本・音声・スライド・動画を順番に「作るもの」にすると続けられます。私は自分の無料講座「AIチャレンジ企画マスター講座」の動画を、この流れで47本作りました。顔も自分の声も出していません。
ただ、最初からうまくいったわけではありません。セリフとスライドが合っていないと指摘されたり、AIの音声が言葉を読み間違えたり、途中でBGMが消えたりもしました。
この記事では、47本を作った流れと、全本でそろえた決まり、つまずいたところを、そのまま書きます。非エンジニアの私がClaude Codeに頼んで作らせ、検品で確かめる、という進め方の記録です。
47本の内訳と、自分で撮らなかった理由
作ったのは、本編41本、講座全体のまとめ1本、購入者特典5本の合わせて47本です。1本の長さは5分台から11分台です。2026年9月22日に47本すべてがそろいました。
自分で撮らなかった理由はシンプルです。撮影という作業は、毎回私の時間を使います。言い間違えたら撮り直し、表情が硬ければ撮り直し。これでは、仕組みで売る方法を伝える講座なのに、作る私自身が時間の切り売りを続けることになります。
そこで、作業を次の5つの工程に分けました。
| 工程 | やること | 誰がやるか |
|---|---|---|
| 1 台本 | 講義で話す文章を回ごとに切り分ける | 講座1本分の台本を、AIが回ごとに分ける |
| 2 音声 | 台本をAIの声で読み上げる | AI(声は1種類に固定) |
| 3 スライド | 読み上げに合わせた講義スライドを作る | Claude Codeが組んで撮る |
| 4 動画 | 音声・スライド・BGMを1本にまとめる | Claude Codeの道具 |
| 5 会員サイト | 完成した動画を講座の会員サイトに置く | AIに置かせ、私が画面で確かめる |
ポイントは、どの工程も「同じ手順をもう一度やれば同じものができる」形にしたことです。1本目で決めた設定を、47本目まで変えない。これが再現性の正体でした。
声は自分のクローンをやめ、1種類に固定した
最初は、自分の声をAIに覚えさせた「声のクローン」で作ろうとしました。実際にその声で作った古い版の動画も、今も手元に残っています。
ところが、聞き直すと発音や言い間違いが気になりました。結局、クローンの声は使わず、AIが用意している声の中から1つを選んで、全本その声で通すことにしました。
声を決めたら、次の3つも全本で同じにしました。
- 速さ:等倍で読ませてから、完成後に全体を2割速くする
- BGM:同じ1曲を、声の邪魔にならないかなり小さい音量で敷く
- 音の大きさ:完成した動画の音量を、全本同じ基準にそろえる
速さを読み上げの段階で上げなかったのには理由があります。読み上げの速さを変えると、全部の文を作り直すことになり、せっかく確かめた読みがまた揺れて崩れる危険があるからです。だから、等倍で作った音声を最後に伸び縮みさせる形にしました。
この設定は、あとで作った講座の紹介動画にもそのまま使いました。これから講座の販売サイトに出す講座も、同じ声・同じ設定にそろえると決めています。
顔を出さなくても、講座は成り立つ
47本の画面に出てくるのは、スライドだけです。私の顔も、撮影した映像も入っていません。それでも講義として成り立つのは、画面に出る文字と、耳に入る声が合っているからです。
顔を出さないと決めると、準備がぐっと軽くなります。服装や部屋の背景、照明を気にしなくていい。撮り直しもありません。直したいところが見つかったら、台本の1文を直して、その部分の音声とスライドを作り直せば済みます。
画面に何を出して、何を読み上げないかも決めておきました。たとえば紹介動画で私の実績を見せた2枚には、「個人の実績であり、成果を保証するものではありません」という注意書きを入れています。これは画面にだけ出して、読み上げはしないと決めました。見せるものと読むものを、1枚ごとに分けて考えるということです。決まりを1回作れば、次の講座でも迷わずに済みます。
スライドは「いま読んでいる文」が見えるように割り直した
スライドは、デザインを毎回作るのではなく、決まった型に文字を流し込んで画像にする方法にしました。AIに絵として描かせると36〜50枚で20〜40分かかっていたのが、この方法だと12〜17秒で焼き上がります。1枚だけ直すのも一瞬です。
直すのが速いと、妥協が減ります。「まあいいか」で残していた小さな違和感を、その場で直せるようになりました。
「セリフとスライドが違い過ぎる」と言われた
ところが、できあがった動画を見て、私はAIにこう伝えることになりました。「セリフと表示されているスライドが違い過ぎて、話している内容が頭に入ってこない」。
原因は枚数ではなく、1枚あたりの秒数でした。10分の講義を18枚で作ると、1枚に約33秒あります。音声だけがどんどん先に進み、画面の文字は前の話のまま、という状態になっていたのです。
そこで、1枚あたり10〜15秒まで割り直しました。10分の講義なら40〜45枚です。台本のひとまとまりを1枚にし、どの文がどのスライドに対応するかの表も一緒に作りました。
画面の「読む順番」もそろえた
割り直すときに、画面の配置にも決まりを作りました。
- 上から下へ読む。下を読んでから上に戻る配置にしない
- 横に並べるときは左から右。右を読んでから左に戻らない
- 1つの話を2列に分けて縦に割らない
- 下の結論の帯には、そのスライドで最後に読む一文だけを入れる
最後の決まりは見落としやすいです。結論の帯に途中の文を入れると、音声が読む前に結論が見えてしまいます。見ている人の目と耳が、別々の場所にいることになるのです。
AIの音声は読み間違える。台本の書き方で防いだ
AIの読み上げは便利ですが、そのままでは読み間違えます。実際に起きたものを挙げます。
| 台本の書き方 | 起きたこと | 直した書き方 |
|---|---|---|
| Day1・Day2・Day3 | 「第1」「デイさん」と読む回があった | 台本だけ「デイワン」などカナで書く |
| 申込導線 | 「親戚導線」のように崩れた | 「申し込み導線」と開く |
| 会員サイト | 「会員」が「簡易」に聞こえた | 読み上げは「メンバーサイト」に言い換え |
| 骨子・初稿 | 別の言葉に聞こえた | 「骨組み」「最初の原稿」に言い換え |
ここで大事なのは、画面の文字は普通の書き方のまま残すことです。画面に「デイワン」と出すと、見ている人には読みにくい文字にしか見えません。読ませる文字と見せる文字は、別に持つようにしました。
もう1つ、疑問文には必ず「?」を付けます。AIの声は「?」がないと、問いかけでも下がり調子で読むことがあるからです。
読み間違いの多くは「語のせい」ではなかった
意外だったのは、読み間違いの多くが、同じ文を作り直すだけで直ったことです。最初の3本で見つかった読み間違いは、4件中3件が作るたびの揺れでした。
だから、すぐに言葉を言い換えるのではなく、まずその1文だけを作り直す。それでも崩れる言葉だけを言い換える。この順番にしてから、台本をいじる回数が減りました。読み間違いの検品のしかたは、部品ごとに確かめる人ほど、完成した動画で事故が起きますに詳しく書いています。
47本の途中で踏んだ落とし穴
ほかにも、作っている途中でいくつも落とし穴を踏みました。全部書いておきます。
- 途中でBGMが消えた:BGMを流す範囲を、スライドの枚数に合わせて直していなかった
- 音声づくりが途中で止まった:台本に残っていた空の行や区切りの線を、AIが読めずに止まった
- スライドの順番が台本と逆だった:焼いたスライドを名前の順に並べたら、台本の流れと食い違う回があった。一覧の画像と台本を突き合わせてから並べるようにした
- 同じ絵を2回出すと、検品の道具が「1枚足りない」と誤報した:映像は正しかった
とくにBGMとスライドの順番は、動画が普通に完成してしまう種類の失敗です。エラーで止まってくれないので、完成品を見るまで気づけません。
逆に、助かった仕組みもあります。読み上げた音声は、同じ文なら同じものとして使い回せるようにしてありました。台本の割り当てを変えても、文が同じなら作り直さずに済みます。最初の十数本では、半分から7割の音声を使い回せました。
完成した動画は、講座の会員サイト2か所に47本とも置いて公開しています。ここもAIに置かせましたが、置いたあとに画面で開いて確かめるのは私の仕事です。動画以外の中身については、会員サイトの作り方の記事でまとめています。
読者が明日からできること
ここまでの話を、講座動画を作るときの手順にまとめます。いきなり全部でなくて構いません。
- 1本目の前に「声・速さ・BGMの音量・音の大きさ」を決めて、メモに書いておく
- 台本は先に全部書き、回ごとに切り分ける
- スライドは1枚10〜15秒を目安に、台本のひとまとまりごとに作る
- 画面は上から下、左から右で読める配置にする
- 読み上げ用の台本と、画面に出す文字を分けて持つ
- 読み間違いは、まずその1文を作り直す。直らない言葉だけ言い換える
- 完成した動画を、最初から最後まで一度通して見る
AIに頼むときは、「講座動画を作って」と頼むより、「この台本を回ごとに切り分けて、1枚10〜15秒になるようにスライドの割り当て表を作って」のように、工程を1つずつ頼むほうがうまくいきます。
動画の音や見せ方そのものの考え方は、音・映り・話し方を直す順番と、章の組み立てと1本の長さを決める3つの型も参考になります。Claude CodeとCodexで商品づくり全体を仕組みにした記録は、非エンジニアの私がClaude CodeとCodexで商品づくりを仕組みにした記録にまとめています。
まとめ
- 講座動画は「撮る」より、台本→音声→スライド→動画→会員サイトの工程に分けて「作る」と続けられる
- 声・速さ・BGMの音量・音の大きさは、1本目で決めて全本で変えない
- スライドは1枚10〜15秒に割り、いま読んでいる文が画面に見えるようにする
- 読み上げ用と画面用の文字を分け、読み間違いはまず作り直してから言い換える
- 途中の失敗は必ず出る。完成した動画を通して見て確かめる
次の一歩として、まずは1本目の講座動画の「決まり」を5行のメモに書くところから始めてみてください。


