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「AIに任せれば楽になる」と思う人ほど、作業が増えます|非エンジニアの私がClaude CodeとCodexで商品づくりを仕組みにした記録

claude-code-codex-record 実録
この記事は約11分で読めます。

「AIに任せれば、商品づくりはもっと楽になるはず」。そう思ってAIを使い始めた方は多いと思います。私もそうでした。

結論から言うと、AIに任せても作業は消えませんでした。むしろ最初は増えました。ただ、増えた作業の中身が変わったのです。手を動かして作る仕事が、「AIへの指示書を書く」「できたものを検品する」「うまくいったやり方を型にする」という3つの仕事に置き換わりました。

私はプログラムを書けない、ビジネスコンサルタントです。それでもこの数か月で、Claude CodeとCodexを使って、電子書籍、講座動画47本、講義スライド、会員サイト、セールスレター、ウェビナースライド、そしてこのブログの作り直しまで進めてきました。

この記事は、その全体像をまとめた「実録シリーズ」の入口です。うまくいったことだけでなく、うまくいかなかったことも全部書きます。まだ途中の記録として読んでいただければうれしいです。

AIに任せても、作業は消えなかった

最初に、私が一番勘違いしていたことからお話しします。

AIに「電子書籍を作って」「動画を作って」と頼めば、あとは待つだけで完成品が出てくる。そう思っていました。実際には、AIは「できました」と言います。でも、開いてみるとWordのファイルが壊れていたり、動画の声と画面がずれていたりしました。

ここで分かったのは、AIは作業の手を速くしてくれるけれど、「何を作るか」と「できたかどうか」を決める仕事は残るということです。むしろ、AIが速く大量に作るぶん、確かめる量は増えます。

「楽」ではなく「仕事の置き換え」

それでも私がAIを使い続けているのは、置き換わった先の仕事が「一度作れば、次から使い回せる」ものだからです。

手で1冊の本を書くと、2冊目もまた同じだけ手を動かします。一方で、「本をこう作る」という指示書と検品のやり方を一度作れば、2冊目からはそれを渡すだけで始められます。これが、私の言う仕組み化です。

時間の切り売りから抜け出すために必要なのは、作業を速くすることより、作業を「型」に置き換えることだと考えています。

この数か月で作ってきたもの

まず、Claude CodeとCodexで何を作ってきたかを一覧にします。

作ったもの 規模 主に使ったAI
電子書籍(新しく書いた本) 1冊あたり約7万字・Wordで155〜169ページ、図20枚 原稿と組み立てはClaude Code、図はCodex
電子書籍(既存の本の更新) Claude Code・Codexなどの本を最新情報に書き直し Claude Code
講座動画 本編41本+まとめ+購入者向け5本の47本 Claude Code(台本・音声・組み立て)
講義スライド 動画1本につき数十枚 Claude Code(HTMLで作って撮影)
ウェビナースライド 45分の講義で48枚 型の検品はClaude Code、絵はCodex
会員サイト ある講座の会員サイト19講座ぶんの強化など Claude Code
セールスレター 画像入りの1枚のページ 文章と検品はClaude Code、画像はCodex
このブログ 公開記事408本の書き直しと、新しい記事の追加 Claude Code

電子書籍

10月は、新しい本を何冊も書きました。オンライン講座の作り方の本は約7.2万字でWordにして160ページ、非エンジニア向けのClaude Codeの本は約7.5万字で169ページ、NotebookLMで講座を作る本は155ページです。どの本にも図を20枚入れ、全部を目で見て合格を出しました。

既存の本の更新もしています。Claude Code・Codex・Antigravityの3冊は、9月の時点の情報に全面的に書き直しました。AIの道具は毎週のように変わるので、本は出したら終わりではありません。

講座動画47本

自分の講座の動画は、台本からAIの音声を作り、スライドと合わせて焼き上げる流れで47本作りました。私はカメラの前に立っていません。

1本の長さは、短いもので5分台、長いもので11分台です。声の種類、話す速さ、BGMの音量は全部の回でそろえています。回ごとに設定を変えると、受講する方が続けて見たときに違和感が出るからです。

スライド・会員サイト・セールスレター

講義スライドは、画像生成AIで描かせるのではなく、HTMLという「Webページの部品」で組んで撮影する方法に落ち着きました。36〜50枚を画像生成で作ると20〜40分かかっていたのが、この方法だと十数秒で撮れます。1枚だけ直すときも数秒で撮り直せるので、「直すのが面倒だからこのままでいいか」という妥協が減りました。

ウェビナースライドは逆に、絵の力が要るのでCodexの画像生成を使っています。ただし、いきなり絵を作らせません。先に、話の流れに必要な要素がそろっているか、順番が正しいかを機械で検品してから、絵を作ります。45分の講義で48枚、1枚あたり約80秒で、3枚ずつ同時に作りました。

会員サイトは、動画を並べるだけでなく、手順・AIへの依頼文・「できたか」のチェック・30日間の実践記録を最初から入れる基準を作りました。下書きを整えただけの講義は1本600〜1,300字と薄く、読んで理解はできても、行動にはつながりにくかったからです。基準を作ってからは、ワークのある講義を1,800〜3,000字で組んでいます。

セールスレターは、価格や締切を1か所に書けば、ページ中の全部の場所にそろう作りにしています。実際に締切が2回動いたことがあり、そのたびに何か所も手で直すのは事故のもとでした。

このブログ

このブログも、Claude Codeで作り直しました。公開していた記事は書き直して差し替え、デザインやメニューも組み直しています。記事を書き直すときも、口調・使ってよい数字・書かないことをまとめた指示書と、検品の道具を先に作りました。今読んでいるこの記事も、その検品を通しています。

作業は「指示書・検品・型」に置き換わった

ここからが、この記事で一番お伝えしたいことです。AIを使ってから、私の仕事は次の3つになりました。

  1. 指示書を書く:何を、誰に向けて、どの言葉で作るかを先に決めて、AIに渡す
  2. 検品する:AIの「できました」ではなく、できあがった物そのもので確かめる
  3. 型にする:うまくいった手順を「スキル」として保存し、次から呼び出せるようにする

3つとも、プログラムの知識は要りません。要るのは、自分の仕事を言葉にする力です。何が合格で何が不合格かを言葉にできれば、AIはその通りに作り、その通りに確かめてくれます。

1. 指示書を書く

電子書籍を何章かに分けて並行で書かせると、章ごとに言葉がずれます。「担当ごとに決めたことは共有のファイルに書いて」と任せるやり方では、食い違いが出ました。

そこで、全章で使う言葉・枠組み・見本の人物(本の中の架空の例)を、書き始める前に1枚の指示書にまとめました。これを先に作った本では、章をまたぐずれがほとんど出なくなりました。

2. 検品する

検品で学んだのは、「部品ごとに合格でも、完成品で壊れることがある」ということです。

動画の講義を作ったとき、1本ずつの部品は全部問題なしでした。ところが、部品をつなげた完成品では、つなぎ目ごとに音の穴が空き、声が画面より先に進んでいました。8話つなげると約5.6秒ずれていました。部品をいくら見ていても、これは見つかりません。

検品の道具そのものを信じすぎた失敗もあります。講義スライドを95枚作ったとき、検品の道具は「問題なし」を返しました。ところが一覧で見ると、文字が下の帯に重なっていました。道具が見ていない場所があったのです。それ以来、帯への食い込みも検品の項目に足し、さらに道具が合格を出しても一覧の画像を目で見ることにしています。

3. 型にする

うまくいった手順は、Claude Codeの「スキル」という形で保存しています。スキルは、手順・決まりごと・検品の道具をひとまとめにしたものです。「電子書籍を作って」と言えば、電子書籍のスキルが読み込まれ、毎回同じ手順で進みます。

CLAUDE.mdという、AIが毎回最初に読む決まりごとのファイルも使っています。口調、出力先、「この言葉が来たらこのスキルを使う」という振り分けまで、ここに書いています。

今は、電子書籍、講義スライド、ウェビナースライド、セールスレター、会員サイトなど、作るものごとにスキルがあります。新しいものを作るたびに、最初の1回は手探りで、うまくいった手順を2回目からスキルにする。この順番をくり返してきました。

うまくいかなかったことも全部書きます

ここまで読むと、順調に進んだように見えるかもしれません。実際は、失敗の連続でした。主なものを並べます。

  • 画像が15分で0枚:Codexにブラウザを操作させて画像を作らせようとしたら、ログインが引き継がれず、設定を6種類作り直しても1枚もできませんでした。正解は、Codexに組み込まれた画像生成を使うことでした
  • Wordが開けなくなった:組み立ての部品の作り方が一部だけ違っていて、ファイルが壊れました
  • 画像の日本語が全部化けた:Codexに日本語の指示書ファイルを読ませると、Windowsでは文字化けすることがありました。指示の文章に、画像の文字を直接書き込む形に直しました
  • 画像づくりが止まった:Codexの利用上限に達していたのに、エラーが記録の残らない場所に出ていて、しばらく原因が分かりませんでした
  • AIの音声が読み間違えた:「Day1」を「第1」と読む回がありました。読み方を固定する言い換えの一覧を作りました
  • 途中でBGMが消えた:音を重ねる設定の枚数が、スライドの枚数と合っていませんでした
  • スライドと声がずれた:1枚に30秒以上話すと、見えている文字と聞こえる話が離れていきました。1枚10〜15秒に割り直しました
  • 見本の文字が絵に写り込んだ:ウェビナースライドの見本画像にあった文字が、48枚中12枚の絵に入り込みました
  • ブログの下書きが使えなかった:1,400本を超える下書きの多くが、学ぶために買った講座の書き起こしで、そのままでは公開できませんでした

どの失敗にも共通しているのは、「AIが悪い」のではなく、「私が確かめ方を持っていなかった」ということです。失敗するたびに、検品の項目が1つ増え、指示書が1行増えました。今の型は、この失敗の積み重ねでできています。

本人が手直しした版を、作り直しで消しかけた

もう一つ、電子書籍ならではの失敗があります。私がWordで手直しした本を、AIが原稿から作り直すと、その手直しが全部消えてしまいます。

今は、手直しした版を「正本」と決めて上書きを禁止し、更新はその複製に直接書き込むようにしています。同じ修正を原稿の側にも入れて、両方の文面をそろえておきます。

非エンジニアが明日からできること

私の記録から、読者のあなたが明日から真似できることを3つに絞ります。プログラムの知識は要りません。

1. 作る前に「指示書」を1枚書く

AIに作業を頼む前に、次の5つを1枚に書いてください。

  1. 何を作るか(本・スライド・ページなど)
  2. 誰に向けて作るか
  3. 全体で必ず使う言葉と、使わない言葉
  4. 書いてよい事実と、その出どころ
  5. 完成の条件(何ができたら合格か)

これだけで、AIが勝手に話を作ったり、章ごとに言葉がずれたりすることがかなり減ります。

特に4番目の「書いてよい事実」は、指示書の中で一番効く行です。私が商品設計の本を書かせたときも、私自身の経験は指示書に書いた4つだけに限りました。それでも一度、私が書いていない「克服のきっかけ」をAIが書き足してきたことがあります。指示書があったから、作り話だとすぐに気づいて直せました。

たとえば電子書籍なら、「読者は講座を作りたい会社員」「章をまたいで使う言葉はこの5つ」「料金の数字は公式ページで確かめた分だけ」「全部で約7万字、図は20枚」といった書き方で十分です。きれいな文章である必要はありません。

2. 「できました」ではなく、物を開いて確かめる

AIが完了を報告したら、そのまま受け取らずに、完成した物を開いてください。Wordなら最後のページまで、動画なら最初から最後まで通して見ます。部品ではなく完成品で確かめるのが、一番の事故防止です。

3. うまくいったら、手順を残す

うまくいった依頼のしかたは、その日のうちにメモに残してください。次に同じ作業をするとき、そのメモをAIに渡すだけで始められます。これが「型」の第一歩です。

失敗したときも同じです。「何が起きて、原因は何で、どう直したか」を3行で残しておくと、次に同じ失敗をしかけたときにAIがそのメモを読んで避けてくれます。私の型は、成功の手順より、こうした失敗のメモでできている部分のほうが大きいかもしれません。

AIへの依頼文の基本はAIが「使えない」のは性能のせいではありませんで、仕組み化の全体像は仕組み化・自動化の完全ガイドでまとめています。

実録シリーズの読み方

この記事のあとは、作ったものごとに詳しい記録を書いています。気になるところから読んでください。

道具の使い分けと電子書籍

講座動画と会員サイト・セールスレター

型と検品、このブログ

まとめ

  • AIに任せても作業は消えない。手を動かす仕事が「指示書・検品・型」の3つに置き換わる
  • 指示書を先に作ると、AIの作り話や言葉のずれが減る
  • 検品は部品ではなく完成品で。AIの「できました」をそのまま信じない
  • うまくいった手順はスキルとして残し、次から呼び出す。これが仕組み化の正体
  • 失敗はすべて、検品の項目と指示書の1行になる

まずは、次にAIへ頼む作業を1つ選んで、5項目の指示書を1枚書いてみてください。道具の使い分けから知りたい方は、次のClaude CodeとCodexの役割分担へ進んでください。