「自分の商品に興味がある人なんて、ほんの一握りしかいない」
「その少ない見込み客を、同じようなライバルと取り合うしかない」
商品を持っている方から、こうした悩みをよく聞きます。見込み客は「どこかにいる人を探して見つけるもの」だと思っていると、市場の小ささが、そのまま売上の限界のように感じてしまいますよね。
結論から言うと、見込み客は探すだけでなく、育てることもできます。今はまだあなたの商品に関心がない人でも、その人の悩みにつながる考え方や判断の材料を順番に届けていけば、「この商品は自分に必要だ」と気づいてもらえることがあります。これが、ステップメールでいう「教育」です。
ただし、教育で広げる範囲を間違えると、売れないどころか信頼を失います。この記事では、教育で市場を広げるときの設計を4つのステップで整理し、広げすぎを防ぐ3つの線をお伝えします。教育そのものの基本は、ステップメールで教育が必要な理由で解説しているので、あわせて読んでみてください。
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見込み客は「すでに欲しい人」だけではない
多くの人は、見込み客を「すでに自分の商品のようなものを探している人」だと考えます。でも、そうした人は数が少なく、同じ商品を売るライバルも、みんなその人たちを狙っています。
たとえば、ある業界の経営者向けに、上位の価格帯のお店づくりを支えるサービスを売っているとします。「上位の価格帯に移りたい」とすでに考えている経営者は、業界全体のごく一部です。その一部を、同じようなサービスを売る会社と取り合うことになります。
一方で、その業界には「今のままの経営で良いのか不安だけれど、上位の価格帯なんて自分には関係ない」と思っている経営者がたくさんいます。この人たちは、今はまだ見込み客ではありません。
でも、この人たちが知らないことを順番に届けていけば、状況は変わります。たとえば、今の経営のどこに無理があるのか。上位の価格帯に移ると何が変わるのか。移るのは思っているより現実的なのか。こうした判断の材料を受け取った人の中から、「自分もやってみたい」と考える人が出てきます。そうなれば、その人はもう見込み客です。
教育で広げるのは「一歩外側」まで
では、どこまで広げればいいのでしょうか。私は、見込み客を3つの層に分けて考えています。
| 層 | 状態 | 教育の必要 |
|---|---|---|
| 今すぐ層 | すでにあなたの商品のようなものを探している | 少ない。商品の違いを伝えれば判断できる |
| まだ層 | 悩みはあるが、解決の方法をまだ知らない | ここを教育で育てる |
| 関係ない層 | 今の悩みと、あなたの商品がつながらない | 教育しても届かない。無理に広げない |
教育で広げるのは、2つ目の「まだ層」までです。この人たちは、あなたの商品が解決する悩みを、すでに持っています。足りないのは、解決の方法とその理由を知る機会だけです。
3つ目の「関係ない層」まで広げようとすると、話が無理やりになります。悩みを持っていない人に、「あなたには問題がある」と思い込ませることになるからです。これは教育ではなく、ただの売り込みです。
市場を広げる教育の設計4ステップ
教育で「まだ層」を見込み客に育てるには、次の4つのステップで設計します。
- 入口の悩みを決める:まだ層が、今すでに感じている悩みを言葉にする
- 伝える主張を3つに絞る:その悩みから、あなたの商品までの間に必要な考え方を3つ選ぶ
- 主張ごとに根拠をそろえる:事実、実例、図解など、読者が自分で納得できる材料を用意する
- 1週間の流れに並べる:悩みへの共感から始め、主張を1つずつ届け、最後に商品を案内する
1つ目で大切なのは、あなたの商品の言葉ではなく、まだ層の人が普段使っている言葉で悩みを書くことです。見込み客の言葉の拾い方は、見込み客が普段使う言葉に言い換える顧客情報の整理で解説しています。
2つ目の「主張」は、先ほどの例でいえば「今の経営には、ここに無理がある」「上位の価格帯に移ると、こう変わる」「移るのは思っているより現実的だ」の3つです。この3つを受け取った人は、自分で「やってみたい」と考えられるようになります。
3つ目の根拠が、教育が売り込みになるかどうかの分かれ目です。根拠のない主張をくり返しても、人は納得しません。読者が自分の頭で確かめられる材料を届けるから、読者は「自分で決めた」と感じられます。
4つ目の流れは、1週間ほどのステップメールで組むのが基本です。たとえば、次のような並べ方があります。
| 日 | 届けること |
|---|---|
| 1日目 | 登録のお礼と、入口の悩みへの共感。これから何を届けるかの予告 |
| 2日目 | 主張1:今のやり方のどこに無理があるのか |
| 3日目 | 主張2:別の方法を選ぶと、何が変わるのか |
| 4日目 | 主張3:その方法は、思っているより現実的であること |
| 5日目 | 実際に変わった人の例や、よくある疑問への答え |
| 6日目 | 商品の案内。誰のための商品で、何を支えるのか |
| 7日目 | 案内の締めくくりと、迷っている人への言葉 |
これはあくまで一例です。主張が伝わりにくいと感じたら、1つの主張に2日かけてもかまいません。最初の数日は、毎日届けても読まれやすい時期です。配信のペースは、最初の1週間は毎日メールを送るべき理由を参考にしてください。
広げすぎを防ぐ3つの線
教育は、見込み客を広げる強い力を持っています。だからこそ、次の3つの線を越えないようにしてください。
1つ目は、「その人の得になるか」です。教育の結果、読者があなたの商品を買ったとき、本当にその人の悩みが良い方向に進むか。もし「売れるけれど、その人のためにはならない」なら、その教育はやめるべきです。
2つ目は、「事実で示せるか」です。「これをすれば必ずうまくいく」「これをしないと大変なことになる」といった、確かめられない断定で気持ちを動かすのは教育ではありません。特に健康やお金に関わる話では、効果を言い切らないように気をつけてください。
3つ目は、「自分が支えられるか」です。市場を広げると、これまでとは違う状態のお客様が入ってきます。まだ層の人は、今すぐ層の人より前提の知識が少ないことが多いです。その人たちが成果を出すまで支えられる体制があるかを、先に確かめておきましょう。
競争の少ない場所で、ゆっくり信頼を作る
教育で「まだ層」を育てられるようになると、ライバルと同じ少ない見込み客を取り合う必要がなくなります。ほかの人がまだ声をかけていない人たちに、あなたの考え方から知ってもらえるからです。
しかも、教育を受けて見込み客になった人は、最初からあなたの考え方に共感してくれています。価格だけで比べられることが少なく、「この人から学びたい」と思って申し込んでくれます。
ただ、これは一度に大きく広げる話ではありません。まずは今の見込み客の一歩外側、「まだ層」の悩みを1つ選び、その人に向けたメールを1週間分作ってみる。反応を見ながら、主張や根拠を少しずつ直していく。この積み重ねが、競争の少ない場所での信頼につながります。
まとめ
- 見込み客は「すでに欲しい人」だけではない。悩みはあるが解決の方法を知らない人は、教育で育てられる
- 広げるのは、今の見込み客の一歩外側の「まだ層」まで。悩みを持っていない人まで広げない
- 「入口の悩みを決める→主張を3つに絞る→根拠をそろえる→1週間の流れに並べる」の4ステップで設計する
- その人の得になるか、事実で示せるか、自分が支えられるか。この3つの線を越えない
- 一度に大きく広げず、一歩外側の悩みを1つ選んで試し、反応を見て直していく
まずは、あなたの商品を「まだ必要だと気づいていない人」は、今どんなことに困っているかを3つ書き出してみてください。その中の1つが、市場を広げる教育の入口になります。
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