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講座の企画が頭の中にしかないと、競合と同じ商品ができあがります|形式・相手・悩み・解決法・価格の5つの欄で作る「企画書1枚」と競合講座の読み解き方

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講座のテーマは決まった。話したいことも山ほどある。あとは動画を撮って資料を作れば形になるはず。そう思って作り始めたのに、できあがってみると、すでに売られている講座とどこが違うのか、自分でもうまく説明できない。

講座を作ろうとしている方から、こうした相談をよく受けます。手を抜いたわけではないのに、「ほかと同じ」に見えてしまう。せっかくかけた時間がもったいないですよね。

結論から言うと、原因は中身の質ではなく、企画が頭の中にしかないことです。頭の中の企画は、作りながら少しずつ形を変えます。気づくと、以前どこかで見た講座の形に寄っていきます。だから作り始める前に、企画を紙1枚に書き出し、同じ用紙で競合の講座も読み解いて、差がどこにあるかを確かめておくことが先になります。

この記事では、講座の企画で押さえる前提、企画の前に考える3つの視点、5つの欄で作る企画書1枚、そして同じ用紙で競合講座を読み解く方法を順に解説します。

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講座は「情報」ではなく「結果」で選ばれる

企画書の話に入る前に、前提を2つそろえておきます。

1つ目は、受講者がお金を払っているのは情報そのものではない、ということです。同じような知識は、探せば本や無料の記事でも見つかります。それでも人が講座を買うのは、「自分がこう変われる」という結果を求めているからです。

たとえば、人前で話すと声が震えてしまう人がいたとします。この人が欲しいのは「話し方の知識」ではありません。会議で自分の意見を最後まで言える、発表の前の晩に眠れなくなることが終わる、といった変化です。講座の企画は、この変化から逆算して考えます。

2つ目は、中身の量が多いほど価値が高い、とは限らないということです。作る側はつい「たくさん入れればお得に感じてもらえる」と考えます。けれど受講者にとって大事なのは量ではなく、求めている変化にたどり着けるかどうかです。量が多すぎると、むしろ途中で止まる人が増えます。

作る側が思いがちなこと 受講者が求めていること
知っていることを全部入れたい 自分の悩みが解決すればいい
動画の本数が多いほど満足される 最後までやりきれる量がいい
詳しいほど信頼される 次に何をすればいいかが分かる

この2つの前提があると、企画の中心に置くべきものが「何を教えるか」ではなく「誰をどう変えるか」だと分かります。

企画の前に考える3つの視点

企画書を書く前に、講座という商品を3つの視点から眺めておきます。

視点1:どんな形で届けるか

講座の中身は、いくつかの形で届けられます。

  • 文字(テキストや図の入った資料)
  • 音声(聞き流せる録音)
  • 対面・ライブ(直接やりとりする場)
  • 動画(見て学べる映像)

それぞれに得意なことがあります。文字は作りやすく持ち運びやすい一方、読む側に集中力が要ります。対面は一人ひとりに合わせられる反面、教える側の時間に上限があります。動画は表情や手の動きまで伝わり、何人に届けても作り手の手間は増えません。どれが正解というより、受講者の状況と、自分がどこまで時間を使えるかで選びます。

視点2:どれくらいの価値を感じてもらえるか

2つ目は、受講者が「これにはこれだけの価値がある」と感じられるかどうかです。ここで見るのは、作り手が込めた手間ではなく、受け取る側が感じる価値です。

価値の感じ方は、解決する悩みの重さや、その変化が生活にどれだけ影響するかで大きく変わります。同じ内容でも、困り具合の強い相手に届けば価値は高く感じられ、困っていない相手にはまったく響きません。

視点3:どんな悩みを解決するか

3つ目は、講座が解決する悩みです。受講者が何に困っていて、それが解決したらどう変わるのかを、相手の言葉で書けるところまで掘り下げます。相手が普段どんな言葉で悩みを話しているかは、見込み客が普段使う言葉に言い換える整理の考え方が役に立ちます。

5つの欄で作る「企画書1枚」

3つの視点がそろったら、企画を1枚に書き出します。私がおすすめしたいのは、次の5つの欄を埋めるだけのシンプルな形です。

欄 書くこと 書くときの問い
1. 形式 文字・音声・ライブ・動画のどれで、どのくらいの分量か 受講者が最後までやりきれる形と量か
2. 相手 誰に向けた講座か 顔が浮かぶくらい具体的に言えるか
3. 悩み 相手が今困っていること 相手自身がその悩みを言葉にしているか
4. 解決法 どんな手順・考え方で、相手をどう変えるか 終えたとき、相手は何ができるようになっているか
5. 価格 どのくらいの位置づけの価格にするか 相手が同じ悩みに今払っているものと比べて納得できるか

5つを埋めたら、1つの文につなげてみます。

「[相手]が抱えている[悩み]を、[解決法]で解決する講座を、[形式]で、[価格]の位置づけで届けます」

たとえば、在宅で仕事を始めたばかりで、毎日夜まで作業がずるずる続いてしまう人向けの講座を考えている人がいたとします。文にすると次のようになります。

「在宅で働き始めて、仕事と生活の区切りがつけられずに疲れている人が、夕方には仕事を終えられるように、1日の予定の立て方と区切り方を身につける講座を、短い動画と書き込み式の資料で、同じ悩みに使う本より高く、個別の相談より手の届きやすい位置づけで届けます」

一文にしてみると、あいまいな欄がすぐに分かります。「相手」が「頑張っている人」のように広すぎる、「解決法」が「いろいろ教える」になっている、といった具合です。うまくつながらない欄があれば、そこがまだ考え切れていない場所です。

1案だけでなく、何案も書く

企画書は、1枚書いて終わりではありません。相手を変える、形式を変える、解決法の切り口を変える。同じテーマでも何案か書いてみると、自分が一番熱を持って作れる案、相手の悩みが一番強い案が見えてきます。候補を比べて1つに絞る方法は、10の問いで講座のテーマを1つに絞る方法で詳しく書いています。

同じ用紙で競合講座を読み解く

企画書ができたら、次は同じ5つの欄で、すでに売られている講座を読み解きます。自分の企画と競合の講座を同じ物差しで並べると、差がどこにあるのかが見えるようになります。

直接の競合と、間接の競合

競合には2種類あります。

  • 直接の競合:同じ相手に、同じ悩みを、似た方法で解決する講座
  • 間接の競合:同じ悩みを、別の方法で解決するもの

間接の競合は見落とされがちです。先ほどの在宅で働く人の例なら、同じテーマの講座だけでなく、予定管理の本、手帳、作業時間を区切る道具、同じ立場の人が集まる勉強会なども、相手から見れば「同じ悩みを解決するための選択肢」です。相手は講座と講座を比べているのではなく、悩みを解決する手段どうしを比べています。

読み解くときに見る項目

競合の講座は、販売ページや無料の案内、公開されている説明から、次のことを読み取ります。

  1. どんな形式で、どのくらいの分量か
  2. 誰に向けているか(言葉づかい、例に出てくる人物)
  3. どんな悩みを入り口にしているか
  4. どんな手順で解決すると言っているか
  5. どのくらいの価格の位置づけか
  6. ほかにどんな商品を、どの順番で用意しているか

これを5つの欄の表に書き写して、自分の企画書と横に並べます。

差は「空いている欄」に出てくる

並べてみると、いくつかの気づきがあります。同じ相手を狙っている講座が多いなら、相手をもう一段絞る余地があります。どの講座も知識の説明が中心なら、手を動かして身につける形にするだけで違いが出ます。悩みの入り口がみんな同じなら、まだ誰も言葉にしていない悩みから入る道があります。

競合を読み解くと「もう似た講座がたくさんある」と気持ちが沈むこともあります。でも、学びにお金を使う人は、同じテーマの講座を1つしか買わないとは限りません。同じテーマでも、教える人の切り口や相手が違えば、選ばれる理由は作れます。競合を調べる目的は、あきらめる理由を探すことではなく、自分が立つ場所を決めることです。

迷ったら「真ん中」を選んで早く決める

企画書を何案も書き、競合も読み解くと、今度は「どれにすればいいか決められない」という状態になりやすいです。形式は動画か文字か、分量は多めか少なめか、価格は高めか低めか。

迷ったときは、候補の両端を避けて、真ん中を選ぶと決めてしまうのも一つの方法です。

  • 分量:短すぎる講座は物足りず、長すぎる講座は終わらない。その間を取る
  • 価格:安すぎると作った労力に見合わず、高すぎると最初の講座としては期待に応えるのが難しい。その間を取る
  • 形式:作りやすいけれど伝わりにくい形と、よく伝わるけれど自分の時間を使いすぎる形の間を取る

真ん中を選ぶ利点は、外れたときの痛みが小さく、あとからどちらの方向にも動かしやすいことです。最初の講座で一番もったいないのは、選択を間違えることではなく、決められずに作り始めないことです。まず形にして売ってみれば、受講者の反応という一番確かな材料が手に入ります。

作り始めたら、受講者がつまずく場所から章立てを組み立てていきます。その方法は「今の姿」と「なりたい姿」の間の壁から章立てする手順で解説しています。

よくある3つのつまずき

最後に、企画書づくりでよくあるつまずきをまとめておきます。

  1. 欄を埋めずに作り始める:「だいたい決まっているから」と書き出さないまま撮影を始めると、途中で相手や悩みがぶれて、つぎはぎの講座になります
  2. 競合の講座をまねて欄を埋める:競合を読み解くのは差を見つけるためです。売れている講座の欄をそのまま写すと、それこそ同じ商品ができあがります
  3. 自分の知っていることから解決法を書く:解決法の欄は、相手の悩みから逆算して書きます。自分が話したいことから書くと、量だけが増えていきます

自分にどんな材料があるのか分からず、そもそも欄が埋まらないという方は、先に経験と知識を商品の材料に変える棚卸しから始めてみてください。

まとめ

  • 講座は情報ではなく結果で選ばれる。中身の量が多いほど価値が高いとは限らない
  • 企画の前に、形式・価値の感じ方・悩みの3つの視点で講座を眺めておく
  • 形式・相手・悩み・解決法・価格の5つの欄で企画書を1枚にまとめ、一文につなげてあいまいな欄を見つける
  • 同じ用紙で直接の競合と間接の競合を読み解き、空いている欄から自分の立つ場所を決める
  • 迷ったら真ん中を選んで早く決め、売りながら直していく

まずは今考えている講座の企画を、5つの欄に書き出してみてください。埋まらない欄が、次に考えるべきことを教えてくれます。

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